第23回会議(平成20年10月17日) 与謝野大臣 経済財政諮問会議後記者会見要旨

与謝野大臣

19時16分~19時35分 於:中央合同庁舎第4号館4階408号室

(1) 金融・経済情勢への対応について

(2) 社会保障・税財政一体改革の道筋について

1.発言要旨

 ただいま麻生内閣での第1回目経済財政諮問会議が終了いたしました。
お手元に配布してある資料のとおり、初めの議題は、現下の金融経済情勢への対応ということでございまして、昨日の総理の御指示について御説明を私から申し上げ、民間議員、閣僚から、それぞれ意見の表明がございました。これに対しまして、総理からは次のような御発言がございました。
自分の指示の中の「中期プログラム」であるけれども、社会保障等を考えると、国民も将来の負担増については、だんだん理解が進んでいると思うと。ゆくゆくは、そういう日が来るということを考えておられると思っていると。そのための道筋を考えていかなければならないと。責任政党として、きちんとやるべきことだと。責任政党というより、責任ある政治として、きちんとやるべきことだと。中福祉・中負担が国民のコンセンサスであると考えていると、こういう御発言がございました。
第二の議題は、社会保障・税財政一体改革の道筋でございますが、お手元に配布してある資料に沿って、吉川議員から御説明がございました。
私から、今後、中福祉・中負担の持続可能な社会保障制度への道筋や安定財源のあり方など、具体的な議論を進めるということで取りまとめを行いました。
総理からは、自分が自民党の政調会長をやっているとき、党でアンケート調査をやったことがあると。やはりそのとき、8年前であるけれども、安心な社会保障制度の構築のためには、やはり負担を増やすべきであるという答えが多かったので、実は驚いたと。
社会保障については、制度、財源ともに長期的にきちんとしたものをつくると。したがって、諮問会議では建設的な議論をぜひお願いしたいと、こういうことでございます。
以上が会議の概要でございます。

2.質疑応答

(問)今日、かなり長時間にわたって議論をしていたようなので、もう少しこの議論の中身を知りたいんですが、まず「金融危機への対処」のところで、民間議員のペーパーにも「単なる短期的な総需要対策ではなく」という部分が入っていて、これは麻生首相の方針でもあると思うんですけれども、一方で、与党では、短期的な総需要対策ともとれるようなものが、結構、案として出ているようなんですけれども、これについて民間議員なり出席者から何らかの意見の交換はありましたか。

(答)党側の意見というのは、正式なまとまった形では出てきておりません。しかし、概して、総需要対策というものには否定的な御意見が出てきましたし、私が伺っている限り、党のほうで考えておられる政策の中で、公共事業は当然ありますけれども、それは必要な政策を行うために必要な公共事業であって、いわゆる「総需要政策」としての公共事業というものは、一切含まれていないというふうに現段階では理解をしております。

(問)党側の話は理解しましたが、要するに、今日の会議の中で出席者からこの部分について、何らかの意見の交換はありましたか。

(答)この部分については、岩田議員の紙の段階で議論はとどまっております。

(問)それで、基本的に、このペーパー2枚とも、基本的にはこういった方針で政府としていきましょうということで、そのコンセンサスは得られたんでしょうか。

(答)得られました。

(問)もう1点、こちらの社会保障・税財政一体改革のほうで、ここにも中長期の一体改革プログラムとして年内に示す必要があるということで、今後議論していくということですけれども、昨日の総理指示にあった、今回の新経済対策に絡んでの指示の中の中期プログラムを早急に策定するというところとの、時間軸の違いというのがあるのかないのかというのをちょっと知りたいんですけれども。
要するに、昨日の総理支持に言う「早急に」というのも、これは今日の会議で出たように、ある程度時間をかけて、年内ぐらいで考えていきましょうという時間軸なんでしょうか。

(答)そういう側面ももちろんありますけれども、実は、社会保障国民会議の医療の部分は、恐らく23日前後に数字は皆様方に明らかにされると思います。その中では、特に「骨太2006」で重要な一つのポイントである「2015年の姿」というものが明らかにされます。そういうものが明らかにされますと、それに対してどう対応していくかという議論が始まり、細かいところまではともかくとして、方向性を持ったものの考え方をお示しするという、一つの重要な出発点になるというふうに思っております。
したがいまして、物事が一挙に最終章まで行くのではなくて、ページを1ページずつめくるように物事が進んでいくというふうに思っていただきたいと思っています。

(問)もう1点、この新経済対策の取りまとめまでに、諮問会議はまだ開かれるんでしょうか。

(答)多分、開かれると思いますけれども、まだ正式には決めておりません。

(問)社会保障と税財政のほうなんですけれども、恐らく国民会議のほうでは、将来的な絵、必要な負担というか必要な給付の絵というのは、恐らく中長期的に示されると思うんですが、財源の話になったときに、党税調がその重要な役割を果たすと思うんですね、個別の話をするときに。
かつての諮問会議では、個別の税の話をすることに対して、党税調からかなりアレルギー的な反応がありましたけれども、今回はその結論を出す、あるべき姿というのを出すにあたって、個別の税の税目まで踏み込んでやっていくお考えがあるのかという点をお聞かせ下さい。
あと、大臣はかねてからの御持論として、財改研でも、消費税の福祉目的税化という形で税率アップという話をされているかと思うんですが、そういったことが今回の議論にどう反映されてくるのか、その御意見を聞きたいと思いますが。

(答)私の知る限りの今の党税調、この場合は自民党税調の幹部の方々ですけれども、私よりはるかに強い、財政健全化論者ばかりでございまして、その点については何の心配もしておりません。
また、どういう安定財源を求めるかということは、やはり国民の理解を得ながらやらなければならないことで、あの財改研の報告も、仮にこういうことをしたらこういうことだという前提条件つきの話でございます。
税というのは国民に負担を求める話ですから、やはり国民の理解が深まる、その上で物事を進めるという手順は大事だと思います。ただ、税調で異論が出るかと言えば、異論は出ないと確信をしております。

(問)民間議員ペーパーの「世界的金融危機への対処について」の2ページ目の上に書いてあります、デリバティブに関する「清算機関の設置」という項目に関してなんですけれども、ここに関しまして、今日、民間議員から何か意見があったかということについてお聞かせ下さい。
あと、今後これを進めていくのかどうか、進めていくとしたらどういう段取りで進めていくのかというところをちょっとお聞きしたいんですけれども。

(答)これは、そのペーパーにも「58兆ドル」と多分書いてあったと思うんですが、6,000兆円になんなんとするCDSの証券化されたものの残高があります。
このCDSのもともとの貸し借りは、多分それの10分の1ぐらいの規模でありますが、これを一つ一つほぐしていくということは、このCDSの取引が、市場取引というよりもオーバー・ザ・カウンターが非常に多いという特徴もあって、これをほぐしていくのは何らかの、やっぱり仕組み、工夫が必要だと、そういう意味で書かれている。
また、具体的にどうすればいいかというのは、問題が非常に奥深いので、そう簡単に、こういうCDS解消の決済の仕組みというのは、考案するところまではいかないんですけれども、しかしながら、取引を一つずつ解消していくという意味では、何らかのそういう取引の場というものが必要だという認識を民間議員ペーパーは示されたと、私の理解度ではそこまでしかわからない。

(問)今日から財界人や学者の民間議員4人、一新されたと思うんですけれども、全員御出席されて、それで何らかの発言をされたのかが一つと。
あと、与謝野大臣が今回、麻生内閣のもとでの諮問会議というのは「日本経済の戦略企画本部である」というふうに先般の会見でもおっしゃいましたけれども、そういう方向性について参加者の中からどんな意見があったのか、かいつまんで。

(答)その点、第2点、どういう諮問会議のあり方かというのは、昨日、総理と御相談させていただいた上で私が発言をしておりますので、総理は了解されております。
また、今日、諮問会議が始まる前に4人の民間議員の方にお目にかかって、こういう方向でやらせていただきたいと思いますということで、皆さんの御了解をいただいております。
民間議員から、それぞれ活発な御発言がございました。

(問)社会保障のほうで2点ほどちょっと確認させていただきます。
今日、吉川先生のほうから出されましたこちらのペーパーで、この書かれていること、コンセンサスは得られたという話が大臣からございました。この中にあります「年内に示す必要がある」という、この「中長期の一体改革プログラム」と、昨日、大臣のほうから説明のありました、この「生活対策の中期プログラム」という、その関係についてなんですが、いわば、こちらの生活対策のほうの中期プログラムというのが、年内に示すという諮問会議のほうの、この一体改革プログラムの、いわばエッセンスみたいな感じで出てくるというイメージなのか。いま一度、両者の関係について確認させていただけないでしょうか。
この生活対策の中のどうしてもプライマリーバランスの話と不可欠だと思うんですが、この生活対策の中で、中期プログラムを踏まえた上でのプライマリーバランスについての言及があるのかというところについて、いま一度確認させてください。

(答)もちろん、吉川先生の書かれたもの、御説明されたものと、昨日の中期プログラムというのは、あらゆる点において整合的でなければならないと思っております。どういう順番で物を書いていくかということは別にいたしまして、同じものではないけれども、整合的であるというふうに私は考えております。

(問)プライマリーバランスについては。

(答)これは昨日御説明したとおり、あるいは今朝ですかね、御質問があってお答えしたとおり、これは私の前任者の大田大臣のときから、3兆9,000億か何か、穴があきそうだと心配されていた。それから、さらに法人税の減収というのが目に見えてきまして、多分そういう法人税の減収というのは続いていくでしょうから、年末にそういうものをきちんと見て、冷静に、客観的に物事を判断すると。
しかしながら、昨日御説明したとおり、プライマリーバランスの目標は守るようにできるだけの努力をするという財政的な規律、規範というものは、最後の瞬間まで守っていくべきものだと思っております。

(以 上)