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月例経済報告

平成10年2月6日

経済企画庁調査局


概 観

我が国経済:需要面をみると、個人消費は、家計の経済の先行きに対する不透明感もあって、低調な動きとなっている。住宅建設は、下げ止まりの兆しはみられるものの、依然弱い動きが続いている。設備投資は、製造業には底堅さがみられるものの、全体としては伸びが鈍化している。

産業面をみると、最終需要が停滞していることを背景に、在庫は高水準にあり、鉱工業生産は、弱含んでいる。企業収益は、中小企業では減益が見込まれるなど全体として伸びが低下している。また、企業の業況判断は、厳しさが増している。

雇用情勢をみると、雇用者数の伸びが鈍化し、完全失業率が高い水準で推移するなど厳しい状況にある。

輸出は、強含みに推移している。輸入は、おおむね横ばいで推移している。国際収支をみると、貿易・サービス収支の黒字は、増加傾向にある。対米ドル円相場(インターバンク直物中心相場)は、1月は、月初の 132円台から一時 134円台まで下落したが、その後上昇し、 125円台から 126円台で推移した。

物価の動向をみると、国内卸売物価は、内外の需給の緩み等から、やや弱含みで推移している。また、消費者物価は、安定している。

最近の金融情勢をみると、短期金利は、1月はおおむね横ばいで推移した。長期金利は、1月は月初にやや低下した後、上昇した。株式相場は、1月は月初にやや下落した後、大幅に上昇した。マネーサプライ(M2+CD)は、12月は前年同月比 3.8%増となった。

海外経済 :主要国の経済動向をみると、アメリカでは、景気は拡大している。実質GDPは、97年7~9月期前期比年率 3.1%増の後、10~12月期は同 4.3%増(暫定値)となった。個人消費、住宅投資は増加している。設備投資はこのところ伸びに鈍化がみられる。鉱工業生産(総合)は増加している。雇用は拡大している。物価は安定している。財の貿易収支赤字(国際収支ベース)は、このところ縮小している。1月の長期金利(30年物国債)は、やや上下したが、総じて低下した。1月の株価(ダウ平均)は、月前半には一時急落する局面もあったが、ほぼ横ばいとなった。

西ヨーロッパをみると、ドイツ、フランスでは、景気は回復している。イギリスでは、景気拡大のテンポはこのところ緩やかになってきている。鉱工業生産は、ドイツ、フランスでは回復しているが、イギリスではこのところ鈍化してきている。失業率は、ドイツ、フランスでは高水準で推移しているが、イギリスでは低下している。物価は、ドイツ、フランスでは安定しており、イギリスでは安定しているものの上昇率がやや高まっている。

東アジアをみると、中国では、景気は拡大している。物価上昇率は、低下している。貿易収支は、大幅な黒字が続いている。韓国では、景気は減速している。失業率は、上昇している。物価上昇率は、高まっている。貿易収支は、大幅に改善している。

国際金融市場の1月の動きをみると、米ドル(実効相場)は、上旬に増価し、中旬以降減価したが、月末にかけて再び増価した。なお、アジア通貨では、特にインドネシア・ルピアが大幅に減価した。

国際商品市況の1月の動きをみると、全体では上旬弱含みで推移した後、中旬から下旬にかけて強含みで推移した。1月の原油スポット価格(北海ブレント)は、全体では弱含みでの推移となり、下旬には14ドル台に下落したが、その後イラク情勢懸念等により強含んだ。

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我が国経済の最近の動向をみると、純輸出は増加傾向にあるが、設備投資は、製造業には底堅さがみられるものの、全体としては伸びが鈍化している。個人消費は、家計の経済の先行きに対する不透明感もあって、低調な動きとなっている。住宅建設は、下げ止まりの兆しはみられるものの、依然弱い動きが続いている。このように最終需要が停滞していることを背景に、在庫は高水準にあり、生産は弱含んでいる。雇用情勢をみると、雇用者数の伸びが鈍化し、完全失業率が高い水準で推移するなど厳しい状況にある。また、民間金融機関において貸出態度に慎重さがみられる。最近の株価等の動きにみられるように、市場心理には一部好転の兆しもみられるものの、家計や企業の景況感の厳しさが個人消費や設備投資に影響を及ぼしており、景気はこのところ停滞している。

政府としては、家計や企業の経済の先行きに対する不透明感を払拭し、我が国経済を民間需要中心の自律的な安定成長軌道に乗せていくため、平成9年11月18日に決定した「21世紀を切りひらく緊急経済対策」を確実に実行に移すとともに、2兆円規模の所得税、個人住民税の特別減税を行うこととし、さらに法人課税、有価証券取引税等の金融・証券関係税制、地価税・土地譲渡益課税等の土地税制等の見直しを行うこととした。また、我が国の金融システムの安定性確保と預金者保護のための諸施策を講じることとした。

なお、1月19日に平成10年度の実質経済成長率を 1.9%程度と見込んだ「平成10年度の経済見通しと経済運営の基本的態度」を閣議決定するとともに、77兆 6,700億円(前年度当初比 0.4%増)の平成10年度一般会計予算案を国会に提出した。


1 国内需要:個人消費は、家計の経済の先行きに対する不透明感もあって、低調な動き

個人消費は、家計の経済の先行きに対する不透明感もあって、低調な動きとなっている

家計調査でみると、実質消費支出(全世帯)は前年同月比で10月 1.1%増の後、11月は2.1%減(前月比 2.3%減)となった。世帯別の動きをみると、勤労者世帯で前年同月比2.2%減、勤労者以外の世帯では同 1.7%減となった。形態別にみると、商品、サービスともに減少となった。なお、消費水準指数は全世帯で前年同月比 2.0%減、勤労者世帯では同 2.0%減となった。また、農家世帯(農業経営統計調査)の実質現金消費支出は前年同月比で9月 2.7%増となった。小売売上面からみると、小売業販売額は前年同月比で11月 4.6%減の後、12月は 4.3%減(前月比 0.8%減)となった。全国百貨店販売額(店舗調整済)は前年同月比で11月 2.0%減の後、12月 4.0%減となった。チェーンストア売上高(店舗調整後)は、前年同月比で11月 4.5%減の後、12月 7.0%減となった。一方、耐久消費財の販売をみると、乗用車(軽を除く)新車新規登録台数は、前年同月比で1月は23.1%減となった。また、家電小売金額は、前年同月比で12月は 5.7%減となった。レジャー面を大手旅行業者13社取扱金額でみると、12月は前年同月比で国内旅行が 5.1%増、海外旅行は 4.3%減となった。

当庁「消費動向調査」(12月調査)によると、消費者態度指数は、9月に前期差 1.2ポイント上昇の後、12月には同 5.0ポイントの低下となった。

賃金の動向を毎月勤労統計でみると、現金給与総額は、事業所規模5人以上では前年同月比で11月 0.0%の後、12月(速報)は 0.9%増(事業所規模30人以上では同 1.2%増)となり、うち所定外給与は、12月(速報)は同 0.8%減(事業所規模30人以上では同 0.5%増)となった。実質賃金は、前年同月比で11月 2.1%減の後、12月(速報)は 0.9%減(事業所規模30人以上では同 0.7%減)となった。  

住宅建設は、下げ止まりの兆しはみられるものの、依然弱い動きが続いている

新設住宅着工をみると、総戸数(季節調整値)は、前月比で11月 4.4%減(前年同月比23.5%減)となった後、12月は 1.3%増(前年同月比18.6%減)の10万8千戸(年率 129万戸)となった。12月の着工床面積(季節調整値)は、前月比 2.1%増(前年同月比22.3%減)となった。12月の戸数の動きを利用関係別にみると、持家は前月比 4.9%増(前年同月比29.4%減)、貸家は同 3.8%増(同16.4%減)、分譲住宅は同 7.1%減(同 5.1%減)となっている。

設備投資は、製造業には底堅さがみられるものの、全体としては伸びが鈍化している

当庁「法人企業動向調査」(9年12月調査)により設備投資の動向をみると、全産業の設備投資は、前期比で9年7~9月期(実績) 1.4%増(うち製造業 0.7%増、非製造業1.5%増)の後、9年10~12月期(実績見込み)は 3.9%減(同 1.9%増、同 6.6%減となっている。また、10年1~3月期(修正計画)は、前期比で 2.2%減(うち製造業1.6%減、非製造業 2.0%減)、10年4~6月期(計画)は 3.7%減(同 1.0%減、同4.9%減)と見込まれている。

なお、年度計画では、前年度比で8年度(実績) 7.8%増(うち製造業10.8%増、非製造業 6.4%増)の後、9年度(計画)は 2.7%増(同 7.8%増、同 0.2%増)となっている。

先行指標の動きをみると、機械受注(船舶・電力を除く民需)は、前月比で10月は16.3%増(前年同月比14.3%減)の後、11月は11.4%減(同16.6%減)となり、製造業は底堅く推移しているものの、全体としては弱含みで推移している。民間からの建設工事受注額(50社、非住宅)をみると、一進一退で推移しており、前月比で11月 7.6%増の後、12月は 6.1%減(前年同月比12.0%増)となった。内訳をみると、製造業は前月比 1.7%減(前年同月比23.8%増)、非製造業は同 6.8%減(同 8.3%増)となった。

公的需要関連指標をみると、公共投資については、着工総工事費は、前年同月比で10月6.5%減の後、11月は 0.5%減となった。公共工事請負金額は、前年同月比で11月 6.7%減の後、12月は 5.1%増となった。官公庁からの建設工事受注額(50社)は、前年同月比で11月 7.6%減の後、12月は 8.4%減となった。


2 生産雇用:在庫は高水準にあり、生産は弱含み

鉱工業生産・出荷・在庫の動きをみると、在庫は高水準にあり、生産・出荷は、弱含んでいる

鉱工業生産は、前月比で11月 5.0%減の後、12月(速報)は、一般機械、窯業・土石製品等が減少したものの、輸送機械、電気機械等が増加したことから、 0.8%増となった。また製造工業生産予測指数は、前月比で1月は機械、化学等により 4.3%増の後、2月は機械、鉄鋼等により 1.7%減となっている。鉱工業出荷は、前月比で11月 5.9%減の後、12月(速報)は資本財が減少したものの、耐久消費財、生産財等が増加したことから、1.2%増となった。鉱工業生産者製品在庫は、前月比で11月 1.4%増の後、12月(速報)は、輸送機械、鉄鋼等が減少したものの、化学、窯業・土石製品等が増加したことから、0.4%増となった。また、12月(速報)の鉱工業生産者製品在庫率指数は 122.4と前月を1.5ポイント下回った。

主な業種について最近の動きをみると、輸送機械では、生産は12月は増加し、在庫は2か月連続で減少した。電気機械では、生産、在庫ともに12月は増加した。化学では、生産は2か月連続で減少し、在庫は5か月連続で増加した。

雇用情勢をみると、雇用者数の伸びが鈍化し、完全失業率が高い水準で推移するなど厳しい状況にある

労働力需給をみると、有効求人倍率(季節調整値)は、11月0.69倍の後、12月0.68倍となった。新規求人倍率(季節調整値)は、11月1.17倍の後、12月1.12倍となった。雇用者数は、伸びが鈍化している。総務庁「労働力調査」による雇用者数は、12月は前年同月比0.8%増(前年同月差45万人増)となった。常用雇用(事業所規模5人以上)は、11月前年同月比 1.0%増(季節調整済前月比 0.4%増)の後、12月(速報)は同 0.8%増(同 0.1%減)となり(事業所規模30人以上では前年同月比 0.2%増)、産業別には製造業では同 0.4%減となった。12月の完全失業者数(季節調整値)は、前月差3万人減の 233万人、完全失業率(同)は、11月 3.5%の後、12月 3.4%となった。所定外労働時間(製造業)は、事業所規模5人以上では11月前年同月比 0.0%(季節調整済前月比 0.3%増)の後、12月(速報)は同 3.4%減(同 2.4%減) となっている(事業所規模30人以上では前年同月比 2.4%減)。

企業の動向をみると、企業収益は、中小企業では減益が見込まれるなど全体として伸びが低下している。また、企業の業況判断は、厳しさが増している。 

大企業の動向を前記「法人企業動向調査」(12月調査、季節調整値)でみると、売上高、経常利益の見通し(ともに「増加」-「減少」)は、10年1~3月期は「減少」超に転じた。また、企業経営者の景気見通し(業界景気の見通し、「上昇」-「下降」)は10年1~3月期は「下降」超幅が拡大した。

また、中小企業の動向を中小企業金融公庫「中小企業動向調査」(12月調査、季節調整値)でみると、売上げD.I. (「増加」-「減少」)は、9年10~12月期は「減少」超幅が拡大し、純益率D.I. (「上昇」-「低下」)は、「低下」超幅が拡大した。業況判断D.I.(「好転」-「悪化」)は、9年10~12月期は「悪化」超幅が拡大した。 

企業倒産の状況をみると、件数は、このところ前年の水準を大きく上回る傾向にある

銀行取引停止処分者件数は、12月は 1,229件で前年同月比28.4%増となった。業種別に件数の前年同月比をみると、運輸・通信業で19.4%の減少となる一方、建設業で45.9%、小売業で30.5%の増加となった。  


3 国際収支:貿易・サービス収支の黒字は増加傾向

輸出は、強含みに推移している

通関輸出(数量ベース、季節調整値)は、前月比で11月 7.8%減の後、12月(速報)は0.8%減(前年同月比 6.2%増)となった。最近数か月の動きを品目別(金額ベース)にみると、一般機械、電気機器等が増加した。同じく地域別にみると、EU、アメリカ等が増加した。ただし、ASEANは減少した。

輸入は、おおむね横ばいで推移している

通関輸入(数量ベース、季節調整値)は、前月比で11月 9.2%減の後、12月(速報)は9.7%増(前年同月比 5.0%増)となった。最近数か月の動きを品目別(金額ベース)にみると、製品類(機械機器)等は減少したが、鉱物性燃料等は増加した。同じく地域別にみると、EU等が減少したが、中近東等は増加した。

通関収支差(季節調整値)は、11月に11,432億円の黒字の後、12月(速報)は 8,092億円の黒字となった。

国際収支をみると、貿易・サービス収支の黒字は、増加傾向にある

11月(速報)の貿易・サービス収支(季節調整値)は、前月に比べ、貿易収支の黒字幅が縮小したものの、サービス収支の赤字幅が縮小したため、その黒字幅は拡大し、 9,183億円となった。また、経常収支(季節調整値) は、貿易・サービス収支の黒字幅が拡大し、経常移転収支の赤字幅が縮小したものの、所得収支の黒字幅が縮小したため、その黒字幅は縮小し、12,775億円となった。投資収支(原数値)は、 9,245億円の赤字となり、資本収支(原数値)は、 9,379億円の赤字となった。

1月末の外貨準備高は、前月比 7.4億ドル増加して 2,215.3億ドルとなった。

外国為替市場における対米ドル円相場(インターバンク直物中心相場)は、1月は、月初の 132円台から一時 134円台まで下落したが、その後上昇し 125円台から 126円台で推移した。一方、対マルク相場(インターバンク17時時点) は、1月は、月初の73円台から、69円台まで上昇した。 


4 物価:国内卸売物価はやや弱含みで推移

国内卸売物価は、内外の需給の緩み等から、やや弱含みで推移している

12月の国内卸売物価は、食料用農畜水産物(豚肉)等が上昇した一方、電気機器(ルームエアコン)等が下落したことから、前月比保合い(前年同月比 0.7%の上昇)となった。輸出物価は、契約通貨ベースで下落したものの、円安から円ベースでは前月比 1.9%の上昇(前年同月比 5.2%の上昇)となった。輸入物価は、契約通貨ベースで下落したものの、円安から円ベースでは前月比 1.8%の上昇(前年同月比 3.5%の上昇)となった。この結果、総合卸売物価は、前月比 0.5%の上昇(前年同月比 1.6%の上昇)となった。

1月上中旬の動きを前旬比でみると、国内卸売物価は上旬が 0.2%の下落、中旬が保合い、輸出物価は上旬が 1.1%の上昇、中旬が 1.0%の下落、輸入物価は上旬が 0.2%の上昇、中旬が 1.1%の下落、総合卸売物価は上旬が保合い、中旬が 0.2%の下落となっている。

企業向けサービス価格は、12月は前年同月比 1.8%の上昇(前月比 0.2%の下落)となった。

商品市況(月末対比)は繊維等は上昇したものの、「その他」等の下落により1月は下落した。1月の動きを品目別にみると、生糸等は上昇したものの、牛原皮等が下落した。消費者物価は、安定している

全国の生鮮食品を除く総合は、前年同月比で11月 2.2%の上昇の後、12月は公共料金(広義)の上昇幅の拡大等の一方、一般生鮮商品の上昇幅の縮小等があり 2.2%の上昇(前月比 0.1%の下落)となった。なお、総合は、前年同月比で11月 2.1%の上昇の後、12月は 1.8%の上昇(前月比 0.2%の下落)となった。

東京都区部の動きでみると、生鮮食品を除く総合は、前年同月比で12月 2.2%の上昇の後、1月(中旬速報値)は外食の上昇幅の縮小等により 1.9%の上昇(前月比 0.5%の下落)となった。なお、総合は、前年同月比で12月 1.8%の上昇の後、1月(中旬速報値)は 2.0%の上昇(前月比 0.1%の上昇)となった。


5 金融財政:株式相場は、大幅に上昇

最近の金融情勢をみると、短期金利は、1月はおおむね横ばいで推移した。長期金利は、1月は月初にやや低下した後、上昇した。株式相場は、1月は月初にやや下落した後、大幅に上昇した。マネーサプライ(M2+CD)は、12月は前年同月比 3.8%増となった。

短期金融市場をみると、オーバーナイトレート、2、3か月物ともに、1月はおおむね横ばいで推移した。なお、日銀は市場安定のため、潤沢な資金供給を行なった。

公社債市場をみると、国債流通利回りは、1月は月初にやや低下した後、上昇した。なお、国債指標銘柄流通利回り(東証終値)は1月6日に 1.570%となり、史上最低を更新した。

国内銀行の貸出約定平均金利(新規実行分)は、12月は短期は 0.123%上昇し、長期 は 0.019%低下したことから、総合では前月比で 0.093%上昇し 1.912%となった。

マネーサプライ(M2+CD)の月中平均残高を前年同月比でみると、12月(速報)は3.8%増となった。また、広義流動性でみると、12月(速報)は 3.3%増となった。

企業金融の動向をみると、金融機関の貸出平残(全国銀行)は、12月(速報)は前年同月比 0.0%増となった。1月のエクイティ市場での発行(国内市場発行分)は、転換社債がゼロとなった。また、1月の国内公募事業債の起債実績は 9,100億円となった。

民間金融機関において貸出態度に慎重さがみられる。

株式市場をみると、日経平均株価は、1月は月初にやや下落した後、大幅に上昇した。


6 海外経済:インドネシア・ルピア、大幅に減価

主要国の経済動向をみると、アメリカでは、景気は拡大している。実質GDPは、97年7~9月期前期比年率 3.1%増の後、10~12月期は同 4.3%増(暫定値)となった。個人消費、住宅投資は増加している。設備投資はこのところ伸びに鈍化がみられる。鉱工業生産(総合)は増加している。雇用は拡大している。雇用者数(非農業事業所)は11月前月差41.2万人増の後、12月は同37.0万人増となった。失業率は12月 4.7%となった。物価は安定している。12月の消費者物価は前月比 0.1%の上昇、12月の生産者物価(完成財総合)は同 0.2%の下落となった。財の貿易収支赤字(国際収支ベース)は、このところ縮小している。1月の長期金利(30年物国債)は、やや上下したが、総じて低下した。1月の株価(ダウ平均)は、月前半には一時急落する局面もあったが、ほぼ横ばいとなった。

西ヨーロッパをみると、ドイツ、フランスでは、景気は回復している。イギリスでは、景気拡大のテンポはこのところ緩やかになってきている。実質GDPは、ドイツ7~9月前期比年率 3.2%増、フランス7~9月同 3.5%増、イギリス10~12月同 2.1%増となった。鉱工業生産は、ドイツ、フランスでは回復しているが、イギリスではこのところ鈍化してきている(11月の鉱工業生産は、ドイツ前月比 0.3%減、フランス同 1.9%減、イギリス同 0.6%減)。失業率は、ドイツ、フランスでは高水準で推移しているが、イギリスでは低下している(12月の失業率は、ドイツ11.9%、フランス12.2%、イギリス 5.0%)。物価は、ドイツ、フランスでは安定しており、イギリスでは安定しているものの上昇率がやや高まっている(12月の消費者物価上昇率は、ドイツ前年同月比 1.8%、フランス同1.1%、イギリス同 3.6%)。

東アジアをみると、中国では、景気は拡大している。物価上昇率は、低下している。貿易収支は、大幅な黒字が続いている。韓国では、景気は減速している。失業率は、上昇している。物価上昇率は、高まっている。貿易収支は、大幅に改善している。

国際金融市場の1月の動きをみると、米ドル(実効相場)は、上旬に増価し、中旬以降減価したが、月末にかけて再び増価した(モルガン銀行発表の米ドル名目実効相場指数(1990年=100)1月30日 110.4、12月末比 0.4%の増価)。内訳をみると、1月30日現在、対円では12月末比 2.9%減価、対マルクでは同 1.8%増価した。なお、アジア通貨では、特にインドネシア・ルピアが大幅に減価した。

国際商品市況の1月の動きをみると、全体では上旬弱含みで推移した後、中旬から下旬にかけて強含みで推移した。1月の原油スポット価格(北海ブレント)は、全体では弱含みでの推移となり、下旬には14ドル台に下落したが、その後イラク情勢懸念等により強含んだ。