平成16年度
年次経済財政報告
(経済財政政策担当大臣報告)
−改革なくして成長なしIV−
平成16年7月
内閣府
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第2章のポイント 第1節 景気回復にみられる地域差
第2節 地域間の経済格差とその要因
第3節 地域における構造改革
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第2章 地域経済再生への展望
2002年初からの景気回復は3年目に入っているが、こうした景気回復の継続にもかかわらず、「景気回復の実感がない」という指摘も依然存在している。今回の回復局面におけるこうした景況感のばらつきは、第1章でみたように、企業部門の改善の動きが雇用、賃金面の改善に十分つながっていないことに大きく影響されているが、これに加えて、地域経済の回復状況にばらつきがあることも反映していると考えられる。90年代においては、こうした地域経済の回復の遅れに対し、公共事業の積極的な活用が図られてきたが、国・地方ともに財政状況が悪化するなか、財政支出の規模の拡大による所得政策にはもはや限界がきている。また、官に頼った地域経済振興は、地域経済の独自性を失わせ、長期でみたときに、必ずしも地域経済の発展につながるとは限らない。
こうしたことを背景に、政府は、地域再生本部や構造改革特区等の取組を通じて、「国から地方へ」、「官から民へ」という構造改革の流れをより強化し、持続可能な地域再生の実現を目指している。同時に、地域においても、積極的に行財政改革に取り組む先進的な地方公共団体があるほか、構造改革特区等を生かし、地域におけるビジネス・チャンスの拡大を図る動きも出てきている。
本章では、地域の経済動向に影響を与える諸要因を概観した上で、現在行われている地域経済再生の取組が、どのような形で地域の持続的発展に資するのかを論じる。具体的には、第1節では、地域経済の回復のばらつきは、主に生産面で輸出関連財やIT関連財等に特化した地域の回復が先行する形で生じていること、地域間の移出入依存度の違いによって他地域の需要拡大の動きが波及しにくい地域があることを示す。第2節では、一人当たり所得でみた地域間の経済格差は縮小傾向にあるものの、依然として最大2倍程度の格差が存在していること、格差自体は地域の産業構成、人的資本の蓄積程度等構造的要因に起因していることを示す。その上で、地域ごとに格差が生じる根本的原因は異なるため、地域再生は全国一律の政策によるのではなく、地域の発意に基づいて行われる必要があることを述べる。第3節では、地方公共団体による行財政改革は進みつつあるが、依然として財政的には厳しい状況にあることを示す。その上で、構造改革特区は地方の意欲を更に高め、最近では、一部の先進的な地方公共団体だけでなく、より幅広い団体にも特区を利用する動きが出てきていることを示す。さらに、今後の地域再生を進める上では、地域に固有の資源や人のつながりを活かし、観光、知的技術革新・産業集積(クラスター)、対内直接投資を促進することが重要であることを述べる。