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月例経済報告

―景気は、さらに弱含み―

平成13年5月11日

内閣府


先月からの主要変更点

各論主要変更点


 
月例経済報告

平成13年5月

総論

(我が国経済の基調判断)

景気は、さらに弱含んでいる。


先行きについては、アメリカ経済の減速や設備投資に鈍化の兆しなど、懸念すべき点がみられる。

(政策の基本的態度)

 政府としては、日本経済の再生を最重要課題として位置づけ、まずは、緊急経済対策を速やかに実行に移す。さらに、不良債権の最終処理、21世紀の環境にふさわしい競争的経済システムの構築、財政構造の改革等の経済・財政の構造改革を断行する。
 



各論

1.消費・投資などの需要動向                       

個人消費は、家電リサイクル法施行前の駆け込み需要があったものの、おおむね横ばいの状態が続いている。

 個人消費は、需要側統計である家計調査でみると、平成13年3月は、家電リサイクル法施行前の駆け込み需要がみられたもののマイナスに転じた。また、購入頻度の低い高額商品等による振れを除去し、国民経済計算と概念を調整するため、自動車等購入、住居、仕送り金等を除いたベースでみても、ほぼ同様な動きとなっている。
 販売側統計をみると、小売業売上高は、改善の動きが続いている。家電販売金額は、家電リサイクル法施行前の駆け込み需要によって引き続き前年を大きく上回っている。旅行は、国内旅行、海外旅行ともに前年を上回っているものの、減速感がみられる。
 一方、百貨店販売額は弱い動きが続いており、新車販売台数も伸び悩んでいる。
 こうした需要側、販売側の動向を総合してみると、個人消費は、家電リサイクル法施行前の駆け込み需要の一時的な要因があるものの、おおむね横ばいの状態が続いている。
 個人消費の動向を左右する家計収入の動きをみると、定期収入が3ヶ月連続で減少となるなど弱い動きがみられ、3月は現金給与総額が2ヶ月連続で前年割れとなった。一方、実質賃金はやや増加した。また消費者マインドは、このところ弱含んでいる。


設備投資は、増加している。当面は製造業を中心として堅調に推移すると見込まれるものの、先行きについては鈍化の兆しがみられる。

 設備投資は、平成11年末に持ち直しに転じて以降増加基調が続いており、景気を支える要素となっている。これまで電気機械を中心とする製造業から他の業種へと広がりをみせながら増加してきた。「法人企業統計季報」でみると、10-12月期は、製造業は増加を続け、非製造業も前年比プラスに転じている。大中堅企業について「法人企業動向調査」でみると、1-3月期(実績見込み)は、製造業、非製造業ともに前期比プラスとなっている。
 設備投資の今後の動向については、先行指標である機械受注が、昨年後半は増勢が続いていたため、当面は製造業を中心として堅調に推移すると見込まれる。しかしながら、日銀短観の平成13年度設備投資計画において非製造業を中心に減少が見込まれていること、1-3月期の機械受注が減少の見通しとなっていることなど、先行きについては鈍化の兆しがみられる。
 
住宅建設は、弱含みとなっている。
 住宅建設は、平成11年以降おおむね年率120万戸前後で推移してきたが、このところ弱含んでいる。直近の動きをみると、1月、2月と2ヶ月連続で減少した後、3月はマンション着工の大幅増などにより年率120.7万戸となった。しかし、平成13年1-3月期でみると年率117万戸程度で、前期と比べ減少している。
 また、住宅金融公庫融資の申し込み戸数が減少していることなど、先行き、住宅着工を減少させる要因もみられる。
公共投資は、総じて低調に推移している。
 公共投資は、公共工事請負金額が昨年6月以降継続して前年を下回るなど、総じて低調に推移している。平成12年度の公共事業関連予算の動向をみると、国においては、前年度の予算が比較的高水準であったため、補正後予算は前年度の規模を下回っている。地方においては、厳しい財政状況から投資的経費を抑制する動きが続いている。
工事の受注動向をみると、年度内での発注時期の差異による影響から10月以降は前年を上回る動きがあったが、この影響がおおむね解消されてきたことから、1-3月期に入り再び前年を大きく下回る指標がみられている。
 4-6月期の公共投資については、平成13年度当初予算における国の公共事業関係費については前年度とほぼ同額を確保していること、地方の投資的経費の削減幅が前年度に比べ縮小していることなどから、1-3月期のように前年を大きく下回ることはないものと考えられる。
輸出は、減少している。輸入は、おおむね横ばいで推移している。貿易・サービス収支の黒字は、減少している。
 輸出は、アメリカやアジアの景気減速を背景として、半導体等電子部品などの電気機器を中心に減少している。アジア向けは、中国向けが増加しているものの、アジアNIEs向けを中心に減少しており、アメリカ向け、EU向けも減少している。今後は、アメリカ経済の減速が持続した場合、これが我が国輸出の下押し要因として作用するものと見込まれる。
 輸入は、IT関連財を中心とした機械機器が減少していることなどから、これまでの伸びが鈍化し、おおむね横ばいで推移している。増加を牽引してきたアジアからの輸入は、中国からの輸入が繊維製品を中心に緩やかに増加しているものの、全体では機械機器の減少によっておおむね横ばいで推移している。アメリカ、EUからの輸入は弱含んでいる。
 国際収支をみると、貿易・サービス収支の黒字は、2月単月では輸入金額が大幅に減少したことを主因に大幅に増加したものの、基調としては、輸出数量が減少していることから、黒字は減少している。


2.企業活動と雇用情勢                         

生産は、減少している中で、在庫が増加している。

 鉱工業生産は、平成11年初めの景気回復初期から増加基調を続けてきたが、平成12年秋頃から増加のテンポが緩やかになり、今年に入ってからは減少している。輸出の減少等により、IT関連品目の生産が減少に転じたことが主因である。
 生産の先行きについては、4月、5月ともに減少が見込まれており、実績が見込みを大幅に下回る状況が続いていることにも留意しておく必要がある。また、電子部品等の生産財を中心に在庫が増加していることも、生産の先行きに関して懸念すべき点である。
 第3次産業活動の動向をみると、サービス業を中心に、このところ緩やかに増加している。
 
企業収益は、これまでの高い伸びが鈍化している。また、企業の業況判断は、製造業を中心に急速に悪化している。
 企業収益は、平成11年以降改善しており、特に平成12年半ば以降は大幅な改善が続いていた。今回の改善の背景としては、企業のリストラ努力が挙げられるが、製造業において売上高が伸びていることや、非製造業において平成12年初までは変動費を削減してきたことも大きく寄与していた。しかし、日銀短観によると平成12年度下期から平成13年度上期にかけて伸びが鈍化する見込みとなっており、「法人企業動向調査」によると平成13年1-3月期における大中堅企業の経常利益の判断(前期比「増加」-「減少」)は、「減少」超幅が拡大した。
 企業の業況判断については、日銀短観をみると、電気機械を中心に製造業で急速に悪化するなど、大企業・中小企業、製造業・非製造業の別を問わず悪化がみられる。また、「法人企業動向調査」で業界景気の判断をみると、製造業、非製造業ともに悪化している。
倒産件数は、やや高い水準となっている。
 3月の倒産件数は、東京商工リサーチ調べで1,703件となるなど、やや高い水準となっている。


雇用情勢は、依然として厳しい。完全失業率が高水準で推移し、求人や残業時間も弱含んでいる。

 完全失業率は、3月は4.7%と前月比横ばいで推移し、依然として高水準にある。        
 また、雇用情勢の先行きを懸念すべき動きが引き続きみられる。企業の雇用過剰感が製造業で強まっている中で、新規求人数は、前年同月比でみると依然として増加している(3月前年同月比8.3%増)が、前月比では3ヶ月連続で減少した(3月前月比4.0%減)。製造業の残業時間は、生産の動きを反映し、5ヶ月連続で前月比減となった。雇用者数についても弱含んでいる。


3.物価と金融情勢                           

国内卸売物価消費者物価は、ともに弱含んでいる。

 国内卸売物価は、電気機器や鉄鋼の下落などにより、平成13年入り後弱含んでいる。3月は、石油疋石炭製品などが上昇したものの、鶏卵などの食料用農畜水産物が前月上昇した反動で下落したほか、電気機器や一般機器などが値下がりしたことから、前月比0.1%の下落となり、前年比でみても0.5%の下落とマイナス幅を拡大している。輸出物価(円ベース)は、契約通貨ベースでは電気機器(集積回路)を中心に値下がりしたものの、円安の影響を受けて上昇した。輸入物価(円ベース)は、契約通貨ベースで原油などが上昇したことに加え、円安の影響を受けて上昇した。なお、企業向けサービス価格は、前年同月比で下落が続いている。
 消費者物価は、繊維製品や外食の下落などにより、平成12年秋以降弱含んでいる(生鮮食品を除く総合:3月前年同月比0.6%下落)。なお、4月の東京都区部では、3月に比べ前年同月比で下落幅が縮小している(同:4月前年同月比0.9%下落)。
 こうした動向を総合してみると、持続的な物価下落という意味において、緩やかなデフレにある。
金融情勢については、長期金利は、債券市場で利益確定売りが強まったことなどを受けて、3月下旬より上昇傾向で推移した。
 短期金利についてみると、オーバーナイトレートは、4月は、日本銀行による一段の金融緩和措置を受けて、0.02%前後で推移した。2、3ヶ月物はおおむね横ばいで推移した。長期金利は、景気の先行きを懸念する市場の見方などもあって、昨年秋より低下基調で推移し、3月下旬には1.0%台まで低下したが、その後、債券市場で利益確定売りが強まったことなどを受けて上昇傾向で推移した。
 株式相場は、昨年春より下落基調で推移してきたが、4月は、緊急経済対策への期待感や、堅調な米国株価の動向等を受けて徐々に上昇した。
 対米ドル円相場は、昨年末から円安が進んできたが、4月は、月初の126円台(98年10月以来の水準)から、一時121円台まで上昇した後、月末は123円台となった。対ユーロ相場は、昨年末からユーロ独歩高が進んできたが、4月は、112円台から107円台で推移した。
 M2+CD(月中平均残高)は、昨年後半以降、おおむね前年同月比2.0%増程度で推移してきたが、年明け以降、郵便貯金からの資金シフト等を受けて、やや伸び率を高めている(3月速報:前年同月比2.6%増)。民間金融機関の貸出(総貸出平残前年比)は、96年秋以来マイナスが続いており、企業の資金需要の低迷などを背景に、依然低調に推移している。貸出金利は、ゼロ金利政策解除後緩やかに上昇してきたが、2月はやや低下した。
   
4.海外経済                              
    
アメリカの景気は、昨年末に比べれば減速は緩やかになっているものの、企業収益の悪化などで先行きに不透明感がある。アジアでは景気の拡大テンポは鈍化している。
 世界経済をみると、全体として成長に減速がみられる。
 アメリカでは、耐久財消費や住宅投資などに底堅い動きがみられ、消費者心理や企業の景況感に下げ止まりの兆しもみられる。一方で、企業収益の悪化から設備投資が抑制されているなど、内需は緩やかな伸びにとどまっている。在庫調整が進むなかで、生産活動が停滞している。雇用は製造業や人材派遣業を中心に減少し、失業率が上昇している。景気は、昨年末に比べれば減速は緩やかになっているものの、企業収益の悪化などで先行きに不透明感がある。
 ヨーロッパをみると、ドイツでは、景気は緩やかに拡大しているものの、製造業の景況感は悪化している。フランスでは、固定投資が内需の伸びを支え、景気は安定した拡大を続けている。イギリスでは、景気は緩やかに拡大している。
 アジアをみると、中国では、輸出の伸びに鈍化がみられるものの、個人消費や固定資産投資が堅調に推移しており、景気の拡大テンポはやや高まっている。韓国では、生産や個人消費の伸びの鈍化に加えて、輸出の伸びが鈍化したことから、景気は減速している。
 金融情勢をみると、アメリカでは、4月18日のFOMC臨時会合で短期金利の誘導目標水準が0.5%ポイント引き下げられ、4.50%とされた。
 国際商品市況をみると、夏場のガソリン需要期を控え、原油価格は上昇した。

今月のトピック:家電リサイクル法施行前の駆け込み需要とその影響

備考:需要側消費総合指数の作成方法



注)
<個人消費>
総務省柊家計調査稗の全世帯実質消費支出は、平成13年2月季節調整済前月比2.3%増の後、3月(速報値)は同3.3%減(前年同月比1.5%増)となった。
家計調査の全世帯実質消費支出(除く自動車、住居、仕送り金等)は、3月(速報値)は季節調整済前月比2.6%減(前年同月比0.4%減)となった。
経済産業省柊商業販売統計稗の小売業販売額は、3月(速報値)は季節調整済前月比1.8%減、前年同月比1.6%増となった。
チェーンストア売上高(日本チェーンストア協会調べ)は、3月は、前年同月比5.5%減(店舗調整後)(季節調整済前月比5.3%減(店舗調整前))となった。
家電小売金額(日本電気大型店協会調べ)は、2月前年同月比2.5%増の後、3月は同19.6%増となった。
大手旅行業者13社取扱金額の3月は、前年同月比で国内旅行が0.5%増、海外旅行が同1.5%増となった。
商業販売統計の百貨店販売額は、3月(速報値)は、前年同月比0.5%減(店舗調整後)(季節調整済前月比2.8%減(店舗調整前))となった。
乗用車(含軽)新車新規登録・届出台数は、3月は前年同月比0.7%増の後、4月(速報値)は同0.9%減となった。
厚生労働省「毎月勤労統計調査」によると、現金給与総額は、事業所規模5人以上では、2月前年同月比0.5%減の後、3月(速報値)は同0.3%減(事業所規模30人以上では同0.0%)となり、うちきまって支給する給与は、3月(速報値)同0.6%減(事業所規模30人以上では同0.0%)となった。実質賃金は、事業所規模5人以上では、2月前年同月比0.5%減の後、3月(速報値)は同0.1%増(事業所規模30人以上では同0.5%増)となった。
内閣府「消費動向調査」の消費者態度指数(季節調整済)は、平成12年12月前期差0.5ポイント低下(悪化)の後、13年3月同2.8ポイント低下(悪化)となった。

<設備投資>
10-12月期の設備投資を財務省「法人企業統計季報」(全規模全産業)でみると、前年同期比で7.1%増(うち製造業10.4%増、非製造業5.7%増)となっている。
1-3月期(実績見込み)の設備投資を内閣府「法人企業動向調査」(大中堅企業)でみると、季節調整済前期比8.2%(前年同期比6.6増)となっており、うち製造業では同7.0%増(同20.1%増)、非製造業では同8.5%増(同0.6%増)となっている。
経済産業省「通産統計」により資本財出荷(除く輸送機械)をみると、季節調整済前月比で2月は1.6%増(前年同期比7.8%増)の後、3月は2.2%減(前年同期比0.0%増)となっている。
 日本銀行柊企業短期経済観測調査稗(3月調査)により設備投資の動向(ソフトウェアを除く)をみると、大企業の平成13年度設備投資計画は、製造業で前年度比2.3%増、非製造業で同9.5%減となっており、全産業では同4.7%減となった。また、中小企業では製造業で同22.9%減、非製造業で同20.7%減となっており、全産業では同21.3%減となった。
 機械受注(船舶・電力除く民需)は、季節調整済前月比で1月は11.8%減(前年同月比0.8%増)の後、2月は5.0%増(同5.9%増)となり、一進一退の傾向が続いている。なお、1-3月期(見通し)の機械受注(船舶・電力除く民需)は、季節調整済前期比で6.4%減(前年同期比7.5%増)と見込まれている。
民間からの建設工事受注(50社、非住宅)は、2月は季節調整済前月比7.4%増(前年同月比7.7%減)の後、3月は同4.8%減(同23.8%減)となっている。

<住宅建設>
国土交通省「建築着工統計」によると、新設住宅着工総戸数(季節調整済前期比)は、1月は4.6%減、2月は5.7%減、3月は6.3%増、1-3月期は5.5%減となった。また、公庫を利用した持家の着工(同)は、1月は24.8%減、2月は0.3%減、3月は6.1%減、1-3月期は25.6%減となった。さらに、共同建分譲住宅の着工(同)は、1月は34.1%減、2月は4.1%増、3月は20.2%増、1-3月期は12.3%減となった。
住宅金融公庫を利用した持家の着工(全体の新設住宅着工の約15%)の先行指標である公庫への融資申込み戸数(個人向けマイホーム新築資金)は、第2回募集(受付期間:8月7日~9月22日)に51,192戸(前年同回比42.1%減)となった後、第3回募集(受付期間:10月30日~12月22日)は35,486戸(同4.5%減)、第4回募集(受付期間:1月22日~3月23日)は33,375戸(同11.5%減)となり、低水準にとどまっている。

<公共投資>
平成12年度の国の一般会計予算(補正後)をみると公共事業関係費は前年度比6.2%減となっている。同じく都道府県及び市町村の普通会計予算(9月補正後、単純合計)をみると、普通建設事業費は前年度比7.1%減となっている。
また、平成13年度の国の一般会計予算(当初)をみると、公共事業関係費は前年度当初予算とほぼ同額を確保している。地方の一般会計予算(当初)については、時事通信社調査によれば、投資的経費は、都道府県で前年度比2.6%減、政令指定都市で同5.8%減、中核市で同8.3%減、その他の県庁所在市で同1.9%減となっている(骨格予算を編成した地方公共団体などを除く)。
公共機関からの建設工事受注額(建設工事受注動態統計調査)は、前年の公共工事着工統計調査と比較して、1月9.8%増 (参考値)の後、2月は1.6%減(同)となった。同じく大手50社の受注額は、前年同月比で2月28.9%減の後、3月は16.9%減となった。また、公共工事請負金額(公共工事前払金保証統計)は、前年同月比で2月16.0%減の後、3月は15.9%減となった。

<輸出・輸入・国際収支>
通関輸出(数量ベース、季節調整値)は、前月比で1月5.9%減の後、2月3.5%増、3月2.5%増(前年同月比3.0%減)となった。また、前期比で1-3月期は3.2%減(前年同期比4.4%減)となった。
通関輸入(数量ベース、季節調整値)は、前月比で2月4.3%減の後、3月4.4%増(前年同月比4.3%増)となった。また、前期比で1-3月期は2.0%減(前年同期比6.3%増)となった。
通関収支差は、10-12月期平均の6,217億円(季節調整値)から、1月は3,610億円と減少した後、2月8,391億円、3月7,993億円となった。
 貿易・サービス収支の黒字は、2月は6,347億円(季節調整値)と前月比で5ヶ月ぶりの増加となった。

<生産・出荷・在庫>
3月の鉱工業生産指数(季節調整値、速報)は、電気機械や一般機械等が減少したことから、前月比2.1%減となった。また1-3月期では、前期比3.7%減となり、平成11年4-6月期以来の前期比減となった。
製造工業生産予測指数は、前月比で4月は電気機械や鉄鋼等により0.8%減の後、5月は輸送機械や鉄鋼等により0.8%減となっている。ただし、予測指数の実現率は、昨年7月以降、9ヶ月連続でマイナス(見通しより下方修正される状況)となっている。
3月の鉱工業生産者製品在庫指数(季節調整値、速報)は、前月比0.7%増となり、1-3月期でみると、前期比2.3%増と2期連続の増加となった。また生産財の在庫指数は、昨年10月以降6か月連続で増加している。
2月の第3次産業活動指数(季節調整値・速報)は、サービス業や卸売・小売業,飲食店等が増加した結果、前月比2.0%増となった。

<企業>
企業収益は、平成11年以降改善している。今回の収益改善の特徴をみると、企業の人件費抑制等のリストラ努力が挙げられる。業種別にみると、製造業では、変動費は収益の圧迫要因であるが、売上高が増加したことの寄与が大きく、特に平成12年4-6月期以降は人件費抑制も増益に寄与している。一方、非製造業では、平成12年1-3月期までは主に変動費を減少させることで収益を増加させてきていたが、4-6月期以降は人件費抑制の寄与が大きくなっている。
日本銀行「全国企業短期経済観測調査」(3月調査)によると、全規模・全産業では、平成12年度下期の経常利益は前年同期比1.0%の減益の後、平成13年度上期には同1.6%の増益が見込まれている。
また、内閣府「法人企業動向調査」(3月調査)によると、1-3月期の大中堅企業の経常利益の判断(前期比「増加」-「減少」)は、全産業で12%ポイント悪化して△13%ポイントとなった。
一方、業況判断について日本銀行「全国企業短期経済観測調査」(3月調査、業況水準について「良い」-「悪い」)をみると、全規模で製造業は13%ポイント悪化して△19%ポイントとなり、非製造業は4%ポイント悪化して△24%ポイントとなった。また、内閣府「法人企業動向調査」(3月調査)で企業の業界景気の判断(3か月前との業況比較で「上昇」-「下降」)をみると、製造業は26%ポイント悪化して△27%ポイントとなり、非製造業は16%ポイント悪化して△24%ポイントとなった。

<倒産>
 企業の倒産については、東京商工リサーチ「倒産月報」によると、3月の企業倒産件数(負債額1,000万円以上)は1,703件(前年同月比0.5%減)、負債総額は24,566億円(同315.9%増)となっており、帝国データバンク「全国企業倒産集計」によると、企業倒産件数は1,703件(同3.8%減)、負債総額は23,368億円(同265.9%増)となっている。

<雇用情勢>
総務省「労働力調査」の3月の完全失業者数(季節調整値)は、前月差2万人増の320万人となった。
日本銀行「全国企業短期経済観測調査」によると、企業の雇用人員判断D.I.は、12月調査の9%ポイントから、3月調査では11%ポイントとなった。
厚生労働省「職業安定業務統計」の有効求人倍率(季節調整値)は、2月0.64倍の後、3月0.61倍となった。新規求人倍率(季節調整値)は2月1.08倍の後、3月1.02倍となった。
毎月勤労統計調査によると、所定外労働時間(製造業)は、事業所規模5人以上では2月季節調整済前月比0.6%減(前年同月比3.6%増)の後、3月は同3.9%減(同3.5%減)(速報値)となった。
労働力調査によると、雇用者数の前月比(季節調整値)は、12月0.3%減、1月0.5%減、2月0.6%増、3月0.2%減と推移している。

<物価>
 日本銀行「卸売物価指数」の3月の国内卸売物価は前月比0.1%の下落(前年同月比0.5%下落)、輸出物価(円ベース)は前月比2.4%の上昇(前年同月比4.9%上昇)、輸入物価(円ベース)は前月比3.7%の上昇(前年同月比10.0%上昇)となった。
 日本銀行「企業向けサービス価格指数」の3月の企業向けサービス価格は前年同月比0.8%の下落(前月比0.3%上昇)となった。
 総務省「消費者物価指数(全国)」の3月の生鮮食品を除く総合は、前年同月比0.6%の下落(前月比0.1%上昇、季節調整済前月比0.3%下落)となった。「消費者物価指数(東京都区部、中旬速報値)」の4月の生鮮食品を除く総合は、前年同月比0.9%の下落(前月比0.4%上昇、季節調整済前月比0.1%上昇)となった。

<金融>
無担保コールオーバーナイトレートは、4月は0.02%前後で推移した。3ヶ月物ユーロ円TIBORは、4月は0.10%近辺で推移した。10年物国債流通利回りは、4月は1.4%台半ばまで上昇した後、1.3%台前半まで低下した。
東証株価指数(TOPIX)は、3月末の1,277ポイントから、4月上旬には一時1,263ポイントまで下落した後、中旬には1,337ポイントまで上昇し、月末には1,366ポイントとなった。日経平均株価は、3月末の12,999円から、4月上旬には一時12,620円まで下落した後、中旬には13,868円まで上昇し、月末には13,934円となった。
対米ドル円相場はインターバンク直物中心相場、対ユーロ円相場はインターバンク17時時点の相場。
広義流動性は、3月(速報)は前年同月比3.2%増となった。金融機関(全国銀行)の貸出(月中平均残高)は、3月(速報)は前年同月比3.6%減(貸出債権流動化・償却要因等調整後1.8%減)となった。4月のエクイティ市場での発行(国内市場発行分)は、転換社債が100億円となった。また、国内公募事業債の起債実績は、8,020億円(うち銀行起債分2,425億円)となった。国内銀行の貸出約定平均金利(新規実行分)は、2月は前月比で短期は0.014%ポイント低下し、長期は0.159%ポイント低下したことから、総合では0.051%ポイント低下し1.835%となった。