第10回会議(平成20年5月9日) 大田大臣 経済財政諮問会議後記者会見要旨

大田大臣

19時11分~19時33分 於:共用220会議室

(1) 国際的人材強化について

  1. 高度人材の受入れについて
  2. 教育における国際化について

(2) マクロ経済運営について

(3) 政府機能の見直しについて

1.発言要旨

 今日の議題は3つ、1つは、国際的人材強化について、マクロ経済運営、そして政府機能の見直しです。
まず、高度人材についてですが、民間議員から、ペーパーに沿って説明がありました。高度人材の受入れについて、これを倍増するようにという提案がありました。説明の中で、外国人の人材を受入れるというときに、労働力不足だから受入れるというのではなくて、成長のカギが人材だからこそ受け入れていかなければいけない。つまり、成長するカギというのは、常に人なわけですね。世界から頭脳を持ってくる、技術、情報を持ってくるということが重要なわけで、そういう観点からこの高度人材を議論する。今、世界で人材の争奪戦が行われているということが言われました。
これに対して、まず舛添大臣から、受入れ企業がどの程度の処遇をするのかということが大事である、安い労働力を手に入れるというようなことになっているといけない。民間議員の提案で、30万人ということが出ておりますけれども、数字が先になったときに、高度でない人が数値目標を達成するために入るというようなことがあってはいけないと。
高度人材は単に通過するだけの人材を想定するのか、それとも日本人になっていくようなことを想定しているのか。やはり長期的な国家戦略として、永住、定着というようなことまで考えているのならば、抜本的に色々な仕組みを変えていかなければいけない。家族を受け入れるという視点で体制も整えなければいけないので、細かく詰める必要があるという発言がありました。
鳩山大臣から、負の側面を無視してどんどん入れてもいいということではないけれども、高度な人材の受入れ、そのための技能実習というのは積極的に進めていきたい。永住権の付与も、高度人材の場合は積極的に進めたい。受入れの基準やガイドラインというのは明らかにしているので、透明性というのは確保されているのではないかと。
民間議員から、この「高度人材」の「高度」というものがどういう定義であるのか、その分野別に定義を明確にしていくことが必要であるという発言がありました。
別の民間議員から、例えば大学の場合は、かなりイコール・オポチュニティでやっているけれども、事務室、事務局の側にも日本語のできる外国人というのがいるといいわけで、そういうサポートスタッフについても、在留資格としてビザを発給するということがあっていいのではないか。
介護士や看護師は、EPA交渉の中で受け入れるということが今まであるわけですけれども、EPAを締結しないとなぜ来てもらってはいけないのか。国家資格がある分野は、やはりこれは高度人材と言えるのではないか。日本語で試験を受けて通れば、それは在留資格を与えるべきではないか。もう少し就労ができる在留資格という方向で書き直してほしいと。
別の民間議員から、欧米諸国の移民受入れの実態、実例というのを踏まえて、日本に即した受入れ体制をつくっていくべきである。入国後の生活や就労状況を含めて、一貫してフォローできるような体制が必要だと。
鳩山大臣から、新たな在留管理の法案を来年の通常国会に出す方向で準備している、これまで外国人の資格、登録証というのは市町村の管轄になっておりましたけれども、これを法務省に一元化すると。一元化することによって、例えばこの場合はどうなんだというわかりにくさというものがなくなりますので、かなり民間議員から提案があるようなことも改善できるのではないかという御発言がありました。
増田大臣から、日本の各地域には、高度人材というよりワーカーとして入っている地域もたくさんある。集中的に入っている地域があるわけで、生活環境づくりに非常に苦労していると。教育の問題、成人への日本語教育の問題、色々苦労しているので、丁寧に解決していく必要があると。
ここから教育の方の、留学生30万人計画の議論に入りました。
渡海大臣からは、民間議員ペーパーに書かれていることは、日ごろから考えているような問題意識で考えていることで、積極的に検討していきたい。それから、英語教育については、21年度からの新しい指導要領の改訂というのを前倒しして実行していると。小学校5、6年生は、コミュニケーション能力を高めるというところでスタートしている。加えて何ができるかというのをまた考えていきたいと。
鳩山大臣から、総理の留学生30万人計画というのは、ぜひ実現したいと。ただ、民間議員ペーパーの2ページ目の下に、就学と留学の区別を引き続き維持する必要性が薄いようであれば一体化すべきではないかということが書かれているんですけれども、これについて、就学というのは日本語学校に入るということなんですね。これが3万6,000人いるということなんですけれども、この1割以上が不法残留になっていると。それから、犯罪率も高いというので、やはりここは慎重に考えていく必要があるのではないかというコメントがありました。
甘利大臣から、日本は博士課程への経済的支援の水準は低い。やはり客観的な支援のあり方を考えていかなくてはいけない。その他、経済産業省で取り組んでいるアジア人材構想、産学の人材のパートナーシップ、こういう取り組みの紹介がありました。
額賀大臣から、高度人材の受入れは中長期的に枠組みをしっかり整えていかなくてはならない。留学生については、欧米と比べて、日本の税、授業料という負担は比較的少ないので、その前提でサービスをよくするにはどうすればいいか、全体として考えていかなくてはいけないと。
舛添大臣から、留学生を増やすに当たっても、やはり日本企業への就職と、受入れ企業の対応というものをしっかりする必要があるという発言がありました。
以上のような議論で、総理から、最後に次のような御発言がありました。
留学生30万人の受入れは、日本を真に開かれた国にするために欠かせない。同時に、受入れ体制をつくっていくということが重要である。渡海大臣は、このグローバル30の計画をぜひ推進してほしい。
高度人材も、留学生の受入れとまた関連することなので、連携をしながら進めてほしい。受け入れる側の心構えや体制というものを整えていくということも重要だと。
この高度人材の受入れですけれども、政府部内でしっかりと議論をしなくてはならない課題であると。官房長官のもとに、有識者、産業界、労働界、政府からなる会議を設置して議論を開始してほしいという指示がありました。
これまで、こういう外国人からの人材の受入れというのは、なかなか政府全体で議論する場がなかったわけですけれども、総理の指示を受けて、官房長官のもとに会議が設置されるということになります。
次に、マクロ経済の議論について、白川総裁と内閣府から資料に沿って説明がありました。
民間議員から、白川総裁への質問として、今回の見通し、展望レポートをつくるに当たって、為替レートの動きというのはどんなふうに見ておられるのかという質問がありました。総裁から、為替レートの動きというのは大きなファクターであると。ただ、ドルだけではなくて、対ユーロということも考えなくてはならないわけで、実効為替レートで見ていくと、対ドルで見るほど上がっているわけではないと。
今回は国際商品市況が上がっているというのが大きな要因として浮上してくる。これが供給側のショックで上がっているのか、あるいは背後に需要の要因があるのかという、ここは、どちらと見るかによって政策の対応が異なってくるわけですね。これは各国これをどう見極めていくのかということで、各国とも色々見極めようとしているという発言がありました。
甘利大臣からは、原油高が危険であるということを国際的なあらゆる場で発言している。世界中、同じ船に乗っているわけですけれども、産油国にそれだけの危機感があるのかと。世界経済がリセッションに入ってしまってはいけませんので、あちこちで危ないということを言っているという発言がありました。
額賀大臣から、ADBの総会の御報告がありました。今、アジアの国から原油高、資源高で悲鳴が上がっている。6億人の貧困層がアジアにいるわけですけれども、これがより厳しい状態になることを懸念しているという声が多かった。ベトナムや中国では、インフレ対策、景気の持続、それから為替の対策という非常に難しい政策運営を迫られている、こういう議論があったことを紹介しておきたいという発言がありました。
最後に、私の方から、内閣府としては平成20年度の経済動向試算、それから21年度のマクロ経済の想定については、昨年同様、夏にお示しするということを申し上げました。
それから、食料価格が上がっているという議論があったわけですけれども、日本の食料の自給力といったものも含めて、次回の諮問会議で農業について議論したいということをお話しいたしました。
それから、最後の政府機能の見直しですけれども、これについては、これまで議論したことをまとめてありますので、非常に時間が押していたこともあって、簡単に民間議員から御報告をいただきました。その後、次のような発言がありました。
公益法人の見直しをやるときに、特別会計についてもしっかりと見直していく必要がある。5年後に31から17ですか、今改革を着々と進めている時ではあるけれども、特会の歳出の見直しというものが重要で、透明性を高めるよう見直していく必要があるという発言がありました。
別の民間議員から、政府機能の見直し、ここに書かれているのは第一歩である。最終的には道州制というようなところに向けての議論であるし、それから世界に冠たる電子政府をつくるための議論である。つまり、そのための第一歩だということですね。したがって、国民の目線に立った新たな行政へと変わる、国民が実感できるように変わっていくということが必要であるという御発言がありました。
この政府機能の見直しにつきましては、この内容を「骨太方針」に盛り込み、そしてまた諮問会議でフォローアップしていくということで全体の合意をとりました。
総理から、次のような御発言がありました。
この「ムダ・ゼロ」というのは大変重要なことで、これは来年度以降の予算ということではなくて、今年度の予算の執行に当たっても着実にその成果が出るように、関係大臣は責任を持って実行してほしいという御発言がありました。
以上です。

2.質疑応答

(問)高度人材のところですけれども、民間議員の提案の看護師、介護士、あるいは医者も含めて、専門的サービス業にも在留資格を拡大すべきだという部分について、舛添大臣の御発言はさっき御紹介いただいたんですが、他の閣僚からここに関して賛否に絡むような発言はなかったんでしょうか。

(答)格別ありませんでした。これも含めて、官房長官のもとの会議で議論がなされるということになります。

(問)それと、民間議員の提案にある高度人材を2015年に30万人受入れましょうというところについては、これはさっき舛添大臣が数字だけが先になってはという話がありましたけれども、ここについては合意していないということでいいんでしょうか。

(答)これでよろしいでしょうかというような形の合意はとっておりません。ただ、これに向けてのアクションプログラムをつくっていくということで、官房長官のもとで議論が始まりますので、その中で目標設定というものも議論されていくんだろうと考えております。

(問)確認なんですけれども、冒頭御紹介いただいた舛添大臣の発言は、これは要するに民間議員の方が提案を全部説明して、それを受けてこういう内容を仰ったということでいいんですよね。

(答)そうです。

(問)原油といいますか、マクロ経済のところなんですけれども、この中で原油高とか穀物高に対する対策とか、そういうものは特に御発言はあったんでしょうか。

(答)ありませんでした。今日、15分当初の予定よりカットされたものですから、非常に時間が厳しくて、この時点でほぼ終わりの時間に近づいておりましたので、残念ながらそこまで議論は至りませんでした。

(問)細かい話で恐縮なのですが、官房長官のもとにできる会議というのは、現段階では、名称とか回数とか、まとめの時期みたいなものというような話はあったんでしょうか。

(答)いえいえ、これは最後に総理が官房長官のもとで議論せよという指示があった話ですので、まだ何も、名称ですとか、それはこれからですね。

(問)「骨太2008」には間に合わせるということが念頭にあるんでしょうか。それとも、もっと長期的に議論するという位置付けなんでしょうか。

(答)今から6月の「骨太」までに何らかの結論が出るほど簡単な問題ではないと思います。これまでそういう会議をつくって議論すべきということも以前の諮問会議でも出たりしたんですが、これは前の小泉総理の時の諮問会議でもそういう議論が出たりしたんですけれども、なかなか政府として議論する場がつくられなかったということがあります。それを今回ここで議論していくということですね。
それから1点、鳩山大臣の御発言の中で、民間議員の提案の中に、秘書等の事務職についての一定の資格を新設すべきであるという部分がありますが、これは既存の在留資格でもできるという説明がございました。

(問)また同じ関連なんですけれども、高度人材の民間議員ペーパーの一番最後のところで、4番、取組みの強化についてで、「今秋を目途に経済財政諮問会議に報告すべき」とあるんですが、これはこういう方向でやるということになるんでしょうか。

(答)官房長官のもとで議論していただいて、今年の秋にまた諮問会議で、その審議状況を受けながら、報告をいただいて議論していきたいと思います。
ですからさっきの御質問は、「骨太」に書くのかということについては、今日のところは、どういう枠で議論していくかというところまでができたということですね。

(問)留学生30万人の民間議員ペーパーの最後のところで、英語教育の強化についてのところは、教育再生懇談会で早急に検討いただき、可能なものは「骨太2008」に盛り込むべきであるというのがありますが、これはとりあえず教育再生懇談会において協議するかどうかについては、諮問会議ではどういう結論になったのでしょうか。

(答)ここについて格別の議論はありませんでしたが、たしか教育再生懇談会ではこの英語教育は議論がなされている……。

(事務方)集中議論の対象です。議題には上がっています。

(答)集中検討の対象になっているということですので、その議論のときにこういうことら提案も踏まえてというか、一緒に議論していただければということですね。

(問)ただ、多分関係する文科省とかはここに書いてあるような内容というのは、かなり抵抗感があるというように聞いているんですけれども、この民間議員ペーパーにあるような内容をどなたかが問題提起されるような運びにはなるんですか。

(答)少なくとも渡海大臣は、この民間議員の提案については、同じような問題意識を持っているので、積極的に進めたいと。英語教育については、指導要領を前倒ししてやっていて、さらに何ができるか考えたいという大変前向きなお答えをいただきました。

(以 上)