第22回会議(平成20年9月17日) 与謝野大臣 経済財政諮問会議後記者会見要旨

与謝野大臣

19時17分~19時40分 於:共用220会議室

(1) 最近の金融・経済情勢について

1.発言要旨

 本日、今年22回目の経済財政諮問会議が開催されました。また、福田総理にとっては、最後の諮問会議となったわけでございます。
本日は、国際金融・資本市場の状況につきまして、茂木金融担当大臣、白川日銀総裁から御報告がございまして、後ほど御紹介しますが、いろいろな議論を経まして、次のように取りまとめたところでございます。
第1には、このような事態に対して、我が国は国際的協調を惜しまないこと。
第2には、現時点において、我が国の各金融機関の経営に重大な影響を与えるような事態は確認されておらず、また、関係機関において必要な措置がとられていること。第3に、我が国の金融システムは、基本的に健全ではあるが、景気が弱含む中、国際金融・資本市場の混乱によって景気がさらに下振れするリスクが存在するので、政府を挙げて、この点を注視すること。
第4に、国際金融・資本市場の混乱に対して、金融機関が過剰防衛をして貸し渋りなどを行わぬよう、現場情報の迅速な把握、規制当局によるきめ細かな監視を行うとともに、政府系金融機関による積極的な対応を図る。
これに対しまして、プレスの方々が取材をされる中で、総理から、この点についての発言がございましたので、改めて御紹介申し上げます。
総理発言は、次のようなものでございました。
1つ、最近の金融情勢については、世界の金融・資本市場の動向を注視するとともに、我が国の市場や金融機関への影響、そして民間金融機関の貸し出し動向を通じた実体経済への影響を、迅速かつ正確に把握する必要がある。
第2、関係する当局においては、各国当局とも密接に連携しつつ、金融システムの安定、金融サービスの利用者の保護、金融機関からの円滑な資金供給の確保に向けて万全を期していただきたい。
各議員からの発言を御紹介申し上げます。
白川総裁からは、日本の短期・長期の金融市場は、総体的に安定している。これは、米欧に比べても全く安定しているという御発言がございました。また、金融調節の仕組みも、過去の経験に照らして整備されていると。
別の議員の方からは、今回の米国も、モラルハザードとシステミックリスクという2つの問題の間で苦悩しながら決断したことだと思う。日本も、アメリカ、ヨーロッパと協力してしっかりと対応すべきだ。
それから、別の議員の方からは、これは世界的なドルの問題であり、ドルの信用の揺らぎというふうにも考えられる。したがって、日本は、ドルの信用回復のために協力すべきである。
別の議員からは、日本の被害は総体的に低い。ブラックマンデーは、1日で20%、日本の市場は、昨日は4%であった。
AIGに対する融資が決まったことで、一安心している。しかし、米国の住宅市場の底入れがないと、金融不安は続くおそれがある。あと1年は心配である。日本も、米欧と緊密な連絡が必要であり、世界的な不安を起こさないように努力すべきである。
また、この議員からは、日本も税財政・社会保障一体改革を速やかに行って、景気変動に弱く、また競争力を弱くする税制は変えるべきである、こういう御発言がありました。
別の議員からは、日本への影響は小さい。金融庁は、マクロインパクトを早く示すべきである、こういうお話がございました。
また、最後に、総理から各議員に対して、長い間、議員として福田総理の下で、自分の下で活動してくださったことに対して、心からの感謝の念が表されました。
以上でございます。

2.質疑応答

(問)まずお伺いしたいのが、今日、金融・資本市場の現状と今後の展望について協議されたということなのですが、これは昨日の朝、官邸でも、民間議員を除けばほぼ同じメンバーで、同じような会議をされているわけですけれども、今日、改めて諮問会議の場でこういうことをした理由というのは何なのでしょうか。

(答)結局、国民に対するきちんとしたメッセージを発する、また、世界の金融・資本市場に対しても、政府はしっかりとした対応をしていくという強い、また断固たるメッセージを発する必要がある、そういう点から諮問会議を開催したわけでございます。

(問)議題については、今日、別途、資料だけ提出されている労働市場改革専門調査会の第4次報告とか、基本的に総理が辞意を表明された後、福田政権で宿題として出ていた議題について、やはり福田政権の間に議論すべきではないかという声も関係者の間ではあったようなのですが、それについてはどうなのでしょうか。

(答)2つありまして、労働市場の問題、それから、いわゆる特別会計の問題、これは宿題として残っていたわけでございますが、短時間でございますけれども、八代議員から作業経過、それから中間的な取りまとめというものが御報告されました。私の説明から落ちたというのは申しわけなかったのですが、これについても宿題として残っていて、現在までの検討結果は、きちんと報告されました。

(問)今のも含めてなのですが、総理の辞意表明以後、先ほど申し上げたように、諮問会議の議論というのはストップしてしまって、今挙げたような積み残し課題を含めて、スタックしてしまっているような状況なのですけれども、これはやはり福田政権のときに出した宿題なわけですから、実質的な議論の上で方向性を出すというのが、やはり筋なのではないかという声もあるのですが、それについては、そういう議論というのはなかったのでしょうか。

(答)そういう議論はありませんでしたけれども、総理が替わられても、諮問会議は連続的に存在するわけでございまして、引き続き、これらのテーマの議論を深めていくというのは、諮問会議の使命であるというふうに私は思っております。

(問)今日は、総裁選の遊説を途中で切り上げて諮問会議に出席されたということで、それだけ経済情勢が厳しいということを認識されているということだと思うのですが、今後の遊説へこの経済状況が、影響を与えるのかというところを教えていただけますか。

(答)明日は、朝7時から始まりまして、日本経団連、経済同友会、日本商工会議所等に、今日、諮問会議で議論されたこと、総理の発言等を、詳しく御説明して回りたいと思っております。その点は諮問会議でもそのようにしろということですので、きちんとお目にかかって、政府の対応、心構えを御説明したいと思っておりますので、当然のことながら、総裁選挙の遊説は、私はやりません。

(問)では、それだけ、やはり今の経済状況を深刻に考えているのでしょうか……。

(答)当然、この日本の経済というのは、国民のためにあるものですから、やはり党活動よりは国民の生活、国民の経済というものを優先するのは、経済財政担当大臣としては当然のことであって、何のためらいもありません。

(問)中小企業の資金繰りがやはり苦しいというお話もあったのですが、そのためにつくられた緊急経済対策があると思うのですが、やはりこれは、補正予算をきちんと臨時国会で審議すべきだというお考えでよろしいのでしょうか。

(答)政治情勢、国会情勢は、にわかには予想しがたいものがありますが、やはり緊急経済対策の中で中小企業の金融、これで真水で4,500億が計上されるはずですが、これは信用保証に引き直して計算しますと、中小企業金融は年末にかけて、9兆円規模の融資、信用保証が行えるわけです。こういう金融情勢を考えますと、中小企業にとっては年末の資金繰りというのは死活の問題であると思っておりまして、私は補正予算を審議して、なるべく早い段階でこれを通過させ、中小企業の方々の経営に資するようにすべきことは、政治の責任であるというふうに考えております。

(問)大きく2点あります。
大臣が経済財政担当大臣に就任されて、まだ間もない中で、その中でも大臣が、今後の諮問会議のテーマとして、税財政の本格論議をしていきたいというふうに、意気込んでおられました。その中で、政治情勢が急に変わりまして、このような形で、今日、事実上、福田内閣の最後の諮問会議となりましたけれども、いろいろやはり重要案件がある中で、今日、こうした形で終えられることについての大臣の所感というものを、改めてお聞きしたいと思います。
もう一つ、今後、選挙なども取りざたされておりますし、民間議員の任期も終わるということで、相当期間、諮問会議は空白になるのではないかと思うのですが、議論すべき議題がいろいろある中で、こういった昨今の諮問会議の情勢というものについて、どのように認識されているのかお聞きできればと思います。

(答)経済財政、あるいはその中に社会保障も含まれると思いますけれども、こういう全体の改革の方向を諮問会議で示していただくというのは、議題として諮問会議で決めたわけでございますから、総理が替わろうとも、諮問会議の議員が継続されるのか、また別の方に替わるのかは別にしまして、やはり総理の下での諮問会議での欠かすことのできない、また避けることのできない重大な問題として、これからも諮問会議で議論されるべきものであると思いますし、議論されると私は確信しております。

(問)今朝、大臣は島根の街頭演説のときに、リーマンの影響に関して「ハチが刺した程度」ということをおっしゃっていますけれども、やや抽象的でわかりづらいので、今回の金融危機の日本経済に与える影響というのを、改めてどんなふうに考えているかということを1つと、あと、今回の総裁選に絡んで、景気対策等についても大臣のお考えを示されていますけれども、今回の金融危機が起きたということで、それに対するお考えというのは、多少なりとも変更があるのかどうか。それについてお願いいたします。

(答)各行が持っている自己資本の厚みに比べまして、各行がリーマン・ブラザーズに持っている債権、そういうものを考えますと、回収が難しいであろうもの、回収が確実なもの、それから地域銀行が持っているもの、こういうものの数字を見ますと、確かに損失が出るということは、痛いことは痛いわけですけれども、各行が持っている自己資本の厚みでカバーできる範囲であるということを表現したつもりでございます。
景気対策ということは、私は、緊急経済対策をつくったばかりなので、新たな経済対策が必要だということは、総裁選挙の演説の中でも、実は一度も言及はしておりません。こういう世界的な金融市場の不安定性が増している中で、やはり一番大事なのは、政府が沈着冷静な断固たる態度でこういう状況に臨むことであり、また、国際協調を惜しまないという、そういう姿勢をやはり世界に示すことであって、とりあえず経済対策として現在の状況に対応するということは考えておりません。

(問)今回の諮問会議は、前々から大臣はやりたいというふうにおっしゃっていて、その中でリーマンが起きて、最終的に総理から、リーマンも含めた金融情勢を鑑みる諮問会議にしてほしいというふうな御指示が出たのはいつだったのかというのが1つと、あと、昨日の閣議の後の金融関係の閣僚の懇談会がございましたけれども、それの召集が決まったのはいつだったのか。14日日曜日の夜だったのか、15日の朝、16日の朝だったのか。

(答)昨日の午前中の段階では、夕食会があるのでというふうに私は思っておりましたが、総理が、こういう重大な状況に当たっては、やはり諮問会議を開催すべきだということを指示されまして、それに従いまして、昨日の午後の極めて早い段階に、諮問会議を開催しようということを決めました。やはり諮問会議を通じてきちんとしたメッセージを内外に発するということが重要だということが、総理の基本的なお考えであったと私は思っております。

(問)今日、八代さんから、特会改革のことについて報告というか、提言、説明があったと思うのですけれども、この件について、ほかの方から、何か意見や感想のような発言はあったのでしょうか。

(答)一切ございません。一切ございませんが、八代議員の御発言の最も大きな特徴は、やはり特別会計のお金を仮に使うとしても、ストックからストックへという原則は絶対揺るがしてはいけないというのが、一番大きな八代議員の御発言だったと私は思っております。

(問)与謝野大臣も、このいわゆる埋蔵金論争について積極的に発言されてきましたけれども、全体として、八代さんが今日説明されているような内容というのは、賛同されるような受けとめでしょうか。

(答)その中の雇用保険特会を使ったらどうかという御提言があるのですが、これは雇用機会をつくるとか、雇用促進機会をつくり出すとか促進するとかということには使っても、別に趣旨には反しないのではないかなと、結論ではありませんけれども、八代議員のお話を伺いながら、そういうふうに感じながら、御発言を承っておりました。

(以 上)