政府調達に係る苦情の受付及び処理の状況
令和6年1月
政府調達苦情処理推進会議幹事会
令和5年10月~12月の政府調達に係る苦情の受付及び処理状況は、下記のとおり。
検委事第22号
- 苦情番号
検委事第22号 - 苦情申立日
令和5年10月2日 - 苦情申立人
富士通Japan株式会社 - 苦情に係る調達機関名及び購入等件名
国立大学法人東京医科歯科大学
病院情報管理システム 一式 - 苦情の概要
入札公告(令和5年7月11日付官報号外政府調達第129号)に基づき上記4の調達機関が行った調達に係る入札手続について、以下のとおり、「政府調達に関する協定を改正する議定書」(2012年3月30日採択。我が国については2014年4月16日発効。)に違反していることから、不採用の取消し及び再度開札手続きを行うことを関係調達機関に求める。
(1) 要求仕様を満たしているにもかかわらず、苦情申立人の入札を不採用、失格処分とした
こと。
(2) 要求仕様項目数及び金額規模からしてもわずかな部分を問題として、苦情申立人の入札
を不採用、失格処分としたこと
- 苦情処理状況の概要
政府調達苦情検討委員会は、「政府調達に関する苦情の処理手続」(平成7年12月14日政府調達苦情処理推進会議決定)に基づき検討を行い、令和5年12月22日に報告書(PDF形式:513KB)を作成し、苦情申立人及び関係調達機関である国立大学法人東京医科歯科大学に交付した。
検委事第23号
- 苦情番号
検委事第23号 - 苦情申立日
令和5年11月16日 - 苦情申立人
匿名 - 苦情に係る調達機関名及び購入等件名
国立大学法人東京大学
HPCI共用ストレージ東拠点システム第3世代 一式 - 苦情の概要
入札公告(令和5年10月4日付官報号外政府調達第187号)に基づき上記4の調達機関が行った調達に係る入札手続について、以下のとおり、2012年3月30日ジュネーブで作成された政府調達に関する協定を改正する議定書によって改正された1994年4月15日マラケシュで作成された政府調達に関する協定(以下「協定」という。)に違反していることから、新たに調達手続きを行うことを関係調達機関に求める。
(1)意見招請の際に中立的な要件規定化と先端的な技術の付加価値採用を求めた苦情申立人の
意見をすべて排除して仕様書が作成されていることが協定第10条第1項及び第2項(a)
に違反していること。
(2)仕様書の加点指標がバランスの取れたものではなく性能加点のみとされているとされてい
ることが協定第10条第2項(a)に違反していること。
(3)仕様書において、本件調達とは事実上無関係の導入実績や資格要件に過度の加点を行って
いることが協定第4条第4項(c)及び第10条第5項に違反していること。
- 苦情処理状況の概要
(1)処理手続5(3)(1)(注)「遅れて申立てが行われた場合」
本件調達の入札公告が行われたのは、令和5年10月4日であるから、同日が苦情申立人に
とって「苦情の原因となった事実を知り又は合理的に知り得たとき」に当たる。記録に基づ
く協議期間を苦情申立期間から除外したとしても、10日経過後である11月16日に本件苦情申
立てがされたことが認められるから、本件苦情申立ては、却下事由を定める処理手続5(3)
(1)(注)「遅れて申立てが行われた場合」に該当する。
(2)処理手続5(3)(5)(注)「委員会による検討が適当ではない場合」
5.(1)及び(2)に関し、内容が具体的に示されていないなどの不備があったため、委
員会として補正を求めたものの、提出された回答は補正要求の趣旨にかなうものとはいえず、
適切に補正されなかったものといわざるを得ない。さらに、5.(3)を理由とする苦情申立
ては、政府調達協定の具体的な条項を挙げてその違反を主張するものとはいえないから、適法
な苦情申立てとはいえない。したがって、政府調達協定の特定の条項違反を理由とする適法な
苦情申立てとはいえず、本件苦情申立ては、却下事由を定める処理手続5(3)(5)(注)の
「委員会による検討が適当でない場合」に該当する。
以上のことから、「政府調達に関する苦情の処理手続」(PDF形式:198KB) (平成7年12月14日政府調達苦情処理推進会議決定。)5.(3)(1)及び(5)(注)に基づき、令和5年11月27日、政府調達苦情検討委員会は本件申立てを却下し、苦情申立人に通知した。
(注)処理手続5.(3)(1)及び(5)の「(1)」「(5)」は、○囲みの数字である。
検委事第24号
- 苦情番号
検委事第24号 - 苦情申立日
令和5年12月30日 - 苦情申立人
ヒューマンポート司法書士法人 - 苦情に係る調達機関名及び購入等件名
福島地方法務局
長期相続登記等未了土地解消作業(登記名義人200名分)の委託 一式 - 苦情の概要
苦情申立人は、関係調達機関との間で締結された長期相続登記等未了土地解消作業委託契約について、履行期限までに成果物が納品できていないところ、関係調達機関が苦情申立人に対して違約金請求を行うことを前提として行った理由書提出の指示等が不当であるとする。
- 苦情処理状況の概要
本件調達は、入札公告を行った時点において見積もられた価額が政府調達協定附属書Ⅰの付表1について定められた基準額を下回るものであることが明らかであることから、政府調達協定の適用対象外である。
したがって、「政府調達に関する苦情の処理手続」(PDF形式:198KB) (平成7年12月14日政府調達苦情処理推進会議決定。)5.(3)(2)(注)に基づき、令和6年1月15日、政府調達苦情検討委員会は本件申立てを却下し、苦情申立人に通知した。
(注)処理手続5.(3)(2)の「(2)」は、○囲みの数字である。
- 苦情番号