第8回会議(平成20年4月15日) 大田大臣 経済財政諮問会議後記者会見要旨

大田大臣

18時47分~19時10分 於:共用220会議室

(1) 革新的技術戦略について

(2) 「ムダ・ゼロ」を目指して

  1. 民間経営ベストプラクティスについて
  2. 行政関連公益法人の見直しについて

1.発言要旨

  本日の議題は2つです。1つは革新的技術戦略について、もう1つは「ムダ・ゼロ」を目指してということで、2種類のペーパーが民間議員から出されております。
まず、革新的技術戦略については、岸田大臣から革新的技術戦略の中間とりまとめの資料に沿ってお話がありました。今後対象になる技術の候補などを更に審査して、5月に最終とりまとめの予定だということです。
それから、民間議員からは、iPS細胞はかなり迅速に予算が手当されたわけですけれども、このような革新的技術に集中的に戦略的に取り組むために、1%の国家プロジェクトの緊急予算枠をつくるべきだという提案がなされました。
これについて、次のような議論がありました。
民間議員から、民間議員の提案は1.4兆円の科学技術振興費の1%、ですから140億ぐらいになるわけですけれども、これは1民間企業の研究予算枠ぐらいの規模なので、ぜひこれを拡大させていくことが必要だと。
それから、他の民間議員から、科学技術予算に無駄がないのか点検することも大事であると。競争入札しないで、随意契約のような資金の出し方がなされているものもあるので、誰が責任を持って審査しているのかはっきりさせる必要があると。
それから、別の民間議員から、総合科学技術会議が評価機能を強化することと並んで、予算の分配機能を強化することが大変必要だと。今回の提案の1%というのは、これはミニマムであって、今後拡大させていって、第3期の基本計画は25兆円となっているわけですから、これを達成するためにも、そういう戦略的な枠を拡大させていく必要があると。
これに対して、額賀大臣から、科学技術振興費というのは、他の予算よりも厚みをつけてきていると。これを戦略的、集中的にやるというのは大変重要なことだけれども、どこに導入するのかという目利き機能が非常に大事であると。限られた財源を集中して活用するようにしていくことが必要だと。
それから、甘利大臣から、非常に危機感を持っている。各省庁別に科研費を持っているけれども、全体を俯瞰して集中的に配分する司令塔というものがない。これは総合科学技術会議というのが一番適切に判断できるわけですから、そこに配分する権限と予算を与えるということが必要だと。甘利大臣は、前から10%ぐらい各省からカットして集めるということを言っておられたようですけれども、まずは1%でいいからやってみる価値というのは十分にあると。
岸田大臣から、この民間議員の提案にある総合科学技術会議のもとに資金枠をつくるというのは大変重要なことだと。そして、使い勝手のいい予算にしていくということも大変重要で、ぜひこの資金枠というのを夏の予算編成で具体化したい。
それから、民間議員のもう一つの提案が、PDCAのための評価をもっと充実せよということで、これも重要なことで、ぜひ取り組みたい。
それから、増田大臣から、政策評価するに当たって、一番評価の知見を持っているのは総合科学技術会議なので、科研費の隅々まで見るわけにはいかないにせよ、重要なものはぜひ見てほしいと。この具体的進め方は岸田大臣と相談したいという御発言がありました。
以上を受けまして、私からは、革新的技術戦略のために集中的に予算を投入する枠が必要だということは、今日は意見が一致しております。この資金の規模をどうするのかは、ぜひ額賀大臣、岸田大臣のほうで、具体的に検討していただきたいということをお願いいたしました。総理もその方向で結構だということでした。
次の議題、「ムダ・ゼロ」の1つ目、民間経営のベストプラクティスを役所も参考にして、この内部の業務を効率化していくという話です。
民間議員からは、幾つかの提案がなされております。特に、予算の使われ方、予算の受け取り手を明示すると。これは、アメリカで、オバマ議員とマケイン議員が共通して提案した法律が、今既に実施に付されています。予算の受け取り手が最終的に誰であって、それがどんなふうに使われているのか、どんな効果を発揮しているのかというのを見せていくと。今、公共調達契約では1件ごとには出されておりますけれども、それを国民にわかりやすい形で出されておりません。
次のような議論がありました。
民間議員から、予算の効果がどこに及んでいるか、トータルで評価出できるようにすることが必要だと。これは、ソフトを組み替えることですぐにできるわけですから、やるべきだと。国民はいわば株主であって、株主に対して情報公開するのは当然であるという意見がありました。
それから、別の民間議員から、民間企業は、予算を組むということ以上に使われ方が大事で、予算の実績が重要だと。それを四半期ごとにチェックしながら予算を修正していると。ところが、官庁は各課の年間目標もないし、決算はあまりに時間がかかってから出てくるので、予算に反映することもできていないと。民間の手法を参考にしてやってほしいと。
それから、仕事の棚卸し。民間企業では、一つ一つの業務を分析して、無駄な仕事を洗い出して、仕事の流れをシンプルにしていると。民間企業であっても、仕事のやり方ら変えることには抵抗があると。だから、外部の人に監査してやってもらっていると。官庁の業務は、国民に見えにくい業務であるからこそ、見える化をして見えるようにするということですね、それを電子政府につなげることが大事だと。それから、民間企業でも、組織も柔軟に組み替えてやっていると。官庁でも、行政ニーズに対応した見直しをやるべきだと。
それから、増田大臣から、この民間議員の提案、幾つか出ている中で、職員の管理というのは平成21年度から本格的に実施していく方向で準備をしていると。例えば、年次にとらわれない昇進であるとか、そういうこともしっかり趣旨に沿った運用をしていきたいと。
それから、民間議員から、超勤、残業を減らせという提案が出ています。今でも、私も知りませんでしたが、水曜日がノー残業デーということになっているようです。明日が実施されるのかどうかということです。このサービス残業が多いこともあって、今実際の残業の実態も把握できていない状況だと。これは国会との関係もあります。質問が遅く出てきて、国会対応が遅くまでかからざるを得ないということもあります。この国会との関係の見直しも必要だが、どこかをきっかけに取り組んでいかなければならないと。業務プロセスを見直すということをまず実態把握から始めて取り組んでいきたいと。そして、必要な残業にはサービス残業ではなくて、しっかりお金を払っていくというふうにしていきたいと。
それから、組織目標を示すというのも、増田大臣が知事をしていたときから、やはりそういうことをやっていたので、国でも徹底していくことが必要だと。どう実行するかを検討していきたいと。
額賀大臣から、国民に予算を誰が受け取り、どう使われているかを示すのは非常によいことだし、無駄を省くためにも重要だと。この公共調達の契約関係だとそれはよくわかるし、既に1件ずつは出ているわけですけれども、補助金というのは団体から、そこからまた更に企業とか個人に渡されているものがあるわけですね。これは各省庁に聞いて、どういうシステムをつくるか勉強していきたいという発言がありました。
それから、次の公益法人についてです。道路関係公益法人と同じような見直しを、他の行政関係の公益法人についても行って、その改革の方向を「骨太方針」に盛り込むべきだというのが民間議員の提案です。
公益法人というのは、天下りや無駄遣いの温床であり、ここをしっかり改革していかなくてはならないと。行政改革の重点課題の1つとして、政府を挙げて取り組むべきだと、これは民間議員からの発言です。
それから、他の民間議員から、公益法人というのは、明治29年の民法以来、抜本的な改革がなされていないと。公益性の判断というのは、各省に委ねられていると。それから、補助金の交付を受け取っている公益法人が930法人あって、そのうち求められている事項、情報開示が求められている事項を全部公開している公益法人は84%、補助金等の支出明細書を作成、公開している公益法人が73%だそうで、これを全ての公益法人で公開するように、各省は指導すべきだと。
それから、個人の人件費の管理、人件費の管理は個人ベースで行うべきだと。1人の人が非常勤の形で複数の公益法人の役員をしている場合もありますので、個人ベースで確認して、抑制していくべきだと。
それから、額賀大臣から、この「ムダ・ゼロ」については、3月に総理から指示があったし、公益法人については4月1日に官房長官から指示がなされていると。6月までに総点検するということになっていると。補助金への支払い、支出、歳出が3,000億円、随意契約が18年度で4,400億円ということで、しっかりと点検していきたいという御発言がありました。
官房長官から、道路関係の公益法人の改革が今まとまりつつあると。それを1つの目安にして、その他の公益法人についても、相当程度数を減らすとか、人を減らすという思い切った改革をしていきたいと。4月のうちに各省1つ、2つ、公益法人のモデルを出してその見直しを、見直しのモデルをやってもらって、6月頃に各省の総点検を終えるという作業が今始まっているということです。
民間議員からは、ぜひスピードアップをしながらやっていただきたいと。公益法人の改革をやるかどうかで、政府の改革の姿勢が問われるということでした。
この「ムダ・ゼロ」の2つのペーパーをあわせた形で、総理から次のような御発言がありました。この公益法人の改革というのは、「骨太方針」にしっかり記述するということで進めたいということがありました。
それから、2つ目に内部の管理業務の効率化で、旅費を突破口にして、各省縦割りのものを横断的に標準的にして効率化するということが前回議論されまして、総理から早くやれという指示があったわけですが、今回も3カ月くらいでやり方の結論を出して、半年後に実行に移していくということで、なるべく早くやるようにと。これをモデルにして、給与の支払いとか、他のものにも広げていきたいと。
それから、もう1つは仕事の棚卸しというのが民間議員提案の中にありますけれども、実は各省が政策をなかなか整理せずに、昔から、今も必要な政策かどうかの点検がないまま、政策がずっと続いているというのがあるわけですね。以前から続いている、なかなか整理されていない政策があると。この政策の点検もしっかりとやってほしいと。各省概算要求までに一度徹底してこの政策の見直し、仕事の棚卸しだけではなくて、政策の棚卸しもということだと思います。各省概算要求までに一度徹底して見直してほしいと。これはまた、私からも指示していきたいという発言がありました。
今日の議論は以上です。
次回の諮問会議の日程を今朝の記者会見で申し上げられませんでしたが、23日を予定しております。
議題はまだ決まっておりません。今調整中です。決まり次第、また御連絡させていただきます。
私からは以上です。

2.質疑応答

(問)「ムダ・ゼロ」の(2)の公益法人の方ですね。2.の(4)で「点検状況を踏まえて、今後の改革の方向を「骨太方針2008」に反映する」とあるんですが、全体の点検の締め切り自体は6月末に設定されているかと思うんですけれども、これは先ほど町村さんの方から、各省1つ、2つモデルを出してもらってというのがありましたが、この部分だけを反映させるというなんですか。それとも、点検自体を前倒ししろというような指示があったんでしょうか。

(答)点検は6月末であっても、6月にならないと全部出てこないわけではありませんので、4月のモデルケースではなくて、なるべく直近までの点検状況を踏まえて改革の方向を、ですから改革の方向というものはそれまでに考えて「骨太方針」に入れていくということです。

(問)もう一つ、先ほど町村さんの発言を御紹介いただいたんですが、各省1つ、2つをモデルを出してもらう。これは具体的な公益法人を1つ、2つ各省が選んで、これをこう変えますという具体例を出せという、そういうふうにとらえて……

(答)さっき御紹介したとおりの御発言なんですけれども、恐らく道路関係法人というのは具体的に今進んでいるわけですね。多分、それと同じように各省の公益法人、これも数が多いですから、1つ2つ、どういう改革をやるのかというモデルを出すということだと思います。これは具体的に出していくということだろうと思います。
先ほど御紹介したのがほぼ、発言全体ですので、必要であればまた官房長官記者会見ででもお聞きいただければと思います。

(問)細かい質問で恐縮なんですが、総理の発言の趣旨について確認したいんですが、「今回も3カ月ぐらいでやり方の結論を出して、半年で実行に移す」という、その「今回も」というのは、何のことを指して仰っているんですか。

(答)旅費を突破口にした内部業務の見直しで、まずは旅費を突破口にせよと。各省旅費の計算が全部縦割りになっているんですね。やり方も違いますから、ITを横断的に導入することもできないと。これについて、早くやれという指示が前諮問会議で議論したときに出ました。全体を通して、岸田大臣からは1年ぐらいで改革の方向を、これは旅費だけではありませんが、全体の電子政府の進め方を1年ぐらいで改革の方向を出すということだったんですけれども、総理からも早くやれと、3カ月ぐらいで検討の結論を出せという御指示があったんですね。それを改めて、今回の民間議員ペーパーにも書かれていますので、なるべく早くやれということの例としてこれをお出しになったというふうに受けとめています。行政の見直しを3カ月ぐらいで結論を出して、半年後に実行に移すということですね。ここは、ですから改めて確認ということですね。

(問)「ムダ・ゼロ」の公益法人、2.(1)で、民間議員ペーパーの方に「対象法人の大幅な削減を目指す」と、「大幅な」とあるんです。また、今日、先ほどの官房長官の発言の御紹介で、相当程度数・人を減らすというふうにあるんですけれども、数値目標等の話はあったんでしょうか。

(答)それ以上はありませんでした。道路関係法人は半減を目指すと書かれていますけれども、これは公益法人の性格にもよりますし、一律にここで数値目標という議論まではいっておりません。大幅に、とにかく国民が見て納得するように減らしていくということだと思います。これ以上の具体的な議論はありませんでした。

(問)「ムダ・ゼロ」のベストプラクティスの方ですけれども、1.(1)で予算の管理とか、あるいは残業の3割削減とかに20年度から試行というふうに丸括弧で描いてあります。これはこういったふうに今日決めたということでよろしいんでしょうか。

(答)結構です。

(以 上)