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月例経済報告

―景気は、おおむね横ばいとなっているが、イラク情勢等から不透明感が増している。―

先行きについては、アメリカ経済等の回復が持続すれば、景気は持ち直しに向かうことが期待される。一方、イラク情勢等からくる不確実性の高まりや世界的な株価の低迷の中で、我が国の最終需要が下押しされる懸念が強まっている。

平成15年3月17日

内閣府



 

[参考]先月からの主要変更点


 


月例経済報告

平成15年3月

総論

(我が国経済の基調判断)

景気は、おおむね横ばいとなっているが、イラク情勢等から不透明感が増している。

 先行きについては、アメリカ経済等の回復が持続すれば、景気は持ち直しに向かうことが期待される。一方、イラク情勢等からくる不確実性の高まりや世界的な株価の低迷の中で、我が国の最終需要が下押しされる懸念が強まっている。

(政策の基本的態度)

 政府は、内外の金融・経済情勢等を注視しつつ、引き続き金融、税制、歳出及び規制の四本柱の構造改革を一体的かつ整合的に実行することにより、民間需要主導の持続的な経済成長の実現を図る。平成14年度補正予算を着実に実施するとともに、平成15年度予算及び税制改正法案等の関連法案の早期成立に努める。また、株式市場の適正な運営を確保する観点から、その厳格な監視など、所要の措置を講じた。
 政府は、日本銀行と一体となって、金融危機を起こさせないよう万全を期すとともに、金融・資本市場の安定及びデフレ克服を目指し、引き続き強力かつ総合的な取組を行う。
 



各論

1.消費・投資などの需要動向

個人消費は、おおむね横ばいで推移するなかで、足元弱い動きがみられる。

 個人消費は、昨年初以降、おおむね横ばいで推移するなかで、足元弱い動きがみられる。この背景としては、収入面での弱い動きが続くなど家計を取り巻く環境が厳しいことに加え、消費者マインドがこのところ弱含みとなっていることが考えられる。
 需要側の動向をみると、昨年来、底固い動きが続いていたが、足元では弱い動きがみられる。消費総合指数は3ヶ月前比で、2ヶ月連続で減少している。支出項目ごとの動向について家計調査をみると、実質消費支出は、前月に比べて増加しているが、大幅に落ち込んだ12月の反動の側面が強い。また、食料が引き続き前年を下回るなど、基礎的な支出項目の増加基調が緩やかになっていることに加え、選択的な支出項目もこのところ減少幅が大きくなっている。
 販売側の動向をみると、全体的に弱含んでいる。小売業販売額は弱い動きが続いている。チェーンストア販売額は、引き続き前年を下回った。百貨店販売額は、初売りの前倒し効果がみられたことや、前月に大きく落ち込んだ反動から、前年比の減少幅が縮小した。新車販売台数は、小型乗用車が引き続き大幅に増加したことから、引き続き前年を上回っている。家電販売金額は、主力商品であるパソコンが前年を下回って推移していることから前年を下回った。旅行は、国内旅行は引き続き前年を下回った。海外旅行は前年大きく減少した反動から増加しているが、増加幅は縮小した。

設備投資は、持ち直している。

 設備投資は、平成13年に入って以降減少が続いてきたが、企業収益の改善等を受けて持ち直している。これを需要側統計である「法人企業統計季報」でみると、平成13年1-3月期以降減少が続いてきたが、平成14年10-12月期に持ち直しに転じている。また、機械設備投資の供給側統計である資本財出荷は、やや持ち直している。ソフトウェア投資は、弱含んでいる。
 先行きについては、機械設備投資の先行指標である機械受注は平成14年前半に底入れし持ち直しの動きがみられるものの、15年1-3月期の見通しは慎重な見込みとなっており、その回復力は弱いと見込まれる。また、日銀短観等によれば企業は依然高い設備過剰感を有していること、外需をはじめとする最終需要の先行きが依然不透明で企業の生産活動の持ち直しに向けた力も当面弱いものにとどまるものと考えられること等から、設備投資の持ち直しの動きは当面緩慢なものにとどまると見込まれる。

住宅建設は、緩やかに減少している。

 平成14年の住宅建設は、2年連続で120万戸を下回る低い水準となった。また、平成14年4-6月期以降、マンションの着工が減少したこと等から、住宅建設は緩やかに減少している。これは、雇用・所得環境が厳しいこと、不動産価格の長期的下落傾向により買い換えが困難となっていることなどから、消費者の住宅取得マインドが低下していることが要因であると考えられる。
 平成15年1月は、持家、貸家、分譲住宅の全てが増加し、年率119.5万戸となったが、先行きについては、引き続き消費者の住宅取得マインドが低下しており、住宅着工を減少させる要因になるものと見込まれる。

公共投資は、総じて低調に推移している。

 公共投資は、国、地方の予算状況を反映して、総じて低調に推移している。
国の平成14年度補正後予算では、構造改革推進型の公共投資等に災害対策費を含め、国費ベースで2.0兆円程度(事業規模で3.4兆円程度)の公共投資を計上するなどの予算措置を講じたが、補正後の公共投資は、「改革推進公共投資」特別措置を実施した前年度を大きく下回った。地方の投資的経費のうち単独事業費は、地方財政計画では、前年度比10.0%減となっている。
 このような状況を反映して、平成14年度に入って、今年度に繰り越された平成13年度第2次補正予算の下支え効果がみられたものの、公共工事請負金額、公共工事受注額、大手50社受注額は、4-6月期以降10-12月期まで、大手50社受注額が10-12月期に前年比プラスだったことを除いて、前年を下回っている。
 1-3月期の公共投資については、1月の公共工事請負金額なども前年を下回っており、国、地方の予算状況を踏まえると、引き続き前年を下回るものと考えられる。

輸出は、横ばいとなっている。輸入は、緩やかに増加している。貿易・サービス収支の黒字は、やや減少している。

 輸出は、昨年初来のIT関連品目を中心とする在庫積み増しの動きが一服したことから昨年半ばまでの増勢は失われているものの、輸送機械を中心に機械機器が比較的底堅く推移していること等から、全体として横ばいとなっている。地域別にみると、アジア向け輸出は、中国向けを中心に機械機器や化学製品等の輸出が増加していることから、全体として緩やかに増加している。ただし、1月の増加は2月初の春節に向けて前倒し輸出があったとみられること等から、実勢よりも高めに出ている可能性があることに留意する必要がある。アメリカ向け輸出は、在庫補充の一服や販売台数の減少の影響により自動車の輸出が減少したこと等から、足元弱含んでいる。EU向け輸出は、新型車投入のため自動車の輸出が増えたこと等から、おおむね横ばいとなっている。先行きについては、アジアにおける景気の緩やかな拡大が輸出の下支えになると考えられるものの、イラク情勢の緊迫を背景に、アメリカの景気回復が弱まりつつあること等から、当面の輸出の回復力は弱いものと見込まれる。
 輸入は、生産が弱含んでいるものの、鉱物性燃料が引き続き増加しているほか、中国からの輸入が趨勢的に増加していること等から、緩やかに増加している。地域別にみると、アジアからの輸入は、NIEs、ASEANからの輸入は減少しているものの、中国からの輸入が機械機器、繊維製品を中心に増加していることから、全体として増加している。アメリカからの輸入は、同国西海岸における港湾封鎖解除の影響により足元高い伸びとなっているが、その動きを均してみれば、おおむね横ばいとなっている。EUからの輸入は、おおむね横ばいとなっている。
 以上のように、輸出数量が横ばいとなる一方、輸入数量が緩やかに増加していること等を反映し、貿易・サービス収支の黒字は、やや減少している。

2.企業活動と雇用情勢

生産は、弱含んでいる。

 鉱工業生産は、輸出の増加や在庫調整の進展・一巡を背景に、昨年に入ってから持ち直してきたが、国内最終需要の弱い動きが続くなか、輸出が横ばい傾向で推移していることから、昨年末以降、弱含んでいる。在庫は低水準にあるものの、外需をはじめとする最終需要の先行きが不透明であること等を背景に、企業は在庫積み増しに慎重になっており、生産の増加にはつながっていない。
 先行きについては、在庫面からの生産下押し圧力は少ないと考えられるものの、国内最終需要は当面低調に推移することが見込まれるほか、アメリカ経済等をはじめとする世界経済の先行き不透明感を背景に輸出による牽引力もそれ程大きなものとはならないと考えられることから、生産の持ち直しに向けた力は当面弱いものにとどまると見込まれる。なお、製造工業生産予測調査においては、2月は微減、3月は微増となることが見込まれている。
 また、第3次産業活動は、卸売・小売業,飲食店を中心に緩やかに減少している。

企業収益は、改善している。また、企業の業況判断は、緩やかながら、引き続き改善がみられる。倒産件数は、減少している。

 企業収益の動向を「法人企業統計季報」によりみると、平成13年7-9月期以降、電気機械等の製造業を中心に前年比で大幅な減益となってきたが、売上高は引き続き減収となっているものの、人件費を中心とする企業のリストラ努力によりコスト削減が進んでいること等を背景に平成14年7-9月期には前年比で増益に転じ、10-12月期においても増益が続いている。業種別にみると、製造業では輸出増加の影響の大きい電気機械や輸送用機械を中心に大幅な増益となっているのに対し、非製造業では、中小企業の減益幅が大きく、全体としても若干の減益となった。なお、「日銀短観」によると、下期については製造業を中心に大幅な増益が見込まれている。
 企業の業況判断について、「日銀短観」をみると、中小企業では低い水準にあり、依然厳しさがみられるものの、製造業を中心に緩やかながら、引き続き改善がみられる。先行きについては、若干の悪化を見込んでおり、慎重な見方が出てきている。
 また、企業倒産は、セーフティーネット保証の適用件数が増えていること等を背景に、減少している。

雇用情勢は、依然として厳しい。求人が増加傾向にあるものの、完全失業率が高水準で推移し、賃金も弱い動きが続いている。

 企業の人件費抑制姿勢などの労働力需要面の要因や、雇用のミスマッチなどの構造的要因から、完全失業率が高水準で推移するなど、厳しい雇用情勢が続いている。
 完全失業率は、1月は、前月比0.2%ポイント上昇し5.5%と、昨年8月及び10月と並んで過去最高となった。雇用者については、3ヶ月ぶりに前月比減少し、弱含んでいる。
 新規求人数は、2002年前半から増加傾向にある。有効求人倍率についても、引き続き緩やかに上昇している。製造業の残業時間については、緩やかな増加傾向が続いているが、1月は大きく増加した。
 賃金の動きをみると、定期給与は前年同月比、前月比とも増加したものの、現金給与総額は前年を下回っており、弱い動きが続いている。

3.物価と金融情勢

国内企業物価は、横ばいとなっている。消費者物価は、弱含んでいる。

 輸入物価(円ベース)は、平成14年末以降上昇傾向が弱まっていたが、足元で上昇している。国内企業物価は、横ばいとなっている。最近の動きを類別にみると、電気機器などが下落しているが、輸入価格の上昇により石油・石炭製品、化学製品が上昇しているほか、在庫調整の一巡などにより鉄鋼が上昇している。
 企業向けサービス価格は、前年同月比で下落が続いている。
 消費者物価は、平成12年秋以降弱含んでいる。最近の動きを類別にみると、一般商品は、足元で石油製品が上昇に転じたこともあり、その他工業製品が下落幅を縮小しているが、耐久消費財や繊維製品の下落などにより、全体として下落している。また、一般サービスは横ばいとなっているが、公共料金は下落している。
 なお、原油価格上昇の影響が国内企業物価(石油・石炭製品、化学製品)、消費者物価(石油製品)ともにみられていることから、原油価格の動向には引き続き留意する必要がある。
 こうした動向を総合してみると、持続的な物価下落という意味において、緩やかなデフレにある。

国際政治情勢等の不透明感から、株安となっている。3月期末に向けて、短期金融市場は落ち着いている。

 国際政治情勢等の不透明感から、株式相場は軟調に推移し、為替相場は2月中旬以降円高・ドル安局面にある。
 3月期末に向けて、金融市場は落ち着きがみられる。短期金利は0.001~0.002%でほぼ横ばい、長期金利は投資家の旺盛な需要などに支えられ0.7%台で推移している。企業の資金繰り状況に概ね変化はみられず、民間債と国債との流通利回りスプレッドはこのところ縮小している。
 マネタリーベースは、日本銀行の潤沢な資金供給などを背景に10%台の高い伸びが続いているが、伸び率は鈍化している。M2+CD(月中平均残高)は、昨年末以降2%程度の伸び率となっている。

4.海外経済

アジアでは景気が緩やかに拡大しており、アメリカでは景気回復が続く中でその力が弱まりつつある。イラク情勢の緊迫から原油価格が上昇している。
アメリカでは、景気回復が続いているが、このところ回復力が弱まりつつある。

 個人消費は、消費者マインドの悪化などから、持ち直しの動きが弱まっている。マインド悪化の背景には、イラク情勢の緊迫と、雇用環境が厳しさを増していることが大きい。また、東海岸が7年ぶりの豪雪に見舞われたことや、ガソリン等価格が大幅に上昇していることも、個人消費の動きを弱めた要因と考えられる。物価は、安定基調にあるが、このところ原油価格上昇の影響がみられる。
 設備投資は、機械設備投資等を中心に持ち直しており、また、先行指標となる資本財の受注は増加している。
先行きについては、イラク情勢の緊迫が消費者や企業のマインドを大きく悪化させていることが懸念される。

アジアでは、景気は緩やかに拡大している。

 中国では、内需が堅調に拡大すると同時に、輸出の増加が続いており、景気は拡大している。韓国では、景気は拡大しているが、機械受注の伸びが鈍化するなど設備投資に弱い動きがみられる。タイで景気拡大が続くほか、台湾、マレイシアでも内需の増加から、景気は緩やかに拡大している。
 しかし、多くの国・地域では、アメリカ向けを中心として輸出の伸びが鈍化している一方、原油価格上昇が消費者物価上昇率を高めている。

ユーロ圏では、景気は減速している。

 ドイツでは、消費者・企業マインド悪化傾向のもとで、消費や投資は弱い動きとなっており、景気は弱い状態が続いている。フランスでは、消費者マインドの冷え込みから、これまで高い伸びを示した消費が横ばいとなるなど、景気は減速している。また、昨年秋以降のユーロ高の影響を主因として、ユーロ圏では輸出の伸びが急速に鈍化している。他方、物価は概ね安定しており、原油価格上昇の影響はきわめて小さいものにとどまっている。
 こうしたなかで欧州中央銀行(ECB)は、経済成長の減速に対処するため、3月6日政策金利(短期買いオペの最低応札金利)を0.25%引き下げ2.50%とすることを決定した。また、欧州委員会は、1-3月期の経済成長見通しが前期比0.1%減~0.3%増となり、減速が続くものと見込んでいる。

国際金融情勢等

 金融情勢をみると、イラク情勢の緊迫、アメリカ経済の先行き不透明感の高まりから2月上旬以降、アメリカの株価は弱含み、長期金利は低下した。ドルは、2月上旬に増価したが、その後は減価基調で推移した。
 原油価格は、イラク情勢の緊迫等から上昇基調で推移し、2月下旬には1990年秋以来の水準となった。



注)

<個人消費>
 消費総合指数(需要側、内閣府試算値、後方3ヶ月移動平均)は、平成14年12月(速報値)季節調整済3ヶ月前比0.6%減の後、平成15年1月(速報値)は同1.6%減となった。
 消費総合指数の作成方法:総務省「家計調査」から、GDPの個人消費には含まれない「仕送り金」、「修繕費」や、振れが大きい高額消費である「自動車等購入」などを除外した後、世帯数を乗ずるなどしてマクロの消費ベースにする。これに、自動車、家賃、医療費について別途供給側の統計を用いて計算したものを加える。詳細は、ディスカッションペーパー (http://www5.cao.go.jp/keizai3/discussion-paper/menu.html)を参照。
 家計調査の全世帯実質消費支出は、12月季節調整済前月比2.3%減の後、1月(速報値)は同2.8%増(前年同月比1.5%減)となった。
 家計調査の全世帯実質消費支出(除く自動車、住居、仕送り金等)は、1月(速報値)は季節調整済前月比2.2%増(前年同月比1.1%減)となった。
 経済産業省「商業販売統計」の小売業販売額は、12月季調済前月比3.9%減の後、1月(速報値)は同3.2%増(前年同月比2.2%減)となった。また、百貨店販売額は、1月(速報値)は、前年同月比1.9%減(店舗調整後)(季節調整済前月比6.6%増(店舗調整前))となった。
 チェーンストア販売額(日本チェーンストア協会調べ)は、12月前年同月比4.2%減(店舗調整後)の後、1月は同2.4%減(店舗調整後)(季節調整済前月比4.9%増(店舗調整前))となった。
 乗用車(含軽)新車新規登録・届出台数は、1月前年同月比4.6%増の後、2月(速報値)は同5.1%増となった。
 家電販売額(日本電気大型店協会調べ)は、12月前年同月比6.5%減の後、1月は同2.2%減となった。
 大手旅行業者13社取扱金額は、12月国内旅行が前年同月比3.4%減、海外旅行が同85.2%増の後、1月国内旅行が同6.1%減、海外旅行が同35.9%増となった。
 内閣府「消費動向調査」の消費者態度指数(季節調整済)は、9月前期差0.3ポイント改善の後、12月同1.5ポイント悪化となった。内閣府「月次消費動向調査」の消費者態度指数(東京都、原数値)は、1月前月差0.1ポイント改善の後、2月同0.1ポイント改善した。

<設備投資>
 平成14年10-12月期の設備投資を財務省「法人企業統計季報」(全規模全産業、ソフトウェアを除く)でみると、季節調整済前期比で3.9%増(前年同期比1.8%減)となっており、うち製造業では同2.9%増(同10.8%減)、非製造業では同4.4%増(同2.4%増)となっている。
 経済産業省「鉱工業指数」により資本財出荷(除く輸送機械)をみると、12月は季節調整済前月比0.8%増(前年同月比2.8%減)の後、1月は同5.5%増(同3.9%増)となっている。
 日本銀行「全国企業短期経済観測調査」(12月調査)により設備投資の動向(ソフトウェアを除く)をみると、大企業の平成14年度設備投資計画は、製造業で前年度比10.7%減、非製造業で同4.3%減となっており、全産業では同6.8%減となっている。また、中小企業では製造業で同6.6%減、非製造業で同3.2%減となっており、全産業では同4.1%減となっている。
 経済産業省「特定サービス産業動態統計」でみると、受注ソフトウェア売上高は、12月は前年同月比1.6%減の後、1月は同7.3%減となっている。
 機械受注(船舶・電力除く民需)は、12月は季節調整済前月比5.2%増(前年同月比0.3%減)の後、1月は同7.0%増(同18.8%増)となっている。なお、平成15年1-3月期(見通し、12月調査時点)の機械受注(船舶・電力除く民需)は、季節調整済前期比で3.5%減(前年同期比2.2%増)と見込まれている。
 民間からの建設工事受注(50社、非住宅)は、季節調整済前月比で12月は5.1%増(同5.9%減)の後、1月は同2.3%増(同6.0%減)となっている。

<住宅建設>
 国土交通省「建築着工統計」によると、新設住宅着工総戸数(季節調整済前期比)は、平成14年4-6月期は0.4%増、7-9月期は3.3%減、10-12月期は1.0%減、平成15年1月は6.8%増となっており、うち共同建分譲住宅の着工(同)は、平成14年4-6月期は8.9%減、7-9月期は10.2%減、10-12月期は0.0%増、平成15年1月は9.5%増となった。また、新設住宅着工床面積(同)は、平成14年4-6月期は0.2%減、7-9月期は3.2%減、10-12月期は1.1%減、平成15年1月は3.3%増となった。
 消費者の住宅取得マインドを示す指標のひとつである(社)日本リサーチ総合研究所「不動産購買態度指数」をみると、平成12年は、2月128、4月128、6月124、8月118、10月122、12月117、平成13年は、2月118、4月119、6月117、8月110、10月109、12月104、平成14年は、2月104、4月114、6月117、8月114、10月115、12月111、平成15年は、2月110となった。

<公共投資>
 平成14年度の国の一般会計予算(補正後)を前年度補正後予算と比較すると、「改革推進公共投資」特別措置を含めた公共投資関連予算ベースでは15.9%減となっている。なお、平成15年度予算においては、公共投資関係費について、前年度比3.7%減と規模を縮減し、都市の再生や地方の活性化など、「平成15年度予算編成の基本方針」の重点4分野を中心に、雇用・民間需要の拡大に資する分野へ重点化している。
 地方の予算をみると、総務省がまとめた都道府県、政令指定都市の普通会計予算額(9月補正後)では、普通建設事業費は前年度比10.1%減、普通建設事業費のうち補助事業費、単独事業費は、それぞれ前年度比11.1%減、10.6%減となっている。なお、平成15年度地方財政対策においては、投資的経費のうち地方単独事業費について、前年度比5.5%減とし、計画的な抑制と重点的な配分を行うとしている。また、時事通信社調査によれば、普通建設事業費は、都道府県で前年度比6.1%減、政令指定都市で同5.8%減、中核市で同8.9%減、その他の県庁所在市で同12.8%減となっており、これらを単純合計すると、前年度比6.4%減となっている(骨格予算、暫定予算を編成した地方公共団体を除く)。
 公共機関からの1件500万円以上の建設工事受注額(建設工事受注動態統計調査)は、前年同月比で12月7.2%増の後、1月は17.5%減となった。同じく大手50社の建設工事受注額は、前年同月比で12月4.2%増の後、1月は20.1%減となった。公共工事請負金額(公共工事前払金保証統計)は、前年同月比で12月3.2%減の後、1月は5.5%減となった。公共工事出来高(建設総合統計)は、前年同月比で11月5.7%減の後、12月は7.5%減となり、内閣府にて季節調整を実施した結果によると、前月比で11月1.3%減の後、12月は2.5%減となった。

<輸出・輸入・国際収支>
 通通関輸出(数量ベース、季節調整値)は、前月比で平成14年12月2.0%減の後、1月は0.5%減(前年同月比10.4%増)となった。また、前期比で7-9月期は0.4%増の後、10-12月期は2.1%増(前年同期比14.7%増)となっている。
 通関輸入(数量ベース、季節調整値)は、前月比で平成14年12月0.0%減の後、1月1.5%増(前年同月比9.4%増)となった。また、前期比で7-9月期3.4%増の後、10-12月期は0.6%増(前年同期比5.3%増)となっている。
 貿易・サービス収支(季節調整値)の黒字は、平成14年12月は4,495億円の後、1月は4,175億円、通関収支差(季節調整値)は、平成14年12月は7,854億円の後、1月は6,900億円となった。

<生産・出荷・在庫>
 1月の鉱工業生産指数(季節調整値、速報)は、電気機械や一般機械等が増加したことから、前月比1.5%増となった。
 製造工業生産予測調査によると、前月比で、2月は輸送機械や鉄鋼等の減少により0.4%減の後、3月は電気機械や化学等の増加により0.6%増になると見込まれている。
 1月の鉱工業生産者製品在庫指数(季節調整値、速報)は、前月比0.8%増となった。また、1月の鉱工業生産者製品在庫率指数(季節調整値、速報)は100.3となっている。
 第3次産業活動指数(季節調整値)は、12月(速報)前月比0.7%減となった。また、10-12月の平均(3カ月移動平均値)による対3ヶ月前比(同7-9月平均対比)をみると1.0%減となっている。

<企業>
 財務省「法人企業統計季報」によると、10-12月期の経常利益は全産業で前年同期比22.7%増、製造業は72.7%増、非製造業は1.7%減となった。
 日本銀行「全国企業短期経済観測調査」(12月調査)によると、平成14年度の経常利益は、全規模・全産業で、上期は前年同期比5.7%の増益、下期は同16.8%の増益、通期では前年比11.6%の増益を見込んでいる。
 一方、業況判断について日本銀行「全国企業短期経済観測調査」(12月調査、業況水準について「良い」-「悪い」)をみると、大企業は2%ポイント改善して△11%ポイント、中小企業は3%ポイント改善して△35%ポイント、全規模合計では2%ポイント改善して△28%ポイントとなった。

<倒産>
 企業の倒産については、東京商工リサーチ「倒産月報」によると、1月の企業倒産件数(負債額1,000万円以上)は1,444件(前年同月比6.4%減)、負債総額は1兆2,192億円(同16.8%増)となっており、帝国データバンク「全国企業倒産集計」によると、企業倒産件数は1,436件(同11.4%減)、負債総額は1兆2,189億円(同14.2%増)となっている。また、大型倒産(負債額10億円以上)は、109件(同8.4%減)となっており、主な大型倒産としては、不動産業の松栄不動産(負債1,488億円)など(東京商工リサーチ調べ)。

<雇用情勢>
 総務省「労働力調査」によると、1月の完全失業率(季節調整値)は、男女計で前月比0.2%ポイント上昇し、5.5%となった。完全失業者数(季節調整値)は、男女計で前月差12万人増の368万人となった。
 労働力調査により内閣府にて季節調整を実施した結果によると、求職理由別完全失業者数(季節調整値)は、非自発的な離職による者は、前月差6万人減の156万人、自発的な離職による者は、同8万人減の110万人、非労働力人口からの流入などを含むその他の者は同15万人増の75万人となった。
 労働力調査によると、1月の雇用者数(季節調整値)は、男女計で12月前月比0.2%増の後、1月は同0.2%減の5,316万人となった。
 厚生労働省「職業安定業務統計」の新規求人数は、12月季節調整済前月比2.7%増の後、1月は同1.2%増(前年同月比12.3%増)となった。有効求人数は、12月同1.4%増の後、1月は同0.9%増(同10.7%増)となった。新規求職件数は、12月同0.3%減の後、1月は同0.5%増(同3.0%減)となった。有効求職者数は、12月同1.4%減の後、1月は同1.9%減(同5.4%減)となった。新規求人倍率(季節調整値)は12月1.02倍の後、1月1.02倍となった。有効求人倍率(季節調整値)は、12月0.59倍の後、1月0.60倍となった。
 毎月勤労統計調査によると、所定外労働時間(製造業)は、事業所規模5人以上では12月季節調整済前月比0.8%増(前年同月比19.6%増)の後、1月は同2.6%増(同19.8%増)(速報値)となった。
 厚生労働省「労働経済動向調査」によると、雇用調整実施事業所割合は、産業計では14年7-9月期の25%から10-12月期は23%となった。製造業では同33%から30%となった。製造業大企業(1,000人以上)では同40%から36%となった。
 毎月勤労統計調査によると、きまって支給する給与は、事業所規模5人以上では12月季節調整済前月比0.2%減(前年同月比0.6%減)の後、1月は同0.4%増(同0.2%増)(速報値)となった。現金給与総額は、事業所規模5人以上では1月前年同月比1.4%減(速報値)となった。

<物価>
 日本銀行「企業物価指数」の輸出物価(円ベース)は、平成15年2月(速報値)は前月比1.1%の上昇(前年同月比6.2%の下落)、3ヶ月前比は0.1%の下落となった。輸入物価(円ベース)は、2月(速報値)は前月比2.3%の上昇(前年同月比0.4%上昇)、3ヶ月前比は1.3%の上昇となった。また、国内企業物価は、2月(速報値)は前月比0.2%の上昇(前年同月比0.9%下落)、3ヶ月前比は保合いとなった。
 日本銀行「企業向けサービス価格指数」の1月の企業向けサービス価格は前年同月比0.7%の下落(前月比0.5%の下落)となった。
 総務省「消費者物価指数(全国)」の生鮮食品を除く総合は、1月は前年同月比0.8%の下落(季節調整済前月比保合い)、11-1月平均の前年同期比は0.8%の下落となった。一般サービスは、1月は前年同月比保合い、11-1月平均の前年同期比は保合いとなった。一般商品は、1月は前年同月比1.3%の下落、11-1月平均の前年同期比は1.4%の下落となった。公共料金は、1月は前年同月比0.7%の下落、11-1月平均の前年同期比は0.7%の下落となった。また、「消費者物価指数(東京都区部、中旬速報値)」の生鮮食品を除く総合は、15年2月は前年同月比0.7%の下落(季節調整済前月比0.1%の下落)、12-2月平均の前年同期比は0.7%の下落となった。

<金融>
 無担保コールオーバーナイトレートは、2月は、0.001~0.002%で推移した。3ヶ月物ユーロ円TIBORは、2月は、0.09%台で推移した。10年物国債流通利回りは、2月は、0.7%台~0.8%台で推移した。
 東証株価指数(TOPIX)は、2月末には818ポイントとなった。日経平均株価は、2月末には8,363円となった。
 対米ドル円相場(インターバンク直物中心相場)は、2月末は117.75円となった。対ユーロ円相場(インターバンク17時時点)は、2月末は126.55円となった。
 マネタリーベース(月中平均残高)は、2月(速報)は前年同月比12.6%増となった。2月の日銀当座預金平均残高は20.1兆円となった。M2+CD(月中平均残高)は、前年同月比2.0%増となった(2月速報)。広義流動性は、2月(速報)は前年同月比1.4%増となった。金融機関(全国銀行)の貸出(月中平均残高)は、2月(速報)は前年同月比4.8%減(貸出債権流動化・償却要因等調整後2.5%減)となった。2月のエクイティ市場での発行(国内市場発行分)は、転換社債型新株予約権付社債の発行は150億円となった。また、国内公募事業債の起債実績は、6,620億円(銀行起債の普通社債は500億円)となった。国内銀行の貸出約定平均金利(新規実行分)は、1月は前月比で短期は0.064%ポイント上昇し、長期は0.098%ポイント上昇したことから、総合では0.077%ポイント上昇し1.692%となった。日本銀行「全国企業短期経済観測調査」(12月調査)によると、資金繰り判断は横ばい、金融機関の貸出態度は若干悪化している。

<景気ウォッチャー調査>
 内閣府「景気ウォッチャー調査」の2月の現状判断DIは、前月を2.8ポイント上回り、38.3となった。先行き判断DIは、前月を0.8ポイント上回り、40.8となった。