サービス部門における雇用拡大を戦略とする経済の活性化に関する専門調査会 第6回 議事要旨

第6回 議事要旨

開催要領

  1. 開催日時:2001年9月14日(金曜日)18時00分~19時30分
  2. 場所:内閣府542特別会議室
  3. 出席委員
    会長:牛尾 治朗 ウシオ電機(株)代表取締役会長
    専門委員:大田 弘子 政策研究大学院大学助教授
    同(会長代理):島田 晴雄 慶應義塾大学経済学部教授
    同:樋口 美雄 慶應義塾大学商学部教授

配布資料

  • 資料1 530万人雇用創出緊急報告の先行具体化策(案)
  • 資料2 年齢別の労働移動の状況及び産業間労働移動の実態
  • 資料3 産業構造改革・雇用対策本部中間取りまとめ(参考資料)

概要

島田会長代理より開会の挨拶が行われた。

「530万人雇用創出緊急報告の先行具体化策」(案)について

(島田会長代理)「530万人雇用創出緊急報告の先行具体化策」(案)について、説明させていただく。「サービス部門における雇用拡大を戦略とする経済の活性化に関する専門調査会緊急報告」(以下「緊急報告」)において報告している分野のなかで、政府が後押しすると雇用機会が広がり、同時に、国民が望んでいるサービスが提供できる6つの分野について、ポイントが書いてある。

(1)安心ハウス構想(多様なモデル)

  • 日本の高齢者ケアは、特別養護老人ホームと老人保健施設が52万ベッドあり、生活条件のどちらかというと恵まれなかった人たちを中心にして、大変補助率の高いサービスが提供されている。また他に、入所金数千万円というような施設が二百数十あるが、いわゆる中所得階層の人向けのリーズナブルな施設がない。
  • 「緊急報告」の中では、ケアハウスの整備の推進を掲げている。ケアハウスは、厚生労働省が以前から計画をし、着実に推進しているが、75%程度の補助金が入ることが前提になっているという限界が1つある。国が半分、県が4分の1、残りの4分の1を事業者が担っている。主に市町村や社会福祉法人が事業者となっており、いい仕組みであるが、補助金にやはり限りがある。今の厚生労働省の計画は、4,000人の規模、80か所であり、1か所9人の人が働くことになっているので、600~700人の雇用創出にしかならない。
  • ここではあえて利用者負担原則で、基本的に公的負担がないものを考えている。土地や建物は自治体の遊休地を使うなどの工夫をし、基本的には利用者が運営費を負担できるような仕掛けで行うと、財政の制約が余りないので、様々な方式で展開できるのではないか。
  • 土地はPFIを使うのも結構だが、例えば老人デイサービスセンターを使う、企業の持っているものを使う、公営住宅の建替えの際に併設をする、高齢者向けの有料賃貸住宅制度を活用するなど、様々な可能性がある。それをひとまとめにし、国民により広いサービスを提供するのに伴って、雇用を創出させる。
  • 運営費については、利用者負担ということになると、ケアハウスに関する様々な規制は余り考えなくて済む。したがって、給食はセントラルキッチンにするなど、様々なことが可能になる。
  • このような可能性を、総合的・体系的に、早急に考え、今までなかった自由度の高いものを総合的に展開したい。

(2)子育て(保育)支援

  • 「緊急報告」では、今後5年間で15万人のキャパシティーを増やすということになっているが、15万人のうちの9万人はエンゼルプランで増やすことになっているので、待機児童ゼロ作戦で新たに付け加えたのは、5年間で6万人である。
  • 厚生労働省の方が見ると、少々難しい提案が幾つかある。1つは利用料金の保育所への直接支払制である。利用料金は、民間の保育所でも公的補助を受けていると、直接徴収は「代理徴収」と言われている。つまり、公的な資金を受ける以上は、すべてが公であるから、その公に委託されて育児をしているときに、お客さんからお金をもらったら「代理徴収」だという、措置主義による発想である。言葉が混乱するが、行政用語では代理徴収、普通の常識では直接支払いを是非実現してもらいたい。これは規制緩和問題であるが、今、言った理屈があるためなかなか難しいとのこと。したがって、ここでは重要課題としている。
  • なぜこれが重要課題なのかと言えば、その次に利用料金の上限を撤廃してもらいたいからである。1人当たり月に60万も掛かるようなサービスを提供しているにもかかわらず、東京都区部の場合5万円、近隣の町の場合3万円ぐらいで提供してしまうため、入ることのできる人は幸運だが、入れない人がその10倍出てくることとなる。そこで、ある程度支払能力に応じてサービスを提供できるようにすれば、その分が補助金から差し引かれ、キャパシティーが広がることとなる。つまり、中層階級の人が3万円や5万円ではなく、8万円や9万円を払ってくれれば、キャパシティーは倍に広がる。
  • このようなことを行っても、本当の意味での直接徴収制度がないと、民間にはインセンティブが出てこない。
  • 実は、東京都区部が5万円、近隣の町は3万円ぐらいで行っているが、国は8万円取っていいと言っている。地方自治体はその8万円すら取らない。このため、地方自治体の負担が重なって、キャパシティーを増やせないのである。せめて8万円を取るというところに全力を掛けると、キャパシティーは、増えるはずである。

(3)放課後学童クラブ

  • 放課後学童クラブについても同じような問題がある。現行制度では運営費の2分の1を親が負担しなければいけないことになっているが、ほとんどの自治体は取っていない。したがって、自治体の負担が大きくなり、キャパシティーが限られてしまう。
  • 「放課後学童クラブ」の運営を民間主導に任せるということを、是非やりたいと思っている。現状は1万1,000か所あり、そこへまた4,000か所増やそうということになっており、6,000か所ぐらいが民間に委託してもよいということになっている。理想を言うと、自治体が運営しているものも、自治体の職員は管理とか運営だけに徹するべきである。民間に現場の仕事を任せると、民間の雇用創出になる。1万1,000か所であるから、フルタイムベースで考えて1万人以上の雇用創出になる。普通、実働はパートなので、3万人ぐらいの雇用創出になるはずである。やりたいというNPOもたくさんあるから、この仕組みは不可能ではなく、自治体の経費節減にもなる。
  • 今度の雇用対策の中で、割に大きな固りで出てきそうなのが、地域雇用創出交付金という類の政策である。これは今まで約1,000億円使ってきたが、このままでは、金の切れ目が縁の切れ目になってしまう。地域雇用創出のために仕組みを変え、これまで市町村がやっていた事業を恒久的に民間に渡す。市町村の人員が浮くので、それをもっと別のところへ配置することで、市町村の予算も削減できる。このようなことがシステム化されていくことを期待している。

(4)共同自家用運転手(ライフ・モビリティー)産業

  • 共同自家用運転手(ライフ・モビリティー)産業については、「緊急報告」以降、進展があった。大都市でやるもの、田舎でやるもの、過疎地でやるもの、それぞれモデルをつくって概算要求に入る。来年の春には、実証実験をするというところまで、国土交通省は進めている。
  • 当初、陸運局は昭和26年につくった道路運送法では白タクにあたるのではと言っていたが、白タクは不特定多数をお客さんとし、「自家用運転手産業」はメンバー制だから、白タクとは定義されない。来年の春からは、本当に1つのモデルになってくると思う。
  • もう一つ大変重要なことは、大きな道路運送法改正があり、多分来年の5月から二種免許を普通の教習所で取れるようになる。例えば、会社を退職して、これからコミュニティーでこういう仕事をしたいという人が、普通の教習所に二種免許を取りにいき、会社をつくって営業を開始することが、理論的には来年できるようになる。
  • 現在、日本にはタクシーの運転手さんは40万人いる。恐らく今申し上げたようなニーズというのは、今まで家族が必死になってやっていたニーズであるから、これが市場化されると数年で10万人ぐらいの運転手の人たちが創出されてくるのではないか。

(5)中古住宅市場の整備充実

  • 中古住宅市場の整備のために、住宅の検査・性能表示システムを整備するということである。2000年に品質確保法で、新築住宅に取り組んだが、今年から既存の家にも適用するための準備を始めている。
  • 成約価格情報の提供については、これまで日本では、不動産屋は実際の成約価格を外へ出していない。これに対しアメリカでは外に出ている。成約価格情報がないため、市場で流通する手掛かりをつかめなかった。成約価格情報をオープンにする仕組みをつくろうとしている。
  • リフォーム市場については、ローン減税ばかりではなく、流通税を少し軽減してはどうかという考え方である。

(6)SI高層住宅による都心公務員住宅区の21世紀リニューアル

  • PFI手法と、SI工法という2つを掛け算したようなプロジェクトを提案する。
  • SIはスケルトン・アンド・インフィルという、新しい建築工法である。日本のコンクリートの建物は、30年ぐらいしかもたないと言われているが、スケルトンの部分だけ100年、150年もつというものであり、工法は既に開発されている。
  • 機関投資家か、SPCか、あるいは公共団体がスケルトンを持ち、インフィル(内装)を組み合わせる。今までのマンションだと、例えば都心では億ションだが、スケルトンを別の所有者が保有し、インフィルを定期借地で借家の形で入手すると、例えば分譲でも億ションではなく、2,000万か3,000万でできる可能性が出てくる。この方法で、都心の土地を有効活用すると、東京のような都市空間が有効に使われる可能性がある。
  • 100年もつ資産をどう保有するかについては、金融上の難しさがある。一般の民間の組織において、100年以上もつものについての投資は、まずあり得ない。民間企業は、タイムホライゾンは20年でも長く、100年以上もつものについての投資はリスクが大きいため難しい。今のところ金融商品が発達していないが、公的な保証が入れば話は別になってくる。
  • 道路は100年も150年ももつ。だから、道路を民間企業は持てないが、公なら持てる。スケルトンはITとエネルギーがみんな入っている道路が建っており、そこにツバメの巣のようにインフィルが入ると思っていただければよい。
  • 公務員住宅なら公共の土地であるから、国が持つもよし、あるいはPFIでだれかに持たせ国がレントするという格好を取るもよし。様々な形が考えられる。公務員住宅は、1万坪以上のものが東京23区に30か所ぐらいあると聞いており、そこで行うと都市再生になると思う。
  • 今は都市再生をやらなければいけないが、例えば、公務員住宅に高層建築物を幾つか建てて2,000世帯程度入れ、その内の1割は公務員が入り、9割は民間が入るということが可能である。
  • 不動産業者は、マンションの値段が下がることを心配しているが、都心で、湾岸にマンション建てると、全部億ションである。億ションを買う人たちは、自分の住宅を売って買っているのではなく、ほとんど自分の住宅を持っている上で、億ションを買っており、このような人は、所得分布で全国に30万人程度しかいない。
  • 本構想は、価格が2,000~3,000万であり、30万人の母集団ではない。1,500万人~2,000万人の母集団がある。このようなものが東京でできれば、東京の空間バリューは上がる。
  • 不動産登記法には、インフィルがスケルトンの中へはまっていればこそ家の価値があり、そうでなければだめといった様々な規定があり、ローンを組めないとか、登記できないといったことや、民法242条の符合の条件を満たさないからどうとか、ソフトウェアが構想の邪魔をしている。
  • 法的な問題と金融的な問題と工学的な問題と、最新の知識を組み合わせると、東京は再生するのではないかと思っている。
  • 「530万人雇用創出緊急報告の先行具体化策(案)」は、「緊急報告」の延長線であり、具体化したものである。今日はご審議いただき、御了解が得られたら、この内容を改革工程表や改革先行プログラムの中に入れていただきたいと考えている。

(牛尾会長)行政の作業手順として、何からどのように入れば14年度の予算に入るかということが必要。安心ハウスの場合は、どこがイニシアティブをとるのか。

(島田会長代理)安心ハウス構想は、厚生労働省がイニシアティブを取り、国土交通省、総務省の理解を得て、早急にやってもらいたい。
公設民営については、BTOという方式が考えられており、民間事業者が建物を建て、それをすぐに自治体に売却し、自治体はそれを民間事業者に貸し、民間事業者が運営するという形である。
これがケアハウスのメカニズムであるが、75%の補助が入らなければ地方自治体や社会福祉法人が事業に手を挙げないと厚生労働省は言っている。厚生労働省は、4,000人、つまり80か所と決め、それ以上は、需要がないと言っているが、手を挙げているのは地元の有力者たちである。

(牛尾会長)オープンな公募をしてないということである。

(島田会長代理)補助金が入ると、例えば、広さ、建物単価、職員数、厨房と全部決まってしまうため、補助金なしのスキームがよいと私は言っている。
補助金なしで成り立つのかということを研究しているが、東京や関西の大都市では地方に比べコストが高い。また、お客さんも違う。東京では特別養護老人ホームに入れないため、30万円出しても入りたい人が相当いるが、地方では、お客が来ない。

(牛尾会長)例えば既存施設サービスは75%の補助率を50%に、中所得者層を対象とするケアサービスは30%の補助とし利用者から費用を多くもらうところもあり、補助金を受けても、完全に自由購買、結果は全部オープンで第三者機関による外部評価を受ける。そういった仕組みを考えてもよい。

(大田委員)完全なPFIでやって、サービス購入型にすればいい。補助率については、どこで官と民が折り合いつくかということ。官がサービスを購入する。

(牛尾会長)既存の施設サービスに全く手を付けないで、PFIだけやると、みんな既存の施設の方が安くていいから、PFIはだめだということになる。構造改革というのは、基本はフェアにすることである。

(島田会長代理)イコールフッティングというのは、補助金なしでPFIでやれという思想だったが、経団連は補助を75%入れるということがイコールフッティングだということを要望した。

(牛尾会長)補助を入れても、サービスを自由に競争的に提供するということにしなければいけない。

(島田会長代理)本来は補助金のないイコールフッティングをするべきである。

(牛尾会長)既にできたものには補助金があっていいが、これからつくる施設はイコールフッティングにするというのも手かもしれない。

(樋口委員)既存のものを下げて、ゼロから新しくつくるものも入れてイコールフッティングにするということか。

(島田会長代理)私は、是非そうしてもらいたいと思う。

(牛尾会長)結果的には、中所得者のケアサービスについては、どの辺が具体性のあるところになるのか。

(島田会長代理)老人デイサービスセンターというのがあり、厚生労働省の中でかなり考えてもってきた。また、国土交通省が公営住宅に併設合築する案を持ってきた。公営住宅に併設合築する場合に、土地をただで地方公共団体が出せるということだ。厚生労働省と国土交通省とを掛け算したら、何か面白い案がでるかもしれない。これからは、1人部屋で、中産階級の生活をそのまま持ち込めるのがいい。更地から建てると4億円掛かってしまうが、公営住宅を使えば5,000万から1億円でできるかもしれない。

(牛尾会長)首都圏の中堅サラリーマンは、どの程度払えるのか。

(島田会長代理)月々15万円程度だろう。
14、15万円取って経営が成り立つかというと、実は難しい問題がある。償却に20年掛かるようなプロジェクトは民間の会社でも株主総会を通り難いという。長くて7年。5年で黒字にと言われる。

(牛尾会長)今の公的補助率の高い既存のサービスが、補助率75%ではなく50%になった場合、どの程度の赤字が出るのか。

(島田会長代理)75%方式は、スキームだけできており、まだ始めていない。
会長が言われるように、75%だけではなく、75%、50%、30%というのがあっていいと言いたいが、今の地方自治体には、4億円かかるところの1億円の補助では、残りの3億円について、負担するだけの起債力がない。ところが、補助が75%出て、4分の1の価格だというと起債できる。入る人から30万円取るということでは、公共の土地を使っているのにと市議会が許さない。

(牛尾会長)現実的には、まず、第一段階は、やはり15万円ぐらいだろう。

(大田委員)最初の入居一時金を若干取ったらどうか。

(島田会長代理)それも考え方としてはあり得る。いい考えだと思う。

(牛尾会長)オーストラリアで日本の退職者を求めているアドバタイジングというのは、退職金で家が買えて、お釣りが出る。しかも、年金の半分で生活できるというものである。退職金を入れるというのはひとつのアイデアだ。

(島田会長代理)具体的な話に戻すと、デイサービスセンターなら良い案が出るのではないかと思う。また、国土交通省側は、建物を結構たくさん持っており、有効活用したいという感じである。

(牛尾会長)工程表として承認すれば、国土交通省と厚生労働省は協力する。骨組みだけは書いて、経済財政諮問会議の決定事項にする。
ただし、老人デイサービスセンターというと、小さな感があるが。

(島田会長代理)私は安心ハウス構想と言っている。その構想の中に、公営住宅利用も含め、5つか6つの違ったモデルが入っている。入所金を1,000万円取ったら、もっとよくなるといったモデルも加え、民設民営モデルも入れたい。

(牛尾会長)地方でも、やはりニーズは強いのか。

(島田会長代理)基本的に首都圏である。地方は家が近いということと、施設に入ると嫁は何をしているのかということがある。それから、やはり所得が低い。しかし、その分土地が安いなど、コストは低い。その辺の一般の人に対するディマンド調査というのは、あまり、行われていないのではないかと思う。

(樋口委員)スタンフォードが、今年からこの方式を大学のキャンパスの中で始めた。一部分は教職員用である。ケアハウス、プラス最後のホスピタルまで。面白いのは、年金の一部分をそれに当てることだ。教職員に対しては、企業福祉の一部として行い、そのほか一般の利用者も受け入れている。

(島田会長代理)そういうものもモデルとして研究して入れるとよい。

(牛尾会長)そういう話はわかりやすい。一般の人から見て道筋が見える話にしたい。

(島田会長代理)今のようなものを入れると、5つか6つのモデルになる。それをトータルとして安心ハウス構想と呼ぶ。
次に、子育てについては、地方自治体に、国の基準を取るように厚生労働省から働き掛けるということである。

(牛尾会長)8万円でも世間相場から考えれば、かなり優遇されているわけだから、国はそれを下げることはない。それを下げるぐらいなら、その分を公設民営に補助すればよい。地方の補助をサプライサイドの方に回すということだ。三鷹市は民営でやっていて、すごくいい例になっている。

(島田会長代理)民営に回すようにという指導をすることになれば、また次の問題が起こるが、国基準まで取るようにということは工程表に入れることができるだろう。

(樋口委員)公的保育所で早朝保育や夜間保育を設けているところはほとんどないという話があったが、正規の職員の比率についての規制については、どうなっているか。早期と夜間の話はどうするか。

(島田会長代理)ポイントとしては、公設民営を進めたらいいということである。全体が2万3,000であり、約1万3,000か所が公立、約1万か所が社会福祉法人で民間はまだ数か所であるが、27か所が現在準備中である。これをもっと増やしていけばよい。

(牛尾会長)公立や社会福祉法人が、民間に発注できるようにし、ボランティアが参加することにより、公立、福祉法人そのものの中身を徐々に民営化していくのも1つの方法。

(島田会長代理)郵便局もクロネコがあそこまでいったから、中身がよくなった。競争というのは非常にいいことである。これは、学童保育の話にも関わってくる。

(牛尾会長)学童保育もボランティアなどを活用したら非常に簡単にできる。

(島田会長代理)給料が約1,000万円の区の職員が行っている例もある。

(牛尾会長)例えば保育園であれば、保育園の公立、福祉法人等において、段階的には2、3割は派遣やボランティアなど、アウトソーシングができるようにするべきだという項目を入れればよい。考えられることは積極的に書くべき。

(島田会長代理)今の問題は、公務員制度の根幹にいきなり関わってしまうので、工程表では最大限できるところを行っていきたい。

(大田委員)本日の資料の中古住宅については、雇用の効果が全く書かれてないので、書いた方がいい。雇用を書かないと、雇用創出計画にならない。SI高層住宅については、都市再生のためのSI高層住宅によるリニューアルのなかで、実験的に公務員住宅を使うということでは。これについても、雇用をどうするかということも必要。

(島田会長代理)50階建てを何本つくるかによるが、20本建てるという話になれば、雇用は10万人に達する。

【牛尾議員退室】

雇用のセーフティネットについて

(島田会長代理)セーフティネット論が盛んであるが、その中身は議論されたことが余りなく、実際に日本の労働市場の動態がどうなっていて、だれが転職のときの援助を必要としているのかというようなことが、つかめてない。
バンピングで労働市場全体が動いているように見えるが、実際には成長産業には年間100万人の新卒が出てくるので、恐らく8割ぐらいはそれで満たされてしまうと思う。情報提供や訓練、キャリアガイダンスを必要としている人はどのくらいかを労働市場の動態を把握した上で識別したい。

(樋口委員)通常、自発的離職者は割とすぐに次の仕事がみつかり、非自発的離職者は失業期間が長いというイメージがあるが、15日未満で転職しているのは、非自発的失業者の方が多い。これは前の企業を辞める前に次の仕事が決まっているからである。転職までの期間が短い人のなかでは、前の雇用主が次の仕事を紹介してくれたというケースが圧倒的に多い。
例えば建設で公共事業がなくなり非自発離職者が出る場合に、その人たちに教育訓練をし、仕事を探すという、悠長なことは言っていられない。むしろ前の企業は、労働者の適性をよく知っており、職業紹介の責任も、前の企業が少し負っていく必要がある。
三井三池炭鉱が閉山した際の労働者の移動について調査をしたことがあるが、チームリーダーが、一体だれが貢献していたかということを全部知っており、新たな職場でだれが役立つかという情報が、そういう人たちを通じて流れていた。
単に職業安定所を通じてではなく、前の企業の責任というものをどう考えていくのか、また、それを政策的にどのようにサポートしていくのかということがポイントになってくる。

(島田会長代理)一昔前は、企業の人事・労務というのは、今よりもう少し責任感があったという印象がある。70年代の大量解雇のときには、労務課長はそれこそ死ぬ気で歩いて、一人ひとりはめ込んでいったという話を数多く聞いた。

(樋口委員)それに、90年代前半までは、出向・転籍が受け皿になっていたが、企業グループの会計制度等により廃止せざるを得なくなっている。重要なのは情報・カウンセリングの機能である。それがあることにより、今度は職業能力の開発などにつながってくる。

(大田委員)現在は、雇用面の不安が強い。いざとなれば、50万人を20万円毎月払っても、1年1.2兆円。ケアハウスや子育などの分野で職業訓練を兼ねて、月20万円で50万人雇う。そういったことを考えたほうがいいのではないか。

(島田会長代理)そのような数字を出すためにも基礎的な分析をしたい。建設業は、9割の人は転職していないと思う。また、他の業種からの受け皿になっている。低賃金労働で田舎に多い。結局、建設業者を救うにはどうしたらいいかというと、この人たちは移動ができないから、地元に建設の需要をつくってやるしかない。それでケアハウスと言っている。これは4兆円の建設需要になる。

(樋口委員)雇用政策の基本的な問題は、いろんな政策があり、それが羅列されているが、失業した場合に、具体的に何をどのようにやっていけば就職につながるのかというシナリオが見えない。それは年齢や業種によって違うシナリオになると思う。

(島田会長代理)今後、政府にアドバイスしていこうと思っていることは、ユーザーから雇用政策が見えないということである。こういう分野、産業ではこのぐらいの数が出ているということを示したい。

(樋口委員)ハウ・ツーものがあれば、それに沿い、ここは弱いから政策的にサポートする必要があるといったことが分かる。今までの雇用政策というのは、企業が対象であった。個人をサポートしていく視点が必要だ。

(島田会長代理)今後、攻める雇用、産業創出と、守る雇用、セーフティネットの構築の点で、内閣を助けたいと考えている。またアドバイスをいただきたい。

以上