昭和63年
世界経済白書 本編
変わる資金循環と進む構造調整
経済企画庁
第1章 不均衡縮小傾向の中で拡大続く世界経済
世界経済は,86,87年と緩やかな成長となった後,87年10月の株価大幅下落の影響が懸念されたものの,その後の適切な政策対応等もあって88年には前年の成長を上回る拡大を続けている。この中で,主要国間の経常収支不均衡は,依然として大幅なものの縮小の傾向をみせている。また,長期にわたる景気拡大が続く中で,国内需給の逼迫等から一部に物価上昇率の高まりもみられ,金融政策はインフレ警戒に重点を移しつつある。本章では,87,88年の世界経済の動向と景気の持続性(第1節),物価上昇率の動向(第2節),経常収支不均衡縮小のプロセス(第3節)について検討する。