循環型経済社会に関する専門調査会 第3回循環型経済社会に関する専門調査会議事要旨

第3回循環型経済社会に関する専門調査会議事要旨

開催要領

  • 開催日時:平成13年10月4日(木曜日)13時30分~16時30分
  • 開催場所:内閣府合同庁舎第4号館共用第3特別会議室
  • 出席委員
    会長:小宮山 宏(東京大学大学院工学系研究科長)
    委員:植田 和弘(京都大学大学院経済学研究科教授)
    同:田中 勝(岡山大学大学院自然科学研究科教授)
    経済財政諮問会議議員:吉川 洋(東京大学大学院経済学研究科教授)
    (吉川議員は都合により15時30分に退席)
  • 協力者
    大友和雄(札幌市環境局清掃事業部施設管理課長)
    中井晃(山形県長井市企画調整課長)
    種村正一(山形県長井市企画調整課長補佐(レインボープラン担当))
    小林和夫(三重県環境部審議監)
    松林万行(三重県環境部廃棄物対策課長)
    (関係省)総合科学技術会議、環境省、経済産業省、国土交通省、農林水産省、文部科学省

議事次第

  • 開会
  • 地方公共団体からのヒアリング
    (1)札幌市
    (2)長井市
    (3)三重県
  • 中間とりまとめ目次(素案)の検討
  • その他
  • 閉会

配布資料一覧

概要

札幌市大友施設管理課長による資料3(PDF形式:5KB)PDFを別ウィンドウで開きます の説明、質疑応答

(田中委員)札幌市では廃棄物焼却施設が誘致対象になっているとのことだが、迷惑施設と見なされるケースが多いのに、誘致しようとするのは、住民に経済的なプラスとなる仕組みがあるからなのか。

(札幌市)誘致があったのは20年程前までの話。それまでは工場立地による道路整備や冬場の除雪などに期待が大きかったからである。来年に稼動予定の工場は、住民の反対運動は大きい。今となっては道路や除雪がほとんど整備されたからだろう。
ごみが減少傾向にあるため、厚別工場は廃止の方向で検討している。当工場の余熱を利用してきた地域冷暖房については、代替熱源としてRDFボイラー施設を整備する予定であり、現在札幌中心街の熱供給会社で使用しているRDFをそちらに回すことで準備を進めている。中心街については熱供給会社が他に2社あり、社内的な事情から天然ガス等熱源の一本化を考えているため、RDFの使用は中止する予定である。

(小宮山会長)地域冷暖房のうち、暖房は蒸気を送っていると思うが、冷房は。

(札幌市)同じ蒸気である。

(小宮山会長)ヨーロッパは寒いので地域暖房を行っているが、北海道の夏期は蒸気が余ると思うがどうするのか。

(札幌市)ベースをRDFにし、足りない分について石炭を焚いている。また、RDFについては、製紙会社が苫小牧市及び江別市にあるため、そちらに数千トン分けている。熱供給事業におけるRDFの燃料構成比は35%であるため、大半を占める石炭のほうを調整している。

(小宮山会長)真駒内のA重油は何に用いるか。

(札幌市)冬場など工場の余熱では足りないときにA重油を用いる。

(小宮山会長)計算すればわかりますが、ごみの高位発熱量に対して出てくる蒸気の熱量はどのくらいか。

(札幌市)詳細な資料がないため、後日報告する。

(小宮山会長)余剰古紙、製材くず、間伐材等をRDFに使うことを考えたか。

(札幌市)燃料チップのような木材の使用について検討したが、生木だと発熱量が低く、生木をドライにするための手間や場所の確保等の問題を考えて断念した。

(竹内審議官)ごみの受け入れ量が安定していないと思うが、トータルではごみの量の傾向はどうなっているか。

(札幌市)以前は札幌市全体で100万トンを超えていたが、ここ2,3年は90万トンで横ばい傾向にある。

山形県長井市中井企画調整課長らによる資料4(PDF形式:182KB)PDFを別ウィンドウで開きます の説明、質疑応答

(田中委員)生ごみの堆肥化の過程で残り、焼却や埋立てする部分の量はどのくらいか。

(長井市)分別の不徹底によるスプーンなどの金属類が1,500tのうち80kg程度ある。また、40日間醗酵の過程で分解しなかった貝殻、トウモロコシのしんなどが年間80t程度発生し焼却処分している。

(田中委員)資料にあるコスト計算には、このような残渣処理費用や人件費、施設運転・維持管理費は含まれているか。

(長井市)然り。施設の減価償却費以外は含まれている。

(田中委員)そうすると焼却と生ごみリサイクルとの経費はほぼ同じか。

(長井市)資料上は同じに見えるが、コンポストセンターは市の正規の職員ではなく、下請けの事務管理公社職員やシルバー人材センターからの協力で運営しているため、人件費的にはかなり違いがある。

(田中委員)生ごみ1,500tを含めた搬入原料2,500tから堆肥を500t生産したことにより、その分埋立処分量が減ったことになると思うが、そのことを評価しているか。

(長井市)この取組みは疲弊した農地を活性化することが目的でスタートしており、生ごみをできるだけ安く処理するといった視点がなかったため、そのような比較はしていない。

(小宮山会長)燃えるゴミと燃やせないゴミに区分しているが、プラスチックはどちらに入るのか。

(長井市)燃やせないゴミである。また、ガラスや缶は分別収集している。

(小宮山会長)ほとんどゴミゼロを実現しているが、例えば、平成12年度の燃えるゴミの焼却灰の重さはどのくらいか。

(長井市)複数市町村で焼却施設を共有しているが、市町村により分別の程度に相違があり、かなりの量の焼却灰が出ている。数値については、後日回答したい。

(植田委員)レインボープラン農産物認証制度について、参加農家は増えていないが、その停滞の原因はどこにあると考えるか。また市の政策として、参加者を増やそうとしているかどうか伺いたい。

(長井市)正確に検証していないが、手間隙掛けた割りに、通常の農産物と同価格で取引され、収益面のメリットがはっきりしないことが考えられる。グリーン・ファーマー的な発想で協力してもらえるのは3~10%程度で、皆が協力してくれるわけではない。
また、システムとして確立したものにするため、農家数を増やす必要があり、協議会にお願いしている。

三重県小林審議監らによる資料2(PDF形式:20KB)PDFを別ウィンドウで開きます 説明、質疑応答

(田中委員)処分場や中間処理施設を整備するのを支援するために、税金を取っているが、施設整備そのものに使ったらどうか。

(三重県)施設整備については、PPPの原則もあり、処分料金からまかなっている。税金は、施設のマイナスイメージを低めるための緑化や公園整備に充てるよう仕分けをしている。

(田中委員)廃棄物処理施設をつくっても、住民の反対で廃棄物が入ってこないことが往々にしてあるが、地元から見て廃棄物が入ってくればそれに応じて地元にも還元される仕組みは検討したのか。

(三重県)産業廃棄物税について言えば、財源確保の意味合いもあるが、産業廃棄物の総量を減らすことが1つの目標であり、その究極の目的はこの財源がゼロになることだと思う。

(田中委員)市町村ごとにRDF施設にするところと、焼却施設にするところを選択しているが、どちらが良いか評価しているのか。

(三重県)ごみの処理方法については、69市町村ある中で26市町村がRDFを、33市町村が焼却を選択した。RDFは燃やさないため、住民の反対が少なく立地しやすい。そのRDFは県がつくった発電所で燃やし焼却灰も県の廃棄物処理センターで処分している。
33市町村はごみを焼却するが、平成14年12月施行のダイオキシン排出基準に合わない施設は改良してもらうことになる。焼却した灰はRDF同様に県の廃棄物処理センターに運んで処分する。
そこでイニシャルコストの問題とランニングコストの問題があり、どちらが高いか安いか。広域化によるスケールメリットがあれば安くなる。究極のところは立地できるかどうかということ。どちらを選択するかは各首長に選択してもらい、26対33とほぼ均衡した数字となっている。

(植田委員)(1)木質バイオマスは採算が取れないとのことだが、スウェーデンでは成功していると聞く。両者の基本的な違い、三重県の高コスト構造はどこにあると考えるのか。
(2)森林の環境創造事業と木質バイオマスについて、総合的に取り組む考えはあるのか。

(三重県)(1)スウェーデンの例は承知していない。間伐材は20%程度しか利用されていない。もっと間伐材を利用するために木質バイオマスが考えられるが、単価的にキロ21円、運搬7円、計28円と非常に高い(購入単価16円)。
(2)県として公共財としての山林を守ることは重要だと考えており、間伐材の利用をどう広めるかが課題となっており、その1つとして木質バイオマスがあり、今後の検討課題だと考えている。

(小宮山会長)私は規模の経済性だと考える。発電量が現在の1万2,000kwから30万kwになれば、コストは現在の5分の1になる。結局は森から収集・運搬するコストと石炭を採掘して運搬するコストとの勝負になると思う。この辺のコスト構造が知りたいので是非試算してほしい。

(三重県)当方が作成した資料ではないため、詳細は分からない。

(吉川議員)森林環境創造事業について、森で作業するのは森林組合で既に働いている人か、それとも公的に新たな雇用を生み出すものか。

(三重県)当方の想定では平成14年度の事業費ベースで5~6億円を見込んでおり、新たに150人ほどの雇用創出につながると考えている。

(小宮山会長)今報告していただいた森林維持とバイオマスのエネルギー利用は、雇用創出の話も含めて、循環型経済社会の一つの姿だと思う。

事務局による資料5(PDF形式:6KB)PDFを別ウィンドウで開きます の説明、質疑応答

(吉川議員)目次(素案)について基本的には賛成。
(1)現在7章あるのを、「現状と問題点」、「ビジョン」、「アクション・プログラム」の3つくらいに整理したほうがいい。
(2)「はじめに」について、環境問題や循環型経済社会構築は、総論賛成だが各論はバラバラという現状である。少し工夫すればもっと合理的にできる、知恵を出すだけで改善の余地があると大きな提案を行なう必要がある。
(3)ダイオキシン問題や処理施設・処分場が迷惑施設になっている現実を踏まえ、効率性と地域間の公平性の問題を大きいところで書く必要がある。
(4)「5」の(3)あたりで新しい静脈産業や雇用などにどのような影響が出るのか詰めていきたい。

(坂政策統括官)専門調査会の目的の1つとして、中期経済財政計画を念頭においており、雇用だけでなく経済的に見てどうなるのか、まだ議論が不足していると思う。

(小宮山会長)循環型経済社会を論じるのだから、順序として、まず何億トンといった大きな流れの議論をして、それに基づいて水銀やダイオキシン等の有害物質といった量の小さなものの議論をする。今その段階にあり、そこに経済とか雇用の議論をしていく。やはり経済と雇用については吉川議員と植田委員にお願いしたい。

(吉川議員)経済との関係で言えば、当然成長率は投資・消費の配分と関わる。雇用については、静脈産業が労働集約的なのかどうか、事務局と一緒に検討を始めたところ。

(小宮山会長)詰まっていない分野として、収集・運搬があげられる。貨物輸送や船舶との結合、書類・ゴミ等の空気輸送など経済との関連が強い部分だが、議論が不足している。

(植田委員)総論賛成、各論バラバラの解決には総合的システム設計が必要だ。
公平性については、例えば「迷惑」施設をどうすれば「循環」施設に変えることが出来るかなど発想の転換も必要。工夫・改善で進む部分と大きな発想の転換で進む部分と、組み合わせた戦略をイメージとして打ち出せればインパクトがある。

(吉川議員)大規模化、広域化をビジョンとするのは賛成だが、全国ですぐ実行できないので、まず早急に実験モデル的な地域を設定するプランをアクション・プログラムに盛り込むべき。

(田中委員)(1)「はじめに」の検討範囲において、日本のみではなく地球規模の資源やエネルギー・物質循環という視野も必要。
(2)アメリカやヨーロッパの廃棄物処理企業は、世界の廃棄物をマーケットにしている。日本もアジアで協力するなど、高度な資源化、処理技術を日本のみでなく世界の市場に活用するということを明るい見通しに入れたらどうか。

(小宮山会長)今の視点は重要であり、第1回の専門調査会のときに、牛尾議員が日本から発信せよという話をし、日本とアジアは都市が似ており、アジアのモデルが作れると発言した。
また、目次(素案)について、
(1)市民の立場からどう見えるのか、モデルで構わないので理想的な姿を書く必要がある。
(2)経済とも関連するが、何度か説明しているが1トンいくらの話を書けないか。要するに、1トン数十億円から1トン1万円、さらに逆有償の世界まであるが、例えば1トン100万円の部品はリユースとして回るだろうし、また路盤材や古紙など最終的な需要にためるというボトルネックもある。マテリアルの価値が低下したときエネルギーと等価になる。こういった構造を書けないだろうか。

(植田委員)目次(素案)の「2」について、廃棄物処理の問題というニュアンスだけが出ており、循環型経済社会へ向けた書き方とは違うと思う。廃棄物処理も循環型社会づくりへの重要な構成要素であるが、基本法もできて進みだしている側面のもあり、リサイクルが動き出したところの制度的な問題や経済性に関わる問題を例えばコスト構造の問題やリサイクル市場の問題として整理し、国民的なアピールもしやすいものとして問題の所在を位置付けたほうが良い。
さらに、温暖化問題や地球環境問題が出ているが、この部分は相当色々な議論をしないとビジョンの議論はできないので、ここでは循環型社会の問題に限定し、その限りで地球的な環境問題への関わり方を位置付けていくべきだと思う。

(小宮山会長)関連して、「はじめに」に地球環境問題とあるが、これは地球規模問題ではないか。要するに地球規模での議論と日本での議論が整合性を持たなければならないという内容である。
「2」の地球温暖化問題についても、いくつかある地球規模問題の中で温暖化は重要なのだが、例示ぐらいで取り上げる問題ではない。他にも環境といって思い浮かべる生態系、水、河川の再生といった問題がここに書かれるのだろう。

(坂政策統括官)「2」の地球温暖化問題は、わざわざ書く必要はないだろう。全体として合理的な循環型経済社会を構築すれば、当然地球温暖化防止にも役立つと書けば十分である。
収集運搬の問題について、収集は物を売ったルートがあるので、かなりの物が売った人に返すのが合理的であると思う。売る運搬があるのだから戻ってくる運搬ができる可能性が高い。そもそも売った物の中身を良く知っているのは売った人だから、その処理の方法も売った人がよくわかるだろう。例えば、自動車メーカーは、自動車部品をリユースできるかどうか判断できるだろう。そういったところを打ち出すのが1つの論点ではないか。

(小宮山会長)製品の流れとしては基本的にそうだろう。

(田中委員)物によって随分異なると思う。家電や自動車のように生産者がはっきりしているものはなじむだろう。それ以外で何十万社が関わって、発生源でできるだけまとめて処理した方がいいものもあり、必ずしも生産者が引き取って処理したほうがいいとは限らないと思う。

(植田委員)目次(素案)の「5」と関係して、EPR(拡大生産者責任)と言われているものであり、循環型経済社会を構築するためのシステム改革の方向性を打ち出すコンセプトの一つとして打ち出していいと思う。
「5」の(1)でマテリアルとサーマル、最終処分の適正な分担とあるが、最初から最終処分が必要と位置付けるのは書き方に問題があるような気がする。政府のゴミゼロとかゴミゼロ都市などダイナミックな方向性と、資源やエネルギーの有効利用みたいな実際上進めていく過程での過渡期的なものと、うまくわかるように説明することが重要である。

小宮山会長による資料6(PDF形式:34KB)PDFを別ウィンドウで開きます の説明、質疑応答

(植田委員)右の方へいくほど規模の大きなプラントになり、広範囲から集めなければならなくなる。そうすると収集運搬コストは右上がりの曲線になるのではないか。

(小宮山会長)収集については毛細血管からずっと集めるが、そこのコストが一番高い。小規模でも中規模でも集めるのだから、最初にある程度集まってしまえばそこからの輸送は極めて安い。収集コストのほとんどは人件費であり、大規模化にしても曲線はほとんどフラットだろう。

(植田委員)そこの実証データをつくるのが、非常に大事だと思う。

(坂政策統括官)関連して先ほどの補足ですが、例えば、食品トレーをスーパーに戻すというように、売った人に戻すというのがあり、そこまでの静脈をつくるとコストがかなり減るのではないか。一方で、消費者の方からしても、引き取る方をただにして、ゴミを有料化にしていくと合理的にうまくいくのではないか。

(田中委員)有料化という点では、ごみの減量化、消費者が最適な消費量、そしてごみの量を選ぶと言った効果があるが、小売店への返却については小売店の負担、スペースの確保、人件費という問題や扱うものの悪臭といった問題もある。

(小宮山会長)デポジット制についてはどうか。

(田中委員)東京都で委員会を設けて空缶のデポジットについて検討したが、デポジットの集金・返金・返却されたものの保管・管理に要する時間・労力が日本全体として何千億もかかると試算された。その効果として散乱ゴミ対策や資源化促進が考えられるが、散乱ゴミは全体に比べ非常に少なく、また資源化は既にかなり行われていることから、余分に負担する分の効果が薄いと判断され導入しないという結果になった。

(小宮山会長)この専門調査会ではビジョンを出そうとしているのだから、そのコンセプトとしてエネルギー消費や費用や可能性を出して、それを自治体が実験として選択していくというのはあると思う。

(田中委員)そのオプションとして3つか4つのタイプが考えられると思う。

(植田委員)広域的な収集のためのシステム改革ができれば規模の効果が活かされるので、今までのようなデポジット制度の議論はせず、有害物や危険物を自治体のごみ収集ルートからはずすなど、何のために集めるのか目的をはっきりさせることが大切である。

田中委員による資料7(PDF形式:144KB)PDFを別ウィンドウで開きます の説明、質疑応答

(小宮山会長)この資料は、日本は良くやっているが、アジアの市場は欧米に取られているという現状を示している。それから、最後の表をみると2050年には世界の廃棄物処理費は3.5倍、アジアは3倍、日本は人口が2割減るが2倍強になるということ。政府の2010年の目標は、埋立処分量の半減であり、ビジョンとしてそこから2050年までに5分の1までもっていき、トータルとして1割ぐらいにするというシナリオだとわかりやすい。
リサイクル率が良くわからないが、なぜアメリカがこんなに高いのか。

(田中委員)国によってリサイクルの定義が異なる。例えば、日本ではリターナルびんの回収はリサイクル率に含めないが国によっては含めているということがある。

(小宮山会長)目次(素案)についての総括だが、事項の大くくり化、経済的な側面の充実、地球環境・温暖化問題の取扱等、各意見を反映して修正する必要がある。

(事務局)次回までに、議論を踏まえ目次を再整理する。

(以上)