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月例経済報告

―景気は、企業部門の改善に広がりがみられ、着実な回復を続けている―

先行きについては、世界経済が回復し、国内企業部門が改善していることから、日本の景気回復が続くと見込まれる。
また、雇用情勢の改善も回復を持続させる要因と考えられる。一方、原油価格の動向等が世界経済に与える影響には留意する必要がある。

平成16年5月21日

内閣府


先月からの主要変更点(PDF形式:13KB)


月例経済報告
平成16年5月




総論
(我が国経済の基調判断)
景気は、企業部門の改善に広がりがみられ、着実な回復を続けている。 先行きについては、世界経済が回復し、国内企業部門が改善していることから、日本の景気回復が続くと見込まれる。また、雇用情勢の改善も回復を持続させる要因と考えられる。一方、原油価格の動向等が世界経済に与える影響には留意する必要がある。
(政策の基本的態度)
政府は、これまでの改革成果の拡大と集中調整期間の仕上げを行うとともに、新たな成長に向けた基盤の重点強化等を図るため、6月に「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2004(仮称)」をとりまとめる。
政府は、日本銀行と一体となって、金融・資本市場の安定及びデフレ克服を目指し、引き続き強力かつ総合的な取組を行う。

各論

1.消費・投資などの需要動向

 平成16年1-3月期の実質GDP(国内総生産)の成長率は、民間最終消費支出、民間企業設備、財貨・サービスの純輸出(輸出-輸入)がプラスに寄与したことなどから、前期比で1.4%増(年率5.6%増)となった(8四半期連続のプラス)。また、名目GDP成長率は0.8%増となった(4四半期連続のプラス)。これにより、平成15年度の実質GDP成長率は、前年度比で3.2%増(2年連続のプラス)、名目GDP成長率は0.7%増となった(3年ぶりのプラス)。

個人消費は、持ち直している。
 個人消費は、持ち直している。この背景としては、所得がおおむね横ばいとなっていることに加え、消費者マインドが改善していることが挙げられる。需要側統計(家計調査)と供給側統計(鉱工業出荷指数等)を合成した消費総合指数は、3月は前月比で小幅増加にとどまったが、基調としては持ち直している。
 個別の指標について3月の動きをみると、前年に比べて土曜・休日が3日少なかったこともあって、家計調査では実質消費支出が前月に比べて減少したが、1-3月期は前期に比べて増加している。一方、販売側の統計をみると、小売業販売額は、前月から横ばいとなったが、1-3月期は前期に比べて増加している。家電販売金額は、前年を下回ったが、DVDや薄型テレビなどの売れ行きが引き続き好調である。新車販売台数は、3月に増加した後、4月は前月を下回った。旅行は、国内旅行が前年を下回ったものの、海外旅行は前年を上回った。
 先行きについては、雇用情勢が改善していることから、家計の所得が改善していけば、個人消費の回復が期待される。

設備投資は、増加している。
 設備投資は、企業収益の回復や資本ストック調整の進展等を受けて、増加している。これを需要側統計である「法人企業統計季報」でみると、増加基調にある。また、機械設備投資の供給側統計である資本財出荷も増加基調にある。ソフトウェア投資は、おおむね横ばいとなっている。これらの需要側統計、供給側統計を合成した設備投資総合指数は、3月は前月と比べて減少したが、基調としては増加している。
 日銀短観によれば製造業の16年度設備投資計画は2年連続で増加となっており、設備投資の動きに先行性がみられる設備過剰感も改善の動きが続いている。また、先行指標をみると、機械受注は10~12月期に高い伸びになった反動もあって非製造業を中心としてこのところやや弱い動きとなっているが、建築工事予定額は増加している。先行きについては、企業収益の改善が続くものと見込まれること等から、当面増加傾向で推移するものと見込まれる。

住宅建設は、このところ増加している。
 住宅建設は、貸家の増加を中心として、このところ増加している。総戸数は、3月は、分譲住宅が減少したものの、持家、貸家が増加したことから、前月比2.1%増の年率119.7万戸となった。総床面積も、おおむね総戸数と同様の動きをしている。なお、平成15年度の住宅建設は、持家、貸家、分譲住宅の全てが増加したことから前年度比2.5%増の117.4万戸となり、4年ぶりの増加となった。先行きについては、雇用情勢が改善していることに加え、家計の所得環境などが回復していけば、住宅着工は底堅く推移していくことが期待される。

公共投資は、総じて低調に推移している。
 公共投資は、国、地方の予算状況を反映して、総じて低調に推移している。
国の平成15年度補正予算において、公共投資関係費は、国費ベースで0.2兆円程度の災害対策費等を計上する規模であったため、補正後の公共投資は前年度を大きく下回った。また、平成15年度における地方財政計画においては、投資的経費のうち地方単独事業費について、前年度比5.5%減となっている。
 このような状況を反映して、公共工事受注額、公共工事請負金額及び大手50社受注額は、平成16年1-3月期も、前期に引き続き、前年を下回った。
平成16年4-6月期の公共投資については、4月の公共工事請負金額は前年を下回っており、国、地方の予算状況を踏まえると、引き続き前年を下回るものと考えられる。
 平成16年度の公共投資の関連予算をみると、国の公共投資関係費においては、前年度比3.3%減としつつ、雇用・民間需要の拡大に資する分野へ重点化したほか、各事業の目的・成果に踏み込んできめ細かく重点化している。また、地方財政計画においては、投資的経費のうち地方単独事業費について、中期的に計画的な抑制を図る中で前年度比9.5%減としつつ、重点的な配分を行うとしている。

輸出は、増加している。輸入は、横ばいとなっている。貿易・サービス収支の黒字は、やや増加している。
 輸出は、増加している。地域別にみると、アジア向け輸出は、輸送用機器や鉄鋼を中心に、基調として増加している。アメリカ向け輸出は、精密機器を中心として緩やかな増加基調にある。EU向け輸出は、輸送用機器を中心に増加している。先行きについては、世界の景気が着実に回復していることに伴って、増加していくものと考えられるものの、為替レートの動向には引き続き留意する必要がある。
 輸入は、機械機器、繊維製品が増加しているものの、鉱物性燃料等が減少していることから、基調としては横ばいとなっている。地域別にみると、アジアからの輸入は、機械機器、繊維製品等が増加しており、基調としても緩やかに増加している。アメリカからの輸入は、機械機器が減少しており、緩やかに減少している。EUからの輸入は、横ばいとなっている。
 国際収支を見ると、輸出数量は増加しており、輸入数量は横ばいとなっていることから、貿易・サービス収支の黒字は、やや増加している。
 

2.企業活動と雇用情勢

生産は、増加している。
 鉱工業生産は、増加している。輸出や設備投資の増加などを受けて、情報化関連生産財や資本財を中心として増加の動きに広がりがみられる。在庫は低水準で推移しており、企業は在庫積み増しに慎重になっている。
 先行きについては、世界の景気が着実に回復していることから、生産の増加が続くものと見込まれる。なお、在庫循環からみると、生産を調整する局面にはない。製造工業生産予測調査においては、4月、5月ともに増加が見込まれている。
 また、第3次産業活動は、緩やかに増加している。

企業収益は、改善の動きが広がっている。また、企業の業況判断についても、改善の動きが広がっている。倒産件数は、このところ横ばいとなっている。
 企業収益の動向を「法人企業統計季報」でみると、前年同期比では平成14年7-9月期以降、6四半期連続で増益となっている。業種別にみると、製造業ではこれまで大幅な増益が続いてきたが、人件費等のコスト削減の動きが鈍化してきたこと等から改善の動きが緩やかになってきている。一方、非製造業では、売上高の増加等により、改善が続いている。また、「日銀短観」によると、平成15年度下期は非製造業や中小企業においても増益となるなど、幅広い業種で増益となった見込みである。平成16年度についても多くの業種で増益計画が示されており、製造業、非製造業ともに3年連続の増益を見込んでいる。
 企業の業況判断について、「日銀短観」をみると、改善の動きが続いている。大企業非製造業は景況感がプラスとなり、中小企業においても多くの業種で景況感が改善するなど、改善の動きに広がりがでてきている。
 また、企業倒産は、このところ横ばいとなっている。なお、景気が回復する中でこれまで減少が続いてきており、4月としては5年ぶりの低い水準となっている。

雇用情勢は、厳しさが残るものの、改善している。
 完全失業率が高水準ながらも、このところ低下傾向で推移するなど、雇用情勢は、厳しさが残るものの、改善している。
 完全失業率は、3月は前月比0.3%ポイント低下し、4.7%となった。非自発的失業者、自発的失業者ともに減少した。他方、15~24歳層の完全失業率が10%を超えるなど、厳しい状況もみられる。
 新規求人数は増加傾向となっている。有効求人倍率は横ばいとなっている。また、雇用者数は持ち直しており、製造業の残業時間についても、増加傾向となっている。
 賃金の動きをみると、定期給与は基調としては横ばいとなっている。
 

3.物価と金融情勢

国内企業物価は、素材価格の上昇によりわずかながら上昇している。消費者物価は、横ばいとなっている。
 国内企業物価は、わずかながら上昇している。最近の動きを類別にみると、電気機器、スクラップ類などが下落する一方、素材価格の上昇により鉄鋼、石油・石炭製品、金属製品などが上昇している。輸入物価(円ベース)は、国際商品市況の上昇を受けて、上昇している。なお、企業物価を需要段階別にみると、中間財では素材価格の上昇を価格に転嫁する動きが進んでいる。他方、最終財は下落している。
 企業向けサービス価格は、前年同月比で下落が続いている。
 消費者物価は、横ばいとなっている。最近の動きを類別にみると、一般商品、一般サービスとも、おおむね横ばいで推移している。なお、米類は前月比で下落に転じたが、前年比では上昇している。公共料金は、前年比で上昇しているが、昨年の医療保険自己負担割合引き上げによる前年比上昇分は、4月には一巡し、剥落している。
 国内企業物価はわずかながら上昇しているが、消費者物価には一時的な押し上げ要因も働いていると考えられることから、物価は緩やかなデフレ状況にある。

株価は、大幅に下落し10,000円台(日経平均株価)となった。為替レートは、対米ドルで円安となった。
 株価は、米国と中国の金融引締め観測の高まり等を受け、大幅に下落し10,000円台(日経平均株価)となった。対米ドル円レートは、米国金利の上昇等から円安となり、114円台となった。
 短期金利は落ち着いている。長期金利はおおむね横這いで推移し、このところ1.5%前後となっている。企業金融については、企業の資金繰り状況は改善しており、民間債と国債との流通利回りスプレッドは低水準で推移している。
 マネタリーベースは、昨年3月の金融政策決定会合において、日本郵政公社の発足に伴い日銀当座預金残高の目標が引き上げられた反動から伸びは低下したが、依然高水準で推移している。M2+CDの伸びは、1月以降緩やかに上昇している。
 

4.海外経済

世界の景気は着実に回復している。

アメリカでは、景気は力強く回復している。
 1-3月期は消費が前期比年率3.8%、設備投資が同7.2%の伸びとなったことなどにより全体で同4.2%の成長となり、2003年7-9月期以降3四半期連続で4%を上回る高成長を達成した。こうした高成長を背景に、雇用は増加しており、4月の非農業雇用者数は3月に続き2か月連続で30万人前後の大幅な増加となった。
 4月の消費者物価上昇率はガソリン価格が高水準にあることなどを背景に前年同月比2.3%の上昇となった。
 5月上旬に開催された連邦公開市場委員会(FOMC)では、雇用の判断を上方修正するとともに、物価の安定という目標に関する上方・下方リスクは均衡しているとし、現行の金融緩和政策の取りやめは慎重なペースで行うことができるとした。

アジアでは、中国、タイ等で景気は拡大が続いており、その他では景気は回復している。
 中国では、消費の堅調な増加や輸出の増加から生産が増加するなど、景気は拡大が続いている。一方、一部業種では投資が急増するなど、景気過熱もみられ、金融引締めなどの対応策がとられている。タイでは、消費や投資を中心に景気は拡大している。マレーシアでは、消費や輸出が増加するなど、景気は拡大している。台湾では、消費や輸出が増加するなど、景気は回復している。シンガポールでは、輸出が高い伸びとなるなど、景気は回復している。韓国では、輸出や生産が増加するなど、景気は回復している。

ユーロ圏では、景気は緩やかに回復しており、イギリスの景気は堅調に回復している。
 ユーロ圏では、景気は緩やかに回復している。域外需要に支えられ輸出は緩やかに増加している。ドイツでは、輸出が増加しており、景気は緩やかに回復している。フランスでは、消費は緩やかに増加し、輸出は増加するなど、景気は回復している。
 イギリスでは、住宅価格が上昇するなかで消費の増加が続いており、景気は堅調に回復している。イングランド銀行(BOE)は、5月上旬に政策金利(レポ金利)を0.25%ポイント引上げ、4.25%とした。

国際金融情勢等
 金融情勢をみると、アメリカで雇用が2か月連続で大幅に増加していることなどから、連邦準備制度によるフェデラル・ファンド・レート誘導目標水準の早期の引き上げ観測が強まり、世界の主要な株価は4月下旬以降下落している。また、主要国の長期金利は引き続き上昇し、ドルは増価基調で推移している。
 原油価格は、中東産油地域でのテロ懸念や、需給ひっ迫懸念等から上昇し、5月中旬に湾岸戦争時を超える水準となった。


注)

<個人消費>
 消費総合指数(内閣府試算値)は、2月季節調整済前月比0.3%減の後、3月(暫定値)は同0.1%増となった。なお、消費総合指数の作成方法については、ディスカッションペーパーを参照。
(http://www5.cao.go.jp/keizai3/discussion-paper/menu.html)
 家計調査の全世帯実質消費支出は、2月季節調整済前月比2.1%増の後、3月(速報値)は同4.4%減(前年同月比0.2%増)となった。
 家計調査の全世帯実質消費支出(除く自動車、住居、仕送り金等)は、3月(速報値)は季節調整済前月比0.0%(前年同月比0.3%減)となった。
 経済産業省「商業販売統計」の小売業販売額は、2月季節調整済前月比1.9%減の後、3月は同0.0%(前年同月比1.7%減)となった。また、百貨店販売額は、3月は前年同月比4.5%減(店舗調整後)(季節調整済前月比1.1%減(店舗調整前))となった。
 チェーンストア販売額(日本チェーンストア協会調べ)は、2月前年同月比1.2%増(店舗調整後)の後、3月は同4.2%減(店舗調整後)(季節調整済前月比1.1%減(店舗調整前))となった。
 乗用車(含軽)新車新規登録・届出台数は、3月季節調整済前月比2.5%増の後、4月(速報値)は同11.1%減となった。なお、最新月はナンバーベース(特殊用途車を乗用車や貨物車に配分する)によるが、それ以前の月は登録ナンバーベース(特殊用途車を乗用車や貨物車に配分しない)によるものであり、両者は厳密には一致しない。
 家電販売額(日本電気大型店協会調べ)は、2月前年同月比2.8%増の後、3月は同8.6%減となった。
 大手旅行業者13社取扱金額は、国内旅行は2月前年同月比0.5%増の後、3月は同1.7%減となった。海外旅行は2月前年同月比3.2%減の後、3月は同4.1%増となった。
 内閣府「消費動向調査」の消費者態度指数(季節調整済)は、12月前期差0.8ポイント改善の後、3月は同2.3ポイント改善となった。消費者態度指数(原数値)は、3月前期差3.5ポイント改善の後、4月は前月差2.7ポイント改善となった。

<設備投資>
 設備投資総合指数(内閣府試算値)は、2月(速報値)季節調整済前月比3.0%減の後、3月(速報値)は同0.2%減となった。設備投資総合指数の作成方法については、ディスカッションペーパーを参照(http://www5.cao.go.jp/keizai3/discussion-paper/menu.html)。
 平成15年10-12月期の設備投資を財務省「法人企業統計季報」(全規模全産業、ソフトウェアを除く)でみると、季節調整済前期比4.5%増(前年同期比5.1%増)となっており、うち製造業では同7.5%増(同15.0%増)、非製造業では同3.1%増(同1.1%増)となっている。
 平成16年1-3月期の大中堅企業の設備投資を内閣府「法人企業動向調査」(実績見込)でみると、季節調整済前期比で4.2%増(前年同期比9.9%増)となっており、うち製造業では同0.3%減(同24.0%増)、非製造業では同5.8%増(同5.1%増)となっている。
 経済産業省「鉱工業指数」により資本財出荷(除く輸送機械)をみると、2月(確報値)は季節調整済前月比3.3%減(前年同月比16.9%増)の後、3月(確報値)は同6.5%減(9.7%増)となっている。
 日本銀行「全国企業短期経済観測調査」(3月調査)により設備投資の動向をみると、大企業の平成16年度設備投資計画は、製造業で前年度比7.4%増、非製造業で同4.1%減となっており、全産業では同0.6%減となっている。また、中小企業では製造業で同10.7%減、非製造業で同20.5%減となっており、全産業では同18.1%減となっている。
 経済産業省「特定サービス産業動態統計」でみると、受注ソフトウェア売上高は、2月(確報値)は前年同月比2.0%増の後、3月(速報値)は同1.3%増となっている。
 機械受注(船舶・電力除く民需)は、2月は季節調整済前月比2.8%増(前年同月比9.3%増)の後、3月は同3.2%減(同0.2%増)となっている。なお、平成16年4-6月期(見通し、3月調査時点)の機械受注(船舶・電力除く民需)は、季節調整済前期比3.2%減(前年同期比2.2%減)と見込まれている。
 国土交通省「建築着工統計」により非居住用建築物(民間)の工事予定額をみると、2月は季節調整済前月比9.5%減(前年同月比20.8%増)の後、3月は同25.9%増(同61.3%増)となっている。

<住宅建設>
 国土交通省「建築着工統計」によると、新設住宅着工総戸数(季節調整済前期比)は、平成15年7-9月期は4.8%減、10-12月期は3.0%増、平成16年1-3月期は4.0%増、1月は2.7%増、2月は6.4%減、3月は2.1%増となった。内訳をみると、貸家の着工(同)は、平成15年7-9月期は8.1%減、10-12月期は5.2%増、平成16年1-3月期は10.8%増、1月は5.2%増、2月は4.2%減、3月は4.2%増となり、共同建分譲住宅の着工(同)は、平成15年7-9月期は0.1%増、10-12月期は7.9%増、平成16年1-3月期は3.3%減、1月は12.3%減、2月は9.2%減、3月は4.3%減となった。また、新設住宅着工床面積(同)は、平成15年7-9月期は2.5%減、10-12月期は0.5%増、平成16年1-3月期は1.9%増、1月は0.1%減、2月は4.7%減、3月は2.1%増となった。

<公共投資>
 平成15年度の国の一般会計予算(補正後)を前年度補正後予算と比較すると、公共投資関係費は、前年度比18.8%減となっている。なお、平成16年度一般会計予算では、公共投資関係費について、前年度比3.3%減と削減しつつ、雇用・民間需要の拡大に資する分野へ重点化している。
 地方の予算をみると、総務省がまとめた都道府県、政令指定都市の普通会計予算額(9月補正後)では、普通建設事業費は前年度比7.7%減、普通建設事業費のうち補助事業費、単独事業費は、それぞれ前年度比6.4%減、10.7%減となっている。なお、平成16年度地方財政計画では、投資的経費のうち地方単独事業費について、前年度比9.5%減と、「経済財政運営の構造改革に関する基本方針2003」の縮減目標を前倒ししている。
 公共機関からの1件500万円以上の建設工事受注額(建設工事受注動態統計調査)は、前年同月比で2月は7.8%減の後、3月は25.1%減となった。同じく大手50社の建設工事受注額は、前年同月比で2月は14.1%減の後、3月は0.4%増となった。公共工事請負金額(公共工事前払金保証統計)は、前年同月比で2月は10.5%減の後、3月は22.7%減、4月は8.8%の減となった。公共工事出来高(建設総合統計)は、前年同月比で2月は13.4%減の後、3月は15.2%減となり、内閣府にて季節調整を実施した結果によると、前月比で2月は0.5%減の後、3月は3.8%減となった。

<輸出・輸入・国際収支>
 通関輸出(数量ベース、季節調整値)は、前月比で平成16年2月0.7%減の後、平成16年3月1.2%増(前年同月比14.2%増)となった。また、前期比で10-12月期は6.8%増の後、1-3月期は2.2%増(前年同期比13.1%増)となっている。
 通関輸入(数量ベース、季節調整値)は、前月比で2月7.4%減の後、3月7.5%増(前年同月比17.6%増)となった。また、前期比で10-12月期は2.8%増の後、1-3月期は0.4%増(前年同期比9.0%増)となっている。
 貿易・サービス収支(季節調整値)の黒字は、平成16年2月は9,232億円の後、3月は9,433億円、通関収支差(季節調整値)は、平成16年2月は12,466億円の後、3月は8,697億円となった。

<生産・出荷・在庫>
 3月の鉱工業生産指数(季節調整値、確報)は、電子部品・デバイス、化学等が増加したことから、前月比0.6%増となった。
 製造工業生産予測調査によると、前月比で、4月は電子部品・デバイスや一般機械等の増加により5.6%増の後、5月は一般機械や電気機械等の増加により2.2%増になると見込まれている。
 3月の鉱工業生産者製品在庫指数(季節調整値、確報)は、前月比0.3%増となった。また、3月の鉱工業生産者製品在庫率指数(季節調整値、確報)は94.0となっている。
 第3次産業活動指数(季節調整値)は、2月(速報)前月比3.9%減となった。また、12-2月の平均(3カ月移動平均値)による対3ヶ月前比(同9-11月平均対比)をみると0.5%減となっている。

<企業>
 財務省「法人企業統計季報」によると、10-12月期の経常利益は全産業で前年同期比16.9%増、製造業は2.4%増、非製造業は29.4%増となった。
 日本銀行「全国企業短期経済観測調査」(3月調査)によると、平成16年度の経常利益は、全規模・全産業で、上期は前年同期比10.4%の増益、下期は同10.6%の増益、通期では前年比10.5%の増益を見込んでいる。
 一方、業況判断について日本銀行「全国企業短期経済観測調査」(3月調査、業況水準について「良い」-「悪い」)をみると、大企業は5%ポイント改善して9%ポイント、中小企業は6%ポイント改善して△13%ポイント、全規模合計では6%ポイント改善して△5%ポイントとなった。

 <倒産>
 企業の倒産については、東京商工リサーチ「倒産月報」によると、4月の企業倒産件数(負債額1,000万円以上)は1,236件(前年同月比17.3%減)、負債総額は8,263億円(同11.6%減)となっており、帝国データバンク「全国企業倒産集計」によると、企業倒産件数は1,189件(同21.5%減)、負債総額は6,119億円(同32.2%減)となっている。また、大型倒産(負債額10億円以上)は、86件(同3.3%減)となっており、主な大型倒産としては、大和エンタープライズ(不動産、負債869億円)、環境建設(総合建設、負債526億円)、鹿沼カントリー倶楽部(ゴルフ場経営、負債471億円)など(東京商工リサーチ調べ)。

<雇用情勢>
 総務省「労働力調査」によると、3月の完全失業率(季節調整値)は、男女計で前月比0.3%ポイント低下し4.7%となった。他方、15~24歳層の完全失業率(原数値)は11.8%となった。完全失業者数(季節調整値)は、男女計で前月差21万人減の314万人となった。
 労働力調査により内閣府にて季節調整を実施した結果によると、求職理由別完全失業者数(季節調整値)は、3月の非自発的な離職による者は、前月差5万人減の119万人、自発的な離職による者は、前月差15万人減の103万人となった。
 厚生労働省「職業安定業務統計」の新規求人数は、2月季節調整済前月比2.7%減の後、3月は同7.3%増(前年同月比20.5%増)となった。有効求人数は、2月同0.0%増の後、3月は同1.7%増(同19.1%増)となった。新規求職件数は、2月同1.3%増の後、3月は同11.7%増(同5.7%増)となった。有効求職者数は、2月同0.7%増の後、3月は同2.1%増(同6.6%減)となった。新規求人倍率(季節調整値)は2月1.18倍の後、3月1.14倍となった。有効求人倍率(季節調整値)は、2月0.77倍の後、3月0.77倍となった。
 労働力調査によると、雇用者数(季節調整値)は、男女計で2月前月比0.1%減の後、3月は同0.3%増の5,359万人となった。
 毎月勤労統計調査によると、所定外労働時間(製造業)は、事業所規模5人以上では2月季節調整済前月比0.7%減(前年同月比9.9%増)の後、3月は同0.3%増(同9.7%増)となった。
 毎月勤労統計調査によると、きまって支給する給与は、事業所規模5人以上では2月季節調整済前月比0.5%減(前年同月比0.5%減)の後、3月は同0.3%増(同0.2%減)となった。現金給与総額は、事業所規模5人以上では3月前年同月比2.9%減となった。

<物価>
 日本銀行「企業物価指数」の輸出物価(円ベース)は、平成16年4月(速報値)は前月比2.0%の下落(前年同月比5.3%の下落)、3ヶ月前比は0.3%の上昇となった。輸入物価(円ベース)は、4月(速報値)は前月比保合い(前年同月比1.2%の下落)、3ヶ月前比は3.4%の上昇となった。また、国内企業物価は、4月(速報値)は前月比0.1%の上昇(前年同月比0.5%の上昇)、3ヶ月前比は0.6%の上昇となった。
 日本銀行「企業向けサービス価格指数」の3月の企業向けサービス価格は前年同月比0.6%の下落(前月比0.6%の上昇)となった。
 総務省「消費者物価指数(全国)」の生鮮食品を除く総合は、3月は前年同月比0.1%の下落(季節調整済前月比保合い)、1-3月平均の前年同期比は保合いとなった。一般サービスは、3月は前年同月比0.1%の下落、1-3月平均の前年同期比は0.2%の下落となった。一般商品は、3月は前年同月比0.6%の下落、1-3月平均の前年同期比は0.5%の下落となった。公共料金は、3月は前年同月比1.0%の上昇、1-3月平均の前年同期比は1.0%の上昇となった。また、「消費者物価指数(東京都区部、中旬速報値)」の生鮮食品を除く総合は、4月は前年同月比0.1%の下落(季節調整済前月比0.1%の下落)、2-4月平均の前年同期比は0.2%の下落となった。

<金融>
 無担保コールオーバーナイトレートは、4月月中は、▲0.006~0.002%で推移した。3ヶ月物ユーロ円TIBORは、4月は、0.07%台%台で推移した。10年物国債流通利回りは、4月は、1.4%台~1.5%台で推移した。
 東証株価指数(TOPIX)は、4月末は1,186ポイントとなった。日経平均株価は、4月末は11,761円となった。
 対米ドル円レート(インターバンク直物中心レート)は、4月末は110.20円となった。対ユーロ円レート(インターバンク17時時点)は、4月末は131.82円となった。
 マネタリーベース(月中平均残高)は、4月は前年同月比6.6%増となった。4月の日銀当座預金平均残高は33.0兆円となった。
 M2+CD(月中平均残高)は、前年同月比1.9%増となった(4月速報)。広義流動性は、4月(速報)は前年同月比1.7%増となった。金融機関(全国銀行)の貸出(月中平均残高)は、4月(速報)は前年同月比4.5%減(貸出債権流動化・償却要因等調整後1.8%減)となった。4月のエクイティ市場での発行(国内市場発行分)は、転換社債型新株予約権付社債の発行は100億円となった。また、国内公募事業債の起債実績は、6,350億円(銀行起債の普通社債は2,600億円)となった。国内銀行の貸出約定平均金利(新規実行分)は、2月は前月比で短期は0.209%ポイント低下し、長期も0.208%ポイント下落したことから、総合では0.205%ポイント低下し1.443%となった。日本銀行「全国企業短期経済観測調査」(3月調査)によると、資金繰り判断、金融機関の貸出態度はともに改善している。

<景気ウォッチャー調査>
 内閣府「景気ウォッチャー調査」の4月の現状判断DIは、前月を2.0ポイント上回り、55.7となった。先行き判断DIは、前月を1.7ポイント上回り、55.3であった。