第19回会議(平成20年7月28日) 大田大臣 経済財政諮問会議後記者会見要旨

大田大臣

17時38分~18時02分 於:共用220会議室

(1) 「平成21年度予算の全体像」について

(2) 平成21年度概算要求基準について

(3) 特別会計改革について

1.発言要旨

 今日の議題は3つです。
予算の全体像、それから概算要求基準について、それから特別会計改革です。
予算の全体像は、前回議論しました時から大きく違う点は2つだけです。この歳出削減だけではなくて、やはり前向きの課題もきっちり書くべだという御意見が前回ありまして、2ページの今後の経済財政政策の考え方というところに成長戦略のことなど書き込んであります。
それから、一番最後のページの最後のパラグラフになりますが、基礎年金の国庫負担割合を2分の1に引き上げるという時に、平成16年の年金改正法に基づくということをしっかりと踏まえるべきだということで、それを書き入れてあります。
これについては、御意見は1つだけです。民間議員から、基礎年金の国庫負担割合の引き上げの安定的財源を確保するということが、年金改正法にも書かれているわけですが、これを実行するのは重要な課題で、この2分の1に引き上げるに当たって、安定的財源を何にするかということですね。これはまだ議論がなされていないわけですが、消費税を議論するよい機会だ。実施時期はともかく、その議論をしっかりとすべきだ。消費税を含めた議論をしっかりすべきだとの御発言がありました。
それから、住基ネットが全国規模で定着してきていると。社会保障カードの導入に向けて議論を加速すべきときであるという御発言がありました。
ほかには御発言はなく、この予算の全体像はこれで取りまとめました。
それから、2つ目、概算要求基準について、額賀大臣から資料をベースに御説明がありました。今度の予算は財政健全化と医師不足などの重点課題への対応、両立をいかに図るかというのがポイントであると。財政健全化については、「基本方針2006」から3年目なのでしっかり枠組みを守っていくと。それから、重点課題については、各省の政策棚卸しで裁量的経費全体で2%の財源確保を行う。約3,000億円の重点化のための枠をつくる。そして、医師不足などの重要課題に充てていく。今後、これの具体化で概算要求基準を取りまとめたいという御発言がありました。
これに対して、次のような御意見がありました。民間議員から、21年度予算の最大のポイントは、重点課題の枠である。この重点化枠の中に何を持ってくるのか、どういう政策といいますか、どういう費目を持ってくるのかというのが大事な課題で、それでこの重点化枠を使って予算の配分を大胆に変えていくというのが重要ポイントだ。この枠に入るものは、福田総理のイニシアチブでしっかりと決めていくべきだ。同時に、この枠に何を入れるかは、国民へのメッセージだ。国民の目に明らかになるように、予算編成過程でもそれをわかりやすく示していく必要がある。
そこで、各省からどんな要望が出されたのか。金額やその基準を整理して、9月から10月に諮問会議に示してほしい。そして、議論をすべきだとの御発言がありました。
別の民間議員から、今回の予算編成はぜひ生活者の視点に立った前向きのメッセージを出すべきだ。省庁の枠にとらわれない総理特別枠として、この重点化枠の中身をしっかり議論していく必要がある。諮問会議でも十分に議論すべきだし、総理から国民に向けてインパクトのあるメッセージとして、この重点化枠の中身を示してほしいとの御発言がありました。
それから、別の民間議員から、この重点課題枠は、福田政権が何を重要だと考えているかを示すよい機会である。これを上手に実現することが重要だと。各省が重点化枠の中に要望として出してくるものも大事だけれども、何より総理がイニシアチブをとって、こういう課題に取り組んでいくと、そして明るい日本にしていくということを示す必要がある。特に色々な省庁にまたがる少子化対策ですとか、あるいは環境もそうですが、こういう大きい課題について、総理のイニシアチブで重点課題に充てていくことが必要であるとの御発言がありました。
今日は、甘利大臣御欠席で中野副大臣が御出席ですが、中野副大臣から、今回の予算は重点的なところにきちんと政策課題を示すということで、燃費効率を高めるという意味で、今の額賀大臣の御説明を評価している。経産省としても、メリハリのある概算要求にしていきたいとの御発言がありました。
額賀大臣から、民間議員から色々あった御発言に対して、次のような御発言がありました。福田政権は、これまで20世紀の負の遺産の後始末にかなり精力をとられてきた。今回予算は、新しいスタートに立ったつもりで、自由に使える枠というものを設ける。そして、新たな政策課題にチャレンジをしていきたいと考えている。民間議員から御発言があったように、総理のイニシアチブを発揮して、よい予算にしていくことが大事だという御発言がありました。
最後に、私からもこの重点化枠というのは、ここに何を入れるかが大変重要な課題ですので、諮問会議でも議論していきたいというふうに申し上げました。
次いで、特別会計の議論です。
民間議員からペーパーの説明があり、額賀大臣からも資料の説明、今特会改革をどう進めているかという資料の説明がありました。
額賀大臣から、民間議員のペーパーに対して次のような御発言がありました。政策の棚卸しを徹底して今度はやっていきたい。特会についてもしっかりやっていきたいとの御発言がありました。
民間議員の提案の中に財政投融資資金の運用のところ、民間議員ペーパーがお手元にあれば3ページ目に書いてありますが、多くの特会で財政投融資資金への預託が義務づけられているが、財投預託金での安易な運用に依存することなく、資金の運用及び保有方針を定めて、適正化を進めるべきだという、これに対して、安易な運用のために預託していくのはよくないけれども、一定のメリットもある。例えば、事務負担が低いとか、リスクが小さいとか、色々な機関の預託ができるとか、そういうメリットもあるので、特会の政策、それから安全性、こういうものを考えて、だれがリスクを背負うのかということを考えていく必要がある。一概にこの預託はよくないと切って捨てることはできないと。ただ、積立金のことなど、運用のあり方もここは厳密に考え改革努力していきたい。
それから、特別会計の統廃合、これは今行革推進法に基づいて進んでいるわけですが、これはしっかりと進めていく。中身についても検討する。平成23年度には、全特会について存続の必要性そのものを見直していくということになっているわけなので、しっかりとやっていきたい。
それから、民間議員の提案の中に予算管理が1ページ目の下からあります。透明でわかりやすい予算管理ということで、事業会計の資金11.2兆円、これについて歳出削減努力が見えるように目標を設定してやっていくべきだということに対して、11.2兆円のうち5兆円が一般会計からの繰り入れなので、これについてはシーリングが課されるわけです。残りの6兆円は、例えば地震の再保険であったりして、なかなか対応が異なるので一律に対応を定めることはできない。ただ、透明性の確保というのは重要な課題なので、個別に対応するように努力をしたい。改革をしっかりと進めていきたいという御発言がありました。
民間議員から、特会の政策目的は妥当なのか、算出根拠はどうなのか、プロセス全体で透明性を高める必要があると。特会というのは、不透明で伏魔殿だという評価がなされているという印象を国民に与えているので、国民にわかりやすい改革をやっていかなくてはいけない。
それから、ムダについては、特会のみならず特定財源も視野に入れて議論すべきだ。それから、この特会に限らず、国の財務諸表をベースにして、国全体のストック管理を見直していかなければいけない。例えば、国の資産の大層を占めているのは公共用の財産で、取得原価で評価されている。それから、貸付金も簿価で計上されている。こういうものは民間会計基準を踏まえて、総資産を明示的に、明確にしていく必要がある。つまり、特会に限らず全体に国の資産というものを見直していかなければいけない。特会というのは、特会の見直しはその一里塚になるという御発言がありました。
それから、別の民間議員から、これは民間議員ペーパーにもありますが、外為特会について、少し詳しい御発言がありました。1.8兆円を一般会計に繰り入れて、これは優等生に見えるかもしれないが、実はどうなっているかというと、外為特会というのは外国債券で運用されているわけですね。これが大体4.5%で運用されている。その利子がドルで支払われている。そして、その裏側には為券があるわけですね。当然ですが為券を発行しているわけですが、この為券の利子が0.5%と。差額の4%が運用益になるわけですが、これはドルで入ってくる。3.5兆円から4兆円の間の運用益が発生する。これをどうしているかというと、入ってきた分、為券をまた発行するわけですね。バランスシートでバランスさせるためには、入ってきた運用益で裏で為券を発行しているわけです。
なぜ資産の運用益の裏で為券を発行するのか。この為券を発行して、運用益をバランスシートの中に置いて、それを一般会計に途中で繰り入れて戻しているわけですけれども、一般会計に繰り入れて、そこで国債発行が減らされたとしても、結局長期の国債は減らせるけれども、為券という短期の国債は外為特会の中で発行しているわけです。つまり、短期の国債と長期の国債を入れ替えているというだけではないかという御説明がありました。そういう国債管理施策が賢いのかと、これは長期的に考え直してほしいという御発言がありました。
それから、労働保険特会の中で、保養施設、スパウザのようなものが作られたり、私のしごと館のようなものが作られていて明らかなムダだ。こういうものがなぜ許されるのか、やはりしっかりと一般会計から労働保険への繰り入れも含めて、特会の改革は具体的な事例に基づいて改革していくべきだとの御発言がありました。
別の民間議員から、特会の改革は少しずつ節約するというようなことではなくて、制度のあり方を見直すことなんだとの御発言がありました。
さらに別の民間議員から、先ほどの財投預託金の発言があったわけですけれども、安全性のために財投預託金というのは一定のメリットがあるという発言があったけれども、これは特会の性格によって違う。雇用保険などは、例えば経済的な変動によって一挙に失業率が上昇すれば、一挙に取り崩さなくてはいけないわけで、そういう観点から流動性が必要だと。
しかし、労災勘定というのは年金のようなもので、年金そのものであって、毎年の支出は安定しているので、むしろこれは厚生年金などと一緒に運用していくことが考えられる。この特会ごとの縦割りの壁をなくして、資金運用を一本化する余地あるのではないかとの御発言がありました。
それから、中野副大臣が、特会から資金が出ている独立行政法人、公益法人などでは国家公務員よりも人件費が高いことが指摘されているので、こういうことも含めて議論すべきだとの御発言がありました。
額賀大臣から、先ほどの民間議員の外為特会に関連して、円高の評価損のために積み上げていることを考える必要がある。今の時点では積み立てがあるけれども、それは為替のレベルによって変わってくるということも考えなくてはいけないという御発言がありました。
私の方から、この特会というのは、国民の関心も非常に高いので、歳出の効率化、透明性の確保というのは重要な課題だ。「ムダ・ゼロ」、政策棚卸しを徹底していくのは当然ですけれども、やはり特会のあり方、これは諮問会議でも更に議論していきたい。それから、資産・債務改革専門調査会で議論せよというのが民間議員からの提言にありますので、この専門調査会では21年度予算編成に生かせるように、秋に改革の考え方を提示していただきたいということを申し上げました。
総理から、次のような御発言がありました。特会についても、一般会計と同じく一つ一つ厳しく洗い直してムダを排除していく必要がある。今日民間議員から提起された問題を含めて、歳出の見直しを徹底して進めていきたい。民間議員にも引き続き御協力いただきたいという発言がありました。
私からは以上です。

2.質疑応答

(問)特会改革の部分なんですけれども、一つが民間議員の提案の中では、行政支出総点検会議においても、歳出のムダについてわかりやすい目標を掲げているというような記述がある一方で、財務省に対しても歳出削減目標の明示について検討してくださいというようなことを書いてあるんですが、今後の特会改革の具体策の検討というのはどういう場で、どのように行われていくイメージなんですか。

(答)民間議員の提案では、5つの問題がある中で、歳出のムダと言われる部分については、行政支出総点検会議がつくられるわけですから、そこでしっかりとやっていただきたいということです。
それから、それ以外に予算管理、これはもっと長期の話ですね。制度のあり方にかかわるものですが、一般会計というのはシーリングなどがありますけれども、特会についてもやはり効率化努力をしていかなければいけないということです。
民間議員提案を受けて、ストック管理は専門調査会で議論していきます。この責任体制の明確化は、ここに書かれているように総務省でもチェックしていただかなくてはいけません。議論の進め方ですけれども、また今後諮問会議で特別会計改革は議論していきたい。そのときに、それぞれの改革の進捗状況を、例えば財務大臣に御説明いただいたり、専門調査会からも御報告をいただいたりして進めていきたいと思っています。

(問)行程管理は諮問会議でやるという理解でいいんでしょうか。

(答)そうですね、チェックしていくということですね。 この行政支出総点検会議の行程管理は、私の範疇を超えますけれども、ここはここで「ムダ・ゼロ」をやっていただいて、これは当然21年度予算にも反映する話ですので、そこはまた連携をとりながらやっていきたいと思っています。

(問)もう一つ、ストック管理見直しのところで、専門調査会で改革の方向を検討するとあるんですが、これは結論を出す時期というのはいつなんですか。

(答)秋に諮問会議で一応の報告をいただきたいと、今日、私はそういうふうにお願いをいたしました。やはりこれも21年度予算にも反映させていく必要がありますので、大体秋をめどに議論していただくと。もちろんその中で残された課題もあるかしもれませんが、それについてはまた引き続きになりますが、当面秋を想定します。

(問)外為特会のところで、この民間議員ペーパーの提案によると一般会計の繰り入れはやめることになるわけですけれども、これについては財政運営がこれだけ厳しい中で、財務省にはかなり反対があると思われるんですが、額賀大臣の反論では明示的に、今御紹介いただいた部分にはなかったと思いますけれども、繰り入れをやめること自体について、何か反論みたいなのはなかったんでしょうか。

(答)額賀大臣からは、これは為替の変動に備えるものですから、為替水準は変わっていくわけで、その変動に備えるためのものなんだということです。したがって、ここで書かれている運用益をどうこうするということについては、今日はそこまで議論は深まっておりません。時間も限られておりましたので、今後また引き続き議論していきたいと思っています。
民間議員からも、これも長期的に考えてくれと、国債管理政策のあり方も含めて長期的に検討してくれという発言でした。
1つ漏れておりました。額賀大臣の発言の最後に、塩川財務大臣が言われたように、やはり母屋が非常に厳しいというのがあるので、母屋を助けてほしいという気持ちはあるということは言っておられました。

(問)特会の予算管理のところなんですけれども、要はこの提案ですね、特に歳出削減目標の明示のところに対して、額賀大臣は、結局特会と言っても色々な項目があって、色々な勘定があって、一筋縄でいかないという感じの発言をしたように受けとめましたけれども、要は目標を年内に作りますよということに関しては、作る話なんですか、それともちょっとそれは難しいという話なんですか。

(答)色々特会の性格によって違うので、年内に目標を作るという合意は取れませんでした。それぞれ違うという御発言がありました。民間議員の方でも、更にここは特会に応じて研究していただいて、また秋に議論したいと思っています。
ただ、それぞれの特会で一緒くたに削減目標ということではなくて、それぞれの特会で改革する努力をしたいということは明確に言っておられますので、この目標ができないのか、また今後議論していきたいと思っています。決して後ろ向きの答えだったということではありません。

(以 上)