昭和41年
年次世界経済報告
昭和41年12月16日
経済企画庁
第3章 先進国のインフレーション
物価上昇は,現代の先進国経済における中心的問題の一つとなっている。先進国の物価の動きは,第35図にもみられるように,60年代になってからも,卸売物価も,消費者物価も継続的な上昇傾向を示しており,また,50年代の後半に比較して,ともに上昇テンポが高まっている。このような物価の継続的上昇のもとで,先進国の政策的課題も,成長政策と同時に物価安定のために多くの配慮を加えることになっている。
本章では,近年の先進国における物価上昇パターンの変化とその要因を分析し,この間にとられた主要国の物価政策の展開などについて検討する。