第7回会議(平成20年4月8日) 大田大臣 経済財政諮問会議後記者会見要旨

大田大臣

18時57分~19時20分 於:共用220会議室

(1) 「環境力」の発揮について

(2) 「基本方針2008」について

1.発言要旨

 今日の議題は2つです。1つ目は「環境力」について、2つ目は「骨太2008」についてです。
主な議論を御紹介いたします。
まず、民間議員からは、環境力をつけるための比較的具体的な、経済的な支援措置に踏み込むべきだという具体的な提案がなされております。それから、ガソリン税率を維持すべきだという提案もなされております。それから、鴨下大臣からも資料が出されました。
その後の議論を御紹介いたします。
まず、甘利大臣からも、これも資料に沿って御説明の後で、セクター別のアプローチもなかなか受け入れられずに来たけれども、徐々に専門家の中で理解者が増えてきていると。革新的技術のロードマップが必要ということもだんだん国際的に共通認識になっているというお話がありました。
それから、民間議員から、低炭素社会に転換するには、経済的インセンティブが重要で、ヨーロッパでも補助金や税制を使ってやっていると。そういう中で、日本がガソリン税を下げてしまうと、世界の流れに逆行するのではないかと。それともう一つ大事な点が、自然エネルギーだと。ドイツは、太陽光パネルを電力会社が買い取るということで飛躍的に伸びた、このような措置を考えるべきだと。この太陽光パネルについては、今日、比較的議論がなされています。順を追って御紹介しますが、1つの焦点になっています。
別の民間議員から、成長戦略という観点でこの環境を見たときに、大事なことが3つあると。1つは、CO2を削減する技術を開発するということ、2番目が原子力、それから3番目が自然エネルギー、特に太陽光の発電が大事だと。日本は、風力というのは山間地が多いのでなかなかうまくいかないと。その点と太陽光は重要であると。この技術開発にインセンティブを与えるということは、波及効果も強いし重要だと。日本は、生産の技術は強いので、開発力をつけることを考えると、この20年先を見て、太陽光パネルを支援していくということは大事だと。
それから、別の民間議員から、まず日本はなぜ省エネが進んだかというと、公害が発生したからだと。したがって、技術開発と環境というのは、高い目標を抱えることに加えて、経済的なインセンティブが重要であると。その意味で、排出量取引というのは、国内的にもこれを導入することは技術開発にプラスである。それから、太陽光パネルが重要で、これは外部効果があるのだから、補助金を入れるということは必要ではないかと。
それから、別の民間議員から、温暖化対策として家庭部門のCO2排出量が急増していると。したがって、国民一人一人が意識を持つような国民運動が必要で、サマータイム制度の導入を国と自治体が率先して検討すべきだと。民間議員からの具体的な提案について、鴨下大臣の資料にもカーボンプライシングという言葉があって、カーボンに値段をつける時代になってきていると。野放図にCO2は排出できないという時代になってきていると。そういう意味で、インセンティブをつけていくという民間議員の提案は賛成であると。
それから、額賀大臣からは、この太陽光発電は、日本は技術を持っているわけですから、それをどう広げていくのか。さらに、開発につなげていくのかというのは、私どもも勉強して提案したいという発言がありました。
この太陽光発電への支援について、甘利大臣から、大変重要なんだけれども、悩ましい点もあって、ドイツはこの支援策によって画期的に進んだけれども、20年間定額の買取であったために、太陽光の発電会社がたくさんできたと。かかった価格を電力会社が家庭に転嫁したために電力料金が上がってしまったと。IAEAからも、より市場的な手法を使うようにという勧告が出ているというような御指摘もありました。
別の民間議員から、太陽光発電で出ている議論は、電力会社にということ、あるいは太陽光発電会社へのインセンティブという議論が出ているわけですけれども、基本はユーザー側にインセンティブを与える仕組みが望ましいと。サプライサイドにインセンティブを与えると競争力を制限する可能性もあるという発言もありました。
最後に総理から、次のような御発言がありました。低炭素社会を実現するには、民間議員が提案されたこの日本の行動計画というのが必要だと私も思うと。この場合の行動計画がどんなものであればいいか、有識者会議でも議論してもらうことにすると。
それから、環境力をつけるには、思い切った取組が必要だと考えていると。今日の民間議員の提案を実現できるように、官房長官、環境大臣、経産大臣、財務大臣で検討してほしいという発言がありました。
次の「骨太2008」に移ります。
民間議員からは、「骨太2008」について、内閣の方針を示すものとすべきだということで、5つのポイントが書かれております。それから、1月に取りまとめたこの民間議員提案の最後に資料としてつけてありますが、1月に取りまとめました今年の課題の後、幾つか状況が変わった点がありますので、それで割と早い段階で民間議員が提案をしてくださっているわけですけれども、マクロ経済の議論の充実とか、予算の無駄遣いをなくす仕組みとか、道路特定財源、あるいは税制改革といった提案がなされております。
議論を御紹介します。
民間議員から、この「骨太方針」は政策を羅列するのではなくて、一つ一つ課題を解決していく政府のコミットメントでなくてはならない。総理の意思が明確に反映されるものにすべきだと。2点、特に重要な点として、重要といいますか、特に指摘しておきたい点2つということで、1つは基礎年金の未納・未加入問題がまだ解決されていないと。この脆弱な構造を変えるために、2009年度までに国庫負担割合を2分の1に引き上げるということは重要だけれども、その安定的な財源はまだ明らかになっていないと。社会保障国民会議で議論されているけれども、「骨太2008」においても可能な限り財源を明記していくべきだと。それから、もう1つの重要な点が、日本の強みを生かす技術力を高めるための政策が必要だと考えると。
別の民間議員から、今回行われるはずの抜本的な税制改革というのは、社会保障、少子化、道路特定財源という観点からも非常に重要であると。したがって、政府税調でも前倒しして議論をしていく必要があるのではないかという発言がありました。それから、今公務員制度改革の法案が出されておりますけれども、これはやはり一歩前進しているもので、関係者の努力に敬意を表すると。これが成立するかどうかが非常に重要で、国民が注視していると。ぜひ今回の国会で成立させていただきたいと。これができなければ、次からの地方分権を初めとした改革の信頼性も失われてしまうと。
それから、別の民間議員から2点指摘がありまして、1点は、働きながら子育てできる環境とあるけれども、出産ができるということも大事で、産科医の不足を解消するということ、こういう医療を含めて安心できる社会にするということが重要だと。それから、もう1つの点として、財源問題がこれからますます重要になってくると。何に使うのかというプライオリティーをはっきりさせていく必要がある。今、日本が何をしなくてはならないのかという優先度を議論することが必要だと。プライマリーバランスを2011年に黒字化させるという目標と両立させるためにも、優先度の議論が必要である。
それから、増田大臣から、新成長戦略で、やはり今多くの地方が厳しい状態にありますから、地方の成長力強化が必要だと。そのためには、今の経済構造を大胆に変えることが必要であるということで、これ以上具体的なことは仰いませんでしたので、私の方からまたいずれ、大胆な経済構造を御提案いただきたいということをお話ししました。
それから、額賀大臣から、やはり財政規律を維持するのに改革路線をしっかりと掲げていく必要があるので、「骨太2006」に沿って改革をしていくということ、財政規律を守っていくということが大事だと。それから、税の議論が道路特定財源の観点からも、社会保障の安定財源という意味からも重要で、やはり道路を考えるときも、税制と一緒に一体となって考える必要があるということでした。国民に対してわかりやすい、すとんと落ちるような「骨太方針」にしたいということでした。
甘利大臣から、グローバル化というのが重要な課題だと。日本の市場は閉鎖的だと見られているけれども、それを払拭すべく国際化の観点を盛り込んでいくことが必要で、オープンスカイ、EPA、それから高度な外国人人材の受け入れ、株式市場の国際化、こういった課題をしっかりと入れていく必要があると。それから、景気の下振れのリスクが高まっているので、地域や中小企業に対して短期的な視点だけではなくて、業種別の生産性向上に知恵を結集していきたいという御発言がありました。
それから、白川副総裁から、日銀短観で、原材料、エネルギーが上がっているということの悪影響が景況感に出ていると。それから、収益も弱くなっていると。ただ、従来の局面と異なって、今回は設備、在庫、雇用の過剰感が出ていないということは、プラス材料であると。G7を含め経済の状況をよく見ていきたという御発言がありました。
最後に、総理から次の御発言がありました。
道路特定財源の一般財源化は、きちんと進めていくと。「骨太方針」にもしっかり盛り込んでいきたいと。それから、先ほど環境の議論のところで民間議員からガソリン税率を維持すべきという御発言があったわけですけれども、これを受けて、ガソリン税率を維持すべきだという主張を先ほど民間議員からいただいたと。税率を維持しても、これが無駄に使われないよう、つまり国民のために使われるということを国民の皆様によく説明していくことが大事だと。行政の無駄をいかになくしていくかに力を注いでいきたいと。この行政改革ということについて、諮問会議でも徹底して議論をしてほしいという発言がありました。
私からは以上です。

2.質疑応答

(問)まず、先ほど最後の総理発言で道路特定財源の一般財源化について触れた部分があったと思うんですが、この他、民間議員なり、出席されているメンバーなりでそこに触れた部分というのはあったんでしょうか。

(答)環境のところでは幾つか御紹介しました。「骨太2008」の議題でも、全部御紹介いたしましたので、それぐらいですね。あとは、例えば税制と一緒になって議論しなければいけないという額賀大臣の議論も御紹介いたしました。大体全て御紹介しております。

(問)もう一つ、「環境力」の方で、民間議員の提言には環境税の検討というものも入っているんですが、これについて財務大臣はじめ他の出席者が言及した部分というのはあったんでしょうか。

(答)民間議員の提案の中でも、要は経済的メカニズムを使うべきだという例として、環境税が出てきております。環境税を導入すべきだというような個別の議論ではありませんでしたので、これについての議論はございません。経済的インセンティブという中での議論になっています。

(問)最後の総理発言でございました行政改革についても徹底して議論してほしいというお話だったんですけれども、これは先日の首相提案の中に出てきました公益法人の見直しの部分というのを意識した発言ととれるんでしょうか、どういう枠組みで仰ったのか……。

(答)全部だと思います。特別例示はされませんでしたけれども、要は無駄ゼロということをかねがね言っておられますので、行革を徹底させるという全般的なことで言っておられると思います。

(問)あともう一つなんですけれども、環境の方で、民間議員が提案した行動計画が必要で、その計画がどんなものか有識者で議論したいというお話だったんですけれども、議員ペーパー、事前にいただいたのを見させていただくと、「改善が困難な現実と遠い将来の理想像が乖離し、」「必要なのは両者をつなぐ優れた日本の行動計画である」という書き方をしているんですが、これは数値目標的なものを含むと考えられるのでしょうか、それとももっと包括的なものということなんでしょうか。

(答)民間議員の提案はここに書かれているとおりなんですが、要は現実にはこんなに難しいという話と、2030年とか2050年の理想的な姿と、両方が環境の議論が出てきて、ここをどうつないでいくのかというステップがないわけですね。恐らくどの段階でどういう目標、それは数値も恐らく含むんだろうと思いますが、どんな目標を掲げていくのか、それに向かって社会はどういうスケジュールで展開していかなければいけないのかというような遠い将来と足元の現実をつないでいくような計画ですね。そういうイメージだというふうに思います。
これは、初めて作る計画ですね。例えば、道路の中期計画といったものとは全然性格が違う、ある種環境という部分には何らかの、計画経済ではないんですけれども、やはり計画的に社会で取り組んでいかないとできないという部分があります。これまで資本主義社会の中の政府は、そういう形の計画は作ってきていないのだと思うんですね。そういう意味で、これは新しい計画になりますから、その計画のあり方そのものをまず有識者会議で検討してもらうというのが総理の発言の趣旨だろうなと私は受け止めました。

(問)税制改革のところなんですけれども、前倒しをしてほしいという民間議員の発言もあったんですが、大臣の中で今どういうイメージ、例えば早目に税調を始めるとか、与党の方にどれだけアプローチできるのかどうかわかりませんが、政治の方の議論をもっと早目に始めてもらうとかということなのか、これがまず1点。
それから、「骨太」の今後の展開なんですけれども、6月にまとめるということなんですが、それまでの個別のこういう項目を4月中にやって、5月はこういう感じでという、大まかな漠とした想定がありましたらお願いします。

(答)まず、税制改革ですが、今日、民間議員からそういう御提案がありましたので、政府税調の香西会長ともお話をしたいと思っています。なるべく早目にということでしたので、恐らく時間のかかる議論になりますので、香西会長ともお話をしたいと思っています。これは「骨太」を挟んで、その後にもずっと続いていくような議論なんだろうと思います。
それから、「骨太」に向けての議題のスケジュールはまだできておりません。もちろん議論しなければいけないパーツはあるんですけれども、それをどういう順序で並べていくかというのはおいでいただく大臣のスケジュールにもよりますし、まだお話できる段階ではありません。

(問)歳出歳入一体改革の堅持、財政規律を堅持するというところの関係で、先ほど御紹介いただいた額賀財務大臣は、「骨太2006」に沿って改革していくというようなことを仰っていましたけれども、これは「骨太2006」に色々書かれている各個別分野の削減なり抑制の数値目標を今年の年末の予算編成に向けて維持していくということなのかどうか。
それと、出席者の間で、そこはそういうことで路線を確認されたという理解でよろしいのか。他の方の御意見なんかももしあったのであれば、教えていただきたいんですけれども。

(答)額賀大臣の発言は「骨太2006」、それを受けた「2007」、これをしっかりと堅持していくと、仰ったとおりだと思います。これに関して、他の方から御発言は今日はありませんでした。

(問)発言なかったというのは……

(答)反対はないということだと思います。

(問)そこは確認されたという理解でよいよろしいんでしょうか。

(答)一つ一つの御意見について、いかがでしょうか、反論ありますかというようなことは向けておりませんが、歳出歳入改革というのは、当然「骨太2006」、「2007」を踏まえているものですから、それをこれからも堅持していくということです。

(問)その関係で、今日の議論とは違う話で恐縮です。最近、社会保障関係費、5年間で1兆1,000億円ですか、抑制していくというようなことの方針について、1年目、2年目やってきたわけですけれども、閣内でも限界に来ているという意見も出ていますけれども、与党にもそのようなことを言う方がいらっしゃるようですけれども、大田さん自身は、この方針については、単純割すると毎年2,200億ということになるんですけれども、それをやっていくべきなのか、そこも含めてもう1回考えてみる必要があるのか、どちらのお考えに近いでしょうか。

(答)まず、社会保障に関しては、やはりメリハリをきかせていくということは必要だと思いますので、これについては諮問会議でも高コスト構造、質の向上と効率化のためのプログラムをつくっております。この効果がどんな具合に出てくるのかというのは見極めて、メリハリをつけていく努力はしていかなければいけないと思います。その上で、やはり社会保障全体の給付と負担をどう考えるのかというのが、今国民会議で議論されております。この議論も踏まえてどういうステップでやっていくかを今後議論していきたいと思っています。

(問)政府税調なんかを前倒ししてほしいという議論に関して、総理はそれに関しては何か反応といいますか……

(答)いえ、特別ありませんでした。

(問)うなずくとかも。

(答)いえ、うなずかれたかどうか、横を見ていたわけではありませんので、特別な御発言はありませんでした。

(以 上)