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月例経済報告

平成12年7月14日

経 済 企 画 庁


《概 観》

 景気は、厳しい状況をなお脱していないが、緩やかな改善が続いている。各種の政策効果やアジア経済の回復などの影響に加え、企業部門を中心に自律的回復に向けた動きが徐々に強まってきている。

 需要面をみると、個人消費は、収入が下げ止まってきた中で、おおむね横ばいの状態が続いている。住宅建設は、マンションなどは堅調であるが、全体ではおおむね横ばいとなっている。設備投資は、持ち直しの動きが明確になっている。公共投資は、堅調であった前年に比べれば低調な動きとなっている。輸出は、基調としてはアジア向けを中心に緩やかに増加している。

 生産は、緩やかな増加が続いている。

 雇用情勢は、完全失業率が高水準で推移するなど、依然として厳しいものの、残業時間や求人が増加傾向にあるなど改善の動きもみられる。

 企業収益は、大幅に改善している。また、企業の業況判断は、業種や規模によってはなお厳しいが、全体としては改善が進んでいる。

 我が国経済は、これまで公需により下支えされてきたが、政府としては、景気の下支えに万全を期すため、速やかに公共事業等予備費を使用することとした。また、我が国経済を持続可能な自律的回復軌道に乗せることを目指して、日本経済の新生に向け、21世紀の新たな発展基盤となる経済社会の構築を図る観点から、日本新生プランの具体化のための新たな経済政策を取りまとめることとしている。


 我が国経済: 需要面をみると、個人消費は、収入が下げ止まってきた中で、おおむね横ばいの状態が続いている。住宅建設は、マンションなどは堅調であるが、全体ではおおむね横ばいとなっている。設備投資は、持ち直しの動きが明確になっている。公共投資は、堅調であった前年に比べれば低調な動きとなっている。

 産業面をみると、生産は、緩やかな増加が続いている。企業収益は、大幅に改善している。また、企業の業況判断は、業種や規模によってはなお厳しいが、全体としては改善が進んでいる。企業倒産件数は、このところ増加している。

 雇用情勢は、完全失業率が高水準で推移するなど、依然として厳しいものの、残業時間や求人が増加傾向にあるなど改善の動きもみられる。

 輸出は、基調としてはアジア向けを中心に緩やかに増加している。輸入は、アジアからの輸入を中心に、増加している。国際収支をみると、貿易・サービス収支の黒字は、基調としてはおおむね横ばいとなっている。対米ドル円相場(インターバンク直物中心相場)は、6月は上旬に105円台まで上昇した後、月末にかけて104円台から106円台で推移した。

 物価の動向をみると、国内卸売物価は、おおむね横ばいで推移している。また、消費者物価は、安定している。

 最近の金融情勢をみると、短期金利は、6月は中旬にかけておおむね横ばいで推移した後、下旬は大幅に上昇した。長期金利は、6月は横ばいで推移した。株式相場は、6月は上旬に上昇した後、月央にかけて下落したが、月末にかけて再度上昇した。マネーサプライ(M+CD)は、6月は前年同月比1.9%増となった。また、企業金融のひっ迫感は緩和しているが、民間金融機関の貸出は依然低調である。

 海外経済: 主要国の経済動向をみると、アメリカでは、一部に年初に比べれば減速の兆しがみられるものの、景気は拡大を続けている。実質GDPは、99年10~12月期前期比年率7.3%増の後、2000年1~3月期は同5.5%増となった。個人消費は増加しているが、うち耐久財消費支出は減少している。設備投資は大幅に増加している。住宅投資は増加した。直近の動きをみると、住宅着工件数は減少している。鉱工業生産(総合)は増加している。雇用は拡大している。物価は総じて安定している。財の貿易収支赤字(国際収支ベース)は依然として高水準である。連邦準備制度は、6月28日に、フェデラル・ファンド・レートの誘導目標水準と公定歩合の据え置きを決定した(それぞれ6.50%、6.00%)。なお、今後の物価及び景気動向に対するリスク見通しはインフレ方向とした。6月の長期金利(10年物国債)は、上旬は低下基調で推移したが、その後上昇し、下旬には再び低下した。月初と月末を比較すると下落した。株価(ダウ平均)は、おおむね下落基調で推移した。月初と月末を比較すると下落した。

 西ヨーロッパをみると、ドイツ、フランスでは、景気は拡大している。イギリスでは、景気拡大のテンポは緩やかになってきている。鉱工業生産は、ドイツでは増加している。フランスでは緩やかに増加している。イギリスでは伸びが緩やかになっている。失業率は、ドイツ、フランスでは高水準ながらも低下している。イギリスでは低水準で推移している。物価は、ドイツでは輸入物価の上昇がみられるものの総じて安定している。フランスでは総じて安定している。イギリスでは安定している。

 東アジアをみると、中国では、景気の拡大テンポはこのところやや高まっている。物価は、消費者物価が上昇に転じた。貿易は、輸出入ともに大幅に増加している。韓国では、景気は拡大している。貿易は、輸出入ともに大幅な増加が続いている。

 国際金融市場の6月の動きをみると、米ドル(実効相場)は、ほぼ横ばいで推移した。

 国際商品市況の6月の動きをみると、CRB商品先物指数は、月半ばまではほぼ横ばいで推移し、下旬にかけてはやや強含んだ。原油スポット価格(北海ブレント)は、月初から29ドル前後で推移し、月末には30ドルを上回って推移した。


1 国内需要:設備投資は、持ち直しの動きが明確になっている

 個人消費は、収入が下げ止まってきた中で、おおむね横ばいの状態が続いている

 家計調査でみると、実質消費支出(全世帯)は前年同月比で4月1.3%増の後、5月(速報値)は1.9%減(季節調整済前月比0.4%減)となった。世帯別の動きをみると、勤労者世帯で前年同月比1.2%減、勤労者以外の世帯では同2.8%減となった。形態別にみると、 財は前年と同水準、サービスは減少となった。なお、消費水準指数は全世帯で前年同月比1.5%減、勤労者世帯では同0.8%減となった。また、農家世帯(農業経営統計調査)の実質現金消費支出は前年同月比で4月0.1%増となった。小売売上面からみると、小売業販売額は前年同月比で4月3.7%減の後、5月(速報値)は2.6%減(季節調整済前月比1.2%増)となった。全国百貨店販売額(店舗調整済)は前年同月比で4月1.6%減の後、5月(速報値)3.9%減となった。チェーンストア売上高(店舗調整後)は、前年同月比で4月5.2%減の後、5月6.0%減となった。一方、耐久消費財の販売をみると、乗用車(軽を含む)新車新規登録・届出台数は、前年同月比で6月(速報値)は6.0%増となった。また、家電小売金額(日本電気大型店協会)は、前年同月比で5月は8.8%増となった。レジャー面を大手旅行業者13社取扱金額でみると、5月は前年同月比で国内旅行が0.2%増、海外旅行は7.3%増となった。

 賃金の動向を毎月勤労統計でみると、現金給与総額は、事業所規模5人以上では前年同月比で4月0.6%増の後、5月(速報)は0.7%増(事業所規模30人以上では同0.9%増)となり、うち所定外給与は、5月(速報)は同4.6%増(事業所規模30人以上では同5.8%増)となった。実質賃金は、前年同月比で4月1.5%増の後、5月(速報)は1.6%増(事業所規模30人以上では同1.8%増)となった。

 住宅建設は、マンションなどは堅調であるが、全体ではおおむね横ばいとなっている。 新設住宅着工をみると、総戸数(季節調整値)は、前月比で4月は0.4%減(前年同月比0.1%増)となった後、5月は2.3%減(前年同月比1.1%減)の10万1千戸(年率121万戸)となった。5月の着工床面積(季節調整値)は、前月比1.8%減(前年同月比2.9%減)となった。5月の戸数の動きを利用関係別にみると、持家は前月比1.5%減(前年同月比15.1%減)、貸家は同1.7%減(同5.1%増)、分譲住宅は同13.5%減(同19.9%増)となっている。

 設備投資は、持ち直しの動きが明確になっている

 日本銀行「企業短期経済観測調査」(6月調査)により設備投資の動向をみると、大企業の12年度設備投資計画は、製造業で前年度比11.3%増(3月調査比2.1%上方修正)、非製造業で同0.7%増(同1.8%上方修正)となっており、全産業では同4.6%増(同1.9%上方修正)となった。また、中堅企業では、製造業で前年度比4.6%増(3月調査比4.3%上方修正)、非製造業で同3.0%減(同1.1%上方修正)となり、中小企業では製造業で同1.7%減(同13.9%上方修正)、非製造業で同9.4%減(同7.7%上方修正)となっている。

 なお、12年1~3月期の設備投資を、大蔵省「法人企業統計季報」(全産業)でみると前年同期比で3.3%増(うち製造業6.1%減、非製造業7.7%増)となった。

 先行指標の動きをみると、当庁「機械受注統計調査」によれば、機械受注(船舶・電力を除く民需)は、季節調整済前月比で4月は1.1%減(前年同月比13.4%増)の後、5月は4.5%増(同17.7%増)となり、基調は持ち直しの動きが続いている。

 なお、4~6月期(見通し)の機械受注(船舶・電力を除く民需)は、季節調整済前期比で1.0%減(前年同期比15.2%増)と見込まれている。

 民間からの建設工事受注額(50社、非住宅)をみると、一進一退で推移しており、4月は季節調整済前月比37.6%減の後、5月は季節調整済前月比11.0%増(前年同月比0.8%増)となった。内訳をみると、製造業は季節調整済前月比25.4%増(前年同月比114.6%増)、非製造業は同2.0%減(同20.5%減)となった。

 公的需要関連指標をみると、公共投資は、堅調であった前年に比べれば低調な動きとなっている

 公共工事着工総工事費(公共工事着工統計調査)は、前年同月比で3月は3.6%減となったが、公共機関からの建設工事受注額(建設工事受注動態統計調査)は、前年の公共工事着工統計調査と比較して、4月は38.5%減(参考値)となった。同じく大手50社の受注額は、前年同月比で4月は39.3%減の後、5月は12.3%増となった。また、公共工事請負金額(公共工事前払金保証統計)は、前年同月比で4月は28.5%減の後、5月は8.6%増となった。


2 生産雇用:雇用情勢は、完全失業率が高水準で推移するなど、依然として厳しいものの、残業時間や求人が増加傾向にあるなど改善の動きもみられる

 鉱工業生産・出荷・在庫の動きをみると、生産・出荷は、緩やかな増加が続いている。在庫は、5月は減少した。

 鉱工業生産(季節調整値)は、前月比で4月0.6%減の後、5月(速報)は、輸送機械、一般機械等が減少したものの、電気機械、鉄鋼等が増加したことから、0.2%増となった。また製造工業生産予測指数(季節調整値)は、前月比で6月は一般機械、化学等により1.4%増の後、7月は鉄鋼、電気機械等により、0.4%増となっている。鉱工業出荷(季節調整値)は、前月比で4月0.6%減の後、5月(速報)は、非耐久消費財、建設財が増加したことから、0.5%増となった。鉱工業生産者製品在庫(季節調整値)は、前月比で4月0.4%増の後、5月(速報)は、鉄鋼、化学等が増加したものの、窯業・土石製品、電気機械等が減少したことから、0.3%減となった。また、5月(速報)の鉱工業生産者製品在庫率指数(季節調整値)は100.9と前月を0.6ポイント下回った。

 主な業種について最近の動きをみると、電気機械では、生産は5月は増加し、在庫は5月は減少した。輸送機械では、生産は5月は減少し、在庫は5月は横ばいであった。鉄鋼では、生産は3か月連続で増加し、在庫も3か月連続で増加した。

 第3次産業の動向を通商産業省「第3次産業活動指数」(4月調査、季節調整値)でみると、前月比で3月1.8%増の後、4月(速報)は、運輸・通信業、不動産業等が減少した結果、0.7%減となった。

 雇用情勢は、完全失業率が高水準で推移するなど、依然として厳しいものの、残業時間や求人が増加傾向にあるなど改善の動きもみられる

 労働力需給をみると、有効求人倍率(季節調整値)は、4月0.56倍の後、5月0.56倍となった。新規求人倍率(季節調整値)は、4月1.02倍の後、5月0.97倍となった。総務庁「労働力調査」による雇用者数は、4月は前年同月比0.4%減(前年同月差23万人減)の後、5月は同0.6%増(同32万人増)となった。常用雇用(事業所規模5人以上)は、4月前年同月比0.4%減(季節調整済前月比0.4%減)の後、5月(速報)は同0.2%減(同0.1%増)となり(事業所規模30人以上では前年同月比1.3%減)、産業別には製造業では同1.7%減となった。5月の完全失業者数(季節調整値)は、前月差19万人減の308万人、完全失業率(同)は、4月4.8%の後、5月4.6%となった。所定外労働時間(製造業)は、事業所規模5人以上では4月前年同月比14.7%増(季節調整済前月比1.3%減)の後、5月(速報)は同12.4%増(同0.7%増) となっている(事業所規模30人以上では前年同月比14.4%増)。

 前記「全国企業短期経済観測調査」(6月調査)によると、企業の雇用人員判断は、過剰感が製造業では低下する一方、非製造業では上昇しており、全体としては依然高い水準にある。

 企業の動向をみると、企業収益は、大幅に改善している。また、企業の業況判断は、業種や規模によってはなお厳しいが、全体としては改善が進んでいる。 

 前記「企業短期経済観測調査」(6月調査)によると、大企業(全産業)では、経常利益は12年度上期には前年同期比 9.0 %の増益の後、年度下期には同12.7%の増益が見込まれている。産業別にみると、製造業では12年度上期に前年同期比10.9%の増益の後、12年度下期には同28.7%の増益が見込まれている。また、非製造業では12年度上期に前年同期比7.4%の増益の後、12年度下期には同1.2%の減益が見込まれている。売上高経常利益率は、製造業では12年度上期に3.52%になった後、12年度下期は4.95%と見込まれている。また、非製造業では12年度上期に2.54%となった後、12年度下期は2.64%と見込まれている。こうしたなかで、企業の業況判断をみると、製造業は「良い」超に転化し、非製造業は「悪い」超幅が縮小した。            

 また、中小企業の動向を同調査でみると、製造業では、経常利益は12年度上期には前年同期比46.7%の増益の後、12年度下期には同15.1%の増益が見込まれている。また、非製造業では、12年度上期に前年同期比8.5%の増益の後、12年度下期には同1.9%の増益が見込まれている。こうしたなかで、企業の業況判断をみると、製造業、非製造業ともに「悪い」超幅が縮小した。

 企業倒産の状況をみると、このところ増加している

 銀行取引停止処分者件数は、5月は973件で前年同月比5.9%増となった。件数の業種別構成比を見ると、建設業(33.7%)が最大のウエイトを占め、次いで製造業(21.3%)、小売業(15.2%)の順となった。


3 国際収支:輸出は、基調としてはアジア向けを中心に緩やかに増加

 輸出は、基調としてはアジア向けを中心に緩やかに増加している

 通関輸出(数量ベース、季節調整値)は、前月比で4月2.4%減の後、5月は2.0%減(前年同月比13.1%増)となった。最近数か月の動きを品目別(金額ベース)にみると、電気機器、一般機械等が増加した。同じく地域別にみると、アジア、アメリカ等が増加した。

 輸入は、アジアからの輸入を中心に、増加している

 通関輸入(数量ベース、季節調整値)は、前月比で4月7.0%減の後、5月は11.2%増(前年同月比19.7%増)となった。最近数か月の動きを品目別(金額ベース)にみると、鉱物性燃料、機械機器等が増加した。同じく地域別にみると、アジア、中東等が増加した。

 通関収支差(季節調整値)は、 4月に1兆1,353億円の黒字の後、5月は7,508億円の黒字となった。

 国際収支をみると、貿易・サービス収支の黒字は、基調としてはおおむね横ばいとなっている

 5月の貿易・サービス収支(季節調整値)は、前月に比べ、サービス収支の赤字幅が縮小したものの、貿易収支の黒字幅が縮小したため、その黒字幅は縮小し、5,722億円となった。また、経常収支(季節調整値) は、所得収支の黒字幅が拡大し、経常移転収支の赤字幅が縮小したものの、貿易・サービス収支の黒字幅が縮小したため、その黒字幅は縮小し、1兆1,162億円となった。投資収支(原数値)は、1兆8,660億円の赤字となり、資本収支(原数値)は、1兆8,890億円の赤字となった。

 6月末の外貨準備高は、前月比37億ドル増加して3,448億ドルとなった。

 外国為替市場における対米ドル円相場(インターバンク直物中心相場)は、6月は上旬に105円台まで上昇した後、月末にかけて104円台から106円台で推移した。一方、対ユーロ円相場(インターバンク17時時点) は、6月は中旬にかけて100円台から102円台で推移し、下旬は97円台まで上昇した後、再度100円台まで下落した。


4 物価:国内卸売物価は、おおむね横ばいで推移

 国内卸売物価は、おおむね横ばいで推移している

 6月の国内卸売物価は、石油・石炭製品(燃料油)等が上昇したものの、電気機器(電子計算機本体)等が下落したことから、前月比保合い(前年同月比0.3%の上昇)となった。また、前記「全国企業短期経済観測調査」(大企業、6月調査)によると、製商品需給バランスは、引き続き改善がみられる。輸出物価は、契約通貨ベースで上昇したものの、円高から円ベースでは前月比1.0%の下落(前年同月比7.8%の下落)となった。輸入物価は、契約通貨ベースで上昇したものの、円高から円ベースでは前月比0.6%の下落(前年同月比0.2%の上昇)となった。この結果、総合卸売物価は、前月比0.1%の下落(前年同月比0.6%の下落)となった。

 企業向けサービス価格は、5月は前年同月比0.5%の下落(前月比0.2%の下落)となった。

 商品市況(月末対比)は木材等は下落したものの、繊維等の上昇により6月は上昇した。6月の動きを品目別にみると、米つが正角等は下落したものの、生糸等が上昇した。

 消費者物価は、安定している

 全国の生鮮食品を除く総合は、前年同月比で4月0.4%の下落の後、5月は個人サービスが保合いから上昇に転じたこと等により0.2%の下落(前月比0.3%の上昇、季節調整済前月比0.1%の上昇)となった。なお、総合は、前年同月比で4月0.8%の下落の後、5月は0.7%の下落(前月比0.1%の上昇、季節調整済前月比0.2%の下落)となった。

 東京都区部の動きでみると、生鮮食品を除く総合は、前年同月比で5月0.4%の下落の後、6月(中旬速報値)は、家賃の下落幅の拡大等により0.9%の下落(前月比0.5%の下落、季節調整済前月比0.4%の下落)となった。なお、総合は、前年同月比で5月0.9%の下落の後、6月(中旬速報値)は1.2%の下落(前月比0.5%の下落、季節調整済前月比0.2%の下落)となった。


5 金融財政:短期金利は、中旬にかけておおむね横ばいで推移した後、下旬は大幅に上昇

 最近の金融情勢をみると、短期金利は、6月は中旬にかけておおむね横ばいで推移した後、下旬は大幅に上昇した。長期金利は、6月は横ばいで推移した。株式相場は、6月は上旬に上昇した後、月央にかけて下落したが、月末にかけて再度上昇した。M+CDは、6月は前年同月比1.9%増となった。

 短期金融市場をみると、オーバーナイトレートは、6月は横ばいで推移した。2、3ヶ月物は、6月は中旬にかけておおむね横ばいで推移した後、下旬は大幅に上昇した。

 公社債市場をみると、国債利回りは、6月は横ばいで推移した。

 国内銀行の貸出約定平均金利(新規実行分)は、5月は前月比で短期は0.056%ポイント上昇し、長期は0.199%ポイント低下したことから、総合では0.010%ポイント低下し1.738%となった。

 マネーサプライをみると、M+CD(月中平均残高)は、6月(速報)は前年同月比1.9%増となった。また、広義流動性は、6月(速報)は同2.9%増となった。

 企業金融の動向をみると、金融機関(全国銀行)の貸出(月中平均残高)は、6月(速報)は前年同月比4.6%減(貸出債権流動化・償却要因等調整後2.1%減)となった。6月のエクイティ市場での発行(国内市場発行分)は、転換社債がゼロとなった。また、国内公募事業債の起債実績は8,020億円(うち銀行起債分500億円)となった。

 前記「全国企業短期経済観測調査」(全国企業、6月調査)によると、資金繰り判断は「苦しい」超が続いているものの、引き続き改善の動きがみられる。金融機関の貸出態度は、引き続き改善の動きがみられ、「緩い」超に転じている。

 以上のように、企業金融のひっ迫感は緩和しているが、民間金融機関の貸出は依然低調である。

 株式市場をみると、東証株価指数(TOPIX)は、6月は上旬に上昇した後、月央にかけて下落したが、月末にかけて再度上昇した。日経平均株価も同様の動きとなった。


6 海外経済:原油価格、高値で推移 

 主要国の経済動向をみると、アメリカでは、一部に年初に比べれば減速の兆しがみられるものの、景気は拡大を続けている。実質GDPは、99年10~12月期前期比年率7.3%増の後、2000年1~3月期は同5.5%増となった。個人消費は増加しているが、うち耐久財消費支出は減少している。設備投資は大幅に増加している。住宅投資は増加した。直近の動きをみると、住宅着工件数は減少している。鉱工業生産(総合)は増加している。雇用は拡大している。雇用者数(非農業事業所)は5月前月差17.1万人増の後、6月は同1.1万人増と拡大している。失業率は6月4.0%となった。物価は総じて安定している。5月の消費者物価は前年同月比3.1%の上昇、5月の生産者物価(完成財総合)は同3.9%の上昇となった。財の貿易収支赤字(国際収支ベース)は依然として高水準である。連邦準備制度は、6月28日に、フェデラル・ファンド・レートの誘導目標水準と公定歩合の据え置きを決定した(それぞれ6.50%、6.00%)。なお、今後の物価及び景気動向に対するリスク見通しはインフレ方向とした。6月の長期金利(10年物国債)は、上旬は低下基調で推移したが、その後上昇し、下旬には再び低下した。月初と月末を比較すると下落した。株価(ダウ平均)は、おおむね下落基調で推移した。月初と月末を比較すると下落した。

 西ヨーロッパをみると、ドイツ、フランスでは、景気は拡大している。イギリスでは、景気拡大のテンポは緩やかになってきている。1~3月期の実質GDPは、ドイツ前期比年率2.7%増、フランス同2.9%増、イギリスは同2.0%増となった。鉱工業生産は、ドイツでは増加している。フランスでは緩やかに増加している。イギリスでは伸びが緩やかになっている(鉱工業生産は、ドイツ5月前月比2.2%増、フランス4月同0.2%減、イギリス5月同0.1%増)。失業率は、ドイツ、フランスでは高水準ながらも低下している。イギリスでは低水準で推移している(失業率は、ドイツ6月9.6%、フランス5月9.8%、イギリス5月3.9%)。物価は、ドイツでは輸入物価の上昇がみられるものの総じて安定している。フランスでは総じて安定している。イギリスでは安定している(消費者物価上昇率は、ドイツ6月前年同月比1.9%、フランス5月同1.5%、イギリス5月同3.1%)。

 東アジアをみると、中国では、景気の拡大テンポはこのところやや高まっている。物価は、消費者物価が上昇に転じた。貿易は、輸出入ともに大幅に増加している。韓国では、景気は拡大している。貿易は、輸出入ともに大幅な増加が続いている。

 国際金融市場の6月の動きをみると、米ドル(実効相場)は、ほぼ横ばいで推移した。モルガン銀行発表の米ドル名目実効相場指数(1990年=100)をみると、6月30日現在110.4、5月末比1.6%の減価となっている。内訳をみると、6月30日現在、対円では5月末比1.7%減価、対ユーロでは同1.8%減価した。

 国際商品市況の6月の動きをみると、CRB商品先物指数は、月半ばまではほぼ横ばいで推移し、下旬にかけてはやや強含んだ。原油スポット価格(北海ブレント)は、月初から29ドル前後で推移し、月末には30ドルを上回って推移した。



先月からの主要変更点
今月のトピック