第31回会議(平成20年12月26日) 与謝野大臣 経済財政諮問会議後記者会見要旨

与謝野大臣

16時44分~17時00分 於:中央合同庁舎第4号館2階220号室

(1) 「中期プログラム」について

(2) 平成21年度予算案について

(3) 「経済財政の中長期方針と10年展望(仮称)」(素案)について

1.発言要旨

  ただいま今年第31回目の経済財政諮問会議が終了いたしましたので、概要を御報告申し上げます。
第1の議題は、24日に閣議決定された「中期プログラム」について御報告をいたしました。
第2の議題は、中川議員から、平成21年度予算案について御報告がありました。
第3の議題では、「経済財政の中長期方針と10年展望(仮称)」の素案について議論をいたしました。
10年展望については、本日の議論を踏まえて、また各省庁とも調整を進め、次回の諮問会議では財政健全化部分を含めまして原案全体をお示ししたいと思っております。
また、マクロ経済と財政の試算につきましては、暫定的な作業経過を事務方から報告をいたしました。これは暫定的なものであり、今後追加的に反映されるデータも含めて精査をして、次回の諮問会議、これは1月中旬ごろでございますが、ここで御報告することとなりました。
民間議員からの御意見を御紹介申し上げます。
お一人は、2011年度までにPBを回復させるのは不可能である。これを努力目標として置いておく必要があるのか。世界経済の激変によるものであるから、この目標を変えても問題ではない。一方で、財政規律は緩めてはならないと。なるべく早くPBを回復させる必要がある。2011年PB黒字化という目標と、歳出削減のスケジュールは2つに切り分けて考えるべきである。財政規律は財政規律として明確化させるべきである、こういう御意見。
別の民間議員からは、「骨太2006」には弾力条項がある。別表の歳出削減目標は堅持するが、対外経済活動が急変したために、歳入面でマイナスが出てきたのだから、基礎的財政収支で2011年黒字化にこだわる必要はない。通常の景気後退は1年で終わるけれども、クレジットクランチプラス住宅バブルという2つの要因が重なった景気後退は、もっと長引くというIMFの研究もあり、経済運営に関しては下方リスクに十分留意すべきである。
他の民間議員からは、成長政策で大事なのは、具体的かつ重点的プロジェクトの前倒し実施であると。ものづくり立国の強さを発展させるインフラ、地方活性化、食料、林業、雇用などが重要である。省庁の壁にとらわれず横断的にやってほしい。まずプロジェクトの選定基準を決めたらどうか。
別の議員からは、中長期的な経済では、この分野は世界最高であるという分野をつくったらどうかと、こういう議論もございました。
別の民間議員からは、財政は当分厳しいと。そうであるとすると、中身の見直しが必要であるという意見も出ました。本日は経済財政の中長期方針と10年展望については粗々の議論でございまして、年が明けましてから素案をもとに、もう一度議論をいたしたいと考えております。
以上でございます。

2.質疑応答

(問)財政健全化目標の部分なんですけれども、11年度のプライマリーバランスの黒字化については、今のお話だと民間議員のほうからは11年度に、厳密にその年に達成することにこだわる必要はないんじゃないかという意見が複数出たようですけれども、それについて今回の諮問会議で方向性は出たんでしょうか。

(答)一応、私はこの議論は一応ここで打ちかけにして、次回更に議論を続けたらいかがでしょうかという御提案をして、それではもう一度議論をいたしましょうというところで終わっております。

(問)その他の閣僚なり総理からは、特にこの点については御発言はなかったんでしょうか。

(答)他の閣僚の御発言は、二階大臣の成長戦略の部分の御提案と、中川大臣からは、21年度も横並び予算ではなくて、できる限り予算の重点配分に心がけたと。特に、重点化枠3,400億を自分としては効率的に配分したつもりであるというお話がございました。それだけでございます。

(問)もう1点、詳細な試算は年明けに示されると思うんですが、今日、一応事務的に粗々な試算は出て、それをもとに財政健全化目標についても議論されたと思うんですけれども、大臣御自身としては、これまで「破れ旗だけどまだ立っている」というような言い方をされていましたが、現時点ではどのようにお考えでしょうか。

(答)今年だけで法人税を中心として、当初見込んだものより7兆1,000億も減収になっているという延長線上でものを考えますと、かなり厳しいものがあるというふうに思っております。もともとプライマリーバランスというのを「基礎的財政収支」と訳すことが適当かどうかということは、実はあるんだろうと前から思っております。

(問)確認ですが、要するに、達成が困難になっているというのは客観的事実として非常にそのとおりだと思うんですけれども、一応歳出面での規律を保つためにも、これは努力目標として一応置いておくべきなのか、あるいはもう事実上不可能なんだから、11年度というのは取っ払って、ほかの目標をつくったほうがいいのかということについては、どうお考えですか。

(答)2つの立論がありまして、ぼろぼろで字も読めなくなったような旗だけれども、やっぱり財政規律を維持していくという象徴として残せという学説と、もう1つは、到達できそうもないものを努力目標と掲げること自体、論理破綻であるという学説と両学説ありまして、まだ結論が出ていないということでございます。

(問)本日のこのA4、1枚紙のこの「財形健全化のあり方・目標について」の、この紙の今後の扱いについて、こういう線で基本的に10年展望で盛り込まれていくのかどうかというところを確認させていただきたいのが1点。
この中に書かれております、この2ポツのところの「基礎的財政収支黒字化自体は、GDPの安定化に向けて」云々とありまして、「できる限り早く到達しなければならない」というふうに書いております。これは、2011年度までに黒字化というような、時期を特に明記しておりませんで、とりようによれば、やはりもう、できる限り早く到達というように時期を特定せず、ややちょっと後退したのかなという感じもするんですが、その辺の解釈について御見解をお聞きできればと思います。

(答)ここに書いてある以上の解釈は、私はできないんですけれども、基礎的財政収支というのは、もともと財政健全化のための通過点でしかすぎないという考え方を私は持っておりまして、仮にマラソン42キロ走るとしたら、多分5キロか10キロ地点の話をしているのであって、なるべく早くそこを通過したほうがゴールインも早いだろうという話でありまして、PB、基礎的財政収支というか初歩的財政収支が到達できると、何もかも良くなるという話ではなくて、これを到達した後、財政は発散してしまうというモデルも実はあって、実は通過点も大事ですけれども、その後、収れんするのか、あるいは発散するのかというのはまた別の問題であって、この発散するか収れんするかというところが一番肝心なところだろうと、私は思っております。

(問)そうしますと、今日のこの民間議員ペーパーは、基本的にこの考え方で10年展望の「財政健全化に向けて」という部分に反映されるのか。そういった、この紙の扱いについては、今日の時点で何かしらの結論というか方向性は出たのでしょうか。

(答)最後に申し上げましたように、各省庁ともよく打ち合わせをしながら、諮問会議として全体をまとめていく。そういうことでございます。

(問)大臣、これは言わずもがななんでしょうけれども確認なんですが、詰まるところ、基礎的財政収支というような尺度よりは、財政健全化を国民にわかりやすく説明するツールとしては、債務残高対GDP比というものを政府が示す必要がある、そちらのほうが適当であるという考え方でよろしいということでしょうか。

(答)最終的な健全な財政というのは、借金もゼロ、その年の歳出はその年の歳入で賄われるというのが、最終的な財政を取り扱っておられる役所にとってはユートピアのような状況なんですけれども、それはなかなか来ない。であるから、せめて、まずは対GDP比、債務残高が一定のところまでは何とか持っていこうと。できれば将来は対GDP比、それが少しずつ縮小していくような方向に持っていきたいと。
ユートピアにはなかなか行けないので、その前の段階で、まあ満足できるとしたら何かといったら「対GDP比一定」というのが、多分、第一目標だと思っておりまして、第二目標は、対GDP比、債務残高が減少していくという状況。第三の目標は、対GDP比、債務残高が減少していきながら、なおかつ、その当該年度の歳入と歳出が一致すると、そういう状況。
最もいい状況というのは、借金もなくなっちゃったと。また、その年の歳出は、その年の歳入で賄われると。これは実はなかなか来ない。来ないんだけれども、その途中の目標というものは、みんな考えながら財政を運営しているわけだと思っております。

(以 上)