昭和41年

年次経済報告

持続的成長への道

経済企画庁


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昭和40年度の日本経済

概況

景気に立ち直りの兆し

不況は秋に底をつき、年末からは幾分明るさがみられるようになってきた。

それは次のような景気指標から読みとることができる。

第2図 景気指標の動向

(イ)株価の上昇 株価は7月12日、東証第1部旧修正株価平均1,020円にまで落ち込んだがその後急速に回復して、3月末には1,600円に近づいた。

(ロ)市況の回復 卸売物価指数は、40年7月の101.5(昭和35年=100)を底にして、上昇し、3月には105.0となった。もっとも、この市況の反騰には海外市況高による銅の高騰が影響している面が大きいが、工業製品指数(非鉄金属を除く)でみても、40年7月の98.1から、3月の99.5まで回復している。

(ハ)生産、出荷の増加 四半期別にみると、生産は7〜9月1.0%上昇、10〜12月横ばい、1〜3月3.7%上昇、また出荷は7〜9月2.1%上昇、10〜12月0.6%増、1〜3月3.9%増となった。

(二)在庫圧迫の緩和 製品在庫の増加は年末まで続いたが 在庫率(出荷に対する在庫の割合)は、8月をピークにして低下を始めた。企業に対するアンケート調査(法人企業投資予測調査)によっても、在庫過剰と答えた企業の数が最も多かったのは、昭和40年の6月で、47%に達したが、その後減少し、41年の3月には32%となった。

(ホ)超過勤務時間の増加 製造業の超過勤務時間(所定外労働時間)は40年9月まで低下したが10月から増加に向かってきた。

(へ)機械受注の増加 機械受注(海運を除く民需)は昭和38年末から減り始め、39年中はずっと減り続けて40年の4〜6月が底となったが、7〜9月には2.5%増となり、10〜12月には7.5%増、1〜3月2.7%増とかなり回復をみせている。



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