第26回会議(平成20年11月28日) 与謝野大臣 経済財政諮問会議後記者会見要旨

与謝野大臣

20時11分~20時32分 於:共用220会議室

(1) 中期プログラム集中審議(第2回-税制抜本改革)

(2) 底力発揮に向けた戦略について

(3) 平成21年度予算編成の基本方針(案)について

(4) 政策評価の重要対象分野について

1.発言要旨

 ただいま、諮問会議、第26回目を終了いたしました。
概要を申し上げたいと思います。
まず、予定時間を30分ほどオーバーしましたのは、大変資料がたくさんありまして、予想した時間よりも、はるかに時間を費やしたということでございます。
第1の議題は、「中期プログラム」の第2回目の審議を行い、税制抜本改革について議論をし、次のように取りまとめをいたしました。
税制抜本改革については、基本理念、改革の実効性確保のための3つの原則について、大筋の合意が得られました。
第2の議題として、「底力発揮戦略」―これは仮称でございますけれども、これについて議論いたしましたが、これについては総理から、最後に次のような御発言がございました。
底力発揮戦略によって、世界のパラダイム・シフトを先取りした成長モデルづくりを行う。このため、重点的な先進事例づくりで、底力の開放をする。新たな産業・市場の創造で、底力の展開をする。また、アジアとともに成長を実現することで、底力の活用をする。そのために必要な支援措置は、しっかり講じてまいりたい。先進事例づくりについては、諮問会議で省庁横断的に検討してほしい。新たな産業・市場づくり、アジアとともに成長を実現するための戦略については、諮問会議と協力しながら、二階経済産業大臣に、役所の所管にとらわれることなく大胆な検討を進めてほしい。来年の「基本方針2009」に具体策を盛り込みたいので、精力的に取り組んでいただきたい。こういうお話がございました。
第3の議題は、平成21年度予算編成の基本方針の案について議論が行われ、原案で了解がなされました。来週初めから、与党における御審議を行っていただき、来週中には閣議決定をいたしたいと考えております。
第4の議題では、鳩山議員から、今年度の政策評価の重要対象分野についての提案があり、諮問会議としては、これを了承いたしました。
最後に、「中期プログラム」について、補足説明をいたしたいと思います。
12月3日まで3回の集中審議をやるということを、皆様方に申し上げてまいりましたけれども、宿題になっております事項もございまして、次々回、12月9日にも、「中期プログラム」について、さらに検討を深めることとなる予定でございます。
税制抜本改革の全体像については、今後、与党税調で検討が行われます。必要に応じて意見交換を行いながら、政府・与党の合意案をつくってまいりたいと考えております。
以上でございます

2.質疑応答

(問)「中期プログラム」で、税制抜本改革の3原則について、大筋で合意が得られたというふうにおっしゃったと思うのですが、この原則2の「多年度の減税・増税を一体的に法定し」、この部分についても合意が得られたのですか。

(答)法定するということが合意は得られたかと、その部分でございますか。これは、概ね合意を得られたと思います。

(問)この場合の法定するということについて、出席者で合意が得られたものというのは、どういうイメージの法定なのでしょうか。

(答)それは、まだ具体的な―法定というのは、法に定めるという意味でございます。当然ながら、法定するということは、与党・政府の合意が、まずなされなければいけませんし、政府自体としては閣議決定しなければならない。その上で法定というのは、どういう意味を持つのかと。法に定める場合、具体的な税制改正法案を出すのかと。これは、まだなのだろうと思います。
しかし、与党の税調の幹部の方と意見を交換いたしますと、法定というのは、2通り、3通りぐらいの方法があるのではないかと。1つは、プログラム法的なものをつくるというやり方。それから、年度改正の税法の改正があるので、そういうものの附則に書くのはどうかとか、まだ意見は集約されておりませんけれども、法定するという方向で、現在の時点では、多分、党の税調のほうも、少しずつ議論が始まっているのではないかと想像しております。

(問)原則の2番目の、今の法定のところについて、今日、総理から何か発言はあったのでしょうか。

(答)この問題について、私は取りまとめをいたしましたが、この法定というところを含めまして、総理からは何の御発言もございませんでしたので、当然のことながら、御了承いただいたものと理解しております。

(問)消費税の引き上げと法人税の減税というのを併せて掲げるというのは、これまで政治的リスクがかなり大きなものとされてきたと思うのですけれども、与党のほうと合意できる自信と、最終的に国民の理解を得られる自信、また、どのように説明していくかということについて、お考えをお聞かせください。

(答)各報道機関が行ってくださいます世論調査でも、少しずつ国民は、消費税の必要性について理解を深めておられるのではないかと思います。仮に、税制の抜本改革を行う場合は、やはり所得課税、消費課税、資産課税、こういうもの全体のことをきちんと国民の前に提示するということが大事なことであると思っております。
税制抜本改革の中での個別税制の改革の方向については、昨年の政府税調が言っておられますことと、大きな相違があるような考え方は、多分なかなか出てこないのではないかと、私は今、思っております。
消費税の説明の仕方でございますけれども、やはり国民の関心は、自分たちの年金、医療、すなわち社会保障制度がどうなっていくかということに最大の関心があるわけでございますから、仮に消費税を上げることをお願いする場合には、やはり国民の最大の関心事である社会保障にすべて充当する、すべて国民に還元する、そういうことが前提でなければなりませんし、今までの社会保障財源としての消費税の不足前、あるいはこれからの自然に増えていく分、また機能強化等、確立された機能強化の分野、こういうものに充当するということを、やはり国民によく御説明しなければならないと。
それと、消費税というのは、逆進性があるということが言われてまいりましたけれども、消費税単独でとれば、逆進性ということを言う論拠はあると思いますけれども、それでは所得階層別に給付とプラス・マイナスするとどうかというと、やはり皆様方にも資料をおくばりしてあると思いますけれども、実は所得再分配に非常に大きな貢献をするということがわかります。これを累進性と呼んでよいかどうか、若干、自信がないのですけれども、所得再分配に非常に大きな効果があるということで、必ずしも逆進性という議論は、すべての場合に正しいかどうかということは、皆様方にもぜひお考えいただきたいと思っております。
説明の仕方というのは大変大事ですし、国民の御理解を得るという努力を、やはり税制改正ではやらなければならないと思っております。

(問)大臣、今、言及されました、消費税の増税部分を社会保障給付に全額充当して国民に還元するという、今日の民間議員の提案ですけれども、一つの見識だと思いますけれども、これが具体的に「中期プログラム」にどう反映してくるのか、その辺は、今後の与党との御議論なども経てということだと思うのですが、今日の大筋の合意というところのレベル感というのは、もう本当に明記できそうな感じで合意したのか、それとも、まだもう一つ、与党との議論を深めなければいけないという、そういう前提つきということなのでしょうか。

(答)今、具体的に税制改正をいつやるかとか、どのぐらいのパーセンテージを行うかというところまで、議論は進んでおりませんけれども、政府の中でも与党の中でも、1つ、コンセンサスができているとすれば、消費税を次に上げるときには、社会保障目的税化、あるいは目的税、とまではいかないで目的税化と、それにすべて充当する、その点については、党のほうも政府の中でも、コンセンサスができ上がっている、そういうレベル感でございます。

(問)そうしますと、「中期プログラム」にも、かなりの自信を持って反映できそうだというような展望でいらっしゃいますか。

(答)それは、次回のお楽しみで。

(問)この件に関して、総理からは、何か御発言なり反応なりはございましたでしょうか。

(答)ございません。ございませんけれども、総理からは、「消費税をお願いすることになる」ということは、いろいろな機会に御発言がありますので、そのことを実現するための前提条件としては、やはり経済が一定水準のパフォーマンスを発揮しなければいけないと思っております。
それで、報道機関を前にして、最後に総理が発言したものがございますので、それについて御紹介いたします。総理は、諮問会議最後の場面で報道機関を前に、次のように御発言をされております。
「中期プログラム」については、消費税には逆進性があると言われているが、社会保障目的に向ければ所得再配分が強化されるということを、国民にもっと伝えていく必要がある。まさに、国民還元の原則の重要性を示すものだと思う。本日提起された3原則や基本理念を踏まえて、抜本的な税制改革の姿を取りまとめていってほしい。
これは、最後にオープンで御発言になった、御発言でございます。

(問)原則2のお話に戻って恐縮なのですけれども、今、与党の税調との間でも、プログラム法で出すのか、附則として出すのかということで、意見はまだ整理されていないということですけれども、諮問会議として、あるいは民間議員、与謝野大臣として、「多年度の減税・増税を一体的に法定し、実施時期を明示しつつ、段階的に実行する」というのは、プログラム法とまではいかないまでも、ある程度の「いつまでは減税、いつからは増税」ということを早期に示す必要があるのかという、このお考えを聞きたいのが1つと、法定するのであれば、来年度の通常国会で、何らかの法律、あるいは税制改正の附則であるにせよ、やる必要があるというお考えがあるのかということがお伺いしたいのです。
あと、「予算編成の基本方針」の関連で、総理から何か御発言とかがあったのかどうかということと、プライマリーバランスを「努力する」ということにしたことについて、民間議員からの御発言はなかったでしょうか。

(答)まず、法定するという方向で作業は進んでおりますけれども、国会審議との関係とか、いろいろなことは政治的に考えていかなければなりませんので、一応、諮問会議としては、法定する方向で議論を進めてまいりますけれども、実際にそれを具体的な姿に実現するためには、まだ多くの困難を乗り越えていかなければならないということは、ぜひ御理解をしていただきたいと思っております。
「予算編成の基本方針」については、総理から御発言はございませんでした。

(問)消費税の社会目的税化についてなのですが、今日は鳩山総務大臣も出席されていたということで、ちょっと確認したいのですが、現行でも地方の消費税分というのが、一定程度あるのですけれども、今後、この消費税を社会保障分に充当していくということになりますと、この地方の分というのは、今後、どういうふうになっていくのかということについては、現時点ではどういったところまで話がいっているのでしょうか。

(答)総務大臣が地方財政を心配されるというのは、役目柄、当然のことでございますが、実現してから分ける話をしたほうがよいのではないかと思っておりまして、総務大臣には消費税が実現することについて、大いなる貢献をしていただきたいと思っておりますし、大いなる貢献をすれば、それなりの御褒美はいくはずだと思っております。

(問)先ほど来、逆進性について、今日、一つのテーマだったと思うのですけれども、軽減税率については、これまで逆進性を緩和するという方向で言われていたと思うのですが、軽減税率は、これは逆進性が解決されたということで、もう必要ないということになるのでしょうか。それとも、また別途、検討していくということでしょうか。

(答)残念ながら、今日はそこまで深く議論はいたしませんでした。多分、これは段階的にという話なので、その問題との関連もありますし、軽減税率をつくると、かえってコストアップになるという要素もあって、これは慎重に総合的に、判断しなければならないと思っております。
ただ、消費税が2桁になったときには、当然のことながら、生活されている方の必需品について配慮がなされるべきということは、議論としては多いにあると思っております。

(以 上)