第25回会議(平成20年11月20日) 与謝野大臣 経済財政諮問会議後記者会見要旨

与謝野大臣

19時15分~19時41分 於:共用220会議室

(1) 社会保障・税財政一体改革について

(2) 平成21年度予算編成の基本方針(事項案)について

1.発言要旨

 本日の経済財政諮問会議を今、終了したところでございます。
概要を申し上げます。
冒頭に、麻生総理から、先般のG20金融世界経済サミットの成果等について、また平成21年度機構定員査定及び予算編成に関する総理指示について、御説明がありました。
本題に入りまして、第1の議題として、「中期プログラム」の位置づけと社会保障について議論をいたしました。
次のように取りまとめをいたしました。
第1に、「中期プログラム」の位置づけと基本的考え方については、民間議員ペーパーで大筋の合意がなされました。
第2に、社会保障については、安定財源確保の対象として、優先すべき項目を特定するための考え方や、それぞれの項目についての必要費用の目安、第2に安心強化を図っていく上で、大枠となる3つの原則などについての意見交換が行われまして、この3つの原則に従って、今後、税制の抜本改革や歳出規律のあり方の議論ともあわせて、検討を深めていくことで合意がなされました。
出されました意見を若干御紹介いたします。
第1番目は、現世代の安心強化と将来への負担先送り対応のバランスが大事であると。機能強化も必要だが効率化も必要だ。効率化、高齢化、機能強化の中身を明確に示していく必要がある。
第2の意見は、3原則は大賛成である。これをベースに前進すべきである。ただ、中福祉の国民的な理解はまだ不十分である。これが理解されるように、具体的に説明を進めるべきだと。また、海外とも比較を示して、中福祉の妥当性を示すべきだ。また、「骨太2006」に沿って財政規律を維持することが大前提である。
次の意見は、財政再建は、歳出削減、負担増、成長の3拍子が必要であって、かなりの長期戦である。国民理解を得るには、中福祉のほころびを縫い合わせるのが理解されやすい。
次の意見は、鳩山大臣からですが、地方独自でやっている事業の経費も社会保障経費に入れて考えるべきだと。
それから、舛添大臣から、レセプトの電子化ジェネリックなど、効率化の効果の定量化は難しいと、そういうお話がございましたが、私からは、やっぱり効率化は大事な目標である。それから、鳩山大臣に対しては、私から、地方も税制改正にぜひ御協力をしていただきたい。国民が税制改正に理解を深めるために、ぜひ総務大臣御自身の使命として、貢献していただきたいということを申し上げました。
次に、「予算編成の基本方針」でございますが、お手元に事項案をお配りしてございます。次回、基本方針の原案を提示する予定でございます。
これに対しましては、事項案、お手元にあると思いますが、第1の意見は、内需拡大のためには攻めの対応が大事である。特に、環境エネルギー分野が重要である。省エネ商品の普及を促すためのインセンティブが必要である。低炭素自動車、住宅、家電などへのインセンティブを考える必要がある。
別の意見は、各国とも自動安定化効果と裁量政策の組み合わせである。いずれにしても、財政のクレディビリティがある中で、裁量政策をやるということは大事であって、10年を展望して、成長と財政の両立を整理することが必要であると、こういうことでございます。
最後に、「中期プログラム」の議論の今後の進め方について御説明申し上げます。
次回は、税制抜本改革について議論をする予定でございます。それに先立ちまして、非公式でございますけれども、党税調幹部と民間議員が意見交換をする機会を得たいと思っておりますし、私自身も党の税調幹部と意見交換をさせていただければと思っております。
「中期プログラム」につきましては、第1に社会保障における安心強化、第2に税制の抜本改革、第3に歳出規律の議論、この3つを統合いたしまして、具体的な道筋を示していくことが重要であると思っております。
12月第1週の諮問会議においては、こうした点を重視して検討を深めてまいりたいと考えております。
以上でございます。御質問があればどうぞ。

2.質疑応答

(問)社会保障の安定財源の充当についての考え方の部分でお伺いしたいんですが、まず民間議員ペーパーでは、安定財源確保が必要な項目として、これだけの項目が挙げられていて、全部やるとすると、消費税で8.2~8.5%相当でしたっけ、かなり大きなものになるということがあって、あまり現実的ではないような気もするんですが、一方で、今日、それに関連して、内閣府のペーパーで、全部やるんじゃなくて、現世代の安心強化を優先するアプローチと現行制度の安定化を優先するアプローチ、この2つが紹介されているわけですけれども、今日の議論の中でこれのどっちかがいいんじゃないかとか、あるいは先ほど御紹介ありましたが、どっちかだけじゃなくて、そのバランスが重要なんじゃないかという意見もあったようですけど、どっちをとるかについての意見があったらお聞かせください。

(答)税制改革を仮に国民に御理解いただけたとしても、そう大幅なものはお願いできないと思っておりまして、常識的なことを考えますと、ある一定の幅が政治的には想定されるわけでございます。社会保障国民会議の方の議論というのは、機能強化、効率化プラス増分、こういうものを合わせて消費税換算で3~3.5%としている。そういう考え方と、機能強化といっても内容が不確定なんだから、仮に税制改正が実現をしたとしたら、根っこの方の足りない、不足している財源に充てるべきだと。機能強化については、その時々の予算編成において考えていけばいいと、こういう2つの考え方が今出てきておりますが、私は問題の本質を明らかにする上で、こういう本質的な議論が出てきたというのは、非常にいいことで、結論は出ておりませんけれども、こういう議論をさらに諮問会議で深めていただきますと、国民の社会保障に対する考え方、財政に対する考え方というものがより一層深まってくるのではないかと思っております。

(問)先ほど御紹介いただいたバランスが大事だというある議員の意見の他に、何かこれについて賛否はあったらぜひ紹介していただきたいんですけれども。

(答)ありません。吉川先生は、社会保障国民会議の責任者をやっておられましたので、当然のことながら、社会保障国民会議で議論されたことを大切にして御発言になっていたと思いますし、またバランスというのは、岩田議員のお話ですけれども、やはり機能強化、効率化というものを一枠で議論するんではなくて、効率化はこのぐらいと、機能強化はこのぐらいと、おおよそのめどでもやっぱり示すことがこれに対する考え方が深まっていくきっかけになるんではないかと。これがバランス論でございます。

(問)最後にもう1点だけ。この中期プログラムの出口なんですけれども、とりあえず諮問会議で3回集中審議をやって、それを踏まえて党税調が税制改革大綱を決めたりというのもあると思うんですけれども、最終的に税だけじゃなくて、要するに社会保障の姿とか、あるいは社会保障以外の歳出の部分も含めた全体のプログラムの出口というのは、これは諮問会議になるんですか、それともどこか他のところになるんですか。

(答)色々な意見がございます。諮問会議で決める一つの方法、第2は政府・与党で合意をしておこう、第3は閣議決定をしておこう、第4はできればプログラム法案を作って国会に提出したらどうかと、さまざまな意見がありますけれども、まだどういう方向でいくかは決めておりませんけれども、できるだけ将来世代に対して責任ある対応をとらなければならないと思っております。

(問)今の出口の議論とも関係するのですが、今日を含めて3回、集中的にやるということですけれども、次回の前に税調の方々と内々の打ち合わせをされるわけですよね。そして3回を終えた後、その成果というのはどういうふうにまとめて、また更にどういうふうに党税調とすり合わせていくのかスケジュールというか、やり方についてお伺いしたいんですが。

(答)税率は同じでも、どの部分に充当してやっていくのかという考え方の違いはあって、党の方も色々な考え方があるので、やっぱり出発点については、ある程度一致点を見出して、税制改正を議論しないといけないと思っていまして、今週中には、といっても明日しか残ってないんですが、そういう機会を持ちたいと思っております。

(問)「中期プログラム」の考え方について、総理の方から御意見はあったでしょうか。あと「中期プログラム」それ自体についても2015年ぐらいまでの姿を示すのか、それとも2025年までなのか、その辺のプログラム自体の対象とする時期的なターゲットというのはあるんでしょうか。

(答)当面、2015年を目標に色々な作業をやりますけれども、先ほど申し上げましたように、来年の1月にはやはり10年ぐらいの経済展望、あるいは将来の日本の財政の展望というものを取りまとめることにしたいと今考えております。

(問)総理から何かこの策定作業について期待なり、注文なりありましたか。

(答)今日の諮問会議で、総理は直接「中期プログラム」には触れられませんでしたけれども、昨日御説明に上がった段階で、この取り運びについて、また色々な原則については、総理の大筋の御了承はいただいたものと思って作業を進めております。

(問)「中期プログラム」の具体的な姿で確認なんですけれども、「中期プログラム」を作られるときには、例えば社会保障で言えばこういう項目をこれからやっていきます、その必要財源としてトータルでこのぐらいですということがセットで出てくるという理解でよろしいんでしょうか。

(答)社会保障国民会議の報告書を見ていただくと、その中で特に機能強化というのはこういう考え方ですという資料がございますし、今日、多分お配りしている中で機能強化というのはどういう項目かということはわかっていただけると思います。
効率化については、色々な考え方があるんですが、これについても国民会議の資料に書いてございますので、ぜひ参考にしていただきたいと思います。大きな項目は、機能の強化と効率化と、これは具体的に中身はわかりますし、今日の会議でおおよそ効率化でこのぐらい、機能強化でこのぐらいという金額、数量がわかるようなこともやろうということになりましたので、イメージは次回以降持っていただけると思います。

(問)そうしますと、例えば機能強化の面だけで言っても、国民会議の報告を見ても、例えば年金の財政方式を基礎年金のところを税方式にするのか、社会保障方式でいくのかで、この国民会議の報告も、例えば2015年時点の必要財源が大幅に違ってきますよね。そういうことについても、一定の方向性を出すのか、それともこういうケースであれば、これぐらい必要だし、こういうケースであればこうであるというふうなことになるのか。さらに、この部分について言いますと、今日、舛添大臣の方からも報告が出ているようですけれども、既に機能強化の具体的な方策としてどんなことができるのかというので、年金の審議会なんかで更に国民会議よりも細かい色々なメニューなんかも出てきているんですけれども、そういうものも「中期プログラム」には反映されてくるんでしょうか。その辺、もう少し御説明いただけますか。

(答)年金については、現在の保険方式を前提にして考えていくということが前提でございます。細かいことは徐々におわかりいただけると思いますし、また社会保障国民会議の最終報告というのは、とてもよくできておりますので、御一読をいただければと思っております。

(問)ちょっと細かい話で恐縮ですけれども、保険方式であっても、例えば厚労省の審議会なんかでは、保険方式と税方式のミックスみたいな形の、例えば保険料、低所得者の方は軽減してあげるかわりに、税でそこは補てんしてあげて、満額もらえるようになんていうことになると、これはおそらく国民会議で出している税方式のバージョンと保険方式のバージョンの間ぐらいのところの、また違う数字が出てくると思うんですけれども、そういうものについては、現時点ではまだそこまでの検討にはいかないということですか。

(答)議論が混乱するようなことには耳を傾けないことにしておりますので、厚労省が何を言っているかは別にして、我々は現実的なベースに立った議論をすることが責任ある態度であると思っております。

(問)今後の検討課題の一つとして、大臣がいつも総裁選のときからおっしゃっておりました消費税の福祉目的税化とか、そういうこともこの諮問会議の中で、次回、次々回あたりで議論されるのか、その辺をお願いします。

(答)これは目的税と目的税化と違っておりまして、揮発油税というのは、法律に目的税、道路に使う特定財源として規定されております。一方、重量税は、目的税ではなくて、福田赳夫大蔵大臣の答弁によって目的税化されていて、道路の特定財源になっているということですから、今後、税制改正をしていくときに、目的税にするのか、目的税的に物を考えるのかということは、実はほとんど差のないことであるというふうに私は考えております。

(問)若干細かい話で恐縮なんですけれども、現世代の安心強化のための増分ということでは、機能強化と高齢化対応がセットで社会保障国民会議、7.6兆から8.3兆というのを示しているんですけれども、議論によっては、高齢化対応の分というのは、不可避的なものであるということが言えると思うんですが、逆に機能強化というのはまた議論が分かれるところだと思うんですが、これをセットで議論するのか、この数字ありきで今後やっていくのか、それともさらにここを割って議論するのかというのは、一つ論点としてあると思うんですけれども、いかがなんでしょうか。

(答)これは、私は厚生行政の専門家でないんで、適切なお答えができるかどうかわからないんですけれども、機能強化ということの中身をもうちょっとはっきりさせなきゃいけないという方もおられる。機能強化って一くくりに議論するよりは、もっと具体的なものが出てきたときに議論して、その財源を考えた方がいいというのと、機能強化ももともと必要なんだと、これは論ずるまでもないという方と、それからまた社会保障国民会議では、一応機能強化のメニューは出されているわけでして、その議論はこれからも続くと思いますので、そういう専門家の方々の議論を聞いていただきたいと思っております。

(問)そこをある程度やっぱり何か明確にしないと、じゃあ何%必要なのか、どれだけ必要なのかというところの数字にもかかわってくるような気もするんですが。

(答)それは一つの結論に向かって収れんしていくと思っておりますが、まだ今の段階で予断を持って私がこう思いますとか、結論はこうなるでしょうとかという段階ではないと思っております。

(以 上)