地域経済動向(平成11年6月)
平成11年6月21日
経済企画庁調査局
1.地域経済の概況
最近の地域経済の動向を地域別にみると、以下のとおりである。
北海道地域では、景気は政策効果等により下げ止まり、おおむね横ばいで推移している。これは、鉱工業生産は総じて横ばい圏内で推移しており、需要面においては、公共工事着工総工事費で増加が続き、新設住宅着工戸数が持ち直しの動きとなっているものの、大型小売店販売額が低調に推移し、また雇用情勢も厳しい状況が続いているからである。
東北地域では、景気は政策効果等により下げ止まり、おおむね横ばいで推移している。これは、鉱工業生産が総じて増加傾向にあり、需要面においては、公共工事着工総工事費が増加し、新設住宅着工戸数に持ち直しの兆しがみられるものの、大型小売店販売額が低調に推移し、また雇用情勢も厳しい状況が続いているからである。
関東地域では、景気は政策効果等により下げ止まり、おおむね横ばいで推移している。これは、鉱工業生産は持ち直しの兆しがみられ、需要面においては、公共工事着工総工事費が増加し、新設住宅着工戸数が持ち直しの動きとなっているものの、大型小売店販売額が低調に推移し、また雇用情勢も厳しい状況が続いているからである。
北関東と南関東についてみると、北関東では、公共工事着工総工事費が大幅な増加となっているものの、新設住宅着工戸数の持ち直しの動きに鈍化がみられる面もあり、景気は下げ止まりおおむね横ばいで推移している。南関東では、関東全体とほぼ同様の動きであることから、景気は下げ止まりおおむね横ばいで推移している。
東海地域では、景気は政策効果等により下げ止まり、おおむね横ばいで推移している。これは、鉱工業生産が横ばい圏内で推移し、需要面においては、公共工事着工総工事費が大幅な増加を続けているものの、大型小売店販売額が低調に推移し、また雇用情勢も厳しい状況が続いているからである。
北陸地域では、景気は政策効果等により下げ止まり、おおむね横ばいで推移している。これは、鉱工業生産が横ばい圏内となり、需要面においては、公共工事着工総工事費が大幅な増加を続けており、新設住宅着工戸数が持ち直しの動きとなっているものの、大型小売店販売額が低調に推移し、また雇用情勢も厳しい状況が続いているからである。
近畿地域では、景気は政策効果等により下げ止まりつつある。これは、鉱工業生産が下げ止まりつつあり、需要面においては、公共工事着工総工事費が増加し、新設住宅着工戸数に持ち直しの兆しがみられるものの、大型小売店販売額が低調に推移し、また雇用情勢も厳しい状況が続いているからである。
中国地域では、景気は政策効果等により下げ止まり、おおむね横ばいで推移している。これは、鉱工業生産は総じて横ばい圏内で推移しており、需要面においては、公共工事着工総工事費で増加が続き、新設住宅着工戸数で持ち直しの兆しがみられるものの、大型小売店販売額が低調に推移し、また雇用情勢も厳しい状況が続いているからである。
四国地域では、景気は政策効果等により下げ止まり、おおむね横ばいで推移している。これは、鉱工業生産は持ち直しの兆しがみられ、需要面においては、公共工事着工総工事費が増加となり、新設住宅着工戸数に持ち直しの動きがみられるものの、大型小売店販売額が低調に推移し、また雇用情勢も厳しい状況が続いているからである。
九州地域では、景気は政策効果等により下げ止まり、おおむね横ばいで推移している。これは、鉱工業生産は横ばい圏内で推移し、需要面においては、新設住宅着工戸数に持ち直しの動きがみられるものの、大型小売店販売額が低調に推移し、また雇用情勢も厳しい状況が続いているからである。
沖縄地域では、景気は政策効果もあいまって回復傾向にある。これは、雇用情勢は厳しい状況が続いているものの、主力の観光が高水準で推移し、需要面においては、スーパーの売上高が底固く、乗用車新規登録・届出台数も大幅に増加し、また、公共工事着工総工事費は大幅増となり、新設住宅着工戸数に持ち直しの兆しがみられるからである。
各地域の最近の経済動向を総合すると、以下のとおりである。
鉱工業生産をみると、東北では総じて増加傾向にあり、四国では持ち直しの兆しがみられ、北陸では横ばい圏内となり、近畿では下げ止まりつつある。また、その他の地域では、前回と比べ、状況に大きな変化はみられなかった。
個人消費をみると、大型小売店販売額は、沖縄を除き低調に推移している。乗用車新規登録・届出台数は、ほとんどの地域で増加となっている。
建設活動をみると、公共工事はほとんどの地域で大幅に増加し、10年度累計では、北海道、東北、東海、北陸、中国、沖縄が増加となった。住宅建設は、ほとんどの地域で持ち直しの動きがみられる。
雇用情勢をみると、すべての地域で厳しい状況が続いている。
企業倒産をみると、中小企業に対する信用保証制度の拡充の効果もあり、ほとんどの地域で減少している。
地域別にいえば、沖縄は、公共工事の大幅増に加え、観光が引続き高水準で推移するなど、全体として活況を呈してきていることから、「景気は回復傾向にある」とした。
その他の地域では、鉱工業生産、公共工事、住宅建設のいずれかの面で改善がみられることから、北海道、東北、関東、東海、北陸、中国、四国、九州は、「景気は下げ止まり、おおむね横ばいで推移している」とし、近畿は、「景気は下げ止まりつつある」とした。
2.地域経済の動向
(1)北海道
北海道地域では、景気は政策効果等により下げ止まり、おおむね横ばいで推移している。これは、鉱工業生産は総じて横ばい圏内で推移しており、需要面においては、公共工事着工総工事費で増加が続き、新設住宅着工戸数が持ち直しの動きとなっているものの、大型小売店販売額が低調に推移し、また雇用情勢も厳しい状況が続いているからである。
- 第一次産業の動きをみると、生乳生産(前年同月比)は、3月0.5%増、4月0.3%増と前年をやや上回る動きが続いている。水産業(主要10港、前年同月比)では、4月は、すけとうだらが大幅増となったこと等から、水揚量は10.8%増、金額では25.8%増となった。
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鉱工業生産(季調済前月比)は、3月0.8%増の後、4月0.1%減となり、公共工事関連の特定業種は堅調に推移しているものの、全体としては総じて横ばい圏内で推移している。
主要業種の生産動向をみると、食料品・たばこは、ビール、発泡酒の生産が強まっていること等から、このところ持ち直しの兆しがみられる。パルプ・紙は、前年をやや下回る動きが続いている。窯業・土石は、公共工事関連の需要増により、堅調に推移している。電気機械は、堅調に推移していた無線通信装置が減少したことから、大幅減となった。 - 観光では、来道客数(前年同月比)は、3月6.0%増、4月3.9%増と増加傾向にあるものの、単価の低下により、収益状況は依然として厳しい。
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個人消費をみると、大型小売店販売額(前年同月比)は、3月7.9%減、4月3.3%減と低調に推移している。業態別にみると、百貨店では3月は天候の影響もあり、衣料品で二ケタ減となったこと等から、9.8%減となり、4月も春物衣料が振るわず、4.1%減と低調に推移している。スーパーでは、主力の飲食料品等ほとんどの商品で前年を下回る動きが続いたことから、3月5.9%減、4月2.7%減と低調に推移している。
なお、コンビニエンス・ストア販売額(前年同月比)は、3月1.2%減、4月0.8%減となり、前年をやや下回る動きとなっている。
乗用車新規登録・届出台数(前年同月比)は、軽乗用車で大幅増が続いていることから、3月5.0%増、4月6.0%増となり、このところ増加が続いている。 -
建設活動をみると、公共工事着工総工事費(前年同期比)は、3月19.6%増となった結果、10年度累計では6.3%増となり、4月は、道、市町村で増加となったことから、32.0%増となった。
新設住宅着工戸数(前年同月比)は、持家、貸家で増加が続いたことから、3月11.2%増、4月10.5%増となり、持ち直しの動きとなっている。 - 雇用情勢をみると、有効求人倍率(季調値)は、3月0.47、4月0.45と厳しい状況が続いている。
- 企業倒産件数(前年同月比)は、中小企業に対する信用保証制度の拡充の効果もあり、3月39.4%減、4月46.5%減となった。
(2)東北
東北地域では、景気は政策効果等により下げ止まり、おおむね横ばいで推移している。これは、鉱工業生産が総じて増加傾向にあり、需要面においては、公共工事着工総工事費が増加し、新設住宅着工戸数に持ち直しの兆しがみられるものの、大型小売店販売額が低調に推移し、また雇用情勢も厳しい状況が続いているからである。
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鉱工業生産(季調済前月比)は、3月8.6%増の後、4月4.9%減となったものの、総じて増加傾向にある。
主要業種の生産動向をみると、電気機械は、3月18.6%増の後、4月は11.1%減となったが、引き続きパソコンや携帯電話・PHS等が高操業を続けている。その他の業種では、食料品・たばこは3月0.6%減、4月11.7%増、一般機械は3月2.8%減、4月2.9%減、繊維は3月3.7%増、4月0.5%増となった。また、輸送機械も輸出増から高水準で推移している。 -
個人消費をみると、大型小売店販売額(前年同月比)は、3月6.6%減、4月4.6%減と低調に推移している。業態別にみると、百貨店は、飲食料品に動きがあったものの、これ以外の商品の動きが鈍く3月8.2%減、4月4.7%減と低調に推移している。スーパーも、主力の飲食料品以外の動きが鈍く、3月5.5%減、4月4.5%減と引き続き低調に推移している。
なお、コンビニエンス・ストア販売額(前年同月比)は、3月1.1%増、4月1.3%増と底固く推移している。
乗用車新規登録・届出台数(前年同月比)は、引き続き軽乗用車が大幅増となったことから、3月3.4%増、4月3.7%増となった。 -
建設活動をみると、公共工事着工総工事費(前年同期比)は、3月22.1%増となった結果、10年度累計では12.1%増となった。4月は地方でやや減少したものの全体では1.8%増となった。
新設住宅着工戸数(前年同月比)は、持家が3月18.9%増、4月10.1%増となったことから、全体では3月4.0%増、4月1.0%減と持ち直しの兆しがみられる。 - 雇用情勢をみると、有効求人倍率(季調値)は、3、4月とも0.48と厳しい状況が続いている。
- 企業倒産件数(前年同月比)は、中小企業に対する信用保証制度の拡充の効果もあり、3月36.5%減、4月43.6%減となった。
(3)関東
関東地域では、景気は政策効果等により下げ止まり、おおむね横ばいで推移している。これは、鉱工業生産は持ち直しの兆しがみられ、需要面においては、公共工事着工総工事費が増加し、新設住宅着工戸数が持ち直しの動きとなっているものの、大型小売店販売額が低調に推移し、また雇用情勢も厳しい状況が続いているからである。
北関東と南関東についてみると、北関東では、公共工事着工総工事費が大幅な増加となっているものの、新設住宅着工戸数の持ち直しの動きに鈍化がみられる面もあり、景気は下げ止まりおおむね横ばいで推移している。南関東では、関東全体とほぼ同様の動きであることから、景気は下げ止まりおおむね横ばいで推移している。
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鉱工業生産(季調済前月比)は、3月2.4%増の後、4月2.5%減となったものの、在庫調整の進展もあり、持ち直しの兆しがみられる。
主要業種の生産動向をみると、最もウェイトの高い電気機械は、パソコン、通信機器等の増産により、3月2.4%増の後、4月5.5%減となったものの、持ち直しの兆しがみられる。一般機械は、デジタル・カラー複写機等の増産により、3月3.1%増、4月2.5%増と持ち直しの動きがみられる。輸送機械については、普通乗用車等が低調に推移していること等から、一進一退の動きとなっている。化学については、アジア向け輸出の増加を映じて持ち直しの動きがみられる。 -
個人消費をみると、大型小売店販売額(前年同月比)は、3月7.6%減、4月4.4%減と、減少幅は縮小しているものの、引き続き低調に推移している。業態別にみると、百貨店では、身の回り品等の一部は増加しているものの、その他の品目では減少傾向が続いている。スーパーについては、主力の食料品をはじめ、すべての品目で減少となり、全体でも減少傾向が続いている。
なお、コンビニエンス・ストア販売額(前年同月比)は、1月0.6%減、2月0.4%減と前年並で推移している。
乗用車新規登録・届出台数(前年同月比)は、軽乗用車が増加となっているものの、普通・小型乗用車は減少しており、3月1.9%減、4月0.3%減となった。 -
建設活動をみると、公共工事着工総工事費(前年同期比)は、国、地方ともに増加となり、3月33.9%増となった結果、10年度累計では2.2%減となり、4月は30.9%増となった。
新設住宅着工戸数(前年同月比)は、3月1.2%減の後、持家が増加を続けていることに加え、分譲が増加に転じ、前年の水準が低かった関係で貸家も増加となったことから、4月7.4%増となり、住宅全体についても持ち直しの動きとなっている。 - 雇用情勢をみると、有効求人倍率(季調値)は、3月0.47、4月0.45と、厳しい状況が続いている。
- 企業倒産件数(前年同月比)は、中小企業に対する信用保証制度の拡充の効果もあり、3月29.9%減、4月25.9%減となった。
(3-2)北関東
- 鉱工業生産は、持ち直しの兆しがみられる。主要業種の生産動向をみると、電気機械は持ち直しの動きがみられ、一般機械は持ち直しの兆しがみられる。輸送機械は、一進一退の動きとなっている。
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個人消費をみると、大型小売店販売額(前年同月比)は、3月7.8%減、4月6.6%減と、引き続き低調に推移している。
乗用車新規登録・届出台数(前年同月比)は、3月1.1%減の後、4月2.0%増となった。 -
建設活動をみると、公共工事着工総工事費(前年同期比)は、国の大幅な増加が続き、3月73.2%増となった結果、10年度累計でも12.9%増となり、4月は59.0%増となった。
新設住宅着工戸数(前年同月比)は、3月6.3%増の後、4月3.1%減となり、持ち直しの動きに鈍化がみられる。 - 雇用情勢をみると、有効求人倍率(季調値)は、3月0.69、4月0.67となった。
- 企業倒産件数(前年同月比)は、前年同月の倒産件数が少なかったこともあり、3月は16.9%増となったものの、4月は15.8%減となった。
(3-3)南関東
- 鉱工業生産は、持ち直しの兆しがみられる。主要業種の生産動向をみると、電気機械は持ち直しの兆しがみられ、一般機械及び化学は持ち直しの動きがみられ、輸送機械は、低水準横ばいで推移している。
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個人消費をみると、大型小売店販売額(前年同月比)は、3月7.3%減、4月4.0%減と、引き続き低調に推移している。
乗用車新規登録・届出台数(前年同月比)は、3月2.2%減、4月1.0%減となった。 -
建設活動をみると、公共工事着工総工事費(前年同期比)は、補正予算等の効果が現れだし、地方も増加となり、3月17.6%増となった結果、10年度累計では8.8%減となり、4月は24.6%増となった。
新設住宅着工戸数(前年同月比)は、3月3.0%減の後、持家に加え、分譲及び貸家も増加となったことから、4月10.2%増となり、持ち直しの動きとなっている。 - 雇用情勢をみると、有効求人倍率(季調値)は、3月0.41、4月0.39となった。
- 企業倒産件数(前年同月比)は、3月35.3%減、4月27.4%減となった。
(4)東海
東海地域では、景気は政策効果等により下げ止まり、おおむね横ばいで推移している。これは、鉱工業生産が横ばい圏内で推移し、需要面においては、公共工事着工総工事費が大幅な増加を続けているものの、大型小売店販売額が低調に推移し、また雇用情勢も厳しい状況が続いているからである。
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鉱工業生産(季調済前月比)は、3月4.9%増の後、4月4.2%減となり、横ばい圏内で推移している。
主要業種の生産動向をみると、自動車は、輸出が総じて底固いことや国内販売でも一部の新型車には動きがみられるが、普通・小型乗用車全体では低調であることから、低水準横ばいで推移している。一般機械は、金属工作機械が操業度を下げていること等から減少傾向にある。電気機械は、半導体集積回路や液晶パネルが増加したことから全体でも増加している。窯業・土石では、陶磁器が低調なものの、ファインセラミックスが輸出向けを中心に堅調なことから、全体で増加傾向にある。 -
個人消費をみると、大型小売店販売額(前年同月比)は、3月6.7%減、4月4.2%減と低調に推移している。業態別にみると、百貨店では3月6.9%減の後、食料品や婦人服等で動きがみられたことから、4月3.8%減となり、直近でも減少幅は縮小傾向にある。スーパーでは衣料品の大幅な減少が続き、3月6.5%減、4月4.4%減となった。
なお、コンビニエンス・ストア販売額(前年同月比)は、3月0.6%増、4月0.8%増と底固く推移している。
乗用車新規登録・届出台数(前年同月比)は、軽乗用車が大幅に増加していることから、3月2.8%増、4月7.0%増となった。 -
建設活動をみると、公共工事着工総工事費(前年同期比)は、国、地方ともに増加となった結果、3月25.6%増となり、10年度累計では17.3%増となった。4月は国の増加により18.7%増となった。
新設住宅着工戸数(前年同月比)は、貸家、分譲が減少傾向にあり、3月0.6%減、4月9.6%減となっているものの、持家が増加していることから下げ止まってきている。 - 雇用情勢をみると、有効求人倍率(季調値)は、製造業の求人減少が続いており、求職者が増加したことから、3月0.63、4月0.59となり厳しい状況が続いている。
- 企業倒産件数(前年同月比)は、中小企業に対する信用保証制度の拡充の効果もあり、3月26.9%減、4月12.3%減となった。
(5)北陸
北陸地域では、景気は政策効果等により下げ止まり、おおむね横ばいで推移している。これは、鉱工業生産が横ばい圏内となり、需要面においては、公共工事着工総工事費が大幅な増加を続けており、新設住宅着工戸数が持ち直しの動きとなっているものの、大型小売店販売額が低調に推移し、また雇用情勢も厳しい状況が続いているからである。
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鉱工業生産(季調済前月比)は、3月2.2%増の後、4月0.5%減となり横ばい圏内となっている。
主要業種の生産動向をみると、金属製品では、アルミ建材はビル用が低水準のままであるが、住宅用の持ち直しの動きから、全体で持ち直しの兆しがみられる。繊維では、主力の合繊織物は衣料、非衣料向けとも内需が低迷していることや在庫が引き続き高水準であること等から大幅な減産が続いている。一方、染色加工は在庫調整が進んでいることから減産幅が縮小している。電気機械は、携帯電話、パソコン向けの電子部品が堅調なこと等から、全体でも増加傾向にある。一般機械は、繊維機械や工作機械の生産水準引き下げから全体でも減少傾向にある。建設機械は、公共工事増加の効果等から一部に持ち直しの動きもみられるが引き続き低水準である。 -
個人消費をみると、大型小売店販売額(前年同月比)は、3月7.4%減、4月5.0%減と低調に推移している。業態別にみると、百貨店では全品目で前年割れとなり、3月10.1%減、4月6.9%減となった。スーパーでは婦人・子供服が小幅ながらも再び前年割れとなったことから、全品目で前年割れとなり、3月5.2%減、4月3.9%減となった。
乗用車新規登録・届出台数(前年同月比)は、軽乗用車の大幅な増加により、3月5.0%増、4月5.9%増となった。 -
建設活動をみると、公共工事着工総工事費(前年同期比)は、国、地方ともに増加となった結果、3月37.7%増となり、10年度累計では29.0%増となった。4月も国、県の増加により、51.6%増と大幅な増加が続いている。
新設住宅着工戸数(前年同月比)は、持家の増加により3月5.6%増、4月5.9%増と持ち直しの動きとなっている。 - 雇用情勢をみると、有効求人倍率(季調値)は、求職者の増加等から3月0.64、4月0.62となり厳しい状況が続いている。
- 企業倒産件数(前年同月比)は、中小企業に対する信用保証制度の拡充の効果もあり、3月6.1%増の後、4月61.9%減となった。
(6)近畿
近畿地域では、景気は政策効果等により下げ止まりつつある。これは、鉱工業生産が下げ止まりつつあり、需要面においては、公共工事着工総工事費が増加し、新設住宅着工戸数に持ち直しの兆しがみられるものの、大型小売店販売額が低調に推移し、また雇用情勢も厳しい状況が続いているからである。
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鉱工業生産(季調済前月比)は、3月は5.2%増の後、4月は3.0%減と減少となったものの、基調としては下げ止まりつつある。
主要業種の生産動向をみると、電気機械は、3月は11.0%増の後、4月3.7%減となったものの、民生用電気機械、通信・電子部品関連を中心に基調としては増加傾向にある。一般機械は、3月はボイラ等の増加により7.0%増となったが、4月はその反動から7.8%減となり、基調としては減少傾向となっている。化学は、油脂製品・界面活性剤、プラスチックが増加している。金属製品は、一進一退の状況となっている。繊維は、引き続き減少傾向にある。 -
個人消費をみると、大型小売店販売額(前年同月比)は、3月10.0%減、4月6.5%減と低調に推移している。業態別にみると、百貨店では、婦人服では、これまで底固かったヤング向けも不調となったことから3月9.3%減、4月は5.4%減となり、スーパーでも、全商品が前年を下回り、3月10.7%減、4月7.4%減と、引き続き低調に推移している。
なお、コンビニエンス・ストア販売額(前年同月比)は、3月1.4%減、4月2.0%減となり、前年をやや下回る動きとなっている。
乗用車新規登録・届出台数(前年同月比)は、軽乗用車は増加し、普通・小型乗用車は減少した結果、3月2.4%減、4月2.7%増となった。 -
建設活動をみると、公共工事着工総工事費(前年同期比)は、3月は1.6%増となった結果、10年度累計では0.7%減となった。4月は市町村の増加等から51.2%増となった。
新設住宅着工戸数(前年同月比)は、持家が増加となったことから、3月4.9%減、4月9.9%減と減少幅が縮小し、持ち直しの兆しがみられる。 - 雇用情勢をみると、有効求人倍率(季調値)は、3月0.38、4月0.36と厳しい状況が続いている。
- 企業倒産件数(前年同月比)は、中小企業に対する信用保証制度の拡充の効果もあり、3月36.2%減、4月32.0%減となった。
(7)中国
中国地域では、景気は政策効果等により下げ止まり、おおむね横ばいで推移している。これは、鉱工業生産は総じて横ばい圏内で推移しており、需要面においては、公共工事着工総工事費で増加が続き、新設住宅着工戸数で持ち直しの兆しがみられるものの、大型小売店販売額が低調に推移し、また雇用情勢も厳しい状況が続いているからである。
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鉱工業生産(季調済前月比)は、3月0.2%増、4月0.4%増となり、総じて横ばい圏内で推移している。
主要業種の生産動向をみると、化学は、アジア向け輸出が回復していることから堅調に推移している。自動車は、軽乗用車が堅調に推移していることから、全体でも底固い動きとなっている。一般機械は、アジア向けを中心に輸出が低迷し、内需も減少していることから、減少傾向が続いている。鉄鋼は、内需の低迷に加え、輸出も米国向け等で減少していることから、生産調整が続いている。また、電気機械は、パソコン関連が好調に推移していること等から、高水準での生産が続いている。繊維は引き続き低調である。 -
個人消費をみると、大型小売店販売額(前年同月比)は、3月6.5%減、4月4.1%減と低調に推移している。業態別にみると、百貨店は、春物衣料が振るわなかった衣料品をはじめ、ほとんどの商品で前年を下回る動きが続いたことから、3月5.4%減、4月1.0%減と低調に推移している。スーパーは、すべての商品で前年を下回る動きが続いたことから、3月7.3%減、4月6.1%減と低調に推移している。
なお、コンビニエンス・ストア販売額(前年同月比)は、3月4.6%増、4月4.7%増と堅調に推移している。
乗用車新規登録・届出台数(前年同月比)は、軽乗用車で大幅増が続いていることから、3月4.1%増、4月10.8%増となり、このところ増加が続いている。 -
建設活動をみると、公共工事着工総工事費(前年同期比)は、3月47.7%増となった結果、10年度累計では13.4%増となり、4月は、県、市町村で増加となったことから、29.2%増となった。
新設住宅着工戸数(前年同月比)は、貸家の減少から、3月11.1%減となった後、4月12.8%増と増加に転じ、持家の増加を背景に持ち直しの兆しがみられる。 - 雇用情勢をみると、有効求人倍率(季調値)は、3月0.67、4月0.64と厳しい状況が続いている。
- 企業倒産件数(前年同月比)は、中小企業に対する信用保証制度の拡充の効果もあり、3月24.8%減、4月29.3%減となった。
(8)四国
四国地域では、景気は政策効果等により下げ止まり、おおむね横ばいで推移している。これは、鉱工業生産は持ち直しの兆しがみられ、需要面においては、公共工事着工総工事費が増加となり、新設住宅着工戸数に持ち直しの動きがみられるものの、大型小売店販売額が低調に推移し、また雇用情勢も厳しい状況が続いているからである。
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鉱工業生産(季調済前月比)は、3月8.9%増の後、4月は7.7%減となったものの、在庫調整も着実に進展しており、持ち直しの兆しがみられる。
主要業種の生産動向をみると、電気機械は、パソコン・デジタル関連機器が堅調なうえ、情報機器の北米向け輸出が好調なため、高操業を継続している。パルプ・紙は、個人消費の低迷や企業の経費節減の影響により、依然として生産調整が続いている。化学は、輸出好調のため持ち直しの動きがみられる。一般機械は、東南アジア向け輸出の不振、民間設備投資の低迷から減産が長期化している。繊維は、一部に販路開拓等による増加がみられるものの、総じて低調に推移している。 -
個人消費をみると、大型小売店販売額(前年同月比)は、3月8.3%減、4月5.0%減となり、低調に推移している。業態別にみると、百貨店は、一部身の回り品や家具に動きがあったものの、季節衣料品が不振となったため、3月7.6%減、4月2.9%減となった。スーパーは、飲食料品、衣料品が低調なことから、3月8.9%減、4月6.4%減となった。
なお、コンビニエンス・ストア販売額(前年同月比)は、3月0.2%減、4月0.6%減となり、前年並で推移している。
乗用車新規登録・届出台数(前年同月比)は、軽乗用車が好調なことにより、3月9.1%増、4月10.1%増となった。 -
建設活動をみると、公共工事着工総工事費(前年同期比)は、3月13.5%増となった結果、10年度累計では0.7%減となり、4月は8.4%増となった。
新設住宅着工戸数(前年同月比)は、持家が3月26.8%増、4月28.8%増と大幅増が続き、全体では3月12.8%増、4月4.4%増と持ち直しの動きがみられる。 - 雇用情勢をみると、有効求人倍率(季調値)は、3月0.64、4月0.62と厳しい状況が続いている。
- 企業倒産件数(前年同月比)は、中小企業に対する信用保証制度の拡充の効果もあり、3月18.9%減、4月23.5%減となった。
(9)九州
九州地域では、景気は政策効果等により下げ止まり、おおむね横ばいで推移している。これは、鉱工業生産は横ばい圏内で推移し、需要面においては、新設住宅着工戸数に持ち直しの動きがみられるものの、大型小売店販売額が低調に推移し、また雇用情勢も厳しい状況が続いているからである。
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鉱工業生産(季調済前月比)は、3月1.2%増、4月0.4%減と横ばい圏内で推移している。
主要業種の生産動向をみると、電気機械は、主力の半導体集積回路では、金額は前年割れが続いているものの、数量は3月に11か月振りの前年比増となった後、4月も増加が続いており、持ち直しの動きがみられる。化学は、アジア向け輸出に持ち直しの動きがみられ、品目間にばらつきはあるものの増加となった。一般機械は、内外の需要減により減少傾向が続いている。輸送機械は、自動車では国内需要の回復の遅れにより前年割れが続いている。造船では豊富な受注残に支えられ、高操業を維持している。窯業・土石は、セメントでは官公需に動きがみられるものの、総じて低調に推移している。鉄鋼は、内需低迷の長期化に加え、輸出も減少していることから、減産が続いている。 -
個人消費をみると、大型小売店販売額(前年同月比)は、3月6.2%減、4月3.3%減となり、低調に推移している。業態別にみると、百貨店は、飲食料品に動きがみられたものの、季節衣料品が振るわず、3月5.9%減、4月2.5%減となった。スーパーも同様に、3月6.5%減、4月3.8%減となった。
なお、コンビニエンス・ストア販売額(前年同月比)は、3月1.9%増、4月1.7%増と底固く推移している。
乗用車新規登録・届出台数(前年同月比)は、軽乗用車が好調なことに加え、普通車が3月0.5%増、4月0.4%減と前年水準を確保し、全体としては3月7.5%増、4月4.3%増となった。 -
建設活動をみると、公共工事着工総工事費(前年同期比)は、3月は前年高水準により11.3%減となった結果、10年度累計では6.4%減となったものの、4月には公団・事業団の大型着工や地方での増加により、49.8%増となった。
新設住宅着工戸数(前年同月比)は、持家が3月29.3%増、4月17.2%増と大幅増が続き、全体では3月9.5%増、4月1.6%増と持ち直しの動きがみられる。 - 雇用情勢をみると、有効求人倍率(季調値)は、3月0.43、4月0.41と厳しい状況が続いている。
- 企業倒産件数(前年同月比)は、中小企業に対する信用保証制度の拡充の効果もあり、3月35.3%減、4月24.1%減となった。
(10)沖縄
沖縄地域では、景気は政策効果もあいまって回復傾向にある。これは、雇用情勢は厳しい状況が続いているものの、主力の観光が高水準で推移し、需要面においては、スーパーの売上高が底固く、乗用車新規登録・届出台数も大幅に増加し、また、公共工事着工総工事費は大幅増となり、新設住宅着工戸数に持ち直しの兆しがみられるからである。
- 観光では、入域客数(前年同月比)は、航空路線の増・開設効果や低価格旅行商品が堅調なことから、3月11.1%増、4月8.8%増といずれも3、4月としては過去最高となった。なお、直近も同様の動きとなっている。また、客室稼働率は、シティホテル、リゾートホテルとも3月は高水準となったが、4月はやや前年を下回った。
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個人消費をみると、百貨店(那覇市内3百貨店)の売上高(前年同月比)は、低温の影響もあり主力の衣料品が振るわなかったこと等から、3月4.1%減、4月6.5%減(沖縄銀行調べ)となった。一方、スーパーの売上高(前年同月比、既存店ベース)は、3月0.1%減、4月1.2%減(日本銀行那覇支店調べ)となったものの、主力の食料品が堅調で基調としては底固く推移している。なお、全店ベースでは3月8.1%増、4月5.4%増となった。また、家電製品の販売額は、3月5.3%増、4月5.0%増となった。
乗用車新規登録・届出台数(前年同月比)は、3月は4.4%減となったが、4月は好調な軽乗用車に加え、レンタカー需要増等による小型車の増加から、全体では60.3%増と大幅に増加した。 -
建設活動をみると、公共工事着工総工事費(前年同期比)は、3月31.2%増となった結果、10年度累計では8.5%増となった。4月は国、地方とも大幅に増加したことから全体で129.5%増となった。
新設住宅着工戸数(前年同月比)は、持家、貸家に持ち直しの兆しがみられ、3月1.5%減、4月25.6%増となった。 - 雇用情勢をみると、有効求人倍率(季調値)は、3月0.23、4月0.22と厳しい状況が続いている。完全失業率は、3月7.9%、4月8.4%と悪化傾向にあり厳しい状況が続いている。一方、新規求人数は、このところ広範な職種で増加している。
- 企業倒産件数(前年同月比)は、3、4月とも前年を大幅に下回っている。