昭和58年

年次世界経済報告

世界に広がる景気回復の輪

昭和58年12月20日

経済企画庁


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第3章 持続的成長と経済再活性化の条件

前章でみたように第2次石油危機後の長い調整過程を経て,アメリカを中心とする主要先進国では,ようやく景気回復過程に入った。今後,この景気回復がインフレを伴わぬ持続的な成長につながるか,それとも1970年代に多くの国でみられたように,インフレが加速化し,短期間のものに終わるかについては,まだ予断を許さないものがある。

本章では,今後各国がインフレなき持続的成長を達成し得るか否かを探ることを目的に,まず,このような目的にとって重要な条件となるインフレ体質の改善が各国でどの程度進んでいるかを分析する。次に,インフレ体質と密接な関係をもつ労働生産性の動向を概観し,更に労働生産性の向上に必要不可欠な設備投資について,その決定要因を分析する。最後に,インフレなき持続的成長を目指した各国の経済再活性化政策の動向をみ,現在までに現われた効果と残された課題を検討する。


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