地域経済動向(平成10年2月)
平成10年2月17日
経済企画庁調査局
1.地域経済の概況
最近の地域経済の動向を地域別にみると、以下のとおりである。
北海道地域をみると、鉱工業生産はこのところやや弱い動きがみられる。需要面では、大型小売店販売額には弱い動きが続いており、乗用車新規登録・届出台数、新設住宅着工戸数はともに低調に推移している。また、雇用情勢で厳しい状況が続くなど、景気はこのところ停滞している。
東北地域をみると、鉱工業生産は一進一退の動きがみられる。需要面では、大型小売店販売額は弱い動きがみられ、新規住宅着工戸数は、弱い動きが続いている。このように、景気は足踏み状態にある。
関東地域をみると、鉱工業生産は前年同月比でも減少となるなど、弱含みの動きとなっている。需要面では、大型小売店販売額で引き続き弱い動きとなっており、乗用車新規登録・届出台数でも減少傾向となっている。このように景気はこのところ停滞している。
東海地域をみると、鉱工業生産は弱含みで推移しており、大型小売店販売額は弱い動きとなっているほか、有効求人倍率が低下傾向にある。このように、景気は足踏み状態にある。
北陸地域をみると、鉱工業生産は弱含んでいる。大型小売店販売額はやや弱い動きとなり、新設住宅着工戸数は減少傾向が続いているほか、有効求人倍率が低下傾向にあるなど、景気は足踏み状態にある。
近畿地域をみると、鉱工業生産では、弱い動きがみられる。個人消費では、大型小売店販売額に弱い動きがみられ、また乗用車新規登録・届出台数でも減少が続いている。建設関係では、新設住宅着工戸数に引き続き弱い動きがみられる。このように、景気はこのところ停滞している。
中国地域をみると、鉱工業生産は総じてやや弱い動きとなっている。需要面では、大型小売店販売額は前年を下回る動きとなっているほか、新設住宅着工戸数も弱い動きとなっている。このように、景気はこのところ停滞している。
四国地域をみると、鉱工業生産はこのところ弱含んでいる。需要面では、大型小売店販売額が弱い動きとなっており、乗用車新規登録・届出台数、新設住宅着工戸数ともに低調に推移している。また、有効求人倍率が低下傾向にあるなど、景気は足踏み状態にある。
九州地域をみると、鉱工業生産は一進一退の動きとなっているものの、需要面では、大型小売店販売額は弱い動きとなっており、乗用車新規登録・届出台数、新設住宅着工戸数はともに低調に推移している。このように、景気は回復基調に足踏みがみられる。
沖縄地域をみると、主力の観光では、入域客数が引き続き増加基調となっている。個人消費は、百貨店、スーパーの売上高でこのところ弱い動きがみられている。建設活動では、住宅建設で弱い動きがみられるものの、公共工事では底固い動きがみられている。このように、景気は、回復の動きが緩やかなものとなっている。
各地域の最近の経済動向を総合すると、以下のとおりである。
鉱工業生産は、東北、九州で一進一退の動きとなっている。しかし、関東、東海など多くの地域では弱含み、またはやや弱い動きとなっており、近畿では弱い動きとなっている。
個人消費をみると、大型小売店販売は、北陸ではやや弱い動きとなっており、他の地域では弱い動きとなっている。乗用車販売は、多くの地域において前年を下回っている。
建設活動をみると、公共工事着工総工事費は、累計で、四国、九州などでは前年を上回ったが、関東、近畿などでは前年を下回った。新設住宅着工は、前年高水準で推移した反動から、全ての地域で前年を下回っている。
雇用情勢をみると、有効求人倍率は、多くの地域でこのところ低下傾向となっている。
企業倒産件数は、多くの地域において前年の水準を大きく上回っている。
以上から、各地域の景況をみると、沖縄では回復の動きが緩やかなものとなっており、九州では回復基調に足踏みがみられる。一方、鉱工業生産等の動きが弱まっていることから、東北、東海、北陸、四国で足踏み状態にあり、また北海道、関東、近畿、中国では、このところ停滞している。
2.地域経済の動向
(1)北海道
北海道地域をみると、鉱工業生産はこのところやや弱い動きがみられる。需要面では、大型小売店販売額には弱い動きが続いており、乗用車新規登録・届出台数、新設住宅着工戸数はともに低調に推移している。また、雇用情勢で厳しい状況が続くなど、景気はこのところ停滞している。
- 第一次産業の動きをみると、生乳生産は、11月2.3%増、12月1.4%増と前年をやや上回る水準が続いている。水産業(主要10港、前年同月比)では、12月は、ほっけ等の増加から水揚量は30.3%増、金額では9.8%増となった。
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鉱工業生産(季調済前月比)は、11月6.9%減の後、12月は2.6%増となったが、前年同月比で2か月連続して減少するなど、このところやや弱い動きがみられる。
主要業種の生産動向をみると、食料品・たばこは、11月7.7%減、12月4.5%増と一進一退の動きとなっている。パルプ・紙は、印刷用紙の生産調整の動きもあってほぼ横ばいで推移している。窯業・土石は、公共工事関連のセメント、生コンクリート等の減少から弱含んでいる。一般機械は、クレーン、鉄鋼用ロール等の減少から低下している。 - 観光では、来道客数(前年同月比)は、11月5.6%増、12月5.0%増と、増加傾向が続いているが、旅行単価の低下により収益状況は厳しい状況が続いている。
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個人消費をみると、大型小売店販売額(前年同月比)は、11月に1.1%減の後、12月も冬物衣料や歳暮商品の不振により1.8%減となり、足もとも弱い動きが続いている。業態別にみると、百貨店では11月1.8%減の後、12月は降雪の遅れによる冬物衣料の不振等により3.4%減となった。スーパーでは11月0.4%減の後、12月は衣料品、身の回り品が前年を上回ったものの主力の飲食料品の低下により0.1%減となった。
乗用車新規登録・届出台数(前年同月比)は、11月17.9%減の後、12月は0.2%減となり基調として低調に推移している。 -
建設活動をみると、公共工事着工総工事費(前年同期比)は、11月2.4%増、12月56.8%増となった結果、4~12月累計では1.4%増となった。
新設住宅着工戸数(前年同月比)は、11月35.6%減の後、12月は1.5%減となり、貸家の増加により減少幅は縮小したものの持家を中心に低調に推移している。 - 雇用情勢をみると、有効求人倍率(季調値)は、建設業での新規求人の抑制等から11月0.51の後、12月0.50となり厳しい状況が続いている。
- 企業倒産件数(前年同月比)は、建設業、卸小売業を中心に11月32.8%増、12月23.3%増と引き続き高水準で推移している。
(2)東北
東北地域をみると、鉱工業生産は一進一退の動きがみられる。需要面では、大型小売店販売額は弱い動きがみられ、新規住宅着工戸数は、弱い動きが続いている。このように、景気は足踏み状態にある。
- 第一次産業の動きをみると、水産業(主要9港、前年同月比)は、12月はさば類を中心に水揚量は4%減、金額は10%増となった。
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鉱工業生産(季調済前月比)は、11月3.7%減、12月1.4%増と一進一退の動きがみられる。
主要業種の生産動向をみると、主力の電気機械は、11月3.6%減、12月3.0%増と、通信・電子部品を中心に底固い動きとなったものの、このところ一部では生産調整の動きがみられる。食料品・たばこは、11月1.9%減、12月6.1%減と弱い動きとなっている。木材・木製品、窯業・土石は住宅・公共投資の減少を背景に低水準な生産、繊維も総じて低調な動きとなっている。 -
個人消費をみると、大型小売店販売額(前年同月比)は、11月2.3%減、12月は3.4%減と弱い動きとなった。1月入り後も、天候要因等により、弱い動きがみられる。
業態別にみると、百貨店は、暖冬の影響で冬物衣料の動きが鈍かったこと、歳暮ギフトが低調だったことから、11月1.8%減、12月3.2%減となった。スーパーは、衣料品の動きが鈍く、11月は2.7%減、12月は主力の飲食料品もマイナスとなったことから3.5%減となった。
乗用車新規登録・届出台数(前年同月比)は、11月19.2%減の後、12月は販促効果により1.6%増となった。 -
建設活動をみると、公共工事着工総工事費(前年同期比)は、11月12.8%増、12月10.5%減となり、4~12月累計では3.7%減となった。
新設住宅着工戸数(前年同月比)は、持家を中心に11月25.7%減、12月17.4%減と、弱い動きが続いている。 - 雇用情勢をみると、新規求人者数が建設業、建設関連業で前年割れ、製造業では伸び率が鈍化しており、有効求人倍率(季調値)は、11月0.81、12月0.82となった。
- 企業倒産件数(前年同月比)は、11月11.6%増、12月29.1%増となった。
(3)関東
関東地域をみると、鉱工業生産は前年同月比でも減少となるなど、弱含みの動きとなっている。需要面では、大型小売店販売額で引き続き弱い動きとなっており、乗用車新規登録・届出台数でも減少傾向となっている。このように景気はこのところ停滞している。
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鉱工業生産(季調済前月比)は、11月5.6%減の後、12月0.9%増となったが、前年同月比でも減少となるなど、弱含みの動きとなっている。
主要業種の生産動向をみると、最もウェイトの高い電気機械は、情報通信機器等を中心に底固く推移してきたが、前年同月比で減少となっている。輸送機械については輸出向けが寄与し底固く推移しているものの、水準は落ちている。一般機械は弱含みとなっている。化学については化粧品等が大きく寄与して増加となった。 -
個人消費をみると、大型小売店販売額(前年同月比)は11月2.6%減の後、12月3.5%減と引き続き弱い動きとなっている。業態別にみると、百貨店では主力の衣料品関連を中心に全体的に苦戦しており、12月は全品目で減少となった。スーパーでも主力の食料品で回復がみられるものの、衣料品関連を中心とした減少が響き、12月は全品目で減少となった。
乗用車新規登録・届出台数(前年同月比)は、11月21.5%減の後、12月2.7%減となり、引き続き減少傾向が続いている。 -
建設活動をみると、公共工事着工総工事費(前年同期比)は、11月1.6%増、12月2.1%増となった結果、4~12月累計では8.0%減となった。
新設住宅着工戸数(前年同月比)については、全体では11月17.4%減、12月18.9%減と減少傾向で推移している。利用関係別にみると、持家、貸家の落ち込みが引き続き大きい。 - 雇用情勢をみると、有効求人倍率(季調値)は、11月0.66となった後、12月0.64となった。
- 企業倒産件数(前年同月比)は、11月9.6%増、12月25.9%増と高水準で推移している。
(4)東海
東海地域をみると、鉱工業生産は弱含みで推移しており、大型小売店販売額は弱い動きとなっているほか、有効求人倍率が低下傾向にある。このように、景気は足踏み状態にある。
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鉱工業生産(季調済前月比)は、11月5.1%減の後、12月0.1%減と、このところ弱含みで推移している。
主要業種の生産動向をみると、自動車では、円安を背景に輸出向けは好調であるものの、国内販売の不振が続いていることから、生産水準を引き下げており、10月以降は前年割れが続いている。一般機械では、主力の金属工作機械は国内向け、輸出向けとも、自動車関連を中心に引き続き堅調に推移しているほか、繊維機械に持ち直しの動きが見られることから、回復の動きとなっている。電気機械は、ビデオカメラやカラーテレビ等の家電が堅調となっているものの、半導体集積回路が弱い動きとなっていることなどから、足もとやや弱い動きとなっている。窯業・土石は、全体として弱含みとなっている。繊維では、衣料品など内需の不振から、引き続き低迷している。 -
個人消費をみると、大型小売店販売額(前年同月比)は、飲食料品は底固いものの、外商や衣料品などの季節商品が落ち込んだことなどから、11月2.4%減、12月4.1%減と弱い動きとなった。業態別にみると百貨店はギフト関連は好調であったが、外商や家具、家電などが振るわなかったことから、11月1.4%減、12月5.3%減と弱い動きとなった。スーパーは飲食料品は底固いものの、衣料品が落ち込んでいることから前年を下回っている。なお、1月は一部の百貨店に明るい動きがみられた。
乗用車新規登録・届出台数(前年同月比)は、このところ低迷しており、11月17.5%減、12月5.0%減と9か月連続の前年割れとなった。 -
建設活動をみると公共工事着工総工事費(前年同期比)は、国や公団等の発注増から11月11.7%増、12月4.5%増となった結果、4~12月累計では6.3%増となった。
新設住宅着工戸数(前年同月比)は、持家の大幅減が続いていることから、11月29.5%減、12月16.8%減と減少傾向となっている。 - 雇用情勢をみると、有効求人倍率(季調値)は、輸送機械を中心とした製造業の新規求人が減少していることなどから、11月0.93、12月0.90と低下傾向にある。
- 企業倒産件数(前年同月比)は、11月2.7%増、12月39.4%増と、増加傾向にある。
(5)北陸
北陸地域をみると、鉱工業生産は弱含んでいる。大型小売店販売額はやや弱い動きとなり、新設住宅着工戸数は減少傾向が続いているほか、有効求人倍率が低下傾向にあるなど、景気は足踏み状態にある。
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鉱工業生産(季調済前月比)は、11月5.6%減の後、12月0.9%減と、弱含んでいる。
主要業種の生産動向をみると、繊維では、主力の合繊織物は衣料・非衣料向けの内需が低迷していることや、中国向けの輸出が減少していることなどから、生産は弱含んでおり、中肉・厚地織物や染色などでは在庫の増加傾向が強まっている。一般機械では、工作機械は自動車向けの内需が堅調なことから、高操業となっている。また、繊維機械は内外需に動きがみられることから、高めの生産水準となっている。一方、建設機械は内需が低調なことや東南アジア向けの輸出が落ち込んでいることなどから、減少傾向にある。金属製品では、アルミ建材は、新設住宅着工戸数の低迷から住宅用、ビル用ともに減少傾向となっている。電気機械では、移動体通信やパソコン関連の電子部品を中心に、高めであった生産水準を引き下げている。 -
個人消費をみると、大型小売店販売額(前年同月比)は、11月0.3%減、12月2.2%減とやや弱い動きとなった。業態別にみると、百貨店は冬物衣料が伸び悩んだものの、身の回り品や飲食料品が堅調なことから、11月、12月とも2.7%増と堅調な動きとなっている。一方、スーパーは衣料品が低調なことや新規店との競合などから低調な動きとなった。
乗用車新規登録・届出台数(前年同月比)は、11月20.8%減、12月4.2%減と9か月連続の前年割れとなった。 -
建設活動をみると、公共工事着工総工事費(前年同期比)は、11月18.4%増、12月9.4%増となった結果、4~12月累計では、0.7%増となった。
新設住宅着工戸数(前年同月比)は、貸家や分譲は前年を上回ったものの、持家が大幅減となったことから、11月20.1%減、12月4.2%減と減少傾向が続いている。 - 雇用情勢をみると、製造業や建設業など多くの業種で新規求人が減少したことから、有効求人倍率(季調値)は、11月1.01、12月0.96と低下傾向となっている。
- 企業倒産件数(前年同月比)は、11月16.1%増、12月20.0%増と増加傾向にある。
(6)近畿
近畿地域をみると、鉱工業生産では、弱い動きがみられる。個人消費では、大型小売店販売額に弱い動きがみられ、また乗用車新規登録・届出台数でも減少が続いている。建設関係では、新設住宅着工戸数に引き続き弱い動きがみられる。このように、景気はこのところ停滞している。
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鉱工業生産(季調済前月比)は、11月5.3%減、12月0.7%減と弱い動きがみられる。
主要業種の生産動向をみると、電気機械は、携帯端末の新機種生産への切替え前となったことから通信機器が減少するなど、11月10.2%減、12月2.3%減と弱い動きがみられた。一般機械は、11月5.5%減、12月3.2%減と減少が続いた。また化学は、汎用樹脂で弱含んでいるものの、総じて底固い推移となっている。繊維は、このところ一段と水準が低下している。 -
個人消費をみると、大型小売店販売額(前年同月比)は、11月2.7%減の後、暖冬により衣料品などの動きが鈍く、12月5.2%減と弱い動きが続いた。業態別にみると、百貨店では、11月2.6%減の後、12月は、ギフト関連で法人需要が低調だったこともあり5.0%減となった。1月は、福袋、バーゲン品等に動きがあり、一部に状況の回復がみられたものの、足もとは弱い動きとなっている。スーパーでは、11月2.7%減の後、12月は、正月営業の定着により年末の購買集中が緩和されていることもあり5.5%減となった。年明け後は、正月営業が好調だったものの、その後、動きが鈍くなっている。
乗用車新規登録・届出台数(前年同月比)は、11月20.7%減、12月6.1%減と減少が続いている。 -
建設活動をみると、公共工事着工総工事費(前年同期比)は、11月24.1%減、12月15.4%減となり、4~12月累計で14.1%減となった。
新設住宅着工戸数(前年同月比)は、11月26.4%減、12月24.6%減と引き続き大幅な減少となっている。 - 雇用情勢をみると、有効求人倍率(季調値)は、求職の増加率が、求人のそれを上回ったことから、11、12月とも0.57となりこのところ低下傾向となっている。
- 企業倒産件数(前年同月比)は、11月12.4%減の後、12月は300件を上回り17.5%増となるなど、引き続き高水準での推移となっている。
(7)中国
中国地域をみると、鉱工業生産は総じてやや弱い動きとなっている。需要面では、大型小売店販売額は前年を下回る動きとなっているほか、新設住宅着工戸数も弱い動きとなっている。このように、景気はこのところ停滞している。
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鉱工業生産(季調済前月比)は11月1.9%減の後、12月0.9%増となったものの、総じてやや弱い動きとなっている。
主要業種の生産動向をみると、化学は、市況対策や需要の減退により、汎用樹脂などで弱い動きがみられることから、全体の生産水準は低下傾向にある。鉄鋼は、需要の低迷や在庫の積み上がりなどから、一部生産調整の動きとなっている。一般機械は、工作機械で自動車及び同関連メーカー向けが堅調であるものの、産業機械で東南アジア向けなどが弱い動きとなっている。自動車は、欧米向けの輸出は総じて堅調であるものの、国内販売の低迷によりやや弱い動きとなっている。その他、繊維は総じて低調であり、電気機械は、半導体やノート型パソコンを中心に高水準での推移となっている。 -
個人消費をみると、大型小売店販売額(前年同月比)は暖冬傾向による季節商品の不振などから、11月3.5%減、12月6.0%減と前年を下回る動きが続いている。業態別にみると、百貨店は、衣料品の動きが鈍かったことなどから、11月0.8%減、12月4.3%減となった。スーパーは、全ての商品で前年を下回る動きとなったことから、11月5.4%減、12月7.3%減となった。
乗用車新規登録・届出台数(前年同月比)は、11月18.6%減、12月3.4%減となった。 -
建設活動をみると、公共工事着工総工事費(前年同期比)は、国や市町村等の発注減により、11月8.1%減、12月6.5%減となった結果、4~12月累計では、4.6%増となった。
新設住宅着工戸数は、持家、貸家の大幅減が続いていることから、11月23.3%減、12月14.5%減と弱い動きとなっている。 - 雇用情勢をみると、有効求人倍率(季調値)は、有効求人数の伸びに鈍化がみられたことから、11月0.98、12月0.96となった。
- 企業倒産件数(前年同月比)は、11月32.8%増、12月47.8%増となった。
(8)四国
四国地域をみると、鉱工業生産はこのところ弱含んでいる。需要面では、大型小売店販売額が弱い動きとなっており、乗用車新規登録・届出台数、新設住宅着工戸数ともに低調に推移している。また、有効求人倍率が低下傾向にあるなど、景気は足踏み状態にある。
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鉱工業生産(季調済前月比)は、11月5.1%減、12月1.1%増となり、足もと生産調整の動きがみられるなど、このところ弱含んでいる。
主要業種の生産動向をみると、一般機械は、建設用クレーンが北米・欧州向け輸出は好調であるものの、内需の不振に加え東南アジア向け輸出の落ち込みにより操業度を引き下げるなど、このところ生産水準を引き下げている。電気機械は、北米向けVTR・磁気ディスク等の輸出が好調であることなどにより、高水準の生産を持続している。パルプ・紙は、総じて底固く推移しているが、一部品目に減産の動きもみられる。繊維は、引続き低調に推移している。化学は、品目間にバラつきがあり、ポリカーボネイト樹脂などは好調であるが、テレフタル酸などに落ち込みがみられ、依然水準は高いものの弱含んでいる。 -
個人消費をみると、大型小売店販売額(前年同月比)は、11月1.7%減、12月6.2%減となり、足もと弱い動きとなっている。業態別にみると、百貨店は、気温が高めに推移したため冬物衣料等の動きが鈍く、また歳暮ギフト等が伸び悩んだことなどから11月3.1%減、12月6.2%減となった。スーパーは、主力の飲食料品に堅調な動きがみられるものの、衣料品等が前年を下回り11月0.7%減、12月6.1%減となった。
乗用車新規登録・届出台数(前年同月比)は、11月17.0%減、12月8.9%減と前年割れが続いている。 -
建設活動をみると、公共工事着工総工事費(前年同期比)は、11月22.3%減の後、12月67.3%増となり、4~12月累計では11.0%増となった。
新設住宅着工戸数(前年同月比)は、持家を中心に11月21.2%減、12月26.5%減と低調に推移している。 - 雇用情勢をみると、有効求人倍率(季調値)は、11月0.85、12月0.82と低下傾向にある。
- 企業倒産件数(前年同月比)は、11月4.7%増、12月44.8%増となった。
(9)九州
九州地域をみると、鉱工業生産は一進一退の動きとなっているものの、需要面では、大型小売店販売額は弱い動きとなっており、乗用車新規登録・届出台数、新設住宅着工戸数はともに低調に推移している。このように、景気は回復基調に足踏みがみられる。
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鉱工業生産(季調済前月比)は、1 1 月6.2%減の後、12月4.2%増となり、一進一退の動きとなっている。
主要業種の生産動向をみると、電気機械は、11月7.6%減の後、12月2.7%増となり、依然高水準の生産を維持している。輸送機械では、自動車が輸出が好調であることや、新型車が生産開始されたことなどにより、足もと操業度を高めている。造船は、豊富な受注残に支えられ、高操業を維持している。鉄鋼は、在庫に積み上がり感があることなどから、生産水準を引き下げる動きがみられる。窯業・土石は、セメントが国内外需要の減少から操業度を引き下げるなど、弱含んでいる。化学は、高水準の生産となっているものの、一部品目が生産を減少させている。 -
個人消費をみると、大型小売店販売額(前年同月比)は、11月1.7%減、12月6.1%減と弱い動きとなった。業態別にみると、百貨店は、気温が高めに推移したため冬物衣料品等が低調だったことや、歳暮ギフト等が低迷したことなどにより11月0.1%増、12月3.8%減となった。スーパーは、天候要因等により衣料品や飲食料品が低調だったことなどから、11月3.1%減、12月8.3%減となった。
乗用車新規登録・届出台数(前年同月比)は、11月19.4%減、12月7.4%減と低調に推移している。 -
建設活動をみると、公共工事着工総工事費(前年同期比)は、11月16.9%増、12月18.8%増となり、4~12月累計では7.8%増となった。
新設住宅着工戸数(前年同月比)は、持家を中心に11月23.5%減、12月12.7%減と低調に推移している。 - 雇用情勢をみると、有効求人倍率(季調値)は、11月0.57、12月0.56と低下傾向となった。
- 企業倒産件数(前年同月比)は、建設業などを中心に11月9.4%増、12月33.1%増となった。
(10)沖縄
沖縄地域をみると、主力の観光では、入域客数が引き続き増加基調となっている。個人消費は、百貨店、スーパーの売上高でこのところ弱い動きがみられる。建設活動では、住宅建設で弱い動きがみられるものの、公共工事では底固い動きがみられている。このように、景気は、回復の動きが緩やかなものとなっている。
- 観光では、入域客数(前年同月比)は、航空運賃の低減の効果や、11月にも新規国内航空路線の開設があったことなどから、入り込みが引き続き好調に推移しており、11月14.3%増、12月17.0%増と増加基調となっている。この11、12月とも、同月としては過去最高の入域客数を記録した。足もとも、引き続き好調な動きとなっている。客室稼働率は、シティホテル、リゾートホテルともに堅調となっている。
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個人消費をみると、百貨店(那覇市内3百貨店)の売上高(前年同月比)は、11月3.8%減、12月6.1%減となり(沖縄銀行調べ)、スーパーの売上高(前年同月比、既存店ベース)は、11月1.6%増、12月3.7%減(日本銀行那覇支店調べ)となるなど、このところ弱い動きがみられている。一方、家電製品の販売額は、11、12月と大幅な減少となった。
乗用車新規登録・届出台数(前年同月比)は、11月18.4%減の後、12月はレンタカー需要により4.2%増となった。 -
建設活動をみると、公共工事着工総工事費(前年同期比)は、11月6.6%減、12月13.2%増となり、4~12月累計で3.8%増となった。
新設住宅着工戸数(前年同月比)は、11月32.3%減、12月53.5%減と引き続き大幅な減少となった。 - 雇用情勢をみると、有効求人倍率(季調値)は、求人数が、運輸・通信業等で増加傾向にあるものの、これを上回る率で求職者数が増加しており、11、12月とも0.22と低下傾向が続いている。完全失業率は、11月6.5%、12月6.2%と再び悪化した。
- 企業倒産件数(前年同月比)は、11月は減少、12月は増加となった。