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月例経済報告

平成13年2月16日

内閣府


先月からの主要変更点

各論主要変更点



月例経済報告

平成13年2月

総論

(我が国経済の基調判断)

景気の改善は、そのテンポがより緩やかになっている。

・ アメリカ経済の減速から輸出が弱含み、それに伴い生産の増加テンポも緩やかになっている。
・ 個人消費はおおむね横ばいであり、失業率は高水準で推移するなど、景気は厳しい状況をなお脱していない。
・ 企業収益や設備投資は増加しており、自律的回復に向けた動きは続いている。

先行きについては、アメリカ経済の減速など、懸念すべき点がみられる。
 

(政策の基本的態度)

 政府は、経済を自律的回復軌道に確実に乗せるため引き続き景気回復に軸足を置きつつ、我が国経済を21世紀にふさわしい構造に改革する。 
 こうした観点から、1月31日に平成13年度の実質経済成長率を1.7%程度と見込んだ「平成13年度の経済見通しと経済運営の基本的態度」を閣議決定し、同日、平成13年度一般会計予算案を国会に提出したところである。
 政府としては、引き続き平成12年度補正予算等の着実な実施を図るとともに、平成13年度予算の早期成立に努めることとしている。


各論

1.消費・投資などの需要動向                       

個人消費は、おおむね横ばいの状態が続いている。定期収入は回復しているものの、年末にはボーナスが伸び悩んだ。

 個人消費は、需要側統計である家計調査でみると、平成12年12月は増加となり、10-12月期は7-9月期とほぼ同じ水準となった。購入頻度の低い高額商品等による振れの除去と国民経済計算との概念調整を行うために、自動車等購入、住居、仕送り金等を除いたベースでみても、ほぼ同様な動きとなっている。また、販売側統計でみると、小売業販売額はほぼ横ばいとなっている。百貨店販売額、チェーンストア売上高は、弱い動きが続いている。一方で、旅行は引き続き前年を上回っており、家電販売金額は、伸び率の鈍化がみられるものの、引き続きパソコンなどに牽引され好調に推移している。また、自動車は平成12年1-3月期以降4四半期続けて前年を上回っていたが、平成13年1月は前年を下回った。こうした需要側、販売側の動向を総合してみると、個人消費は、おおむね横ばいの状態が続いている。
 個人消費の動向を左右する家計収入の動きをみると、定期収入は回復しているものの、ボーナスが伸び悩んだことから、12月は現金給与総額、実質賃金とも若干の前年割れとなっている。また消費者マインドは、改善傾向にやや足踏みがみられている。


設備投資は、製造業を中心に増加している。

 設備投資は、平成11年末に持ち直しに転じて以降増加基調が続いており、景気を支える要素となっている。製造業では、これまで電気機械を中心に増加してきたが、他の業種への広がりをみせながら増加してきている。非製造業では、回復に遅れがみられる。「法人企業統計季報」でみると、7-9月期は製造業では前年比プラスとなっているのに対し、非製造業ではマイナスとなっている。大中堅企業について「法人企業動向調査」でみると、10-12月期(実績見込み)は製造業、非製造業とも前期比プラスとなっている。
 日銀短観で平成12年度の設備投資計画をみると、製造業では大企業、中小企業ともにここ数年で最も伸び率の高い計画となっており、前回調査比でも大幅に上方修正されている(前年比大企業16.4%増、中小企業11.3%増)。
 機械設備投資の先行指標としての機械受注をみると、全体として増勢が続いており、建設設備投資の先行指標である建設工事受注はほぼ横ばいとなっているものの、設備投資全体は当面堅調に推移するものと見込まれる。


住宅建設は、おおむね横ばいとなっている。

 住宅建設は、平成11年以降おおむね年率120万戸前後で推移しているが、直近の動きをみると、10月に若干減少した後、11月、12月と増加している。これは、住宅金融公庫を利用した持家の着工が減少する一方で、マンションの着工が大幅に増加し、全体の水準を押し上げているからである。しかし、この背景には、大型マンションの着工が集中したことなど一時的な動きもあったと考えられ、全体の基調としてはおおむね横ばいであると考えられる。
 また、住宅金融公庫融資の申し込み戸数が減少していることなど、先行き、住宅着工を減少させる要因もみられる。


公共投資は、総じて低調に推移しているが、工事の受注にはこのところ前年を上回る動きがみられる。

 公共投資は、比較的高水準であった前年度の公共事業関連予算を反映して、総じて低調に推移しているが、工事の受注をみると、10月-12月にかけて前年を上回る動きがみられる。これは、昨年度が前倒し執行を実施した反動で年末にかけて低調な動きとなっているのに対し今年度は前倒し執行をしておらず、発注時期の差異による影響が考えられる。
 なお、11月に編成された補正予算は、1-3月期から4-6月期にかけて本格的にその効果が発現するものと考えられる。
 
輸出は、弱含みとなっている。輸入は、増加している。貿易・サービス収支の黒字は、減少している。  輸出は、アメリカ向けはアメリカ経済の減速の影響から、EU向けは既往のユーロ安の影響から、それぞれ弱含み傾向で推移している。また、アジア向けはアジアの最近の生産鈍化を背景として減少に転じており、輸出全体としても弱含みとなっている。今後は、アメリカ経済の減速が持続した場合、我が国輸出の下押し要因として作用するものと見込まれる。
 輸入は、アメリカからの輸入はおおむね横ばいであるが、EUからの輸入が既往のユーロ安の影響から増加傾向にある。また、一時減速していたアジアからの輸入も、中国からの繊維製品が増加に転じていることなどから、再び増加基調にあり、輸入全体としても増加している。
 国際収支をみると、輸入数量が増加し、輸出数量が弱含みとなっているほか、原油価格の上昇による輸入価格押上げ効果は一段落したものの足元では円安の影響から輸入価格が上昇しているため、貿易・サービス収支の黒字は、減少している。


2.企業活動と雇用情勢                         

生産は、増加のテンポが緩やかになっている。

 鉱工業生産は、平成11年初めの景気回復初期から増加基調を続けてきたが、平成12年秋頃から増加のテンポが緩やかになっている。これまで増加を牽引してきたIT関連品目や輸出の伸びが鈍化してきたことが要因である。
 生産の先行きについては、1月、2月と増加が見込まれていることから、当面は増加基調で推移すると考えられる。しかし、実績が予測を下回る状況がこのところ続いていることに留意しておく必要がある。
 鉱工業の在庫は、全体としてはおおむね横ばいで推移しているが、生産財の在庫は半導体需給の緩和等からこのところ増加している。
 第3次産業活動の動向をみると、おおむね横ばいで推移している。
 
企業収益は、大幅な改善が続いているが、そのペースにはやや減速がみられる。また、企業の業況判断は、改善に足踏みがみられる。  企業収益は、平成11年以降改善しており、特に平成12年半ば以降は大幅な改善が続いている(「法人企業統計季報」によれば、経常利益7-9月期は前年同期比24.4%増)。今回の改善の背景としては、企業のリストラ努力が挙げられるが、製造業において売上高が伸びていることや、非製造業において平成12年初までは変動費を削減してきたことも大きく寄与している。また、10-12月期における大企業の経常利益の判断(「増加」-「減少」)を「法人企業動向調査」でみると、「減少」超に転じた。
 企業の業況判断は、「法人企業動向調査」で業界景気の判断(「上昇」-「下降」)をみると製造業、非製造業とも悪化し、全産業で「下降」超に転じるなど、改善に足踏みがみられる。


倒産件数は、やや高い水準となっている。

 12月の倒産件数は、14ヶ月振りに前年を下回ったものの、やや高い水準が続いている。


雇用情勢は、完全失業率が高水準で推移するなど、依然として厳しいものの、求人が増加傾向にあるなど改善の動きが続いている。

 完全失業率は、平成12年2月、3月に4.9%となった後、やや低下がみられたものの、高水準で推移しており、雇用情勢全体としては依然として厳しい状態にある(完全失業率は12月4.8%)。        
 一方で、求人については改善の動きが続いている。新規求人数は、3ヶ月連続前月比増となり、前年同月比でみても、7-9月期以降20%を超える大幅な増加となっている(12月前年同月比27.1%増)。雇用者数については、4ヶ月連続前月比増の後、12月は前月比0.5%減(前年同月比1.3%増)となった。また、平成13年3月の新卒者の内定状況は昨年度よりは改善している。しかし、最近では生産の動きを反映して、これまで増加傾向にあった製造業の残業時間の減少がみられる。


3.物価と金融情勢                           

国内卸売物価は、やや弱含んでいる。消費者物価は、やや弱含んでいる。

 国内卸売物価は、平成11年末以降おおむね横ばいで推移していたが、1月においては配合飼料などが上昇したものの、石油・石炭製品や電気機器などが下落したため、やや弱含んでいる(1月前月比0.2%下落)。輸出物価は、契約通貨ベースで下落したが、円安の影響を受け上昇した。輸入物価は、契約通貨ベースで下落したが、円安の影響を受け上昇した。なお、企業向けサービス価格は、前年同月比で下落が続いている。
 消費者物価は、繊維製品の下落幅の拡大などにより平成12年秋以降やや弱含んでいる(生鮮食品を除く総合:12月前年同月比0.6%の下落)。東京都区部では、繊維製品が下落から上昇に転じたことなどから、前年同月比で下落幅がやや縮小している(同:1月前年同月比0.8%下落)。


金融情勢については、株式相場は、昨年春より下落基調で推移し、昨年来の安値圏にある。

 短期金利についてみると、オーバーナイトレートは、このところ誘導目標水準
(0.25%)前後で推移し、2、3ヶ月物は、1月から2月上旬にかけて低下した。長期金利は、景気の先行きを懸念する市場の見方などもあって、昨年秋より低下基調で推移しているが、2月上旬にはほぼ横ばいで推移した。
 株式相場は、昨年春より下落基調で推移し、昨年来の安値圏にある。
 対米ドル円相場は、昨年末から円安が進み、1月中旬には120円目前まで迫る勢いとなったが、その後反転して、2月上旬にかけて114円台まで上昇した。対ユーロ円相場は、昨年末からユーロ独歩高が進む中、1月中旬には112円台まで下落したが、その後反転して、2月上旬には、106円台-109円台で推移した。
 M2+CD(月中平均残高)は、1月(速報)は前年同月比2.4%増となった。民間金融機関の貸出は依然低調である。また、企業金融のひっ迫感緩和は一服している。貸出金利は、おおむね横ばいで推移している。
 なお、日本銀行は、2月9日の金融政策決定会合において、次回会合までの金融市場調節方針を、引き続き、「無担保コールレート(オーバーナイト物)を、平均的にみて0.25%前後で推移するよう促す」こととしたうえで、公定歩合により受動的に実行する貸出制度(いわゆる「ロンバート型貸出」制度)を新設するなど金融市場に対する流動性供給方法の改善策を講ずるとともに、公定歩合を0.15%引き下げ、年0.35%とすることを決定した。


4.海外経済                              
    
アメリカでは、昨年半ばより鈍化し始めた景気の拡大テンポは、さらに低下している。アジアでも拡大テンポに鈍化がみられる。

 世界経済をみると、全体として成長に減速がみられる。
 アメリカでは、消費者や企業の態度が慎重になっている中で、個人消費の伸びが緩やかになっており、設備投資や住宅投資が減少しているなど、内需の伸びは減速している。製造業では生産活動が縮小し、一部では雇用調整が行われている。昨年半ばより鈍化し始めた景気の拡大テンポは、さらに低下している。
 ヨーロッパをみると、ドイツでは、景気は緩やかに拡大している。フランスでは、固定投資が内需の伸びを支え、景気は安定した拡大を続けている。イギリスでは、このところ一部業種に生産減がみられるものの、景気は安定した拡大を続けている。 
 アジアをみると、中国では、輸出や固定資産投資の伸びが鈍化したことなどから、景気の拡大テンポはやや鈍化している。韓国では、生産や個人消費の伸びの鈍化に加えて、輸出の伸びが鈍化したことから、景気の拡大テンポは鈍化している。
 金融情勢をみると、アメリカでは、短期金利の誘導目標水準が、1月3日、31日と連続0.50%ポイントずつ引き下げられ、5.50%とされた。イギリスでは、政策金利が、2月8日に0.25%ポイント引き下げられ、5.75%とされた。
 国際商品市況をみると、OPECの減産合意の影響などから原油価格は総じて上昇基調で推移した。


今月のトピック:製造業を中心に増加する設備投資


注)

<個人消費>

 総務省「家計調査」の全世帯実質消費支出は、平成12年11月季節調整済前月比1.5%減の後、12月(速報値)は同1.6%増(前年同月比2.1%増)となった。
 家計調査の全世帯実質消費支出は、7-9月期季節調整済前期比2.6%減の後、10-12月期(速報値)は同0.2%増、前年同期比0.3%増となった。
 家計調査の全世帯実質消費支出(除く自動車、住居、仕送り金等)は、12月(速報値)は季節調整済前月比0.0%(前年同月比0.8%減)、10-12月期季節調整済前期比(速報値)は、0.2%減(前年同期比1.0%減)となった。
 経済産業省「商業販売統計」の小売業販売額は、12月(速報値)は季節調整済前月比0.4%減、前年同月比0.9%減となった。
 商業販売統計の百貨店販売額は、12月(速報値)は、前年同月比2.5%減(店舗調整後)(季節調整済前月比3.4%減(店舗調整前))となった。チェーンストア売上高(日本チェーンストア協会調べ)は、12月は、前年同月比6.5%減(店舗調整後)(季節調整済前月比2.8%減(店舗調整前))となった。
 大手旅行業者13社取扱金額は、12月は前年同月比で国内旅行が2.5%増、海外旅行が21.5%増となった。
 家電小売金額(日本電気大型店協会調べ)は、11月前年同月比12.0%増の後、12月は同4.6%増となった。
 乗用車(含軽)新車新規登録・届出台数は、1月(速報値)は前年同月比2.3%減となった。
 厚生労働省「毎月勤労統計調査」によると、現金給与総額は、事業所規模5人以上では、11月前年同月比0.7%増の後、12月(速報値)は同0.5%減(事業所規模30人以上では同1.1%減)となり、うちきまって支給する給与は、12月(速報値)、同0.8%増(事業所規模30人以上では同0.6%増)、特別に支払われた給与は、12月(速報値)、同1.5%減(事業所規模30人以上では同2.2%減)となった。実質賃金は、事業所規模5人以上では、11月前年同月比1.5%増の後、12月(速報値)は同0.2%減(事業所規模30人以上では同0.8%減)となった。
 内閣府「消費動向調査」の消費者態度指数(季節調整済)は、9月前期差0.2ポイント上昇(改善)の後、12月は同0.1ポイント上昇(改善)となった。

<設備投資>

 7-9月期の設備投資を財務省「法人企業統計季報」(全規模全産業)でみると、前年同期比で0.2%増(うち製造業13.0%増、非製造業5.9%減)となっている。
 10-12月期(実績見込み)の設備投資を内閣府「法人企業動向調査」(大中堅企業)でみると、季節調整済前期比11.3%増(前年同期比8.9%増)となっており、うち製造業では同5.1%増(同14.8%増)、非製造業では同14.6%増(同6.0%増)となっている。
 日本銀行「企業短期経済観測調査」(12月調査)により設備投資の動向をみると、大企業の平成12年度設備投資計画は、製造業で前年度比16.4%増(9月調査比2.3%上方修正)、非製造業で同2.5%増(同1.0%上方修正)となっており、全産業では同7.6%増(同1.5%上方修正)となった。また、中小企業では製造業で同11.3%増(同5.8%上方修正)、非製造業で同7.2%減(同3.4%上方修正)となっており、全産業では同2.8%減(同4.0%上方修正)となった。
 機械受注(船舶・電力除く民需)は、季節調整済前月比で11月は2.9%減(前年同月比22.0%増)の後、12月は3.8%増(同13.5%増)となり、基調は、全体として増勢が続いている。なお、1-3月期(見通し)の機械受注(船舶・電力除く民需)は、季節調整済前期比で6.4%減(前年同期比7.5%増)と見込まれている。
 民間からの建設工事受注(50社、非住宅)は、11月は季節調整済前月比8.5%増(前年同月比5.9%減)の後、12月は同5.5%減(同18.5%減)となっている。

<住宅建設>

 国土交通省「建築着工統計」によると、新設住宅着工総戸数(季節調整済前月比)は、10月に2.7%減となった後、11月は5.5%増、12月は1.0%増となった。また、公庫を利用した持家の着工(同)は、10月に12.0%減、11月に8.4%増、12月に4.4%減となった。さらに、共同建分譲住宅の着工(同)は、10月に0.9%増、11月に3.3%増、12月に27.4%増となった。
 住宅金融公庫を利用した持家の着工(全体の新設住宅着工の約15%)の先行指標である公庫への融資申込み戸数(個人向けマイホーム新築資金)は、第2回募集(受付期間:8月7日-9月22日)に51,192戸(前年同回比42.1%減)となった後、第3回募集(受付期間:10月30日-12月22日)は、35,486戸(同4.5%減)となり、低水準にとどまっている。

<公共投資>

 平成12年度の国の一般会計予算(補正後)をみると公共事業関係費は前年度比6.2%減となっている。また、同じく都道府県及び政令指定都市の9月補正後予算をみると、投資的経費は前年度比7.1%減となっている。
 公共機関からの建設工事受注額(建設工事受注動態統計調査)は、前年の公共工事着工統計調査と比較して、11月は18.1%増(参考値)の後、12月は2.2%減(同)となった。同じく大手50社の受注額は、前年同月比で11月は1.0%増の後、12月19.5%増となった。また、公共工事請負金額(公共工事前払金保証統計)は、前年同月比で11月は7.9%減の後、12月は0.7%減となった。
 
<輸出・輸入・国際収支>

 通関輸出(数量ベース、季節調整値)は、前月比で11月4.0%増の後、12月(速報)は2.9%減(前年同月比1.4%増)となった。また、前期比で10-12月期(速報)は2.8%減(前年同期比3.2%増)となった。
 通関輸入(数量ベース、季節調整値)は、前月比で11月1.4%増の後、12月(速報)は2.7%増(前年同月比7.7%増)となった。また、前期比で10-12月期(速報)は5.7%増(前年同期比9.6%増)となった。
 対ユーロ円相場(インターバンク17時時点)は、99年1月の発足時の134円台から2000年10月下旬の89円台までユーロ安が進み、以降、ユーロ高方向に反転している。
 通関原油輸入価格は、5月の16,966円/klから11月は22,007円/kl、12月(速報)は22,229円/klとなった。
 対米ドル円相場(月中平均)は、11月の108.8円から12月は112.2円となった。
 通関輸入価格(95年=100)は、11月の106.8から12月(速報)は111.1となった。
 貿易・サービス収支の黒字は、12月は2,676億円(季節調整値)と前月比で6ヶ月連続の減少となった。

<生産・出荷・在庫>

 12月の鉱工業生産指数(季節調整値)は、輸送機械や一般機械等が増加したことから、前月比1.8%増となっている。また10-12月期では、前期比0.4%増となり、4-6月期(前期比1.7%増)や7-9月期(同1.6%増)に比べて伸びが鈍化している。
製造工業生産予測指数は、前月比で1月は電気機械や化学等により0.7%増の後、2月は輸送機械や一般機械等により1.9%増となっている。ただし、製造工業生産予測指数の実現率は、7月以降、6ヵ月連続でマイナス(見通しより下方修正される状況)となっている。
 12月の鉱工業生産者製品在庫指数(季節調整値)は、前月比0.1%減となっており、10-12月期では、前期比0.8%増となっている。また生産財の在庫指数は、10月以降3か月連続で増加している。
 11月の第3次産業活動指数(季節調整値・速報)は、運輸・通信業や卸売・小売業,飲食店等が増加した結果、前月比0.6%増となった。

<企業>

 7-9月期の経常利益を財務省「法人企業統計季報」でみると、全規模全産業で前年同期比24.4%増となっている。大中堅企業では、製造業が45.5%増、非製造業が6.4%増となっている。中小企業では、製造業が86.9%増、非製造業は11.6%増となっている。
 今回の収益改善の特徴をみると、企業の人件費抑制等のリストラ努力が挙げられる。業種別にみると、製造業では、変動費は収益の圧迫要因であるが、売上高が増加したことの寄与が大きく、特に平成12年4-6月期以降は人件費抑制も増益に寄与している。一方、非製造業では、平成12年1-3月期までは主に変動費を減少させることで収益を増加させてきていたが、4-6月期は人件費抑制の寄与が大きくなっている。
 また、10-12月期における大企業の売上高、経常利益の判断(ともに「増加」-「減少」)を内閣府「法人企業動向調査」(12月調査)でみると、売上高は「増加」超幅が縮小し、経常利益は「減少」超に転じた。また、10-12月期の業界景気の判断(「上昇」-「下降」)は、「下降」超に転じた。
 また、中小企業の動向を中小企業金融公庫「中小企業動向調査」(12月調査、季節調整値)でみると、売上げD.I.(「増加」-「減少」)は、10-12月期は「減少」超幅が縮小し、純益率D.I.(「上昇」-「低下」)は、「低下」超幅が縮小した。業況判断D.I.(「好転」-「悪化」)は、10-12月期は「悪化」超幅が縮小した。
 

<倒産>

 東京商工リサーチ「倒産月報」によると、12月の企業倒産件数(負債額1,000万円以上)は1,493件(前年同期比2.1%減)、負債額は7,794億円(同66.7%増)となっている。なお、帝国データバンク「全国企業倒産集計」によると、企業倒産件数は1,550件(同0.2%増)、負債額は8,318億円(同111.9%増)となっている。

<雇用情勢>

 総務省「労働力調査」の12月の完全失業者数(季節調整値)は前月差5万人増の330万人となった。
 厚生労働省「職業安定業務統計」の有効求人倍率(季節調整値)は、11月0.65倍の後、12月0.66倍となった。12月の新規求人倍率(季節調整値)は11月1.15倍の後、12月1.14倍となった。
 文部科学省、厚生労働省「大学等就職予定者就職内定状況調査」によると、12月1日現在の内定率は、大学で75.2%(前年同期比0.7%上昇)、短期大学で48.5%(同1.7%上昇)、専修学校(専門課程)で52.5%(前年同期比10.5%)となっている。尚、昨年度の内定率は過去最低水準を記録した。
 毎月勤労統計調査によると、所定外労働時間(製造業)は、事業所規模5人以上では11月季節調整済前月比0.5%減(前年同月比10.5%増)の後、12月は同2.1%減(同6.6%増)(速報値)となった。

<物価>

 日本銀行「卸売物価指数」の1月の国内卸売物価は前月比0.2%の下落(前年同月比0.3%下落)、輸出物価(円ベース)は前月比3.0%の上昇(前年同月比4.2%上昇)、輸入物価(円ベース)は前月比0.1%の上昇(前年同月比10.9%上昇)となった。
 日本銀行「企業向けサービス価格指数」の12月の企業向けサービス価格は前年同月比0.3%の下落(前月比保合い)となった。
 総務省「消費者物価指数(全国)」の12月の生鮮食品を除く総合は前年同月比0.6%の下落(前月比0.1%下落、季節調整済前月比保合い)となった。「消費者物価指数(東京都区部、中旬速報値)」の1月の生鮮食品を除く総合は前年同月比0.8%の下落(前月比0.4%下落、季節調整済前月比0.2%上昇)となった。

<金融>

 無担保コールオーバーナイトレートは、0.21%から0.28%のレンジで推移した。3ヶ月物ユーロ円TIBORは、0.58%から0.51%に低下、2月上旬には0.49%まで低下した。10年物国債流通利回りは、1月は1.6%台半ばから一時1.3%台後半まで低下、2月上旬はほぼ1.4%台で推移している。
 東証株価指数(TOPIX)は、12月末の1,283ポイントから、1月中旬には一時1,230ポイントまで下落し、下旬には1,313ポイントまで上昇したものの、2月上旬には、一時1,249ポイントまで下落した。日経平均株価は、12月末の13,785円から、1月中旬には一時13,201円まで下落し、下旬には14,032円まで上昇したものの、2月上旬には一時13,138円まで下落した。
 対米ドル円相場はインターバンク直物中心相場、対ユーロ円相場はインターバンク17時時点の相場。
 広義流動性は、1月(速報)は同3.0%増となった。金融機関(全国銀行)の貸出(月中平均残高)は、1月(速報)は前年同月比3.7%減(貸出債権流動化・償却要因等調整後1.8%減)となった。1月のエクイティ市場での発行(国内市場発行分)は、転換社債がゼロとなった。また、国内公募事業債の起債実績は、3,850億円(うち銀行起債分3,200億円)となった。「企業短期経済観測調査」(12月調査)によると、資金繰り判断は、横ばいとなっている。金融機関の貸出態度は、横ばいとなっており、「緩い」超が続いている。国内銀行の貸出約定平均金利(新規実行分)は、12月は前月比で短期は0.019%ポイント上昇し、長期は0.068%ポイント上昇したことから、総合では0.035%ポイント上昇し1.906%となった。