第2章 地方の人口動向と活性化に向けた取組
我が国の人口は2008年をピークに減少が始まっており、地方においては大都市圏に先行して人口減少が進んでいる。こうした中、地方の人口減少に歯止めをかけることは極めて重要な課題となっている。第2章では、地方における足元の人口動向と地方の活性化に向けた取組を概観し、地方の人口減少に歯止めをかけるための方策を検討する。
<ポイント>
◇地方において人口が増加した市町村をみると、農業や観光業も含む産業の拠点等が所在する市町村や、産業の拠点等が所在する人口規模10万人超の都市の近隣の市町村が多くなっている。
◇こうした市町村では、周辺に比べ有効求人倍率や世帯主の正規雇用比率が高くなっている場合が多く、地方においては、まずは良好で安定した雇用環境の実現を目指すことが重要である。また、人口が増加した市町村では、総じて子育て世代の人口割合が高く、出生率が高くなっており、住環境の整備や子育て支援策の充実が重要である。
◇条件不利地域等において活性化の取組を進める団体の中に、人口減少率が縮小し又は人口増加に転じた団体がみられる。こうした団体では、観光振興や一次産品の加工販売など、地域の自然環境等を活かした取組を進め、移住者の増加など人口の社会増減率の改善がみられた場合が多くなっている。