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月例経済報告

―景気は、持ち直しに向けた動きがみられる。―

先行きについては、企業部門が持ち直している中で、アメリカ経済等の回復に伴って、景気は持ち直すことが見込まれる。一方、今後の株価・長期金利や海外経済などの動向には留意する必要がある。

平成15年9月12日

内閣府


先月からの主要変更点(PDF形式:14KB)


月例経済報告
平成15年9月

総論
(我が国経済の基調判断)
景気は、持ち直しに向けた動きがみられる。  先行きについては、企業部門が持ち直している中で、アメリカ経済等の回復に伴って、景気は持ち直すことが見込まれる。一方、今後の株価・長期金利や海外経済などの動向には留意する必要がある。

(政策の基本的態度)
 政府は、「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2003」の早期具体化により、構造改革の一層の強化を図る。
 政府は、日本銀行と一体となって、金融・資本市場の安定及びデフレ克服を目指し、引き続き強力かつ総合的な取組を行う。


各論
1.消費・投資などの需要動向
 平成15年4-6月期の実質GDP(国内総生産)の成長率は、民間在庫品増加、公的固定資本形成がマイナスに寄与した一方、民間企業設備、民間最終消費支出、財貨・サービスの純輸出(輸出-輸入)がプラスに寄与したことなどから、前期比で1.0%増(年率3.9%増)となった。また、名目GDPの成長率は、前期比で0.3%増となった。
個人消費は、おおむね横ばいで推移している。
 個人消費は、おおむね横ばいで推移している。この背景としては、所得がおおむね横ばいとなっていることに加え、株価の上昇などの要因から、消費者マインドがこのところ持ち直していることが挙げられる。需要側統計(家計調査)と供給側統計(鉱工業出荷指数等)を合成した消費総合指数は、6月に大きく増加した反動もあり、7月は前月に比べて減少している。
 個別の指標をみると、家計調査では、実質消費支出が前月に比べて大幅に減少した。一方、販売側の統計をみると、小売業販売額は、前月に比べて減少した。チェーンストア販売額は、引き続き前年を下回った。百貨店販売額は、天候不順の影響に加え、中元商戦が不振だったことから、減少が続いている。新車販売台数は、引き続き減少している。家電販売金額は、主力商品であるパソコンに動きがみられたが、冷夏の影響でエアコン等の売れ行きが大幅に落ち込んだことから、全体では減少幅が拡大した。旅行は、国内旅行は引き続き前年を上回った。海外旅行は引き続き大幅に減少しているが、減少幅は縮小している。
 個人消費の先行きについては、当面、現状のような推移が続くと見込まれるが、依然として雇用情勢が厳しいことなどから、引き続き留意が必要である。
 
設備投資は、増加している。
 設備投資は、企業収益の回復や資本ストック調整の進展等を受けて、増加している。これを需要側統計である「法人企業統計季報」でみると、季節調整済前期比で平成14年10-12月期に持ち直しに転じ、増加基調にある。なお、機械設備投資の供給側統計である資本財出荷は横ばいとなっている。また、ソフトウェア投資は、持ち直しの動きがみられる。
 先行指標や年度計画をみると、日銀短観によれば製造業の15年度設備投資は3年ぶりに前年度比増加に転じる計画となっており、設備投資の動きに先行性がみられる設備過剰感も改善の動きが続いている。また、機械設備投資の先行指標である機械受注は持ち直しており、建設投資の先行指標である建築着工床面積をみるとおおむね横ばいとなっている。先行きについては、企業収益の改善が続くものと見込まれること等から、当面増加傾向で推移するものと見込まれる。
 
住宅建設は、このところ増加している。
 平成14年度の住宅建設は、雇用・所得環境が厳しいこと、不動産価格の長期的下落傾向により買い換えが困難となっていることなどから、消費者の住宅取得マインドが低下しており、2年連続で120万戸を下回る低い水準となった。
 総戸数は、平成15年6月に8.7%増加し年率126.8万戸となった後、7月は8.6%減少し、年率115.9万戸となったが、引き続き底堅い動きを示している。総床面積も、おおむね総戸数と同様の動きをしている。先行きについては、雇用・所得環境が持ち直すなど、消費者の住宅取得マインドが改善に向えば、住宅着工は底堅さを増していくことも期待される。
 
公共投資は、総じて低調に推移している。
 公共投資は、国、地方の予算状況を反映して、総じて低調に推移している。
 平成15年度の公共投資の関連予算をみると、国の公共投資関係費においては、前年度比3.7%減と規模を縮減しつつ、「個性と工夫に満ちた魅力ある都市と地方」など重点4分野を中心に、雇用・民間需要の拡大に資する分野へ重点化している。また、平成15年度における地方財政計画においては、投資的経費のうち地方単独事業費について、前年度比5.5%減としつつ、計画的な抑制と重点的な配分を行うとしている。
 このような状況を反映して、公共工事受注額、公共工事請負金額及び大手50社受注額は、平成15年4-6月期も、前期に引き続き、前年を下回った。
 7-9月期の公共投資については、7月の公共工事請負金額も前年を下回っており、国、地方の予算状況を踏まえると、引き続き前年を下回るものと考えられる。
 
輸出は、持ち直している。輸入は、増加している。貿易・サービス収支の黒字は、横ばいとなっている。
 輸出は、持ち直している。地域別にみると、アジア向け輸出は、重症急性呼吸器症候群(SARS)の影響が終息し、NIEs、ASEAN向け輸出が持ち直しつつあることから、全体としては横ばいとなっている。アメリカ向け輸出は、足元で輸送用機器が減少しているものの、全体としては横ばいとなっている。EU向け輸出は、足元で輸送用機器が増加しているものの、減少している。先行きについては、アメリカの景気回復の勢いが増していることから、緩やかに増加していくものと考えられる。
 輸入は、設備投資が増加していること等を背景に、機械機器を中心に増加している。地域別にみると、アジアからの輸入は、中国、ASEAN、NIEsからの輸入がいずれも増加していることから、全体として増加している。アメリカからの輸入は、おおむね横ばいとなっている。EUからの輸入は、単月の振れが大きくなっているが、基調としてはおおむね横ばいとなっている。
 国際収支をみると、輸入数量が増加している一方、輸出数量が持ち直していること、海外旅行客の減少等に伴いサービス収支の赤字幅が縮小していることから、貿易・サービス収支の黒字は、横ばいとなっている。

2.企業活動と雇用情勢
生産は、横ばいとなっている。
 鉱工業生産は、年初より弱含んでいたが、情報化関連生産財が堅調に推移していること等により、横ばいとなっている。在庫は低水準にあるものの、企業は在庫積み増しに慎重になっている。
 先行きについては、在庫面からの生産下押し圧力は少ないと考えられるほか、アメリカの景気回復の勢いが増していることから、輸出を通じて生産は持ち直しへ向かうものと見込まれる。なお、製造工業生産予測調査においては、8月、9月ともに増加が見込まれている。
また、第3次産業活動は、緩やかに増加している。
 
企業収益は、改善が続いている。また、企業の業況判断は、緩やかながら、引き続き改善がみられる。倒産件数は、緩やかに減少している。
 企業収益の動向を「法人企業統計季報」でみると、人件費削減を中心とする企業のリストラ努力や売上高の増加等を背景に、平成15年4-6月期においても前年比で増益が続いており、季節調整済前期比でみても増益に転じた。「日銀短観」によると、平成14年度は前年比二桁の大幅な増益となり、15年度も引き続き増益が見込まれている。業種別にみると、製造業では電気機械や鉄鋼を中心に収益が改善し、14年度下期では前年比5割の大幅増益となり、15年度も二桁の増益見込みである。一方、非製造業は15年度上期に減益に落ち込むものの、下期には前年比二桁の増益に転じる見込みである。規模別でみると、大企業・中小企業とも14年度に引き続き15年度も増益が見込まれている。
 企業の業況判断について、「日銀短観」をみると、非製造業では改善に足踏みがみられるものの、製造業では緩やかながら引き続き改善がみられる。先行きについては、全規模全産業でみるとわずかながら改善が見込まれている。
 また、企業倒産は、セーフティーネット保証の適用件数が増えていること等を背景に、緩やかに減少している。
 
雇用情勢は、完全失業率が高水準で推移するなど、依然として厳しいものの、持ち直しの動きがみられる。
 企業の人件費抑制姿勢などの労働力需要面の要因や、雇用のミスマッチなどの構造的要因から、完全失業率が高水準で推移するなど、厳しい雇用情勢が続いている。
 完全失業率は、7月は、前月と同水準の5.3%となった。男女別にみると、男性の失業率が低下する一方で、女性の失業率が上昇している。また、雇用者数は、増加傾向となっている。
 新規求人数は、増加傾向となっている。また、有効求人倍率も緩やかに上昇している。製造業の残業時間についても、再び増加傾向となっている。4-6月期に「残業規制」等の雇用調整を実施した事業所割合は、横ばいとなっている。
 賃金の動きをみると、7月の定期給与は前年同月比、前月比とも微増となった。ボーナスを含む特別給与についても、6月前年比大幅増の後、7月大幅減となっており、賃金の基調としては、横ばいとなっている。

3.物価と金融情勢
国内企業物価消費者物価は、ともに横ばいとなっている。
 国内企業物価は、横ばいとなっている。最近の動きを類別にみると、電気機器などが引き続き下落しているが、下落していた石油・石炭製品が7月より上昇に転じているほか、非鉄金属、鉄鋼などが上昇している。また、輸入物価(円ベース)は、堅調な原油価格の影響等により、緩やかに上昇している。
 企業向けサービス価格は、前年同月比で下落が続いている。
 消費者物価は、平成12年秋以降弱含んでいたが、このところ一部に物価を下支えする動きもあり、前月比で横ばいとなっている。最近の動きを類別にみると、一般商品は、石油製品が引き続き下落しており、全体として前年比下落幅はおおむね横ばいで推移している。他方、一般サービスは、おおむね横ばいで推移しているが、このところ企業の低価格戦略には一部変化の兆しもあり、7月には外食が下落幅を縮小した。また、公共料金は、前年比で上昇しており、7月にはたばこ税増税の影響がみられた。
 なお、国内企業物価・消費者物価は現在横ばいとなっているが、物価を下支えする要因が一時的なものにとどまる可能性があることから、物価の動向を総合してみると、緩やかなデフレ状況にある。
 
株価は、上昇基調で推移しており、1万円台(日経平均株価)を回復した。長期金利は、上昇した。
 株価は、景気回復期待の高まりなどを背景に上昇基調で推移しており、昨年8月以来の1万円台(日経平均株価)を回復した。対米ドル円レートは、8月以降円高傾向で推移し、116円台となった。
 短期金利は落ち着いている。長期金利は8月中旬以降上昇し、9月上旬には一時1.6%台となった。企業の資金繰り状況は改善しており、民間債と国債との流通利回りスプレッドは低水準で推移している。
 マネタリーベースは、日本銀行の潤沢な資金供給などを背景に高い伸び(日本郵政公社当座預金を除く伸び率は15.3%)が続いている。M2+CDは、昨年末以降伸び率は鈍化しているが、このところやや持ち直している。

4.海外経済
アメリカの景気回復の勢いは増している。
アメリカでは、景気回復の勢いは増している。
 消費は増加している。また、生産は緩やかに増加し、設備投資が持ち直すなど、企業部門の回復の勢いが増している。さらに、減税パッケージが消費や投資に好影響を与えることなどにより、年後半に4%前後の高成長を達成するとの見方が一般的となっている。これらを背景に株価は上昇している。 
 一方で、企業の雇用意欲が低水準にあるなど雇用の回復が遅れていることや、上昇基調で推移している長期金利が消費や住宅にマイナスの影響を与える可能性などが懸念される。
 8月12日に行われた連邦公開市場委員会(FOMC)では、現行の金融緩和政策について、相当程度の期間にわたって維持する方針が示された。
 
アジアでは、中国、タイ等で景気は拡大が続いているが、韓国の景気は後退している。
 中国では、内外需ともに増加し景気は拡大している。消費や生産はSARSの流行以前の伸びに回復している。また、輸出は、一部にSARSの影響がみられたものの、アメリカ向けを中心に増加している。タイでは、消費、投資を中心に景気は拡大している。マレーシアでは、消費の伸び鈍化や輸出の弱い動きから景気の拡大は緩やかとなっている。台湾では、SARSの影響から4-6月期のGDP成長率がマイナスとなったが、このところ生産が増加するなど景気に持ち直しの動きがみられる。韓国では、消費や設備投資が減少し景気は後退している。ストライキの影響等から生産も減少している。シンガポールでは、生産が減少し投資の大幅な減少が続くなど、景気は低迷している。
 
ユーロ圏の景気は弱い状態となっており、イギリスでは、景気は横ばいとなっている。
 ユーロ圏では、これまでのユーロ高の影響などから輸出は減少しており、生産も減少するなど、景気は弱い状態となっている。なお、先行きについては、アメリカの成長率の高まりやユーロ高の修正を背景にアメリカ向け輸出が今後増加するとの見通しなどから、景気の持ち直しが期待されている。ドイツでは、輸出が減少しており、個人消費、投資とも弱い動きとなっていることから、GDP成長率は3期連続でマイナスとなり、景気は後退している。一方で、株価の上昇などから企業マインドは改善している。フランスでは、消費が弱含んでおり、設備投資も減少していることから、景気は弱い状態となっている。
 イギリスでは、消費は増加傾向にあるものの、設備投資が減少しており、景気は横ばいとなっている。
 
国際金融情勢等
 金融情勢をみると、アメリカの株価が引き続き上昇している他、アジア、ヨーロッパでも主要株価は上昇している。海外の長期金利は、おおむね上昇基調が続いている。ドルは、8月に入って対円では減価したものの、アメリカの成長率が高いことなどから対ユーロを中心に増価基調で推移している。
 景気減速に対処するため、カナダでは9月上旬に利下げが実施された。
 原油価格は、米国の需給ひっ迫懸念などによる小幅な上昇はあったが、おおむね横ばいで推移した。


注)
<個人消費>
 消費総合指数(内閣府試算値)は、6月(速報値)季節調整済前月比1.0%増の後、7月(速報値)は同1.0%減となった。消費総合指数の作成方法については、ディスカッションペーパーを参照(http://www5.cao.go.jp/keizai3/discussion-paper/menu.html)。
 家計調査の全世帯実質消費支出は、6月季節調整済前月比5.0%増の後、7月(速報値)は同5.7%減(前年同月比3.9%減)となった。
 家計調査の全世帯実質消費支出(除く自動車、住居、仕送り金等)は、7月(速報値)は季節調整済前月比4.6%減(前年同月比3.2%減)となった。
 経済産業省「商業販売統計」の小売業販売額は、6月季調済前月比0.5%減の後、7月(速報値)は同2.5%減(前年同月比3.0%減)となった。また、百貨店販売額は、7月(速報値)は、前年同月比1.9%減(店舗調整後)(季節調整済前月比5.3%減(店舗調整前))となった。
 チェーンストア販売額(日本チェーンストア協会調べ)は、6月前年同月比2.9%減(店舗調整後)の後、7月は同5.0%減(店舗調整後)(季節調整済前月比5.8%減(店舗調整前))となった。
 乗用車(含軽)新車新規登録・届出台数は、7月前年同月比0.7%減の後、8月(速報値)は同5.8%減となった。
 家電販売額(日本電気大型店協会調べ)は、6月前年同月比3.6%減の後、7月は同11.3%減となった。
 大手旅行業者13社取扱金額は、6月国内旅行が前年同月比4.8%増、海外旅行が同59.3%減の後、7月国内旅行が同2.6%増、海外旅行が同44.2%減となった。
 内閣府「消費動向調査」の消費者態度指数(季節調整済)は、3月前期差2.0ポイント悪化の後、6月同1.2ポイント改善となった。内閣府「月次消費動向調査」の消費者態度指数(東京都、原数値)は、7月前月差1.3ポイント改善の後、8月同1.8ポイント改善した。
<設備投資>
 平成15年4-6月期の設備投資を財務省「法人企業統計季報」(全規模全産業、ソフトウェアを除く)でみると、季節調整済前期比5.3%増(前年同期比6.4%増)となっており、うち製造業では同4.5%増(同3.8%増)、非製造業では同5.6%増(同7.7%増)となっている。
 平成15年4-6月期の大中堅企業の設備投資を内閣府「法人企業動向調査」(実績見込)でみると、季節調整済前期比で7.1%減(前年同期比5.2%増)となっており、うち製造業では同2.3%減(同4.4%減)、非製造業では同7.4%減(同9.8%増)となっている。
 経済産業省「鉱工業指数」により資本財出荷(除く輸送機械)をみると、6月(確報値)は季節調整済前月比5.4%増(前年同月比6.5%増)の後、7月(速報値)は同4.0%減(同0.4%増)となっている。
 日本銀行「全国企業短期経済観測調査」(6月調査)により設備投資の動向(ソフトウェアを除く)をみると、大企業の平成15年度設備投資計画は、製造業で前年度比11.5%増、非製造業で同1.0%増となっており、全産業では同4.9%増となっている。また、中小企業では製造業で同13.0%減、非製造業で同12.9%減となっており、全産業では同13.0%減となっている。
 経済産業省「特定サービス産業動態統計」でみると、受注ソフトウェア売上高は、6月(確報値)は前年同月比4.0%増の後、7月(速報値)は同6.6%増となっている。
 機械受注(船舶・電力除く民需)は、6月は季節調整済前月比2.4%増(前年同月比12.1%増)の後、7月は同3.1%減(同6.1%増)となっている。なお、平成15年7-9月期(見通し、6月調査時点)の機械受注(船舶・電力除く民需)は、季節調整済前期比2.2%増(前年同期比11.9%増)と見込まれている。
 国土交通省「建築着工統計」により非居住用建築物の着工床面積をみると、6月は季節調整済前月比4.7%増の後、7月は同5.2%減となっている。
<住宅建設>
 国土交通省「建築着工統計」によると、新設住宅着工総戸数(季節調整済前期比)は、平成14年7-9月期は3.3%減、10-12月期は1.0%減、平成15年1-3月期は1.8%増、4-6月期は4.8%増、6月は8.7%増、7月は8.6%減となっており、うち共同建分譲住宅の着工(同)は、平成14年7-9月期は10.2%減、10-12月期は0.0%増、平成15年1-3月期は2.3%増、4-6月期は0.4%増、6月は7.9%増、7月は1.0%増となった。また、新設住宅着工床面積(同)は、平成14年7-9月期は3.2%減、10-12月期は1.1%減、平成15年1-3月期は1.1%減、4-6月期は5.9%増、6月は12.6%増、7月は10.1%減となった。
 消費者の住宅取得マインドを示す指標のひとつである(社)日本リサーチ総合研究所「不動産購買態度指数」をみると、平成12年は、2月128、4月128、6月124、8月118、10月122、12月117、平成13年は、2月118、4月119、6月117、8月110、10月109、12月104、平成14年は、2月104、4月114、6月117、8月114、10月115、12月111、平成15年は、2月110、4月108、6月120となった。
<公共投資>
 平成15年度の国の一般会計予算(当初予算)をみると、公共投資関係費は、前年度比3.7%減と規模を縮減し、都市の再生や地方の活性化など、「平成15年度予算編成の基本方針」の重点4分野を中心に、雇用・民間需要の拡大に資する分野へ重点化している。
 地方の予算をみると、平成15年度地方財政計画では、投資的経費のうち地方単独事業費について、前年度比5.5%減とし、計画的な抑制と重点的な配分を行うとしている。また、時事通信社調査によれば、普通建設事業費は、都道府県で前年度比6.1%減、政令指定都市で同5.8%減、中核市で同8.9%減、その他の県庁所在市で同12.8%減となっており、これらを単純合計すると、前年度比6.4%減となっている(骨格予算、暫定予算を編成した地方公共団体を除く)。
 公共機関からの1件500万円以上の建設工事受注額(建設工事受注動態統計調査)は、前年同月比で6月2.8%減の後、7月は20.4%減となった。同じく大手50社の建設工事受注額は、前年同月比で6月26.6%増の後、7月は26.0%減となった。公共工事請負金額(公共工事前払金保証統計)は、前年同月比で6月10.2%減の後、7月は5.1%減となった。公共工事出来高(建設総合統計)は、前年同月比で5月12.0%減の後、6月は11.6%減となり、内閣府にて季節調整を実施した結果によると、前月比で5月16.5%減の後、6月は7.9%増となった。
<輸出・輸入・国際収支>
 通関輸出(数量ベース、季節調整値)は、前月比で6月は3.8%減の後、7月4.4%増(前年同月比3.7%増)となった。また、前期比で1-3月期は0.1%増の後、4-6月期は0.9%増(前年同期比2.8%増)となっている。
 通関輸入(数量ベース、季節調整値)は、前月比で6月は1.3%増の後、7月5.2%増(前年同月比4.6%増)となった。また、前期比で1-3月期は0.2%減の後、4-6月期は4.5%増(前年同期比8.4%増)となっている。
 貿易・サービス収支(季節調整値)の黒字は、平成15年6月は6,013億円の後、7月は7,142億円、通関収支差(季節調整値)は、平成15年6月は7,274億円の後、7月は7,509億円となった。
<生産・出荷・在庫>
 7月の鉱工業生産指数(季節調整値、速報)は、電子部品・デバイス、パルプ・紙・紙加工品等が増加したことから、前月比0.5%増となった。
 製造工業生産予測調査によると、前月比で、8月は電子部品・デバイスや輸送機械等の増加により2.0%増の後、9月も電子部品・デバイスや輸送機械等の増加により1.5%増になると見込まれている。
 7月の鉱工業生産者製品在庫指数(季節調整値、速報)は、前月比1.4%増となった。また、7月の鉱工業生産者製品在庫率指数(季節調整値、速報)は99.5となっている。
 第3次産業活動指数(季節調整値)は、6月(速報)前月比1.2%増となった。また、4-6月の平均(3カ月移動平均値)による対3ヶ月前比(同1-3月平均対比)をみると0.8%増となっている。
<企業>
 財務省「法人企業統計季報」によると、4-6月期の経常利益は全産業で前年同期比13.6%増、製造業は36.3%増、非製造業は1.6%増となった。
 日本銀行「全国企業短期経済観測調査」(6月調査)によると、平成14年度の経常利益は、全規模・全産業で、上期は前年同期比7.0%の増益、下期は同24.7%の増益、通期では前年比16.4%の増益、平成15年度の経常利益は、全規模・全産業で、上期は前年同期比4.6%の増益、下期は同13.2%の増益、通期では前年比9.5%の増益を見込んでいる。
 一方、業況判断について日本銀行「全国企業短期経済観測調査」(6月調査、業況水準について「良い」-「悪い」)をみると、大企業は3%ポイント改善して△9%ポイント、中小企業は1%ポイント改善して△32%ポイント、全規模合計では前回と変わらず△26%ポイントとなった。
<倒産>
 企業の倒産については、東京商工リサーチ「倒産月報」によると、7月の企業倒産件数(負債額1,000万円以上)は1,377件(前年同月比19.8%減)、負債総額は6,980億円(同39.9%減)となっており、帝国データバンク「全国企業倒産集計」によると、企業倒産件数は1,384件(同23.7%減)、負債総額は7,008億円(同41.8%減)となっている。また、大型倒産(負債額10億円以上)は、87件(同36.0%減)となっており、主な大型倒産としては、不動産売買業の山一土地(負債833億円)など(東京商工リサーチ調べ)。
<雇用情勢>
 総務省「労働力調査」によると、7月の完全失業率(季節調整値)は、男女計で前月と同水準の5.3%となった。完全失業者数(季節調整値)は、男女計で前月差4万人減の352万人となった。
 労働力調査により内閣府にて季節調整を実施した結果によると、求職理由別完全失業者数(季節調整値)は、非自発的な離職による者は、前月差1万人減の157万人、自発的な離職による者は、同4万人減の107万人となった。
 労働力調査によると、雇用者数(季節調整値)は、男女計で6月前月比0.3%増の後、7月は同0.2%増の5,368万人となった。
 労働力調査によると、失業期間1年以上の完全失業者数は4-6月平均127万人となった。完全失業者全体に占める失業期間1年以上の者の割合は4-6月平均34.3%となった。
 厚生労働省「職業安定業務統計」の新規求人数は、6月季節調整済前月比4.1%増の後、7月は同0.3%減(前年同月比9.8%増)となった。有効求人数は、6月同2.2%増の後、7月は同1.7%増(同10.2%増)となった。新規求職件数は、6月同7.8%増の後、7月は同8.6%減(同4.6%減)となった。有効求職者数は、6月同2.5%増の後、7月は同1.0%減(同5.1%減)となった。新規求人倍率(季節調整値)は6月0.96倍の後、7月1.04倍となった。有効求人倍率(季節調整値)は、6月0.61倍の後、7月0.62倍となった。
 毎月勤労統計調査によると、所定外労働時間(製造業)は、事業所規模5人以上では6月季節調整済前月比1.1%減(前年同月比8.3%増)の後、7月は同1.8%増(同7.2%増)(速報値)となった。
 厚生労働省「労働経済動向調査」によると、雇用調整実施事業所割合は、産業計では1-3月期の22%から4-6月期は22%となった。
 毎月勤労統計調査によると、きまって支給する給与は、事業所規模5人以上では6月季節調整済前月比0.5%減(前年同月比0.2%増)の後、7月は同0.1%増(同0.1%増)(速報値)となった。特別に支払われた給与は、事業所規模5人以上では7月前年同月比6.2%減(速報値)となった。
<物価>
 日本銀行「企業物価指数」の輸出物価(円ベース)は、平成15年8月(速報値)は前月比0.2%の下落(前年同月比0.6%の上昇)、3ヶ月前比は0.1%の下落となった。輸入物価(円ベース)は、8月(速報値)は前月比0.6%の上昇(前年同月比3.4%の上昇)、3ヶ月前比は1.9%の上昇となった。また、国内企業物価は、8月(速報値)は前月比保合い(前年同月比0.6%下落)、3ヶ月前比は0.2%の上昇となった。
 日本銀行「企業向けサービス価格指数」の7月の企業向けサービス価格は前年同月比0.6%の下落(前月比保合い)となった。
 総務省「消費者物価指数(全国)」の生鮮食品を除く総合は、7月は前年同月比0.2%の下落(季節調整済前月比0.2%の上昇)、5-7月平均の前年同期比は0.4%の下落となった。一般サービスは、7月は前年同月比0.1%の上昇、5-7月平均の前年同期比は保合いとなった。一般商品は、7月は前年同月比1.1%の下落、5-7月平均の前年同期比は1.2%の下落となった。公共料金は、7月は前年同月比1.4%の上昇、5-7月平均の前年同期比は1.0%の上昇となった。また、「消費者物価指数(東京都区部、中旬速報値)」の生鮮食品を除く総合は、8月は前年同月比0.3%の下落(季節調整済前月比0.1%の上昇)、6-8月平均の前年同期比は0.4%の下落となった。
<金融>
 無担保コールオーバーナイトレートは、8月は、0.001~0.002%で推移した。3ヶ月物ユーロ円TIBORは、8月は、0.08%台で推移した。10年物国債流通利回りは、8月は、0.8%台~1.4%台で推移した。
 東証株価指数(TOPIX)は、8月末は1,002ポイントとなった。日経平均株価は、8月末は10,343円となった。
 対米ドル円レート(インターバンク直物中心レート)は、8月末は117.05円となった。対ユーロ円レート(インターバンク17時時点)は、8月末は127.78円となった。
 マネタリーベース(月中平均残高)は、8月(速報)は前年同月比20.5%増となった。8月の日銀当座預金平均残高は29.3兆円となった。M2+CD(月中平均残高)は、前年同月比2.0%増となった(8月速報)。広義流動性は、8月(速報)は前年同月比1.1%増(簡易保険福祉事業団保有金融資産の日本郵政公社への承継による影響を除くと3.3%増)となった。金融機関(全国銀行)の貸出(月中平均残高)は、8月(速報)は前年同月比5.2%減(貸出債権流動化・償却要因等調整後1.9%減)となった。8月のエクイティ市場での発行(国内市場発行分)は、転換社債型新株予約権付社債の発行はなかった。また、国内公募事業債の起債実績は、7,110億円(銀行起債の普通社債は1,700億円)となった。国内銀行の貸出約定平均金利(新規実行分)は、7月は前月比で短期は0.100%ポイント上昇し、長期は0.078%ポイント上昇したことから、総合では0.093%ポイント上昇し1.704%となった。日本銀行「全国企業短期経済観測調査」(6月調査)によると、資金繰り判断および金融機関の貸出態度は改善している。
<景気ウォッチャー調査>
 内閣府「景気ウォッチャー調査」の8月の現状判断DIは、前月を1.5ポイント上回り、46.4となった。先行き判断DIは、前月を2.1ポイント上回り、48.9となった。