昭和49年
年次世界経済報告
世界経済の新しい秩序を求めて
経済企画庁
第1章 1974年の世界経済
1974年は,世界経済にとって,平時としては未曽有のインフレと,世界景気の著しい停滞という典型的なスタグフレーションを経験した年であった。
こうした中で国際収支の不均衡が拡大するなど,石油危機を背景とする急速かつ大幅な環境変化と不確実性の下で産油国を除き各国は戦後かつて経験したことのない大きな経済危機に直面している。 本章では,1974年の世界経済の現状を分析し,さらに,これに対する各国の国内・対外政策を検討したうえ,景気の現局面と今後の展望を行おう。