循環型経済社会に関する専門調査会 第4回循環型経済社会に関する専門調査会議事要旨

第4回循環型経済社会に関する専門調査会 議事要旨

開催要領

  • 開催日時:平成13年10月16日(火曜日)10時00分~14時00分
  • 開催場所:内閣府合同庁舎第4号館共用第4特別会議室
  • 出席委員
    会長:小宮山 宏(東京大学大学院工学系研究科長)
    委員:植田 和弘(京都大学大学院経済学研究科教授)
    同:田中 勝(岡山大学大学院自然科学研究科教授)
    経済財政諮問会議議員:吉川 洋(東京大学大学院経済学研究科教授)
    (吉川議員は都合により13時00分に退席)
  • 協力者
    関  寿彰 (東京都環境局廃棄物技術担当部長)
    古澤 康夫 (東京都環境局廃棄物対策部計画課処理計画担当係長)
    松尾 友矩 (東洋大学国際地域学部教授)
    (関係省)総合科学技術会議、都市再生本部、環境省、経済産業省、国土交通省、農林水産省、文部科学省

議事次第

  • 開会
  • 東京都からのヒアリング
    「東京都の廃棄物行政の今後の方向について」
  • 中間とりまとめ骨子(素案)の検討
  • 有識者からのヒアリング
    「ディスポーザー問題について」
    (東洋大学国際地域学部教授松尾友矩)
  • その他
  • 閉会

配布資料一覧

概要

東京都関部長による資料2(PDF形式:9KB)PDFを別ウィンドウで開きますの説明、質疑応答

(田中委員)廃プラスチック発電施設等の整備とあるが、他の大都市では、プラスチックと生ゴミは一緒に混合して収集し、発電施設を設けているが、なぜプラスチックを分けて発電するのか。

(東京都)ここに書いてある廃プラスチック発電施設は、産業廃棄物のプラスチックを対象としている。
一般廃棄物のプラスチックについてだが、都内でも市町村によっては、混合収集に変えているところもある。現実的には容器包装リサイクル法の「その他プラスチック製容器包装」の分別はあまり進まないことも考えられるので、残ったものについては焼却していく方向で考える必要がある。埋立処分場がわずかであり、埋立への負荷の大きさを考えれば焼却などの処理をしなければならない。

(田中委員)廃棄物の定義・区分の見直しを法律的にも変えてほしいとありましたが、運用で対応できないのか。

(東京都)運用で対応できる範囲もあると思うが、例えば、廃棄物の定義で環境への負荷を与えていても廃掃法が適用されなかったり、資源を有効利用したくても利用できなかったり、何らかの見直しは必要。要するに実効が上がるように見直してもらいたい。

(植田委員)民間事業者の能力を最大限に活用する方向で考えていくということですが、具体的にはどういうことか。

(東京都)都市再生プロジェクトにおける首都圏スーパーエコタウンでは、民間事業者の力を活用して、産業廃棄物の処理・リサイクルを適正に行って、環境産業の育成にも寄与する。

(植田委員)そのための具体的な政策的措置を考えているのか。

(東京都)民間事業者が積極的に事業展開を図れるように、国には既存の枠を越えた支援をお願いしたい。

(坂政策統括官)スーパーエコタウンについて、なかなか進んでいないと聞いているが、何が問題なのか。

(都市再生本部)今年の6月に都市再生本部において、ゴミゼロ型都市プロジェクトを決定した。大都市圏のゴミ問題を具体的に解決するためのプロジェクトであり、民間事業者が中心となって行う。7都県市と4省庁がはいった「ゴミゼロ協議会」を設置して、廃棄物の減量化目標について具体的な設定作業や7都県市の役割分担の下での廃棄物処理リサイクル施設の整備などについて議論を進めているところ。11月に中間とりまとめをして、来年春に最終とりまとめを予定している。そして来年度から具体的な事業が立ち上がっていくことを期待している。
進めるに当たり、用地の確保、必要な手続、環境アセスメント、地域住民や自治体の了解、事業採算性の検討など調整に時間がかかる。地域や土地の問題があるので、民間事業者と自治体の間で具体的な事業化に向けて検討を進めている。

(吉川議員)具体的なコンセプトや目玉は何か。

(都市再生本部)具体的なリサイクル事業については、ある程度念頭には置いているが、予算成立後に事業者が申請するものであり、また内容の熟度等いろいろあるので、現時点では決め付けた言い方はできない。

(坂政策統括官)本専門調査会でいろいろなスタイルの実験が重要という話がでており、このエコタウン構想は、廃棄物処理施設のイメージを変えていくなどの実験として期待している。

(小宮山会長)エコタウン構想には期待している。規模の効果が極めて大きいが、先ほどのペットボトルのリサイクル施設もその1つだが、年間3万トンで設計している。日本全体のポリエステルの消費量が60万トンあり、まだまだ規模拡大できる。そういう規模の効果が非常に優れたものになり得て、さらに日本全体に対する波及効果が極めて大きい。
もう1点、資料2の資料(10)に平成37年度には建築解体廃棄物が首都圏で6千万トン程度発生すると予測されており、埋立処分場の許容問題もあるが、非常に緊急性の高い問題であり、是非進めてほしい。

(都市再生本部)建設廃棄物に限らず、埋立処分場が残り1年を切っているという大変な緊急事態になっており、国の10年後に埋立処分量を今の半分にするという全国目標が出ているが、東京圏ではこの目標をある程度前倒しして最終処分に回る量をできるだけ減らしたい。具体的な目標値については意欲的なものにしていきたい。

(小宮山会長)是非本専門調査会とすり合わせをしていただきたい。また、発生量と再利用量とのバランスを取って、リサイクル施設の建設を計画しているか。マクロベースの数値で構わないので具体的に教えてほしい。

(都市再生本部)具体的な数値については、11月の中間とりまとめにおいて、発生量、リサイクル量、最終処分量ごとに、現状と比較してどの程度削減できるのかを示したい。

(小宮山会長)本当にリサイクルを回すことは難しく、数字が言えても回らないことが非常にあり得る。
では、東京都で考えている具体的な産業廃棄物の処理施設や有望な資源化施設の例を教えてほしい。

(東京都)東京都として一番問題だと考えているのは、埋立処分量の多くを占める建設廃棄物である。建設廃棄物の構成は、コンクリート塊、建設木材、混合廃棄物、建設汚泥などで多くを占めるが、コンクリート塊については、公共工事について言えば90%以上は再生材として活用できている。問題は、木くずや混合廃棄物である。こういうものに対する処理施設を整備していく必要がある。

(植田委員)国には、新たな枠組みによる重点的・集中的投資を求めるということですが、東京都は何をするのか。また、廃プラスチック発電施設の事業主体はどこか。
もう1点、政策的なターゲットとしては、廃棄物を減らし、リサイクル等を強化するということか。何かそれに加えて施設相互間に有機的な関連をもたせるコンセプトのようなものがあれば教えてほしい。

(東京都)事業主体は、あくまで民間を考えている。民間事業者が自らの事業として行う場合に、立ち上げ時は資金が必要になるので、国に既存の枠組みを超えて支援を要望している。東京都は、立ち上げ時の環境アセスメント、区、市町村や住民との折衝への積極的な関与や、有償で東京都の土地を提供することを考えている。
7都県市で連携しながら、それぞれの地域で役割分担をして、東京都ではPCB処理施設、ガス化溶融施設、ITリサイクル施設、建設廃棄物のリサイクル施設を検討している。

(都市再生本部)リサイクル施設の能力は、今後数百万トンオーダーで拡大していくが、具体的には役割分担もあるので、地域で共通的にやるものや集中的にやるものなどあるだろう。いろいろ組合せながら施設を整備していくことになるが、一番大事なことは、各都県市がそういった受け皿をきちっと用意して、誘導していくことである。

(田中委員)最終処分場について、処分量をゼロにするという目標があるが、これは、最終処分場がいらないのではなく、つくれないから見通しとしてゼロといっているだけであり、必要なものは必要であるといい、溶融スラグなどの受け皿として非常に重要ではないか。

(東京都)全くそのとおりであり、将来的に処分場が全くいらなくなるとは考えていない。今は現在の処分場をいかに延命化するか、最大限の努力をしていかなければならないと考えている。

事務局による資料3(PDF形式:12KB)PDFを別ウィンドウで開きますの説明、質疑応答

(小宮山会長)どのようにまとめるのか迷っている面があるが、

(1)ステークホルダー(利害関係者)が多いこと
(2)コスト、エネルギー、環境負荷など価値判断基準が多いこと
(3)生産活動、消費活動は極めて多岐にわたり関連する要因が多いこと

など問題が複雑であり、ここで報告書を書いてもそれだけでは機能しないだろう。例えば、シナリオをはじめに、合意形成に向けてといったものを項目に出して、知識を構造化することやデータを共有化するシステムを構築し、様々な状況の変化に対応できる機能を持ったヘッドクォーターを創設するような内容を書いたらどうか。

(吉川議員)ヘッドクォーターを設けることについては、委員間で合意できていると思う。後は、目次立ての中でどこに位置付けるかの問題である。

田中委員による資料4(PDF形式:21KB)PDFを別ウィンドウで開きますの説明、質疑応答

(小宮山会長)「地域完結型」とあるが、自区内処理との関係はどうなるのか。地域によっては、日本全体になってもいいのか。

(田中委員)自治体というよりある程度広い地域内で完結して処理するものがある。例えば、PCBの処理が自区内で完結せずに後始末の悪いところだけ残ることを避けなければならない。ここの記述は、エコタウンのようなものをイメージしており、一般廃棄物と産業廃棄物の区分なく、効率的に事業を行うことを例として書いたが、乾電池のように日本全体で回収して資源化しているものもある。

(環境省)PCBについて、全国を5,6箇所のブロック単位として施設を整備する方針である。PCBのようにリスクの高いものは、ある程度、地域毎に自己責任的な処理をするという原則を堅持することも必要だと考える。乾電池のようにリスクが小さいものとPCBのようにリスクが高いものとは違う。北九州市が先導的に時間をかけて地域に十分説得をして動き出しているが、例えば、効率性だけを考えれば、全国のPCBが北九州に集まる恐れがあり、それでは地元の理解が得られなくなってしまう。

(国土交通省)(1)環境重視の社会を実現することは実は、国際競争力や経済成長の面でも寄与するという基本的考え方をここで示していただきたい。現在、京都議定書の批准に向け検討を進めているが、対途上国も含め環境関係投資の促進につながるような指針が示されることが必要である。
(2)骨子2.(2)静脈物流については、インフラ整備と規制緩和をし、民間に任せておけば進むというものではないのでは。静脈物流の整備は広域性もあり、計画的に進める必要がある。また、住民も含めた合意形成のルールも必要であり、そういった枠組み作りが求められる。

(小宮山会長)国際競争力等いろいろな問題はわかってきたが、具体的な検討はこれから。合意形成の哲学は、ここに書いてある基本的な原理をきちんとし、後はヘッドクォーターのようなものが情報を徹底的に構造化して透明性を持たせていくという方向ではないかと考えている。

(国土交通省)ヘッドクォーターを使っても結構だが、例えば、広域処理を行うとき、合意形成はどのような場でどのようなルールでどのような点をクリアーすれば進むのか枠組みを明らかにしていただきたいということ。

(坂政策統括官)関連して、1つの方向として、ルールというよりも住民が嫌がらないものにしていく努力といったこともあるだろう。イメージを変えて格好を良くし、同時に実際も格好良くするのだが、そういった面の工夫があると思う。

(西総括参事官)環境省から北九州の先導的な話が出たが、逆にその時の合意形成を踏まえて、これからブロックごとに進めるときどういった基本的な考えで対応するのか教えてほしい。

(環境省)PCBについては、昭和40年代からずっと処理に手がついていなかった。今年の国会でPCB特別措置法案が成立し、やっと着手できるようになった。その背景にはリスクの高い廃棄物については、国が前面に出るということと全国5,6箇所のブロック毎にリスクを分担していくという両方の考え方でうまく進み始めたという経緯があり、リスクの程度と物の特性によって違ってくる。

(吉川議員)議論しているように大規模化しても最終的には有害物質等のリスクの問題が残り、迷惑施設としての性格はゼロにはならないだろう。地域的にリスクをどのように担うのか、地域的な公平性の問題が最後まで残る。これは原子力関係の施設とか米軍基地と似たような側面であり、どこかに書く必要があると思う。
要するに、評価関数として、公平性と効率性の二次元になり、両方に技術的な側面がかかってくる。そのトレードオフの曲線をどのくらい合理的なところに持っていくのか、どの点を選ぶのかは別途考えなくてはならない。

(植田委員)関連して、地域間の公平性の問題と廃棄物に対する考え方を変えていくという問題と両方あり、単にイメージチェンジというだけではなく、科学的知見を充実するという話があると思う。それはヘッドクォーターの役割にも関わってくるが、そこで得られた情報も含めて、情報を共有化し、リスクコミュニケーションを活発にすることを、また地域の公平性を追求することを効率性とあわせて基本方向の柱の1つとして立てる必要があると思う。
細かいことですが、21世紀のビジョンが埋立処分量10分の1というのは、目標としてやや低いのではないか。1996年比で2010年に半分になるのなら、もっと少なくなる。ここで数字を書くのがいいのかも含めて考えていく必要がある。
読み手がどのように受け止めるのかといった観点で、例えばごみの有料化というのは各地でいろいろと実施されており、どのような問題が起こるのか、税を払っている部分は有料化に伴ってどのようになるのか、具体的な問題が既に起こっており、今の書き方だと説得力のあるメッセージにならない。一般的に言えば、廃棄物を廃棄物とせずに、有用な資源として、抜本的に利用拡大するというのが基本方向としては言いやすいと思う。

(小宮山会長)目標を書くときに気になるのが、一番量の多い建設廃棄物である。例えば、自動車は500万台生産して、500万台排出される状況があり、相当リサイクルされているが、高級な鉄から、建設用の低級な鉄に変わっていく構造になっている。建設廃棄物は、鉄の10倍ぐらいの量があり、東京のように建物の数が飽和すると、廃棄した分しか生産がおこらないという状況になる。極論するとビルを建てたら、それを建て替える際に発生した廃コンクリートを再生してそのビルで全量使うという状況に100%なるのかということであり、関西第2空港等の埋立用材として利用する考え方でゴミゼロを目指すという言い方はあり得るだろう。

(田中委員)その点も言葉が一人歩きする可能性があるので、誤解のないような説明が必要だろう。ゴミゼロという言葉も、埋立材として利用されるものはゴミではなく、有効的に利用されたものであって、そういう意味でゴミゼロが達成されていく。ゴミゼロ社会という場合のゴミは、マスコミ用語だと思うので、こういうところでは埋立ゼロとか何か工夫が必要である。
また、前文にもう少し、地球規模の環境問題や日本の国際的な役割といった事に触れたほうがよい。

(小宮山会長)言葉を良く選んで書いていく必要があるが、あまり長いものを書いても読んでもらえないので、用語・定義については、別途補足していく形になるだろう。さらにバックデータ等があるので、そういったところをヘッドクォーターが担っていくのが基本的なところか。

(坂政策統括官)中間とりまとめの骨子について、このようなストーリーでよければ、環境省、吉川議員、田中委員などの意見も反映させつつ、そろそろ文章にしたほうがよいのではないか。

(小宮山会長)賛成。文章は長くなるといけないが、例がないと意味がわからないので、重要なものを1つ提示するぐらいがわかりやすいのではないか。
また、焼却というものも残るわけで、公衆衛生といった観点も書く必要があるのではないか。

(総合科学技術会議)基本コンセプトの中に、技術革新等による新経済成長分野の創出という考え方が出ているが、それを具体的にビジョン実現に向けたシナリオでも読み取れるように書いていくべき。

(小宮山会長)具体的には、どのような技術開発か。

(総合科学技術会議)具体的な事例は、後ほど出したい。
それから、実際に社会が成り立っている自然基盤の問題がある。具体例をあげると、東京都で大体1日500万トンぐらいの水の出入りがあるが、この循環系を無視した社会経済の問題というのはあり得ないと思う。この自然基盤は、都市のスプロール化によって相当乱れているのが現状で、その視点を入れたほうがよい。

(小宮山会長)それについては、どこに入れるか議論しており、農地、森林といったものを含めて考えている。
むしろ、文部科学省と総合科学技術会議と以前お話したときに、例えばヘッドクォーターと連携するような循環型経済社会学といった科学技術の側から、こういったコンセプトを支えるようなものをつくってほしいと述べた。

(経済産業省)骨子について、大体論点はカバーされていると思う。もう少し注意深い表現にすれば、この分野に携わる人たちに受け入れやすくなるだろう。
例えば、「天然資源の消費の抑制」とあるが、消費の抑制という表現は、経済成長との関係で誤解を招きかねない。

(小宮山会長)そうすると、「天然資源利用の効率性の向上」といった感じか。

(経済産業省)サーマルリサイクルとは何か、その定義や条件についての表現があったほうがよい。
規模の経済性について、マクロの規模の経済性とミクロの効率性とをうまくマッチさせるような工夫があったほうがよい。
拡大生産者責任について、通常は排出者責任とセットで書かれるような表現であり注意が必要である。
「製造製品の生産者への返還原則の構築」について、家電はそうだが、容器包装はそうではなく、財の特性によって異なる。自動車では、既存の解体業者のルートを活用していく方向で考えている。
リサイクルコストの内部化についても、販売時点での徴収を原則化とありますが、排出時点での徴収を合理的とする理由もあるので、物の特性・流れ・その効果を考えていろいろな方法があり、一概に原則化することはどうかと思う。
一般読者は、意外とファクツを知らないことがあり、現状のファクツも理解してもらいつつ改革の方向性がメッセージとして伝わるように、協力したい。

(坂政策統括官)製造責任の生産者への返還の原則について、必ずしも生産者に返還する必要はなく責任を持つのが生産者であればいいのであって、自動車であれば自分で解体工場をやらなくてもいいわけで、実際の返還ルートは販売店を通すのが便利だろうと思う。

(経済産業省)それをわかりやすく書く必要がある。それから、方向性の問題として、リサイクルの分野は民間の産業でやっていくということをもう少し表現した方がよいのではないか。

(環境省)関連して、一般廃棄物と産業廃棄物のどちらを念頭におくのかという議論があり、一般廃棄物は市町村処理が原則となっており、先ほどの民間の原則は産業廃棄物についてであり、そこを厳密に書き分けるかどうかという点がある。
また、「公的投資の見直し」や「リサイクル重視の処理施設への投資の重点化」といった表現があるが、今は市町村が行っている事業に対して環境省全体で1,700億円ぐらい公共事業をしており、かなりの部分がダイオキシン対策になっているが、リサイクル施設等の整備も含まれている。現状を踏まえて、表現の本意を教えてほしい。

(植田委員)シナリオの基本方向の1番として、単なる焼却や埋立ではなく、資源・エネルギーとして効率的な有効利用を推進するということを経済社会の中に組み入れていくことを打ち出すのではないか。もちろんダイオキシン対策も必要だが、長期的に見ると単なる焼却だけの施設多くなりすぎるのは問題である。そうすると当然、ゴミとして流れるものが多くなり、リサイクルへの動機付けが非常に弱くなってしまう。
一般廃棄物に限って言うと、市町村の責任であり、ダイオキシン対策も必要ということで、焼却施設にかなり重点的に公的補助が入り込んでおり、入り込めば入り込むほどそちらに流れるという問題がある。やはり今後の方向性のところで戦略的に循環のほうへ向けていく誘導的な措置、あるいは補助のやり方の見直しが必要である。
産業廃棄物について言えば、排出事業者の責任をはっきりさせることが基本である。つまり、廃棄物処理のコストは、やはりかなり掛かるということが認識されるべきで、廃棄物税というような一種の経済的な手法といっているようなものの導入によって政策的誘導を図ることも考えられる。
そういった公的な仕組みの改革や新しい手法の導入を取り入れて、政策的に単なる埋立焼却から循環的利用を促進する枠組みをつくることが今後の基本的方向である。

(環境省)「補助体系の見直し」とは、補助金のみならず税制、経済的手法その他事業者の責任追及も含めた広い措置を意味するということでいいのか。

(農林水産省)ビジョンに生物資源の生産可能な利用とか、木材等バイオマス資源の活用などに触れているので是非書いてほしい。これらの生態系については、シナリオに当てはまらないものがあるので留意してほしい。
また、1.(2)[2]の農林廃棄物の区分について、法律上は規定されていないが、農林系廃棄物はバイオマスみたいなもので、産業廃棄物が建築廃棄物のようなもので、一般廃棄物が生活ゴミをそれぞれイメージしてテーマごとに区分したビジョンという表現もあると思う。

(小宮山会長)ここの書き方は難しいが、法律用語と違った言葉の方がよいかもしれない。

(坂政策統括官)プラスチックとか鉄とか木材のように素材別という考えが1つあると思う。しかし、素材別にすると社会システムとしてどのように結びつけるのかという問題が出てくる。

(吉川議員)一般廃棄物、産業廃棄物といった区分もあるし、素材別の切り口もあるが、リサイクルを考えるときに、素材別の切り口が大切だと整理すればよいのではないか。

(総合科学技術会議)国際的な視点を入れたほうがよいのではないか。

(小宮山会長)アジアの先陣を切るといった内容とか地球規模問題などを入れていく。

(総合科学技術会議)拡大生産者責任というが、生産の現場が海外にあったときに原則どのようになるのか。

(田中委員)輸入業者の責任になる。

(渡辺大臣政務官)基本コンセプトの中に経済成長や新経済成長分野の創出とあるが、極めて具体性に乏しい部分があるので、明確にしてほしい。
また、基本コンセプトについて、新しい時代に即して一つ夢を示すようなプロセスがあるとよいと思う。
更に、21世紀の大きな課題として、環境負荷の低減にしっかりと取り組む必要がある。また、有害物質の管理などは安定した経済成長をする上で大前提となるので、さらに議論してほしい。

(小宮山会長)具体的な成長分野について、経済産業省から何か知恵はないか。

(経済産業省)これについて、悩んでいるところである。静脈分野に限るとパブリックセクターから民間セクターに移行することがあり、マーケットが増える面もあるが、生産性があがるため、雇用の増加にはあまりつながらない。循環ビジネスやレンタルなどのビジネスモデルも合わせ、新しい体系を考えなければならないと思っている。
また、動脈がすべて環境対応になると、自動車も家電もすべて環境配慮製品となり、日本の産業全体が環境産業だというとらえ方もできるのかなとも思っている。

(小宮山会長)それから、「美しいこと」もあるだろう。ゴミゼロに向けて都市の道路にゴミが散乱していないという意味で。その点、都市再生本部ではエコタウンのような明るいイメージの言葉などあるのか。

(都市再生本部)言葉としては、「ゴミゼロ型社会」というものを主張している。
それから、地域に即したプロジェクトを検討しているが、誰がどのように動かすのかということが1つの大きな課題になっている。そういう意味でビジョンの中に、事業者、消費者、国、地方公共団体の役割分担と、パートナーシップを組む考え方などを示してほしい。

(小宮山会長)田中委員の排出者責任のところに民間の方がはいったような感じか。
大変貴重な意見をいただいたので、参考にさせていただきたい。

東洋大学松尾教授による資料5(PDF形式:13KB)PDFを別ウィンドウで開きますの説明、質疑応答

(田中委員)ディスポーザーは悪くないが、しかし条件としては、合流式ではなく分流式の下水道が整備され、ある程度水資源の豊富なところ。さらに地域全員の参加するとごみの悪臭問題がなくなり収集頻度が落とせたり、収集効率が上がったり、さらにエネルギー効率も上がるというようなプラスになる条件があると思う。

(松尾教授)然り。ディスポーザーの設置に補助金を出すなどして、社会システムとして定着させるようにすることが必要。ただどうしてもいやな人は家庭でコンポストをすればいいし、ホテルやコンビニなどで発生する大量の生ごみは別途対処すればよい。

(田中委員)個人の選択に委ねるのではなく、ある程度自治体として決定したら、それを誘導する施策を実施すべきだということか。

(松尾教授)そうしないと、エネルギー回収の面から、生ごみを含んだ焼却炉ではカロリーが低く、下水道の負担も大きいということで、双方にとってよくない。

(田中委員)イタリアでは医療廃棄物、感染性廃棄物を自治体の施設で焼却しているということだが、分別の徹底により既設の自治体の施設でも比較的安定した焼却ができる。大きな炉ばかりで燃やすと、小さな炉がだんだんと閉鎖・休止に追い込まれて、その結果不法投棄の可能性が高くなるので、ヨーロッパでは感染性廃棄物は自治体の焼却施設で対応する、という考え方を基本にしている。

(松尾教授)そのあたりの合理的なシステムに対して、彼らは比較的コンセンサスを持っている。日本ではおそらく感情論が先立って、危険物を混ぜてはいけないというだけで、コンセンサスすらできないと思う。
ある種のリスクコミュニケーションで、そうではないということをはっきり専門家を含めて言うべきだと思う。

(小宮山会長)先の田中委員の質問に関連して、当専門調査会では結果が皆に見えるような幾つかの実験を始めたいと考えている。ディスポーザーについて幾つかの条件が必要だが、その条件に当てはまるような候補地は具体的にお持ちか。

(松尾教授)東京都では有明や三多摩の方が分流式である。都心部は合流式が主流だが、合流式は早期に改善する必要がある。ディスポーザーはまず分流式のところで導入して、判断は各自治体に委ねる。メインはCO2対策であることを明確にした上で、メタン発酵まで含めたシステムを整備したほうがよい。

(小宮山会長)メタン発酵について寒冷地の冬は発酵しないし、温めるとエネルギー効率が落ちてしまう。また人口規模の大きな自治体では合意形成が難しい。そうすると、南の方で、下水道は分流式で、かつ3万程度の都市になるのか。

(松尾教授)具体的には分からないが、北海道における一つの事例として、雪が積もって冬期のごみ収集が大変なため、ディスポーザーを使えないか実験中である。
メタン発酵については、下水の温度は確かに低いかもしれないが、凍る温度ではなく、北海道でも10度はあるだろう。今は30度が標準の嫌気性消化だが、20度ぐらいでできるようになれば、熱源の問題はネックではなくなる。今後その技術開発は、進めていくべきだと考えている。

(国土交通省)当省としても本格的に検討すべき時期だと考えている。国として禁止しているわけではないが、現実には下水道管理者は下水道への負荷量の増大等の観点から使用の自粛要請をしているところが多い。下水道では合流式の問題管理や処理能力の問題等が考えられることから、来年度の予算要求で国土技術政策総合研究所において処理技術の検討や、環境面のメリット・デメリットを計算し、定量的な検証を行っていきたい。施設面、地域面等の条件によって、導入できるところとできないところの整理が大事である。

(松尾教授)ぜひそうしてほしい。まずやってみることが今は必要だ。

(坂政策統括官)分流式と合流式の仕組みは。

(松尾教授)分流式は2本のパイプで、一方は雨水を、もう片方は汚水を集め、双方を混ざらないようにするもので、コストは高い。合流式は雨水も汚水も一本の大きなパイプに流すものでコストは安いが、洪水の際には雨水とともに汚水も川に流れてしまう。よってディスポーザーを入れると、生ごみも一緒に流れ出てしまうことが懸念されている。

(小宮山会長)トータルの負荷量では、食料かすとし尿の量の炭素量比は。

(松尾教授)炭素量では食料かすのほうが多いと思う。ただ食べたものは出ると考えると、残飯とし尿は、どちらが多いと体験的に考えるかだろう。

(小宮山会長)下水処理場の負担は倍になるということか。

(松尾教授)大まか言えばそうかもしれない。
エネルギー回収の点では、生ごみの水分をどう処理するかだと思う。メタン発酵は水分によらず、出てきた炭素あたりのCO2とメタンの比で決まるから水分を蒸発させる必要がないので効率がいい。あらかじめ水分の多い生ごみを除去したものにすれば、通常の可燃物もRDFに加工しなくてもカロリーが高く、合理的な熱回収ができる。

(喜多村研究官)ディスポーザーを導入すると生ごみ収集が不要になり、焼却炉の熱効率も上がることから、各自治体の廃棄物処理費の相当な軽減が考えられるが、その軽減分は増加する汚泥の処理費用に回すのがよいと考えるか。

(松尾教授)然り。社会全体でCO2削減の仕組みのもとで費用が浮くならば、当然他に回すのがよいと考える。ただ、浄化槽が主力となっているような人口密度の低い地域にまで画一的にディスポーザーを導入すべきだとは思っていない。

(小宮山会長)松尾教授が言われるように幾つものパターンがあって、ディスポーザーもその一つとして考えていけばいいと思う。

次回会合について

次回は、中間とりまとめ(素案)について議論することとなった。
次回日程は10月26日(金曜日)13時から、内閣府第4特別会議室にて行うことこととなった。

(以上)