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月例経済報告

平成10年9月8日

経済企画庁調査局


概 観

我が国経済:需要面をみると、個人消費は低調である。これは、収入が減少していることに加え、消費者の財布のひもが依然として固いからである。住宅建設は、マンションが大幅に減少していることなどから一段と低水準になった。設備投資は、減少している。特に中小企業の減少が著しい。

産業面をみると、最終需要が低調なため、鉱工業生産は、減少傾向にある。在庫はこのところ減少しているものの、まだ高水準である。企業収益は、全体として減少している。また、企業の業況判断は、中小企業を中心に一層厳しさが増している。

雇用情勢は、依然として厳しい。雇用者数が減少し、勤め先や事業の都合による失業者が増加している。完全失業率は僅かに低下したが、就業者数が減少していることを考えれば、これは求職活動を諦めた者が増えたためとみられる。

輸出は、アジア向けが減少しているものの、欧米向けなどが好調なため、全体としては横ばい状態となっている。輸入は、減少傾向である。国際収支をみると、貿易・サービス収支の黒字は、増加傾向にある。対米ドル円相場(インターバンク直物中心相場)は、8月は、月初の 144円台から一時 147円台まで下落したが、その後上昇し、月末には 141円台となった。

物価の動向をみると、国内卸売物価は、内外の需給の緩み等から、弱含みで推移している。また、消費者物価は、安定している。

最近の金融情勢をみると、短期金利は、8月はおおむね横ばいで推移した。長期金利は、8月は低下した。株式相場は、8月は大幅に下落した。マネーサプライ(M2+CD)は、7月は前年同月比 3.5%増となった。

海外経済 

主要国の経済動向をみると、アメリカでは、景気は拡大しているものの、株価急落により経済の先行きに対する不透明感がみられはじめている。実質GDPは、1~3月期前期比年率 5.5%増の後、4~6月期は一時的な減速要因から同 1.6%増となった。個人消費、設備投資、住宅投資は増加している。鉱工業生産(総合)は、一時的要因もあり、このところ伸びが鈍化している。雇用は拡大している。物価は安定している。財の貿易収支赤字(国際収支ベース)は、拡大している。8月の長期金利(30年物国債)は、低下した。株価(ダウ平均)は、8月は総じて下落し、31日には史上2番目の下落幅となったが、9月に入ってやや戻した。

西ヨーロッパをみると、ドイツ、フランスでは、景気は拡大している。イギリスでは、景気拡大のテンポは緩やかになっている。鉱工業生産は、ドイツ、フランスでは拡大しており、イギリスでは鈍化している。失業率は、ドイツ、フランスでは高水準ながらもやや低下している。イギリスでは低水準で推移している。物価は、ドイツ、フランスでは安定しており、イギリスでは一時の騰勢は鈍化してきている。

東アジアをみると、中国では、景気の拡大テンポは鈍化している。物価は、下落している。貿易収支黒字は、輸入の鈍化から大幅である。韓国では、景気は後退している。失業率は、大幅に上昇している。物価は、騰勢は鈍化している。貿易収支は、輸入減少により大幅な黒字が続いている。

国際金融市場の8月の動きをみると、米ドル(実効相場)は、月初より総じて増価していたが、月末にかけて減価した。ロシア政府・中央銀行は、8 月17日、ルーブルの実質的切り下げ、民間の一部の対外債務支払いの90日間の停止、99年末までに償還期限を迎える中短期国債の新規国債への切り換え等の措置を発表した。

国際商品市況の8月の動きをみると、上旬にやや強含んだが、その後は弱含みに推移した。原油スポット価格(北海ブレント)は、中旬に産油国による減産合意が遵守されていないとして弱含む場面があったものの、おおむね横ばいで推移した。


我が国経済の最近の動向をみると、個人消費は低調である。これは、収入が減少していることに加え、消費者の財布のひもが依然として固いからである。住宅建設は、マンションが大幅に減少していることなどから一段と低水準になった。設備投資は、減少している。特に中小企業の減少が著しい。

輸出は、アジア向けが減少しているものの、欧米向けなどが好調なため、全体としては横ばい状態となっている。

このように最終需要が低調なため、生産は減少傾向にある。在庫はこのところ減少しているものの、まだ高水準である。

雇用情勢は、依然として厳しい。雇用者数が減少し、勤め先や事業の都合による失業者が増加している。完全失業率は僅かに低下したが、求職活動を諦めた者が増えたためとみられる。また、民間金融機関は貸出に慎重な態度を変えていない。

こうした中、金融市場などで、経済の先行きに対する不透明感が高まっている。

以上のように、景気は低迷状態が長引き、極めて厳しい状況にある。

 このような厳しい経済の現況に対応し、まず政府は、「総合経済対策」の実施に全力を挙げることとしている。あわせて、金融再生トータルプランの早期実現を目指し、所要の法案を国会に提出するとともに、中小企業等貸し渋り対策大綱を決定した。また、経済戦略会議を発足させ、国民の将来に対する自信と安心を高める政策等を検討することとしている。

 その上で、一刻も早い景気回復を図るため、平成11年度に向け切れ目なく施策を実行できるように、事業規模で10兆円を超える第2次補正予算と、平成11年度予算を一体のものとして編成する。また、税制については、6兆円を相当程度上回る恒久的な減税を実施する。

 これらが早い時期から家計や企業のマインドの喚起に役立つものと期待している。

1 国内需要:設備投資は、減少

個人消費は、低調であるこれは、収入が減少していることに加え、消費者の財布のひもが依然として固いからである

 家計調査でみると、実質消費支出(全世帯)は前年同月比で6月 1.0%減の後、7月は3.4%減(前月比 2.2%減)となった。世帯別の動きをみると、勤労者世帯で前年同月比4.0%減、勤労者以外の世帯では同 1.3%減となった。形態別にみると、耐久財等は増加、サービス等は減少となった。なお、消費水準指数は全世帯で前年同月比 2.7%減、勤労者世帯では同 3.6%減となった。また、農家世帯(農業経営統計調査)の実質現金消費支出は前年同月比で6月 0.7%増となった。小売売上面からみると、小売業販売額は前年同月比で6月 3.7%減の後、7月は 3.7%減(前月比 0.2%減)となった。全国百貨店販売額(店舗調整済)は前年同月比で6月 5.0%減の後、7月 4.1%減となった。チェーンストア売上高(店舗調整後)は、前年同月比で6月 2.0%減の後、7月 1.4%減となった。一方、耐久消費財の販売をみると、乗用車(軽を含む)新車新規登録・届出台数は、前年同月比で8月は 2.6%減となった。また、家電小売金額は、前年同月比で7月は 8.3%増となった。レジャー面を大手旅行業者13社取扱金額でみると、7月は前年同月比で国内旅行が 0.8%減、海外旅行は 1.2%減となった。

 賃金の動向を毎月勤労統計でみると、現金給与総額は、事業所規模5人以上では前年同月比で6月 0.4%減の後、7月(速報)は 2.5%減(事業所規模30人以上では同 2.6%減)となり、うち所定外給与は、7月(速報)は同 8.9%減(事業所規模30人以上では同9.5%減)となった。実質賃金は、前年同月比で6月 0.4%減の後、7月(速報)は 2.2%減(事業所規模30人以上では同 2.3%減)となった。

 住宅建設は、マンションが大幅に減少していることなどから一段と低水準になった

 新設住宅着工をみると、総戸数(季節調整値)は、前月比で6月 3.1%減(前年同月比11.7%減)となった後、7月は 9.3%減(前年同月比11.3%減)の9万2千戸(年率110 万戸)となった。7月の着工床面積(季節調整値)は、前月比10.6%減(前年同月比 9.8%減)となった。7月の戸数の動きを利用関係別にみると、持家は前月比12.9%減(前年同月比 1.5%減)、貸家は同 6.8%減(同15.3%減)、分譲住宅は同18.0%減(同18.2%減)となっている。

 設備投資は、減少している特に中小企業の減少が著しい

 当庁「法人企業動向調査」(10年6月調査)により設備投資の動向をみると、全産業の設備投資は、前期比で10年1~3月期(実績) 0.1%減(うち製造業 0.5%増、非製造業0.9%減)の後、10年4~6月期(実績見込み)は 1.6%減(同 9.5%減、同 3.2%増)となっている。また、10年7~12月期(計画)は、前年同期比で 1.5%減(うち製造業 5.8%減、非製造業 0.8%増)と見込まれている。

 なお、年間計画では、前年度比で9年度(実績) 0.6%増(うち製造業 7.6%増、非製造業 2.8%減)の後、10年(計画)は 0.1%減(同 1.3%増、同 0.9%減)となっている。

 先行指標の動きをみると、機械受注(船舶・電力を除く民需)は、前月比で5月は 4.0%減(前年同月比28.6%減)の後、6月は 5.6%増(同18.6%減)となり、基調は減少傾向となっている。

 なお、当庁「機械受注調査(見通し)」によれば、機械受注(船舶・電力を除く民需)は、7~9月期(見通し)は前期比で 2.1%減(前年同期比22.1%減)と見込まれている。民間からの建設工事受注額(50社、非住宅)をみると、このところ弱含みとなっており、7月は前月比 7.1%減(前年同月比10.5%減)となった。内訳をみると、製造業は前月比11.1%増(前年同月比26.6%減)、非製造業は同12.0%減(同 5.8%減)となった。

 公的需要関連指標をみると、公共投資については、前倒し執行が促進されているものの、10年度当初予算額や9年度補正予算における積み増し額が前年度に比べて大きく減少していることもあって、着工総工事費は前年を下回る水準で推移している。

 公共工事着工総工事費は、前年同月比で5月31.6%減の後、6月は 7.5%減となった。公共工事請負金額は前年同月比で6月 0.8%増の後、7月は10.7%減となった。官公庁からの建設工事受注額(50社)は前年同月比で6月14.6%減の後、7月は 7.1%減となった。


2 生産雇用:依然として厳しい雇用情勢

 鉱工業生産・出荷・在庫の動きをみると、生産・出荷は、減少傾向にある在庫はこのところ減少しているものの、まだ高水準である

 鉱工業生産は、前月比で6月 1.7%増の後、7月(速報)は、化学、窯業・土石製品等が増加したものの、輸送機械、金属製品等が減少したことから、 0.8%減となった。また製造工業生産予測指数は、前月比で8月は機械により 0.4%減の後、9月は機械、鉄鋼等により 2.5%増となっている。鉱工業出荷は、前月比で6月 0.9%増の後、7月(速報)は、耐久消費財、資本財が増加したものの、非耐久消費財、生産財等が減少したことから、0.6%減となった。鉱工業生産者製品在庫は、前月比で6月 0.4%減の後、7月(速報)は、電気機械、精密機械等が増加したものの、輸送機械、一般機械等が減少したことから、0.8%減となった。また、7月(速報)の鉱工業生産者製品在庫率指数は 111.0と横ばいとなった。

 主な業種について最近の動きをみると、輸送機械では、生産、在庫ともに7月は減少した。一般機械では、生産、在庫ともに7月は減少した。化学では、生産は4か月連続で増加し、在庫は2か月連続で減少した。

 第3次産業活動の動向をみると、4~6月期は前期比 0.8%減と3四半期連続で減少し、低調に推移している

 農業生産の動向をみると、平成10年産水稲の全国作況指数(8月15日現在)は、99の 「平年並み」となっている。

 雇用情勢は、依然として厳しい雇用者数が減少し、勤め先や事業の都合による失業者が増加している完全失業率は僅かに低下したが、就業者数が減少していることを考えれば、これは求職活動を諦めた者が増えたためとみられる

 労働力需給をみると、有効求人倍率(季節調整値)は、6月0.51倍の後、7月0.50倍となった。新規求人倍率(季節調整値)は、6月0.86倍の後、7月0.84倍となった。雇用者数は、減少している。 総務庁「労働力調査」による雇用者数は、7月は前年同月比 1.0%減(前年同月差55万人減)となった。常用雇用(事業所規模5人以上)は、6月前年同月比 0.1%増(季節調整済前月比 0.0%)の後、7月(速報)は同 0.1%減(同 0.2%減)となり(事業所規模30人以上では前年同月比 0.2%減)、産業別には製造業では同 1.5%減となった。7月の完全失業者数(季節調整値)は、前月差11万人減の 278万人、完全失業率(同)は、6月 4.3%の後、7月 4.1%となった。所定外労働時間(製造業)は、事業所規模5人以上では6月前年同月比18.2%減(季節調整済前月比 1.0%減)の後、7月(速報)は同18.2%減(同 0.0%) となっている(事業所規模30人以上では前年同月比18.5%減)。

 また、労働省「労働経済動向調査」(8月調査)によると、「残業規制」等の雇用調整を実施する事業所割合は、4~6月期は引き続き上昇した。

 企業の動向をみると、企業収益は、全体として減少しているまた、企業の業況判断は、中小企業を中心に一層厳しさが増している

 大企業の動向を前記「法人企業動向調査」(6月調査、季節調整値)でみると、売上高、経常利益の判断(ともに「増加」-「減少」)は、10年4~6月期は「減少」超幅が拡大した。また、企業経営者の景気判断(業界景気の判断、「上昇」-「下降」)は10年4~6月期は「下降」超幅が拡大した。また、中小企業の動向を中小企業金融公庫「中小企業動向調査」(6月調査、季節調整値)でみると、売上げD.I. (「増加」-「減少」)は、10年4~6月期は「減少」超幅が拡大し、純益率D.I. (「上昇」-「低下」)は、「低下」超幅が拡大した。業況判断D.I.(「好転」-「悪化」)は、10年4~6月期は「悪化」超幅が拡大した。     

 企業倒産の状況をみると、件数は、前年の水準を大きく上回る傾向で推移している

 銀行取引停止処分者件数は、7月は 1,224件で前年同月比28.4%増となった。業種別に件数の前年同月比をみると、製造業で35.3%、卸売業で38.3%の増加となった。


3 国際収支:貿易・サービス収支の黒字は、増加傾向

 輸出は、アジア向けが減少しているものの、欧米向けなどが好調なため、全体としては横ばい状態となっている。

 通関輸出(数量ベース、季節調整値)は、前月比で6月3.3%減の後、7月は3.3%増(前年同月比1.4%減)となった。最近数か月の動きを品目別(金額ベース)にみると、輸送用機器、一般機械等が増加した。同じく地域別にみると、アメリカ、EU等が増加した。

 輸入は、減少傾向である

 通関輸入(数量ベース、季節調整値)は、前月比で6月9.2%増の後、7月は0.0%増(前年同月比7.9%減)となった。この動きを品目別(金額ベース)にみると、製品類(機械機器)、原料品等が減少した。同じく地域別にみると、アジア、EU等が減少した。

 通関収支差(季節調整値)は、6月に1兆511億円の黒字の後、7月は1兆3,406億円の黒字となった。

 国際収支をみると、貿易・サービス収支の黒字は、増加傾向にある

 6月(速報)の貿易・サービス収支(季節調整値)は、前月に比べ、貿易収支の黒字幅が縮小し、サービス収支の赤字幅が拡大したため、その黒字幅は縮小し、8,481億円となった。また、経常収支(季節調整値)は、所得収支の黒字幅が拡大したものの、貿易・サービス収支の黒字幅が縮小し、経常移転収支の赤字幅が拡大したため、その黒字幅は縮小し、1兆4,650億円となった。投資収支(原数値)は、2兆3,581億円の赤字となり、資本収支(原数値)は、2兆4,439億円の赤字となった。

 8月末の外貨準備高は、前月比18億ドル増加して2,093億ドルとなった。

 外国為替市場における対米ドル円相場(インターバンク直物中心相場)は、8月は、月初の144円台から一時147円台まで下落したが、その後上昇し、月末には141円台となった。一方、対マルク相場(インターバンク17時時点)は、8月は、月央にかけて81円台から82円台で推移したが、その後上昇し79円台から80円台で推移した。


4物価:国内卸売物価は弱含みで推移

 国内卸売物価は、内外の需給の緩み等から、弱含みで推移している

 7月の国内卸売物価は、電気機器(入出力装置)等が下落した一方、電力・都市ガス・水道(業務用電力)が季節的な夏季割増料金の適用により上昇したこと等から、前月比保合い(前年同月比2.2%の下落)となった。輸出物価は、契約通貨ベースで下落したことから、円ベースでは前月比0.5%の下落(前年同月比9.4%の上昇)となった。輸入物価は、契約通貨ベースで下落したことから、円ベースでは前月比0.4%の下落(前年同月比2.7%の上昇)となった。この結果、総合卸売物価は、前月比保合い(前年同月比0.3%の下落)となった。

 8月上中旬の動きを前旬比でみると、国内卸売物価は上旬、中旬ともに保合い、輸出物価は上旬が1.4%の上昇、中旬が0.3%の上昇、輸入物価は上旬が0.8%の上昇、中旬が0.3%の上昇、総合卸売物価は上旬が0.2%の上昇、中旬が0.1%の上昇となっている。

 企業向けサービス価格は、7月は前年同月比0.2%の下落(前月比保合い)となった。

 商品市況(月末対比)は食品等は上昇したものの、非鉄等の下落により8月は下落した。8月の動きを品目別にみると、大豆油等は上昇したものの、銅地金等が下落した。

 消費者物価は、安定している

 全国の生鮮食品を除く総合は、前年同月比で6月保合いの後、7月は公共料金(広義)の上昇幅の縮小等により0.1%の下落(前月比0.3%の下落)となった。なお、総合は、前年同月比で6月0.1%の上昇の後、7月は0.1%の下落(前月比0.6%の下落)となった。

 東京都区部の動きでみると、生鮮食品を除く総合は、前年同月比で7月0.1%の上昇の後、8月(中旬速報値)は外食の下落幅の縮小等の一方、個人サービスの上昇幅の縮小等があり0.1%の上昇(前月比保合い)となった。なお、総合は、前年同月比で7月保合いの後、8月(中旬速報値)は保合い(前月比保合い)となった。


 5金融財政:株式相場は、大幅に下落

 最近の金融情勢をみると、短期金利は、8月はおおむね横ばいで推移した。長期金利は、8月は低下した。株式相場は、8月は大幅に下落した。マネーサプライ(M2+CD)は、7月は前年同月比3.5%増となった。

 短期金融市場をみると、オーバーナイトレート、2、3か月物ともに、8月はおおむね横ばいで推移した。

 公社債市場をみると、国債流通利回りは、8月は低下した。なお、国債指標銘柄流通利回り(東証終値)は8月31日に1.045%となり、史上最低を更新した。

 国内銀行の貸出約定平均金利(新規実行分)は、7月は短期は0.013%ポイント上昇し、長期は0.153%ポイント上昇したことから、総合では前月比で0.047%ポイント上昇し1.902%となった。

 マネーサプライ(M2+CD)の月中平均残高を前年同月比でみると、7月(速報)は3.5%増となった。また、広義流動性でみると、7月(速報)は3.3%増となった。

 企業金融の動向をみると、金融機関の貸出平残(全国銀行)は、7月(速報)は前年同月比2.3%減となった。8月のエクイティ市場での発行(国内市場発行分)は、転換社債がゼロとなった。また、8月の国内公募事業債の起債実績は9,980億円となった。

 民間金融機関は貸出に慎重な態度を変えていない。

 株式市場をみると、日経平均株価は、8月は大幅に下落した。


 6海外経済:ロシア・ルーブル切り下げ

 主要国の経済動向をみると、アメリカでは、景気は拡大しているものの、株価急落により経済の先行きに対する不透明感がみられはじめている。実質GDPは、1~3月期前期比年率5.5%増の後、4~6月期は一時的な減速要因から同1.6%増(速報値)となった。個人消費、設備投資、住宅投資は増加している。鉱工業生産(総合)は、一時的要因もあり、このところ伸びが鈍化している。雇用は拡大している。雇用者数(非農業事業所)は6月前月差19.6万人増の後、7月は同6.6万人増となった。失業率は7月4.5%となった。物価は安定している。7月の消費者物価は前月比0.2%の上昇、生産者物価(完成財総合)は同0.2%の上昇となった。財の貿易収支赤字(国際収支ベース)は、拡大している。8月の長期金利(30年物国債)は、低下した。株価(ダウ平均)は、8月は総じて下落し、31日には史上2番目の下落幅となったが、9月に入ってやや戻した。

 西ヨーロッパをみると、ドイツ、フランスでは、景気は拡大している。イギリスでは、景気拡大のテンポは緩やかになっている。実質GDPは、ドイツ1~3月期前期比年率3.9%増、フランス4~6月期同2.8%増(速報値)、イギリス同2.0%増(改定値)となった。鉱工業生産は、ドイツ、フランスでは拡大しており、イギリスでは鈍化している(6月の鉱工業生産は、ドイツ前月比1.2%減、フランス同0.3%減、イギリス同0.7%増)。失業率は、ドイツ、フランスでは高水準ながらもやや低下している。イギリスでは低水準で推移している(7月の失業率は、ドイツ10.9%、フランス11.8%、イギリス4.7%)。物価は、ドイツ、フランスでは安定しており、イギリスでは一時の騰勢は鈍化してきている(7月の消費者物価上昇率は、ドイツ前年同月比0.9%、フランス同0.8%、イギリス同3.5%)。

 東アジアをみると、中国では、景気の拡大テンポは鈍化している。物価は、下落している。貿易収支黒字は、輸入の鈍化から大幅である。韓国では、景気は後退している。失業率は、大幅に上昇している。物価は、騰勢は鈍化している。貿易収支は、輸入減少により大幅な黒字が続いている。

 国際金融市場の8月の動きをみると、米ドル(実効相場)は、月初より総じて増価していたが、月末にかけて減価した(モルガン銀行発表の米ドル名目実効相場指数(1990年=100)8月31日115.0、7月末比0.1%の増価)。内訳をみると、8月31日現在、対円では7月末比2.8%減価、対マルクでは同1.4%減価した。ロシア政府・中央銀行は、8月17日、ルーブルの実質的切り下げ、民間の一部の対外債務支払いの90日間の停止、99年末までに償還期限を迎える中短期国債の新規国債への切り換え等の措置を発表した。

 国際商品市況の8月の動きをみると、上旬にやや強含んだが、その後は弱含みに推移した。原油スポット価格(北海ブレント)は、中旬に産油国による減産合意が遵守されていないとして弱含む場面があったものの、おおむね横ばいで推移した。