第29回会議(平成20年12月16日) 与謝野大臣 経済財政諮問会議後記者会見要旨

与謝野大臣

17時44分~18時12分 於:共用220会議室

(1) 「中期プログラム」について

1.発言要旨

 ただいま諮問会議が終了いたしました。今年第29回目でございます。
概要を御報告申し上げます。
本日は、「中期プログラム」(案)について審議を行い、諮問会議としてお手元に配付したとおりの案を取りまとめました。
総理からは、次のような御発言がございました。
経済状況の激変に対応し、矢継ぎ早に経済対策を打ち出してきた。金融対策や雇用対策に加え、経済緊急対応予備費なども新設した。これからも景気回復を最優先として、大胆、迅速に対応をする。
しかしながら、責任与党たるもの、お金を使うことばかりやっていてはならない。経済対策の具体化に呼応して、中期の財政責任や社会保障の安心強化の具体化にもより一層踏み込む必要がある。自分は既に記者会見において、「3年後、経済の状況を見て消費税をお願いしたい」旨の発言をしている。この「中期プログラム」(案)には、消費税を含む税制抜本改革の開始年次、法律を整備する年次を初め、実現のための具体的道筋と内容が盛り込まれており、適切な内容と思う。この原案に沿って、与党で御議論をいただき、予算編成時までに、政府としての決定をいたしたい。
財務大臣からは、次のような御発言がございました。
まず、第1は、消費税を含む税制抜本改革については、総理の御指示を踏まえ、当面は3年以内の景気回復を最優先としつつ、経済状況を見ながら、2011年から実施したいと考えている。
第2には、基礎年金国庫負担割合の2分の1への引き上げについては、安定財源を確保した上で、恒久化すべきと考えている。また、2009年度及び2010年度の2年間は臨時の財源を手当することにより、基礎年金国庫負担割合を2分の1とすると記載されている点に関しては、財政投融資特別会計から一般会計への特例的な繰り入れにより、臨時の財源を手当して、暫定的に2分の1とすることとしたい。
他の方々の御発言は、全てこの案に賛成であるということでございます。
総務大臣からは、道筋を明らかにし、2011年明記が責任を果たすことになる。
舛添大臣からは、3年後の抜本改革の明示は賛成である。基礎年金は、将来的には恒久化するとの前提で、暫定的に2年間やることでよい。
他の議員からは、具体的スケジュール明示が必要、それが国民の理解につながる。
二階大臣からは、将来への安心感を与えることが大事である。全体像をわかるように説明することは、麻生内閣の柱である。自分は、賛成である。
他の議員からは、国民の多くは中福祉を望んでいる。最終的には、国民は理解してくださると考えている。
他の議員からは、社会保障がきちっとしていれば、もっと消費にお金を使うという意見が多い。安定財源確保の時期がしっかり書かれている、これが大事である。
以上でございます。

2.質疑応答

(問)最初に確認なんですけれども、この案は、与謝野大臣のお名前で提出されたのかということと、あと先ほどこれを諮問会議で取りまとめられたとおっしゃったんですが、これは諮問会議として異論なく、このまま了承したという解釈でいいのかをまず。

(答)内閣府として、今までの議論を踏まえ、また与党の税制改革大綱の範囲内、また総理の消費税に関する御発言、税制改革に対する御発言等を踏まえて取りまとめたものを、今日説明いたしまして、全員から異議なく御賛同をいただきました。

(問)今後の運びなんですけれども、先ほど総理からは、予算の前に政府として決めたいという御発言があったかと思うんですが、これは政府と与党の会議による決定という手続をとらずに、政府が閣議決定するという形をとるということなんでしょうか。

(答)これは総理のもとでの諮問会議、これは財務大臣、総務大臣等々、官房長官も参加されての会議でございますが、ここで御了承いただきました。これに対しまして、総理からは、内容はこれでよろしいという御発言があって、先ほど御紹介いたしましたように、与党に御議論をいただき、予算編成時までに政府として決定をいたしたいと、こう述べられましたので、与党において、仄聞するところによれば、明日の夕刻からこれに関するPTが開催されるということでございますので、そこでこの原案に沿って御議論が始まると考えております。

(問)重ねてお伺いしますが、最終的に政府・与党で一堂に会して決定するという手続をとるのか、とらないのかという点はどうなんでしょうか。

(答)我々は極めて自然体でやっておりますので、まず総理のもとの諮問会議で案を作り、それを与党に御議論いただくと、そういう手続が明日始まると、そういうことでございます。

(問)もう1点だけ、今回、この原案には税制抜本改革を2011年度より実施するというように時期が明記してあって、これはかねがねお聞きしているように、与党内には反対もあるわけですけれども、この部分については、首相の意向を受けて案から外すことできないと、そのようにお考えでしょうか。

(答)与党の税制改革大綱を素直に読んでまいりますと、今日、諮問会議で作りました案と整合性は完全に維持されているというふうに考えておりまして、与党の税制改革大綱に書かれている趣旨に違反するものは何一つないというふうに考えております。

(問)幾つか御確認させていただきたいんですけれども、まず財務省原案ができる20日まで、現実には19日までに閣議決定をするということなんでしょうか。

(答)私の想像ですけれども、まだ官邸に確かめておりませんけれども、多分予算編成が全部終わって、総理が国民の皆様方に語りかける時期というのは、多分24日ぐらいではないかと自分では思っております。その時までに、是非、与党として御議論をしていただきたいと思っております。

(問)与党税調の大綱を踏まえたものであって、それに反することはないというふうにおっしゃいましたけれども、まさに2011年を入れるところが大きく反発があったところだと思うんですけれども、明日以降の与党との御議論の中で、この部分の反発というのは、先方は納得して受け入れられるとお考えになりますでしょうか。

(答)与党において、財政、税制、社会保障制度に詳しい方がお集まりくださって議論をされますので、冷静な議論が展開されると私は確信をしております。

(問)もう1点、技術的なことかもしれませんけれども、閣議決定は、この「中期プログラム」そのものとしてやるのか、それとも「中期展望」などと一緒にやるのか、その辺はどういうプロセスになるんでしょうか。

(答)「中期プログラム」を政府として作るということは、生活対策のベースになっている話でございまして、それ抜きで生活対策そのものが成り立つかということはあるわけでございます。やはり使う方と将来歳入を確保する方と、両方やるということが総理としては重い責任だということを考えられた上での御判断、御決断だと私は思っております。

(問)3点お伺いしたいと思うんですけれども、1点は、今回、税率について記述がないかと思うんですけれども、末尾につけられている工程表でも諮問会議で議論した社会保障国民会議の試算について、工程は入っていますけれども、定量的なものが全く入っていないということで、その点については、今後どういうふうに扱っていくのかという点がまず1点。
もう1点は、今度これを法定化する作業が始まると思うんですが、それをどういったスケジュールで、来年度税法の中に入れるのか、来年度の通常国会で出すのかどうか、どういうスケジュールでやるのかという点がもう1点。
更にもう1点は、朝もお伺いしたんですが、この「中期プログラム」をもって国民の皆さんに社会保障のために消費税率を上げることが3年後に必要になってくるんだということを理解いただけるのかどうか、大臣はどういうふうにお考えか、この3点をお伺いいたします。

(答)1点目は、税率は書いておらないというのは事実でございますけれども、日本の財政の状況、あるいは基礎的財政収支の達成、あるいは社会保障の累増する費用等々を考えれば、税率アップというのは、おのずと想像がつくわけでございます。
ただ、税率を論ずるまでにはやはり国民の理解が進まなければならないわけでして、その点は、あえて今回は論じていないということでございます。
次に、法定化というのは、税法、個別税目を全部あらかじめ決めておくということではなくて、道筋を法定化するという話でございます。したがいまして、それは独立した法律になるのか、あるいは税法の附則に書くのか等々はまだ議論が進んでおりません。いずれにしても、自民党税調の中にも、やはり行政府、立法府とも共に責任を分かち合うという決め方をしなければならないという意見があるということも事実でございます。
それから、消費税に対する理解というのは、これはどこの国でも大変苦労をするわけでございまして、政治としては、決して気持ちよくこの問題を語るということはできないわけですけれども、いつまでたっても現世代が使う費用を後の世代に先送りをするということは、多分許されない、やはり後の世代に対する責任を果たすということは大事なことなんで、これをきちんと理路整然と国民に御説明すれば、必ずや国民の御理解を考えられると、そういう確信と責任感を持ってやらなければならない仕事であると思っております。

(問)今の質問とかぶりますけれども、諮問会議で何回か社会保障についての試算の数字も出されておりまして、今回の「中期プログラム」にもその趣旨が書いてあるわけですけれども、こういった「中期プログラム」の内容を満たすために必要な税率アップの幅というのは、どのくらいが想定されているのでしょうか。

(答)それは社会保障国民会議のレポートの中に書いてあります。3.5とかそういう数字もありますし、いやプラス減税財源が必要だという説もありますし、また少子化対策にもお金が必要だという説もありますので、これはやはり少なくとも年金、医療、介護の財源だけは確保するという考え方が第一歩にあるんではないかと、私は考えております。

(問)先ほどの法定化の話で、この中にプログラムの話ではなくて、あらかじめ作っておく法律として「2010年にあらかじめ講じておく」と、こういった文言があるんですが、これは要は2010年の改正、つまり2011年度税制改正大綱というものを目がけて整備していくと、こういう理解でいいでしょうか。

(答)そうです。税法改正は2010年内にやって、2011年には実施したいと、こういうことが書いてあるというふうに御理解いただければと思います。

(問)つまり、議論を2010年にするということですね。

(答)法律を2010年には作らなければならないということを書いてあります。

(問)そうすると、2009年の末の議論ということになるんでしょうか。

(答)ですから、来年、この中に書いてありますように、政府税調、諮問会議、多分財政審も入ってくるんじゃないかと思います。そういうところで、政府の中できちんと連携をとって、議論を進めるようにということが、この6ページのところに書いてございますが、「経済好転後の税制抜本改革等の速やかな施行のために、その実施時期に先立ち─これは2011年の前にという意味です─改革の内容の具体化を進めるとともに、法案その他の制度的準備を整える。政府においては、経済財政諮問会議や政府税制調査会などで行われる議論も踏まえつつ、関係省庁が連携してそのための検討に着手する」というのが、6ページの(1)に書いてあります。

(問)先ほど税率を考える時に、基礎的財政収支と、こういった要素もあるという話でしたが、税制抜本改革をすることによって2011年度の基礎的財政収支黒字化という目標は達成されると、そこの旗は降ろしていないと、こういう理解でいいんでしょうか。

(答)相当破れも目立つ旗ですけれども、旗は立っているということです。

(問)いま一度確認させていただきたいんですが、総理や大臣がかねてから3年後の2011年度に消費税を含む抜本改革という話をされておりました。それで、何ゆえこの「3年後」というところなのかというのを御説明いただければと思うんですが、基礎年金の国庫負担金とかプライマリーバランスの11年度黒字化といういろいろな条件があるかと思うんですが、総理や大臣が何ゆえこの「3年後」というところをめどにされているのかというところを改めて御説明いただければと思います。

(答)日本の経済は「全治3年」ということですから、その総理の御意向に沿った考え方がベースになっております。

(問)多年度にわたる増減税を改めてお伺いしたいんですけれども、これは例えば1年目に消費税ということで、2年目に法人税減税をするとか、そういったスケジュールを2010年に決めるというようなイメージでよろしいんでしょうか。

(答)これは4ページのところに個別税制の方向について書いてあります。これを逐次行っていくわけですが、すべての税目の改正、改革が終了するのは2015年ということでございます。その間、経済に対する配慮が必要ですし、また仮に2011年にこれがうまく導入できたとしても、その導入の仕方というのは段階的に、仮に消費税を段階的にやるのかとか、あるいは軽減税率はどうするかということは、議論としてはまだ残っているわけでして、改革の期間というのは、2011年から15年というものを前提にして、この全税目を取り扱っていくと、そういうことでございます。

(問)2010年にそういったスケジュールを決めていくということでいいんでしょうか。

(答)理想的には2010年に税法を全部改正して、実施を逐次やっていくということでございます。

(問)2011年、遅れるかもしれませんけれども、最初の消費税の引き上げの幅というのも2010年に決めるということでしょうか。

(答)いや、税法全体を2010年にやって、その実施はどうやっていくのかというのは、税目ごとに若干違ってくるんだろうと思いますし、それからここに書いてありますように、実施するに当たっては、経済のことをよく考えるということが書いてあるわけですから、いろいろな条件がついていると私は考えております。

(問)経済状況の好転後に消費税を含む税制の抜本改革を実施するということなんですが、何をもって経済状況が好転したというふうに見るのでしょうか。

(答)日本の潜在成長力が顕現した時期からでございます。

(問)これは今日の諮問会議の中でも議員の間でコンセンサスをとれたことというふうに理解してよろしいですか。

(答)この場でも資料をお配りしたんですが、経済はやはり循環的に上がったり下がったりするわけでございまして、上がった一番天辺でありますと、あと経済は下り坂になるという、そういうことがありますから、やはり経済のカーブがプラスの勾配を持った時から実施するという基本的な考え方があります。

(問)もう1点、その条件については、今後開かれる与党のPTの方でも、そういう条件であるということを明示した上で与党は議論を進めると、そういうことでよろしいですか。

(答)経済というのは、そう予測できるようなものでもありませんし、いつから上向きになるかというのは、なかなか何年も前から予測することはできないと。そういう中で、経済の循環がピークを迎えたというところから税の負担が大きくなると、これは経済にとって非常に大きなマイナスなんで、やはり上向き始めた時に実施するということが望ましいというのが諮問会議での議論でございます。

(問)2011年からというのと法制化という部分については、与党税調で最も意見が分かれて、公明党が認められなかった部分だと思うんですけれども、また与党の中で1から議論が元に戻るということになると思いますが、そのあたり議論の行方はどういうふうに御覧になっていますでしょうか。

(答)私は議論の現場におりませんでしたから、どんな議論がなされたかということは詳しくは知りませんが、与党の中の議論の結果は、税制改革大綱が全てでございまして、その範囲内で我々は物を考えたと、そういうことでございます。

(以 上)