第9回会議(平成20年4月23日) 大田大臣 経済財政諮問会議後記者会見要旨

大田大臣

19時24分~19時40分 於:共用220会議室

(1) 生活直結型産業について

(2) 「新雇用戦略」について

1.発言要旨

 今日の議題は2つです。生活直結型産業、それから「新雇用戦略」です。
まず生活直結型産業について、民間議員からペーパーが出されました。
これに対して、まず舛添大臣から、画像診断の話が出ているけれども、これは僻地医療には有効だけれども、基本はやはり直接向き合うと、直にやってほしいという声や、要望が強いと。それから、民間企業によるコールセンターの議論については、今コメディカルで、看護師や助産師がどれだけ医師を代替できるかということで、今全体的なことを考えていると。その中で、いろいろ検討の余地があると思うという御発言がありました。
それから、保育サービスの規制改革のところですけれども、安かろう悪かろうということになってはいけないと。やはり財源の手当ということを前提に安心して預けられるような保障が必要であると。
それから、認定こども園ですが、これを子供の立場から見たらどうかということも考えなくてはいけないと。紹介されたのは、幼稚園と保育所と並んでいて、幼稚園の方はお母さんが迎えに来て先に帰るけれども、保育所の場合は、御両親が共働きの場合が多かったりして、なかなかそちらは迎えに来てくれないというようなこともあるので、子供の視点から見てどうかということも考えなくてはいけないと。
この画像診断につきましては、今、増田大臣と舛添大臣との間で共同懇談会を開催しておられまして、5月をめどにとりまとめるということで、これは増田大臣から資料も出ております。そのようなお話がありました。
民間議員から、次のような発言がありました。財源の手当というのは避けられないけれども、今の財源で取り組むべき課題もあるので、そこはしっかりやるべきだと。
それから、舛添大臣から子供の立場でどうかというご指摘があったけれども、ともすれば親と子の利益が相反するという考え方をする場合が多いけれども、基本的には親は子の利益を代表しているのではないかと。それから、認定こども園は逆の話もあって、幼稚園は帰りたくないのに、もう帰らなきゃいけないと、保育園はまだいられるという意見もあると。
それから、別の民間議員から、保育サービスですが、福祉というところで今線を引かれているけれども、例えば共働きで何時間でも預かってほしいというニーズもあるし、4月1日を過ぎたら申し込めないというような状況もあると。宝くじに当たるような確率で安い保育料で預かってくれる一方で、保育サービスを得られない、あぶれている人たちもいると。やはりいつでも申請できて、いつでも預かってもらえると、そういう社会をつくることが急務だと。
それから、保育サービスが充実していないがゆえに、2番目の子供を産むことを躊躇する親は少なくないわけで、子供の立場ということで言うと、それで生まれてこなかった子供の権利はどうなるのかと。生みたくても生めないという状況をなくさなくてはいけないと。
上川大臣からも、生活直結型産業は国民の潜在的ニーズが強いところなので、質の確保を行いながら充実していくことが必要だと。ニュージーランドで「プラケット」という制度があって、生まれた時点でその子供を社会が支えていると。こういうことを100年やってきていると。子供の視点を大切にする社会が成り立っているわけで、そういうことを念頭に置きたいと。子供の視点というのは大事であるという発言がありました。
甘利大臣からは、資料に基づいて、岩手県の遠野市の遠隔医療のお話、それからコミュニティ・ビジネスを各省と連携してやっていきたいという御発言がありました。
それから、別の民間議員から、今後介護する人は減って、介護される人が増えていくと。この点で2点。1つはEPAでフィリピン、インドネシアから看護師を受け入れるということが決められているので、着実に実施していくべきだと。それから、日本は高い技術力を持っているので、ロボットなどを活用して介護コストを削減していくと。これは医学、工学、多くの分野が融合しているので、関係省庁が協力してオールジャパンの取り組みが必要であると。
これに対して、舛添大臣から、技術開発というのは当然必要だけれども、介護というのはそもそも労働集約的な分野ですから、技術を活用したから即コストが下がるというのは、やはり難しいのではないかと。何より介護労働者の報酬が低過ぎると。したがって、日本でも働きたいという人が少なくなるわけで、この報酬を上げていくということが必要であると。これは民間議員からも、ここにはやはりメスを入れるべきだと、この介護労働者の報酬が低い点はメスを入れるべきだという発言がありました。
あと、町村官房長官から、認定こども園にいらしたことがあるそうなんですけれども、2人の園長さんからそれぞれ名刺を渡されたと。そして、1人の子供に2つの書類を記入させるようになっていると。これはやはり二重行政そのものではないかと。それから、保育というのは、措置─最近「措置」という言葉を使っていないようですけれども、措置という制度になっているわけで、措置であり福祉であるのなら、なぜ無認可保育所を放置しているのかという問題もあると。やはりこの保育の分野の実態は、規制緩和すべきところもあるし、規制が必要な面もあると。ここはしっかりと、その規制のあり方を考えていかなくてはいけないという発言がありました。
それから、これはお名前を申し上げていいと思います。丹羽議員から、この認定こども園の二重行政の問題は、地方分権改革推進委員会でも議論していると。ぜひ今後、勧告に入れていきたいという御発言がありました。
以上です。
それから、次の「新雇用戦略」について、まず舛添大臣から、この「新雇用戦略」の御紹介がありました。舛添プランですね。フリーターを3年間で100万人正社員化すると。それから、女性の25から44歳、ちょうどM字型の底になるところですけれども、ここで20万人雇用を増やし、60代前半の高齢者で100万人雇用を増やすという発表がありました。それから、民間議員から、ぜひこれを進めるべきだという提案がありました。
次のような発言がありました。
この新雇用戦略の趣旨は、やはりこれから日本の潜在成長率の低下を食いとめるということが大事であって、その観点から言うと、この新雇用戦略ももちろん必要だけれども、海外からの労働力を積極的に受け入れるのかどうか、長期的な視野で考えていくタイミングに来ているのではないかという発言がありました。
それから、別の民間議員から、この税と社会保障の議論は制度の問題をきっちりやっていきませんと、例えば103万円の壁とか130万円の壁というのがあるわけですね。ここを100万円前後を超えないようにという、結構大変な動きをしているわけで、有能な女性を社会として使いこなすことができないと。日本だけがM字カーブになっているわけで、この税の問題は早急に取り組んでいく必要があると。
それから、上川大臣から、子供の視点という意味で、働くお母さんを持つ子供という視点があるし、もう一つ、社会人になるまでの子供の育つ過程ということを重視しなきゃいけないと。これが労働の質にもつながってくるわけで、福祉、教育、労働の縦割りの中で漏れていくところがないように、横断的、包括的に子供の成長を見ていくということが、人間力の形成に大事であると。
それから、舛添大臣から、ヨーロッパでドイツ、フランス、イタリア、そういうところで外国人労働者の問題も研究してこられたようで、労働力の核という視点だけでとらえてはいけないと。やはりヨーロッパでは外国人労働者の子供たちが苦しんでいると。このソーシャルコストというものを考えなくてはいけない。専門的、技術的な人はいいけれども、単純労働力というのは問題だと。そういう意味で、介護労働者の問題も、このソーシャルコストをどうするかということを考えていかなくてはいけないと。
それから、額賀大臣からは、アンケート調査の御紹介がありました。今、研修生のような形で雇われていても、技能研修とか、そういう形で雇われていても、雇っている側は必ずしもそういう形ではない、趣旨と違う雇い方をしている場合もあって、そういうことも含めて、きちんとルール、制度を整備していかなくてはいけないと。
それから、民間議員から、この外国人労働力の問題ですが、訓練や教育をしっかりして、どういう政策をとっていくかを考えるべきだと。
別の民間議員から、高度な技能者というのも、やはり人材が不足していると。それから、留学生が国内に来て、そこで長く日本で勤められるようにしていくということを考えなくてはいけないという御発言がありました。
それから、これは甘利大臣ですが、日本は賃金を上げながら、国際競争力をつけていくということが大事で、高付加価値化に資する人材かどうかというのを重視しながら考えるべきだという発言がありました。
以上のような議論の後で、総理から次のような御発言がありました。
「新雇用戦略」では、今日示された案に沿って、この3年間に若者、女性、高齢者、障害者などすべての人が働きやすい、全員参加の経済を実現すべく、政府を挙げて取り組んでいくと。その際、今日示された2010年の目標が確実に達成できるように、政府を挙げて取り組むとともに、地方、経済界、労働界など関係するすべての方々に、この戦略の実現に向けて参画していただくことが必要だと。今後、舛添大臣、上川大臣には、今日の議論を踏まえて、実現への具体的取り組みを詰めてほしいと。
長年の懸案である保育サービスにかかわる規制改革については、利用者の立場に立って年内に結論を出してほしいと。それから、財源のあり方は、社会保障国民会議の議論も踏まえて、抜本的税制改革において検討することとするという御発言がありました。
この総理から御指示のありました保育サービスにかかわる規制改革については、いろんな大臣が関係しておられますので、後で私からお伝えするということを申し上げました。
私からは以上です。

2.質疑応答

(問)まず最後の総理発言の御紹介をいただいたんですけれども、要するに、「この案に沿って」というのは、舛添大臣が出した案については今日の諮問会議で了承されたと、そういう理解でよろしいんですね。

(答)はい。

(問)それに民間議員から更に提案がいろいろありますけれども、これを付加するかどうかというのはまだ今後の議論の中でやっていくと。

(答)そうですね。ただ、保育サービスの規制改革は年内に結論を出すということですね。

(問)民間議員から、税制、社会保障制度の改革とか、いろいろ意欲的な提案が出ているんですけれども、この辺については、今後まだ議論していくという理解でいいですか。

(答)はい。これはまだ、これから税制改革の議論の中で議論していきます。

(問)もう一つだけ、総理から財源についてのお話がありましたが、総理ないしほかの参加者から、この財源のあり方の議論について、例えば総理は道路財源の一般化に絡めて少子化についても触れていらっしゃるんですけれども……

(答)それは前の記者会見のときですね。

(問)総理の3月下旬の記者会見のときに触れているんですけれども、この財源について具体的にこうするべきだみたいな発言というのは、今日はなかったんですか。

(答)個別の税目などについてはありませんでした。要は、やはり3歳未満児15万人の保育サービスを確保するというのは、これはもう財源がどうしても避けられませんので、どちらもそういう観点から、民間議員もそういう観点だろうと思います。

(以 上)