循環型経済社会に関する専門調査会 第2回循環型経済社会に関する専門調査会議事要旨

第2回循環型経済社会に関する専門調査会議事要旨

開催要領

  • 開催日時:平成13年9月17日(月曜日)17時00分~21時30分
  • 開催場所:内閣府合同庁舎第4号館共用第4特別会議室
  • 出席委員
    会長:小宮山 宏(東京大学大学院工学系研究科長)
    委員:植田 和弘(京都大学大学院経済学研究科教授)
    同:田中 勝(岡山大学大学院自然科学研究科教授)
    経済財政諮問会議議員:吉川 洋(東京大学大学院経済学研究科教授)
    (植田委員は都合により20時50分に退席)
  • 協力者
    大塚直(早稲田大学法学部教授)
    黒田昌裕(慶應義塾大学商学部教授)
    篠木昭夫((社)全国都市清掃会議専務理事)
    (関係省)環境省、経済産業省、国土交通省、農林水産省、文部科学省

議事次第

  • 開会
  • 廃棄物・リサイクル法制度のあり方について
    (早稲田大学法学部教授大塚直)
  • 温暖化・エネルギー問題を踏まえた日本経済のあり方について
    (慶応義塾大学商学部教授黒田昌裕)
  • 地方公共団体における廃棄物処理・リサイクル推進にあたっての現状と課題
    ((社)全国都市清掃会議専務理事篠木昭夫)
  • フリーディスカッション
  • その他
  • 閉会

配布資料一覧

概要

早稲田大学大塚教授による資料2(PDF形式:35KB)PDFを別ウィンドウで開きます の説明、質疑応答

(吉川議員)マテリアル・リサイクル(物質回収)とサーマル・リサイクル(熱回収)の優先順位について、効率性の観点から、イコール・フィッティングで考えるべきだと思うのだが、循環基本法では、マテリアル・リサイクルの方を上位に位置付けている。立法時の背景を教えてほしい。

(大塚教授)立法の背景として、ダイオキシン問題があった。焼却施設に対する住民の不信感があり、この問題が長期化したため住民感情が非常に悪化し、裁判所が焼却施設の建設の差し止めまで認めたものもある。ガス化溶融技術の進展等により、ダイオキシン問題がある程度解決されても、廃棄物の組成は常に変化しており、新たな有害物質の発生に対応しなければならず、また廃棄物の発生抑制の観点からも、サーマル・リサイクルに回っていくことをできる限り避けなければならない。このため、サーマル・リサイクルの方が効率的なものもあると思うが、有害物質の問題と発生抑制の点から一般的にはマテリアル・リサイクルを優先している。

(田中委員)住民の意見、感情は無視できないが、廃棄物が嫌だからその処理施設は迷惑施設だという意識は問題。環境学習、リスク・コミュニケーション、場合によってはホスト・コミュニティ・フィ(廃棄物受け入れ地域協力金)を利用して、住民の理解・協力を得ることも必要ではないか。

(大塚教授)賛成である。廃棄物処理施設は不可欠なので、経済的手法等を使用して、国、地方公共団体、産業界も努力し、処理施設の整備を進めるべき。

(田中委員)例えば、豊島の廃棄物問題は、廃棄物処理業者のモラルが低いために起こった様相が強いが、廃棄物の定義を変えることによって解決出来るのか。

(大塚教授)企業や業者のモラルは重要な問題。しかし豊島の場合、業者がこれは有価物で利用すると主張したため、対応が遅くなった点が挙げられるため、廃棄物の定義の見直しもこれに対処する1つの有効な手立てと考える。

(植田委員)産業廃棄物における広域流通を制約している地方公共団体の事前協議制をどのように評価しているか。また、一般廃棄物の自区内処理という原則の法的根拠は何で、原則の変更がもたらす効果や問題点についてどう考えているか。

(大塚教授)事前協議制は、都道府県の要綱で決まっており、広域処理を進めていく観点で制約となっている面もあるが、プラスとマイナスの面があり簡単には言えない。
また、自区内処理原則については、法的根拠はない。政策として一時期言われたが、方針転換をして広域処理に移行している。これには、エネルギー・ロス、地域間の不公平という問題が内在し、地域住民の理解が得られないと訴訟沙汰になってしまう。

(小宮山会長)廃棄物の定義、有価か無価かというのを客観化する指標とは具体的に何か。

(大塚教授)簡単に言えば廃棄物と思われるものを廃棄物とみなすということ。個人の意思によらず、有価物として利用する契約の有無などを素材として客観化していくということ。フランスでは、どうしてもやむを得ず廃棄物だけを処分場に捨てることについて最終廃棄物という考え方が法律上明確化されており、ドイツでは同様の観点から最終処分場に持ち込むものについて技術指針が設けられている。

(小宮山会長)資料6ページで事業系廃棄物、家庭系廃棄物、製品廃棄物と分類されているが、道路や建物はどこに入るのか。

(大塚教授)事業者が出したものであれば、事業系廃棄物に入る。

(小宮山会長)製造者責任の関係で、例えば50年前に建設した道路が廃棄されたときの製造者は誰になるのか。また、廃棄物処理・リサイクルはコスト構造上輸送・収集コストの占める割合が非常に高いと思うが、誰が負担するのか。

(大塚教授)拡大生産者責任や製造者責任は、すべての物質に適用するとは考えていない。簡単にいうと非常に環境負荷の高いものが対象となり、建設廃棄物については、すぐに適用できるかどうか検討が必要。
拡大生産者責任の対象物に関しては、EUやドイツでは輸送・収集について、基本的には事業者が全部負う制度になっている。
一方、容器包装リサイクル法では、分別回収は地方公共団体が行い、再商品化はメーカーが行う制度になっているが、分別収集コストが再商品化コストよりも高かったりすること、分別収集を行う地方公共団体だけがその制度に参加するということから、なかなかリサイクルが進まないと批判されている。

(渡辺大臣政務官)廃棄物を事業系廃棄物、家庭系廃棄物、製品廃棄物の3つに分けているが、3つに分けることの効果と必要性について具体的に教えてほしい。

(大塚教授)まだ固まっていないが、このように分けると、事業系廃棄物は排出事業者で、製品廃棄物は製造事業者がリサイクル・処理の責任を負うことになる。容器包装や家電は、製品廃棄物に入ると思うし、現在検討している自動車リサイクル法ができれば、この中に入ってくるだろう。環境負荷の大きいものについては、特にメーカーが回収・リサイクルをしていくことになるので、環境負荷の少ない製品をつくるインセンティブが働くことになる。このように拡大生産者責任の観点から特別なものについて製品廃棄物という概念が必要ではないか。個別リサイクル法をつくるだけでは整理されたことにはならない。

(小宮山会長)ありがとうございました。

慶應義塾大学黒田教授による説明(OHP使用)

  • 日本のエネルギー需給の状態、京都議定書を踏まえた現在から2010年という経済の動きを考えた場合に、何が問題なのか説明したい。
  • 今年の7月に総合資源エネルギー調査会で作成したエネルギーの需給見通しの報告書についてまず説明する。これは97年にCOP3で決った後にエネルギー需給見通しを半年かけて作成し、今回は前回のシナリオと比較しながら作成した。
  • 数値的には最終エネルギー消費は1990年の349百万klから1999年時点で402百万klと増加している。2010年では、前回400百万kl、CO2排出量287百万t‐Cであったが、今回は409百万kl、CO2排出量307百万t‐Cとなった。その結果、まだ目標に2,000万t‐C足りないことになる。
  • この足りなくなった要因は、原子力発電所が前回の20基から今回の13基に目標を下げたこと、エネルギー価格が大きく変動し、原油価格が相対的に上がったのに対し、石炭価格が相対的に弱含みに推移したため、対策を取らないと石油から石炭に移行し、CO2の排出量がその分多くなると予想されたことがあげられる。
  • トップランナー方式や経団連の自主行動計画等を前提に、経済成長が2%程度で推移すると、エネルギー起源のCO2排出量を1990年レベルに安定化するには2,000万t‐cのCO2排出を追加的に削減しなければならない。
  • 産業構造を深堀りして、2000年から2010年をみると、構成比で鉄鋼、化学、窯業、土石、紙パルプといったエネルギー多消費産業が相対的に構成比を少なくし、IT関連を含めて電気機械、自動車、通信、小売等のサービス産業が増える構造を実現しなければならない。
  • 我々の計算したモデルの特徴としては、世帯主の年齢階層別に世帯主への波及、世帯主年齢階層別の経済、何らかの削減効果の影響というものも算定可能。エネルギーについては、各種のエネルギーの需要、供給がバランスするような形で需給バランスを解くという形のモデル。コストは、CO2排出量がモデルから算出され、それを何らかの政策的な目標レベルまで到達させるため、規制やエネルギー効率向上、産業構造の変革等が起因し複雑なため、炭素税という形で政策パラメーターを導入する。
  • このシミュレーションでは、炭素税を掛けることによって最終的に達成される短期的・長期的な状況に関して、炭素税を色々変えてCO2の排出削減目標をマクロで達成できるような形をシミュレーションした。
  • それをもって、カーボントンあたりの炭素税が算定できて、それが環境保全のためのコストだと我々は考える。
  • モデルの算定では、2,000万t‐cのCO2を削減しようとすると、追加的に1万7,000~2万円/t‐cぐらいのコストが掛かる。GDPに与える影響は、1%程度の減少となった。
  • 自主行動計画やトップランナー方式を入れた先ほどのケースに対して自然体の場合だと、約5,000万t‐cのCO2排出量を削減しなければならない。我々のモデルでは、2009年と2010年の2年間にわたって炭素税を掛けなければならないが、平均的には4万円/t‐c程度となり、総トータルのCO2排出量がおおよそ3億t‐cなので、4万円/t‐cを掛けると約12兆円の炭素税となる。現在の消費税のレベルが9兆円ぐらいですのでそれを若干上回ることになる。GDPに対しては、-1.57%の影響があり、雇用については、0.46%程度の減少という結果となった。
  • さらに2,000万t‐cのCO2排出削減が必要で、1万5千円/t‐c程度追加されることから、あわせて5万5千円/t‐c程度の炭素税が必要という過大な結果になった。

(吉川議員)この解析は多部門モデルということですが、一部門として考えた場合、エネルギーや原材料を明示的に入れたグロスの生産関数を考え、エネルギー価格が上がったときに、付加価値の生産関数、あるいは付加価値にどのような影響が出るのか調べたものと同じ骨格と理解してよいか。

(黒田教授)モデルにエネルギーを入れると多部門モデルにならざるを得ないが、基本的考え方は同じである。

(吉川議員)エネルギー価格が高くなると代替技術等エネルギー節約的技術進歩が起こるということがモデルに組み込まれているのか。

(黒田教授)テクノロジーが一定の下でエネルギー間の代替、エネルギーと資本・労働の代替が起こるという代替効果と、エネルギー価格が変わることによるエネルギーセーブの技術進歩がある。

(吉川議員)リサイクルは、例えばこういうモデルの中で抽象的に考えると社会全体のエネルギーセービングの技術進歩が起きたケースと理解してよいのか。

(黒田教授)私もそう思うが、例えば、産業連関の基本表レベルで、古紙回収・リサイクルのコスト・パフォーマンスを分析すると、古紙回収の効率によりエネルギー効率が左右される。その辺のバランスをどう考えるかだと思う。

(吉川議員)需要により、産業ごとのストラクチュアがどのように変化するかについて、一般均衡だと価格変化に対応して代替が進むというモデル化がされていると思うが、実際には、2010年となるとかなり外生的な変化があるという気がする。最終的な消費財の需要構造についてはどのような処理をしたのか。

(黒田教授)消費については、まずエネルギーとそれ以外に分けている。家計のエネルギーについては、ほとんど耐久消費財と連動しており、例えばトップランナー方式で耐久消費財のエネルギー効率が上がると家計のエネルギー効率も変化する構造となっている。また、消費者の嗜好の変化などについては、過去のデータから求めたシフト・パラメータを前提としている。

(田中委員)廃棄物処理方式の選択にライフ・サイクル・アセスメントを使うケースもあるが、CO2の削減のモデルにはどのように評価されているのか。

(黒田教授)ライフ・サイクル・アセスメントは、非常にパーシャルで、かつスタティックである。既存の技術構造を前提にして評価することになる。したがって、経済の一般均衡的な影響をダイナミックに評価することは難しい。一方でAという技術とBという技術は同じメニューのライフ・サイクル・アセスメントによって比較されるが、部門が細分化されているという意味では非常に正確だと思う。
ただ、モデルにおいては、部門を細かくしても40ぐらいにしか分けないので、細かい部門への影響をライフ・サイクル・アセスメントで評価するのは難しい。

(田中委員)セメント業界や鉄鋼業界でかなり廃プラスチックが利用されているが、このモデルではどのように扱っているのか。

(黒田教授)我々のモデルでは、投入係数をダイレクトに外生的に与える形にしている。例えば鉄鋼業で投入されるプラスチックの投入係数。従って、価格だけでは簡単に動かない。実際には、全部のセルに投入できないので主な投入に関して行っている。

(植田委員)IT化の進展は、エネルギー消費にどのような影響を与えるのか。モデルではどのように処理しているのか。

(黒田委員)一般に言われる技術進歩率というものが変化することによって起こってくる分を経済分析上どう識別して、IT効果をどう見るのかが非常に重要。また、雇用制度が非常に硬直的な日本では、ITという技術がいくらインストールされても労働生産性がそれほど上がらない可能性もある。これはアメリカと日本の大きな相違点であり、IT効果はエネルギー消費だけではなく、全体的にはFTP(全要素生産性)や労働生産性に与える影響のほうが大きいだろう。

全国都市清掃会議篠木専務理事による資料3(PDF形式:24KB)PDFを別ウィンドウで開きます 説明、質疑応答

(田中委員)提起されたなかでリサイクル費用の増加により財政が圧迫されるというが、それはなぜか。拡大生産者責任やリサイクルによる廃棄物の減量により、場合によっては現状の焼却処分より費用のかかるリサイクルの選択を強いられているということか。

(清掃会議)リサイクル量が増えれば、廃棄物は減ることから、その処理費用も当然減少するはずだ。減少分は他の分野に回すことになる。

(田中委員)雇用対策の面から考えた場合、拡大生産者責任の推進は自治体作業員の人員削減につながる。世界各国では不況の際に清掃部門の公的雇用を拡大させるが、方向性はその正反対のような気がする。

(清掃会議)民営化が進展すれば、民間の雇用は増加すると思う。ただ経営の効率化によりマクロでは雇用は減るかもしれない。

(田中委員)一般廃棄物の処理について、現在1800個所の焼却炉をもっと減らし、大型化して広域的に処理するとのことだが、広域処理が難しい理由は。

(清掃会議)経験則で言えば、廃棄物処理施設の建設には住民の大きな抵抗がある。住民の理解を得るには、自分のごみは自分で処理するべきだ、と説得してきた経緯がある。その考えが全国に普及し、市町村ごとに小規模工場を多くつくった背景にもなった。
今後は中間処理施設だけでなく、最終処分場やリサイクルに必要なストックヤード等の施設を計画的に配置することで、迷惑の公平負担の考えに配慮しながら、施設の分散、適正配置による広域化を進めていくことが必要だ。

(小宮山会長)資料の最後にある今後の展望で、「各種リサイクルシステムを構築し事業者責任を確立すれば、分別排出のインセンティブにもなる。」の意味は。

(清掃会議)現在税金で行っている廃棄物処理を、排出者責任で消費者に負担してもらうという考え方だ。ごみを出すのにお金を取られることになれば、ごみを減らすという経済的インセンティブが働くし、空き缶等を道路に捨てることにしても、そこにデポジットを絡ませることで回収箱に戻したほうがいいということにもなる。

(小宮山会長)先に、1800の焼却施設のうち24時間稼動可能なのは460しかないとのことで驚いた。それに関連して、ダイオキシンの問題は技術的に解決されているのか。コントロール可能なのか。

(清掃会議)460の施設は最初から連続稼動させる目的でつくったもので、残りは昼間のみ稼動させるという考えのもとに建てられている。
ダイオキシン対策については、技術が進歩し、連続運転でないものについても重油等の補助燃料で燃焼温度を上げることで規制値内に収めることが可能になっている。

(小宮山会長)460の大規模装置の焼却能力が、1800全体に占める割合は。

(清掃会議)約70%である。

(磯部審議官)納税者の立場として市町村税はごみ処理費用に用いていると考えると、ごみの有料化や拡大生産者責任の進展に伴い税金を下げろという話になるが、どう考えるか。
また、民間部門への委託については、これまでも法的規制等はなかったと考えるが、進まなかった原因は何か。

(清掃会議)廃棄物処理にかかる予算は当然減少していくと考える。そしてその浮いた経費は別の分野に回されることになると思う。
民間への委託については、職員の雇用問題もあり難しい。民間よりも直営のほうが住民の声を反映したサービスができるのではないか。ただ、給与の割高感から、民間活力の利用により、全体の経費の削減を検討することがよいと思う。

(吉川議員)ごみの量に比例して課金すれば、節約するインセンティブが生じるのは当然だが、現実にはやりようがない。また、課金された場合の不法投棄を考えるといいアイデアではないと思う。ごみは多かれ少なかれ皆が出すものだから、それを税金で処理するのは合理的だと考えるが、如何か。

(清掃会議)税金で処理していると、リサイクルに協力しようという意識はあまり育たない。その意味で何らかの経済的インセンティブ、仮に税金で処理するならばデポジット制を導入するようにしないとうまくいかない。各家庭からお金を取ることの難しさもあるが、指定袋の利用等の方法が工夫されてきている。

(坂政策統括官)3つの質問がある。

(1)ダイオキシン対策で、全国の焼却施設が更新または設備増加しようとしているが、単なる建て替えではなく、少しやり方を変えていく必要があると考えるが如何か。
(2)施設から出る熱を近くに供給するなど、付近住民にとって得なことと迷惑施設という問題とを組み合わせる方法がないのか。
(3)資料によれば39%の市町村はごみを有料化しているが、先に指摘されたやり方、あるいは別のやり方でうまくいくのか。

(清掃会議)(1)リサイクルの進展でごみの量が減るため、同じ施設の工場は要らなくなると考えられる。現に東京などは工場計画、規模を縮小している。いずれにせよ環境にやさしい施設でなければ住民の理解も得られないため、その方向に進むと考えている。
(2)地方公共団体は還元施設をつくっているが、山間部で施設をつくると利用のための連絡バス運行の問題が出てくるなど、還元施設をつくれば解決というものではない。また、今でも発電等工夫はしているが、全部熱エネルギーを使い切れていない。今後検討が必要だが、清掃工場そのものを嫌われない施設に格上げしなければいけないと思う。
(3)有料化の大部分が指定袋方式だが、1枚20~30円のため、ごみの減量効果は一時的である。袋の値段をもう少し上げないといけないとも考えている。

(植田委員)最初から広域行政に進むのではなく、循環型社会づくりを市町村間の連携で取り組むことが望ましいと考えるが、それについてはどうか。また、ごみの質の変化により、市町村の収集ルートより外すべきものがあるという場合、その判断の基準があれば教えてもらいたい。関連して、事業系一般廃棄物を産業廃棄物とはっきりさせることや、容器包装リサイクル法についても、容器包装廃棄物自体を自治体収集のルートからはずし、事業者責任にすることについてはどう考えているか。

(清掃会議)今後新たにつくる施設については、各地方公共団体とも真剣に取り組んでいる。大きな方向としては、地方公共団体間の連携が進むものと考えている。
また、市町村の処理能力を超える有害物質を含む製品は、メーカーに処理してほしい。
事業系廃棄物の区分の問題は、今後大いに議論が必要だ。現在家庭系ごみは無料、事業系ごみは有料だが、両者は区別しておかないと税負担の観点からおかしくなってくる。廃棄物の管理システムの構築と、両者の廃棄物の区分は密接不可分の関係にあり、循環型経済社会を作っていく上では重要な問題だ。
容器包装リサイクル法については、ドイツのDSD(デュアル・システム社)のように収集から運搬まで事業者が行うルートを作ったほうが最適だと考える。

(小宮山会長)一般ごみの焼却について、容器包装リサイクル法が進んだ今後の見通しは。

(清掃会議)容器包装リサイクル法が進むとその他プラスチックとその他紙が抜けることから、カロリーの低い家庭から出る厨芥、台所ごみが中心となり、燃えにくくなるというのは確かにある。

(小宮山会長)基本的な方向としては、食物かす等の水気の多いものや不燃物のガラスとメタルの混入量を極力減らして、同時にプラスチックと紙をサーマルも含めたリサイクルに回すのが正しい姿なのではないか。

(清掃会議)その通りだ。その点は各地方公共団体とも真剣に考えて取り組んでいる。

(田中委員)物質循環に重きを置くことで、そのまま燃やした方がいいものでもリサイクルに回されているものもある。技術的、経済的観点から、数少ない大きな規模で、できる限りエネルギー回収する施設の整備がよいという考えもあると思うが、如何か。

(清掃会議)今のやり方を前提とすれば、収集コスト等を考慮した際にリサイクルよりも焼却したほうが安上がりかもしれない。焼却の際にサーマル・リサイクルで熱エネルギーをどれだけ有効に使えるかという問題が出てくるわけで、炭酸ガスの排出や電力がいくらで売れるか等のトータルコストで考える必要がある。双方をきちんと分析し、どちらがいいのかを考えていく必要があると考えている。

植田委員による提出資料(PDF形式:5KB)PDFを別ウィンドウで開きます説明

(植田委員)循環型経済社会へ向けて規制改革的な側面だけでなく、費用や経済・財政的な側面の改革についても議論すべきだ。
廃棄物処理施設の建設計画とリサイクルの経済性の関連についてデータを集めて議論すべきだ。
循環経済を首都圏の問題だけでなく、中山間地域における森林の維持や雇用の拡大とあわせて取組みを考えるべきだ。
首都圏の循環経済を考えたとき、新しい施設のつくり方に関して言えば、住民の意識や施設の位置付けを明確にする意味においても、集中型がよいのか、分散ネットワーク型がよいのかについて考えを整理する必要がある。
また、規模の経済はこれまで議論してきた形で働くと考えられるが、廃棄物のネックはこれまでも回収システムにあったと考えられるので、そのシステムとの結びつき方の議論も必要だ。

事務局による提出資料4-1(PDF形式:11KB)PDFを別ウィンドウで開きます 説明

小宮山会長による提出資料(PDF形式:9KB)PDFを別ウィンドウで開きます 説明

(吉川議員)小宮山会長の意見に賛成だ。経済学者から見れば、モノをつくることとエネルギーをつくることとの間には、本来的に区別をつける必然性はなく、効率性で評価するのが自然だと考える。循環型社会基本法の理念ではマテリアル・リサイクルがサーマル・リサイクルに優先するとのことだが、当専門調査会では小宮山会長の主張をデータで補強し、国全体でサーマルを真剣に考えるべきである。
第二に、ダイオキシン問題に関しては技術的に克服できると言っても、国民は直ちには納得しない。焼却施設が「迷惑施設」ならば、効率の観点とは違う、公平の観点から考えることも必要ではないか。
第三に、国全体でマクロ的に一気に変えるのは難しいから、まずは部分的に立ち上げ、大規模化のメリットを国民に示すことが必要だ。焼却施設が1800から400になる方向性は正しいのだから、まず集中・大規模化を実験的に立ち上げる必要がある。

(田中委員)植田委員提出資料に関して、廃棄物処理は高コスト構造となっているが、むしろそれがためにリサイクルは進んでいる。日本ではリサイクルに回る量は欧米と比較するとかなり多く、排出量は少量にとどまっている。焼却施設は現在建て替えの時期であり、それに係る予算が少ないとの話もあったが、せっかくのいい時期なのだから、事業効率の高い、規模の大きな施設を建設する方向に誘導すべきだと思う。
本調査会の報告は、国民、市町村、事業者への大きなメッセージになる。その柱になるものとして、三点考えられる。

(1)再生品市場の拡大。分別等の発生源では国民からの協力は得られるが、再生品市場では規模が小さいため、拡大することが必要。
(2)事業の効率化。現在の高コスト構造から低コスト構造に換える必要がある。
(3)IntegratedWasteManagementといわれる、リサイクルと処理処分の統合化、動脈と静脈の統合化により、トータルでエネルギーや資源の保全を考えることが必要。

ダイオキシン対策に関連した廃棄物処理施設の新築・改築にかかる予算措置等について、環境省より説明

(小宮山会長)これまでの議論から以下のような方向だろう。

・製品別の考え方
《現状の廃棄物の分類》
(1)家庭系、事業所系の一般廃棄物
(2)家電、容器包装、自動車などの個別の製品
(3)産業廃棄物と呼ばれる、工場から出てくるもの
(4)道路を含む建物、インフラから生じた建築廃材
(5)上記とは別に農林畜産を追加

全体像の整理として、

  • 素材別(鉄、セメント、プラスチック)の考え方
  • エネルギー:化石資源3億トンを燃焼しており最大の消費資源(水・砂利を除く)、無視できない。
  • エネルギーのフローと物質循環を同時に考えていく必要がある。
  • 有害物質の問題(ダイオキシン、水銀等)
  • 循環型経済社会の範囲:当初は水も入れていたが、農林牧畜との関係までいれて、きれいな水の確保といった広い意味での外部コストを内部化していく。

吉川議員から実験の話があったが、循環型経済社会の視点は極めて多様でありまとめるのが困難。多様な実験を行うことが必要(廃棄物の高炉投入、ディスポーザーの導入等)。
新技術、資源や廃棄物のデータ、評価手法などをアップデートしていく必要がある。そのツールとして、ヘッドクォーターをつくるべきではないか。ヘッドクォーターは、一般の人にわかるようなITツールも構築しなければならない。

(田中委員)(社)全国都市清掃会議は、廃棄物処理技術をメーカーからヒアリングし、整理してHPで情報提供し、各地方公共団体はその情報をもとに最善のものを選択するという、小さいながらヘッドクォーター的役割を果たしている。
それから、厨芥類の対策が必要ということで、コンポスト化等いろいろな方法を地方公共団体が試したが、効率が悪くてうまくいかない。ディスポーザーや脱水機を各家庭に置いて、カロリーを高めて、エネルギー回収を目的とすることは試す手があると考える。フランスでは電力会社がごみを使った発電をしており、参考になると思う。

次回会合について

10月4日に引き続きヒアリングを行うとともに、中間とりまとめに向けた目次(素案)について議論することとなった。

(以上)