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月例経済報告

―景気は、堅調に回復している。―

先行きについては、国内民間需要が着実に増加していることから、景気回復が続くと見込まれる。一方、原油価格の動向が内外経済に与える影響や世界経済の動向等には留意する必要がある。

平成16年9月9日

内閣府


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月例経済報告
平成16年9月






総論
(我が国経済の基調判断)
景気は、堅調に回復している。 先行きについては、国内民間需要が着実に増加していることから、景気回復が続くと見込まれる。一方、原油価格の動向が内外経済に与える影響や世界経済の動向等には留意する必要がある。
(政策の基本的態度)
政府は、「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2004」の早期具体化により、構造改革の取組を加速・拡大する。
政府は、日本銀行と一体となって、金融・資本市場の安定を目指し、引き続き強力かつ総合的な取組を行うとともに、集中調整期間終了後におけるデフレからの脱却を確実なものとするため、政策努力を更に強化する。

各論

1.消費・投資などの需要動向

平成16年4-6月期の実質GDP(国内総生産)の成長率は、民間最終消費支出、財貨・サービスの純輸出(輸出-輸入)がプラスに寄与したことなどから、前期比で0.4%増(年率1.7%増)となった(5四半期連続のプラス)。また、名目GDP成長率は0.3%減となった(5四半期ぶりのマイナス)。

個人消費は、緩やかに増加している。
 個人消費は、緩やかに増加している。この背景としては、所得が底堅く推移していることに加え、消費者マインドが改善していることが挙げられる。需要側統計(家計調査)と供給側統計(鉱工業出荷指数等)を合成した消費総合指数は、7月は前月に比べてやや増加した。
 個別の指標について7月の動きをみると、家計調査では、実質消費支出は前月に比べて減少した。一方、販売側の統計をみると、小売業販売額は、百貨店やスーパーでは減少したものの、猛暑の影響から飲食料品小売業などが増加し、前月から増加した。家電販売金額は、パソコン等が減少したものの、エアコン等の季節家電に加え、オリンピック効果もあってDVDや薄型テレビなどが好調に推移し、前年を上回った。新車販売台数は、7月、8月と前月を上回った。旅行は、国内旅行が前年を下回ったが、海外旅行は前年を上回った。外食は、引き続き前年を上回った。
 先行きについては、雇用情勢が改善していることから、家計の所得が改善していけば、個人消費が着実に増加するものと期待される。

設備投資は、増加している。
 設備投資は、企業収益の回復や資本ストック調整の進展等を受けて、増加している。これを需要側統計である「法人企業統計季報」でみると、製造業は2004年4-6月期では減少したものの増加基調にあり、非製造業は3四半期連続で増加している。また、機械設備投資の供給側統計である資本財出荷も増加基調にある。ソフトウェア投資は、緩やかに増加している。これらの需要側統計、供給側統計を合成した設備投資総合指数は、7月は前月比で減少したが、基調としては増加している。
 日銀短観によれば2004年度設備投資計画は2年連続で増加となり、特に大企業製造業では、6月調査としては1988年以来の高い伸びとなっている。また、設備投資の動きに先行性がみられる設備過剰感も改善の動きが続いている。先行指標をみると、機械受注は増加している。建築工事予定額は、基調として増加している。先行きについては、企業収益の改善が続くものと見込まれること等から、増加傾向で推移するものと見込まれる。

住宅建設は、このところ増加している。
 住宅建設は、このところ増加している。これは、持家の着工が増加していることに加え、貸家、分譲住宅が底堅く推移していることによる。総戸数は、7月は、前月比5.4%増の年率124.2万戸となった。総床面積も、おおむね総戸数と同様の動きをしている。先行きについては、雇用情勢が改善していることに加え、家計の所得環境などが回復していけば、住宅着工は底堅く推移していくことが期待される。

公共投資は、総じて低調に推移している。
 公共投資は、国、地方の予算状況を反映して、総じて低調に推移している。
 平成16年度の公共投資の関連予算をみると、国の公共投資関係費においては、前年度比3.3%減としつつ、雇用・民間需要の拡大に資する分野へ重点化したほか、各事業の目的・成果に踏み込んできめ細かく重点化している。また、地方財政計画においては、投資的経費のうち地方単独事業費について、中期的に計画的な抑制を図る中で前年度比9.5%減としつつ、重点的な配分を行うとしている。
 このような状況を反映して、公共工事受注額、公共工事請負金額及び大手50社受注額は、平成16年4-6月期も、前期に引き続き、前年を下回った。
 7-9月期の公共投資については、7月の公共工事請負金額なども前年を下回っており、国、地方の予算状況を踏まえると、引き続き前年を下回るものと考えられる。

輸出輸入は、ともに緩やかに増加している。貿易・サービス収支の黒字は、やや増加している。
 輸出は、緩やかに増加している。地域別にみると、中国向け輸出は鉄鋼を中心に減少しており、アジア向け輸出は増加基調が緩やかになっている。アメリカ向け輸出は、輸送用機器が増加したものの電気機器が減少し、横ばいとなっている。EU向け輸出は、輸送用機器を中心に基調として増加している。先行きについては、世界の景気は着実に回復していることに伴って、増加していくものと考えられるものの、為替レートの動向には引き続き留意する必要がある。
 輸入は、機械機器、鉱物性燃料を中心として緩やかに増加している。地域別にみると、アジアからの輸入は、緩やかに増加している。アメリカからの輸入は、機械機器の輸入が増加しており、ほぼ横ばいとなっている。EUからの輸入は、機械機器を中心として増加している。
 国際収支をみると、輸出数量は緩やかに増加しており、輸入数量も緩やかに増加している一方、サービス収支の赤字幅は横ばいとなっていることから、貿易・サービス収支の黒字はやや増加している。

2.企業活動と雇用情勢

生産は、緩やかに増加している。
 鉱工業生産は、緩やかに増加している。輸出や設備投資に支えられ、増加基調が続いているが、情報化関連生産財では在庫の増加から生産を調整する動きがみられる。在庫は、全体としては低水準で推移している。
 先行きについては、情報化関連生産財における在庫調整の動向には留意が必要ではあるが、世界の景気が着実に回復していること、在庫が全体としては低水準にとどまっていることから、生産の増加基調が続くものと見込まれる。なお、製造工業生産予測調査においては、8月、9月ともに増加が見込まれている。
 また、第3次産業活動は、緩やかに増加している。

企業収益は、大幅に改善している。また、企業の業況判断は、一段と改善している。倒産件数は、減少している。
 企業収益の動向を「法人企業統計季報」でみると、前年同期比では2002年7-9月期以降、8四半期連続で増益となった。製造業、非製造業ともに、売上高の増加等により30%を上回る高い増益率となり、全産業では2004年4-6月期は同34.3%増と16四半期ぶりの高い増益率となっている。「日銀短観」によると、2004年度についても製造業、非製造業ともに3年連続の増益計画となっており、年度後半にかけても引き続き増益を見込んでいる。
 企業の業況判断について、「日銀短観」をみると、一段と改善している。企業の業況判断は、全規模全産業で1992年以来、はじめてマイナスを脱し、特に大企業製造業の業況判断で大きく改善し、1991年以来の高い水準となっている。
 また、企業倒産は、減少している。倒産件数は1,200件を下回り、これは7月としては1995年以来の低い水準となっている。

雇用情勢は、厳しさが残るものの、改善している。
 完全失業率が高水準ながらも、低下傾向で推移するなど、雇用情勢は、厳しさが残るものの、改善している。
 完全失業率は、7月は前月比0.3%ポイント上昇し4.9%となった。雇用情勢の改善を受けて労働市場への参入や自発的な離職者が増加したことなどにより、失業者が増加した。一方、15~24歳層の完全失業率が高水準となっているなど、厳しい状況もみられる。
 新規求人数は横ばいとなっている。有効求人倍率は緩やかに上昇している。また、雇用者数は増加傾向で推移しているが、このところ伸び悩んでいる。製造業の残業時間は横ばいとなっている。4-6月期に「残業規制」等の雇用調整を実施した事業所割合は低下した。
 賃金の動きをみると、定期給与は基調としては横ばいとなっている。また、ボーナスを含む特別給与は6、7月計で前年比減少となったが、賃金はならしてみると横ばいとなっている。

3.物価と金融情勢

国内企業物価は、原油など素材価格の上昇により、上昇している。消費者物価は、横ばいとなっている。
 国内企業物価は、原油など素材価格の上昇により、上昇している。最近の動きを類別にみると、電気機器などが下落している一方、原油価格の上昇を反映して石油製品、化学製品が上昇しているほか、内外の商品市況の上昇により鉄鋼、スクラップ類が上昇している。輸入物価(円ベース)は、国際商品市況の上昇を反映して、上昇している。なお、企業物価を需要段階別にみると、中間財では素材価格の上昇を価格に転嫁する動きが進み、また、最終財でも価格転嫁の動きがみられる。
 企業向けサービス価格は、前年同月比で下落が続いている。
 消費者物価は、横ばいとなっている。最近の動きを類別にみると、一般商品は、石油製品の上昇により、前年比下落幅が縮小している。一般サービスは、おおむね横ばいで推移している。公共料金は、昨年のたばこ税増税による影響が一巡し、前年比下落幅が拡大している。
 国内企業物価は上昇しているが、消費者物価は前年比では小幅下落しており、物価の動向を総合してみると、物価は緩やかなデフレ状況にある。

株価は11,000円(日経平均株価)を挟んで推移している。長期金利は低下している。
 株価は、原油高や日本の4-6月期GDP速報値が嫌気されて一時軟調となったものの、その後持ち直し11,000円台(日経平均株価)まで回復している。対米ドル円レートは、米国の景気減速懸念等を背景にやや円高に動いた局面もあったが、全体的に小幅な動きで推移し、このところ110円を挟む動きとなっている。
 短期金利は落ち着いている。長期金利は、デフレ脱却期待の後退等を背景に、低下している。企業金融については、企業の資金繰り状況は改善しており、民間債と国債との流通利回りスプレッドは低水準で推移している。
 マネタリーベースの伸びは、基調としては低下している。M2+CDの伸びは、1月以降緩やかに上昇していたが、このところ横ばいとなっている。

4.海外経済

世界の景気は着実に回復している。

アメリカでは、景気は拡大している。
 生産は増加しており、企業景況指数も高水準にある。こうした活発な企業活動を背景に、雇用情勢の改善傾向は続いており、このところ増加幅が縮小していた非農業雇用者数も、8月は約14万人の増加となった。消費は緩やかに増加しているが、7月までの雇用の増加幅の縮小を背景に、消費者マインドは低下した。
 先行きについては、4%程度の成長が続くと見込まれている。今後の景気のリスク要因としては、高水準の原油価格が続くことが挙げられる。

アジアでは、中国、タイ等で景気は拡大が続いており、韓国では景気は回復している。
 中国では、消費の堅調な増加や輸出の増加から生産が増加するなど、景気は拡大が続いている。投資が過熱していた一部業種では、抑制措置の効果があらわれている。タイでは、消費や投資を中心に景気は拡大している。マレーシア、台湾、シンガポールでは、消費が増加するなど、景気は拡大している。韓国では、輸出や生産が増加するなど、景気は回復している。

ユーロ圏では、景気は緩やかに回復しており、イギリスの景気は堅調に回復している。
 ユーロ圏では、輸出が増加し、生産が緩やかに増加するなど景気は緩やかに回復している。ドイツでは、外需主導により景気は緩やかに回復している。他方で、雇用環境の改善の遅れなどから消費が弱く、内需の回復が遅れている。フランスでは、消費、投資ともに増加しており、景気は回復している。
 イギリスでは、消費の増加が続き、生産が持ち直すなど、景気は堅調に回復している。

国際金融情勢等
 金融情勢をみると、アメリカ、ヨーロッパの株価は8月上旬にかけて下落した後、上昇している。主要国の長期金利は8月下旬まで低下基調で推移した後、アメリカの雇用統計の発表を受け、上昇した。ドルは横ばいで推移している。
 原油価格は、テロ懸念や、需給ひっ迫懸念等から上昇し、過去最高水準の更新が続いたが、8月下旬以降供給不安の後退から下落している。


注)

<個人消費>
 消費総合指数(内閣府試算値)は、6月季節調整済前月比0.3%増の後、7月(速報値)は同0.1%増となった。なお、消費総合指数の作成方法については、ディスカッションペーパーを参照。
(http://www5.cao.go.jp/keizai3/discussion-paper/menu.html)
 家計調査の全世帯実質消費支出は、6月季節調整済前月比4.0%減の後、7月(速報値)は同0.5%減(前年同月比1.1%増)となった。
 家計調査の全世帯実質消費支出(除く自動車、住居、仕送り金等)は、7月(速報値)は季節調整済前月比0.0%(前年同月比1.8%増)となった。
 経済産業省「商業販売統計」の小売業販売額は、6月季節調整済前月比0.1%減の後、7月は同0.7%増(前年同月比0.8%増)となった。また、百貨店販売額は、7月は前年同月比0.8%減(既存店)(季節調整済前月比0.3%減(全店))となった。
 チェーンストア販売額(日本チェーンストア協会調べ)は、6月前年同月比4.1%減(既存店)の後、7月は同1.9%減(既存店)(季節調整済前月比0.1%減(全店))となった。
 乗用車(含軽)新車新規登録・届出台数は、7月季節調整済前月比5.6%増の後、8月(速報値)は同1.2%増となった。なお、最新月はナンバーベース(特殊用途車を乗用車や貨物車に配分する)によるが、それ以前の月は登録ナンバーベース(特殊用途車を乗用車や貨物車に配分しない)によるものであり、両者は厳密には一致しない。
家電販売額(日本電気大型店協会調べ)は、6月前年同月比3.3%減の後、7月は同9.9%増となった。
 大手旅行業者13社取扱金額は、国内旅行は6月前年同月比3.8%減の後、7月は同10.4%減となった。海外旅行は6月前年同月比143.7%増の後、7月は同73.5%増となった。
 外食(日本フードサービス協会調べ)は、6月前年同期比1.0%増(全店)の後、7月は同5.3%増(全店)となった。
 内閣府「消費動向調査」の消費者態度指数(季節調整済)は、3月前期差2.3ポイント改善の後、6月は同0.7ポイント改善となった。消費者態度指数(原数値)は、6月前月差3.4ポイント悪化の後、7月は前月差3.8ポイント改善となった。

<設備投資>
 設備投資総合指数(内閣府試算値)は、6月(速報値)季節調整済前月比4.3%増の後、7月(速報値)は同2.0%減となった。設備投資総合指数の作成方法については、ディスカッションペーパーを参照(http://www5.cao.go.jp/keizai3/discussion-paper/menu.html)。
 2004年4-6月期の設備投資を財務省「法人企業統計季報」(全規模全産業、ソフトウェアを除く)でみると、季節調整済前期比2.1%増(前年同期比9.7%増)となっており、うち製造業では同▲4.2%減(同6.6%増)、非製造業では同5.2%増(同11.1%増)となっている。
 内閣府・財務省「法人企業景気予測調査」でみると、2004年度設備投資計画は、製造業で前年度比19.8%増、非製造業で同0.3%増となっており、全産業では同6.4%増となっている。
 経済産業省「鉱工業指数」により資本財出荷(除く輸送機械)をみると、6月(確報値)は季節調整済前月比2.4%増(前年同月比19.0%増)の後、7月(速報値)は同0.9%増(同21.2%増)となっている。
 日本銀行「全国企業短期経済観測調査」(6月調査)により設備投資の動向をみると、大企業の2004年度設備投資計画は、製造業で前年度比15.3%増、非製造業で同3.3%減となっており、全産業では同2.0%増となっている。また、中小企業では製造業で同0.9%減、非製造業で同18.3%減となっており、全産業では同14.1%減となっている。
 経済産業省「特定サービス産業動態統計」でみると、受注ソフトウェア売上高は、5月(確報値)は前年同月比3.9%増の後、6月(確報値)は同5.0%増となっている。
 機械受注(船舶・電力除く民需)は、5月は季節調整済前月比2.1%減(前年同月比8.8%増)の後、6月は同3.9%増(同10.4%増)となっている。なお、2004年7-9月期(見通し、6月調査時点)の機械受注(船舶・電力除く民需)は、季節調整済前期比1.8%増(前年同期比16.8%増)と見込まれている。
 国土交通省「建築着工統計」により非居住用建築物(民間)の工事予定額をみると、6月は季節調整済前月比26.5%増(前年同月比8.8%減)の後、7月は同0.6%増(同5.1%増)となっている。

<住宅建設>
 国土交通省「建築着工統計」によると、新設住宅着工総戸数(季節調整済前期比)は、平成16年1-3月期は4.0%増、4-6月期は5.6%減、5月は4.7%増、6月は0.8%増、7月は5.4%増となった。内訳をみると、持家の着工(同)は、平成16年1-3月期は1.5%増、4-6月期は0.2%増、5月は3.7%増、6月は6.4%増、7月は2.6%増となり、貸家の着工(同)は、平成16年1-3月期は10.8%増、4-6月期は12.9%減、5月は2.7%増、6月は4.6%増、7月は0.3%減となり、共同建分譲住宅の着工(同)は、平成16年1-3月期は3.3%減、4-6月期は3.8%減、5月は10.2%増、6月は2.1%減、7月は6.3%増となった。また、新設住宅着工床面積(同)は、平成16年1-3月期は1.9%増、4-6月期は3.8%減、5月は5.4%増、6月は2.7%増、7月は4.4%増となった。

<公共投資>
 平成16年度の国の一般会計予算(当初予算)をみると、公共投資関係費は、前年度比3.3%減と削減しつつ、雇用・民間需要の拡大に資する分野へ重点化している。
 地方の予算をみると、平成16年度地方財政計画では、投資的経費のうち地方単独事業費について、前年度比9.5%減と、「経済財政運営の構造改革に関する基本方針2003」の縮減目標を前倒ししている。
 公共機関からの1件500万円以上の建設工事受注額(建設工事受注動態統計調査)は、前年同月比で5月は15.8%減の後、6月は13.7%減となった。同じく大手50社の建設工事受注額は、前年同月比で6月は15.8%減の後、7月は7.8%減となった。公共工事請負金額(公共工事前払金保証統計)は、前年同月比で6月は2.2%の減の後、7月は20.6%の減となった。公共工事出来高(建設総合統計)は、前年同月比で5月は19.4%減の後、6月も19.4%減となり、内閣府にて季節調整を実施した結果によると、前月比で5月は13.5%減の後、6月は6.1%増となった。

<輸出・輸入・国際収支>
 通関輸出(数量ベース、季節調整値)は、前月比で平成16年6月1.9%減の後、7月1.6%減(前年同月比11.8%増)となった。また、前期比で1-3月期は2.2%増の後、4-6月期は4.9%増(前年同期比13.9%増)となっている。
 通関輸入(数量ベース、季節調整値)は、前月比で平成16年6月9.8%増の後、7月3.1%減(前年同月比3.7%増)となった。また、前期比で1-3月期は0.4%増の後、4-6月期は3.8%増(前年同期比6.6%増)となっている。
 貿易・サービス収支(季節調整値)の黒字は、平成16年5月は11,389億円の後、6月は7,168億円、通関収支差(季節調整値)は、平成16年6月は9,178億円の後、7月は10,276億円となった。

<生産・出荷・在庫>
 7月の鉱工業生産指数(季節調整値、速報)は、プラスチック製品等が増加し、電子部品・デバイス等が減少したことから、前月比変わらずとなった。
 製造工業生産予測調査によると、前月比で、8月は電子部品・デバイスや紙・パルプ等の増加により1.5%増の後、9月は電子部品・デバイスや輸送機械等の増加により0.6%増になると見込まれている。
 7月の鉱工業生産者製品在庫指数(季節調整値、速報)は、前月比2.0%減となった。また、7月の鉱工業生産者製品在庫率指数(季節調整値、速報)は95.1となっている。
 第3次産業活動指数(季節調整値)は、6月(速報)前月比0.8%増となった。また、4-6月の平均(3カ月移動平均値)による対3ヶ月前比(同1-3月平均対比)をみると1.6%増となっている。

<企業>
 財務省「法人企業統計季報」によると、2004年4-6月期の経常利益は全産業で前年同期比34.3%増、製造業は37.8%増、非製造業は31.8%増となった。
 日本銀行「全国企業短期経済観測調査」(6月調査)によると、2004年度の経常利益は、全規模・全産業で、上期は前年同期比11.6%の増益、下期は同8.9%の増益、通期では前年比10.1%の増益を見込んでいる。
 一方、業況判断について日本銀行「全国企業短期経済観測調査」(6月調査、業況水準について「良い」-「悪い」)をみると、大企業は7%ポイント改善して16%ポイント、中小企業は3%ポイント改善して△10%ポイント、全規模合計では5%ポイント改善して0%ポイントとなった。

<倒産>
 企業の倒産については、東京商工リサーチ「倒産月報」によると、7月の企業倒産件数(負債額1,000万円以上)は1,123件(前年同月比18.4%減)、負債総額は5,764億円(同17.4%減)となっており、帝国データバンク「全国企業倒産集計」によると、企業倒産件数は1,151件(同16.8%減)、負債総額は6,053億円(同13.6%減)となっている。また、大型倒産(負債額10億円以上)は、59件(同32.1%減)となっており、三正(不動産業、負債1,400億円)、アラスカパルプ(パルプ・木材チップ輸入販売、負債844億円)、山代ゴルフ倶楽部(ゴルフ場経営、負債188億円)など(東京商工リサーチ調べ)。

<雇用情勢>
 総務省「労働力調査」によると、7月の完全失業率(季節調整値)は、男女計で前月比0.3%ポイント上昇し4.9%となった。また、15~24歳層の完全失業率(原数値)は9.4%となった。完全失業者数(季節調整値)は、男女計で前月差22万人増の327万人となった。
 労働力調査により内閣府にて季節調整を実施した結果によると、求職理由別完全失業者数(季節調整値)は、7月の非自発的な離職による者は、前月差10万人増の131万人、自発的な離職による者は、前月差14万人増の111万人となった。
 厚生労働省「職業安定業務統計」の新規求人数は、6月季節調整済前月比17.7%増の後、7月は同8.6%減(前年同月比10.5%増)となった。有効求人数は、6月同5.2%増の後、7月は同2.0%減(同17.2%増)となった。新規求職件数は、6月同14.9%増の後、7月は同8.0%減(同9.8%減)となった。有効求職者数は、6月同2.6%増の後、7月は同3.1%減(同10.9%減)となった。新規求人倍率(季節調整値)は6月1.29倍の後、7月1.28倍となった。有効求人倍率(季節調整値)は、6月0.82倍の後、7月0.83倍となった。
 労働力調査によると、雇用者数(季節調整値)は、男女計で6月前月比1.0%減の後、7月は同0.1%増の5,347万人となった。
 毎月勤労統計調査によると、所定外労働時間(製造業)は、事業所規模5人以上では6月季節調整済前月比0.9%増(前年同月比11.0%増)の後、7月は同2.1%減(同8.0%増)(速報値)となった。
 厚生労働省「労働経済動向調査」によると、雇用調整実施事業所割合は、産業計では1-3月期の17%から4-6月期は15%となった。
 毎月勤労統計調査によると、きまって支給する給与は、事業所規模5人以上では6月季節調整済前月比0.1%増(前年同月比0.4%減)の後、7月は同0.1%減(同0.3%減)(速報値)となった。7月の特別に支払われた給与は、事業所規模5人以上では前年同月比0.6%減(速報値)となった。現金給与総額は、事業所規模5人以上では7月前年同月比0.4%減(速報値)となった。

<物価>
 日本銀行「企業物価指数」の輸出物価(円ベース)は、平成16年7月(速報値)は前月比0.6%の上昇(前年同月比2.3%の下落)、3ヶ月前比は2.5%の上昇となった。輸入物価(円ベース)は、7月(速報値)は前月比保合い(前年同月比4.9%の上昇)、3ヶ月前比は3.6%の上昇となった。また、国内企業物価は、7月(速報値)は前月比0.4%の上昇(前年同月比1.6%の上昇)、3ヶ月前比は0.7%の上昇となった。
 日本銀行「企業向けサービス価格指数」の7月の企業向けサービス価格は前年同月比0.3%の下落(前月比0.1%の上昇)となった。
 総務省「消費者物価指数(全国)」の生鮮食品を除く総合は、7月は前年同月比0.2%の下落(季節調整済前月比保合い)、5-7月平均の前年同期比は0.2%の下落となった。一般サービスは、7月は前年同月比保合い、5-7月平均の前年同期比は0.1%の上昇となった。一般商品は、7月は前年同月比0.1%の下落、5-7月平均の前年同期比は0.3%の下落となった。公共料金は、7月は前年同月比0.7%の下落、5-7月平均の前年同期比は0.5%の下落となった。また、「消費者物価指数(東京都区部、中旬速報値)」の生鮮食品を除く総合は、8月は前年同月比0.2%の下落(季節調整済前月比保合い)、6-8月平均の前年同期比は0.1%の下落となった。

<金融>
 無担保コールオーバーナイトレートは、8月月中は、▲0.002%~0.002%で推移した。3ヶ月物ユーロ円TIBORは、8月は、0.08%台で推移した。10年物国債流通利回り(公社債店頭売買参考統計値)は、8月は、1.5 %台~1.8%台で推移した。
 東証株価指数(TOPIX)は、8月末は1,129ポイントとなった。日経平均株価は、8月末は1,1081円となった。
 対米ドル円レート(インターバンク直物中心レート)は、8月末は109.65円となった。対ユーロ円レート(インターバンク17時時点)は、8月末は132.72円となった。
 マネタリーベース(月中平均残高)は、8月は前年同月比4.6%増となった。8月の日銀当座預金平均残高は33.1兆円となった。
 M2+CD(月中平均残高)は、前年同月比1.9%増となった(7月速報)。広義流動性は、7月(速報)は前年同月比3.8%増となった。金融機関(全国銀行)の貸出(月中平均残高)は、7月(速報)は前年同月比3.9%減(貸出債権流動化・償却要因等調整後1.2%減)となった。8月のエクイティ市場での発行(国内市場発行分)は、転換社債型新株予約権付社債は50億円となった。また、国内公募事業債の起債実績は、6,000億円(銀行起債の普通社債は1,350億円)となった。国内銀行の貸出約定平均金利(新規実行分)は、7月は前月比で短期は0.011%ポイント減少し、長期は0.061%ポイント上昇したことから、総合では0.015%ポイント上昇し1.621%となった。日本銀行「全国企業短期経済観測調査」(6月調査)によると、資金繰り判断、金融機関の貸出態度はともに改善している。

<景気ウォッチャー調査>
 内閣府「景気ウォッチャー調査」の7月の現状判断DIは、前月を2.9ポイント上回り、54.3となった。先行き判断DIは、前月を0.7ポイント下回り、53.4となった。