昭和49年

年次世界経済報告

世界経済の新しい秩序を求めて

経済企画庁


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第2章 世界インフレの高進

世界経済にとって,インフレはけっして新しい問題ではない。過去20年を振返ってみても,先進国では,そのほとんどの時期引続き物価の上昇を経験していた。しかし,これはクリーピング・インフレと呼ばれる,今からみれば比較的緩やかなものであった。

これに対して,73年以降のインフレは,平均二桁という一部の発展途上国を除けば平時としては初めての高率なものである。また,それは,単に高率であるというだけではなく,世界的に同時的に進行していること,景気停滞にもかかわらず加速していることなどの特徴を持っている。

本章では,このような二桁インフレに至る過程をあとづけながら,それをもたらした原因を分析するとともに発展途上国および共産圏のインフレ問題を観察し,あわせてこれと闘う各国の政策を検討する。


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