第2章のまとめ

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本章の問題意識は、地域の活性化という観点から、アジアとの関係を深めていく上で、今後は何がポイントになるのかということであった。その点を本章では、「アジアから各地域にいかに人を呼ぶか」、「地域からアジアへいかに物を輸出するか」の2点に絞って分析した。

その結果、いずれの場合も、日本の強みをどう活かすのか、アジアの人々が今何に関心があるのか、アジアにはない日本独自のものをどうアピールするのか、ということが取り組みのポイントになることをみた。そうした点も参考にしながら、各地域が具体的な取組を一層強めていくことが期待される。ただし、その場合、東京のような都市圏において、北海道並みの大自然によってアジアからの観光客を呼ぼうとするのはそもそも無理であるし、自動車産業がない地域において、直ちにハイブリッド車の中国輸出を考えるのも現実的ではない。現実的で実効性のある取組を行う主体である各地域が、それぞれの産業構造や自然環境など既存の資源を十分に踏まえた上で、そうした条件をフルに活かすにはどうするべきかを考えていく、これが出発点となるであろう。

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