第6回会議(平成20年4月1日) 大田大臣 経済財政諮問会議後記者会見要旨

大田大臣

19時04分~19時25分 於:共用220会議室

(1) IT化について(電子政府)

(2) 金融・資本市場の競争力強化について(株式市場等)

1.発言要旨

 今日の議題は2つです。1つは電子政府について、もう1つは、金融・資本市場の競争力強化ということで、特に株式市場について議論いたしました。
まず1つ目の電子政府ですけれども、何人かの大臣から資料が出されております。民間議員からの提案もあります。それぞれ同じようなことを言っておられるわけですね。つまり、ここで一挙にスピード感を持って進めなきゃいけない。そのときに、単に導入するだけではなくて、利用されるような電子政府にならなきゃいけないということを同じように言っていると。皆同じようなことを目指しながら、何で実現できないのかということで幾つか議論がありました。
まず、何故できないのかというときに、特に役所が業務そのものを変えていないと。業務そのものを分析してIT化しやすいようにして、つまりITを導入するということは、標準化を進めるということでもありますので、ITを導入しやすいように業務を変えてやらなくてはいけない。それができていないというような議論が幾つかありました。
役所の中でも岸田大臣、増田大臣、甘利大臣から資料が出されておりますけれども、ITの担当は岸田大臣です。岸田大臣はビジョンを描こうとしておられるわけですけれども、岸田大臣には、手足がありませんので、では実際に各役所に対して、例えば添付書類をやめさせるとか、業務の仕方をこういう形でやれというように、引っ張っていく、指示していくとなると、今度はやっぱり増田大臣の力が必要なわけで、増田大臣のほうからも、やはりそこは横の連携をしっかりとっていかなきゃいけないと。プランを立てて引っ張る大臣は1人でなきゃいけませんので、2人も3人もいますと政府の中で幾つもの方向に行きますので、ここはやはり岸田大臣にしっかりとイニシアチブをとってもらって、政府が横で連携をとってやっていく体制にしなくてはいけないというような議論が出ました。
大体同じような議論ですね、この実行されているかどうかが問題だとか、役所の内部がばらばらで、これはもう下が合わせるしかないんだと。例えば旅費の申請なんかばらばらなわけですね。帳票もばらばら、システムもばらばら、これはもう「このやり方で行け」と、政府はこれで行くと決めて、それに従わせなくてはいけないということで、旅費については今、経済産業省を中心にやっていただいていますけれども、政府全体として岸田大臣がイニシアチブをとり、それを総務大臣なり経産大臣なり、一緒になって連携をとってやっていくということで議論がなされました。
民間議員から、それをやるときに市販のパッケージで動くように、複雑なシステムではなく市販のパッケージで動くような形で行っていくことが必要だという議論がありました。
岸田大臣からは、民間議員の提案に沿って、民間議員が提案している3つの先行プロジェクトについては、1年以内に実行計画をつくりやっていくというお話がありました。
これに対して、総理から、国民の利便性と役所の無駄を省く一石二鳥の余地というのは、まだまだたくさんあると。そういうことを政府のIT化でやっていかなきゃいけないと。しかし、これまで本当に随分時間がかかっていると。なぜこんなことができないんだろうかと思う。岸田大臣を中心にぜひ頑張ってほしいと。役所の内部業務の旅費とか、まずは旅費を突破口にというのが民間議員の提案ですけれども、旅費だけじゃなくて給与の支払いもあるわけですね。こういうものは1年と言わず、3カ月ぐらいで計画をつくって、半年後には実現しているようなスピード感でやるようにという指示がありました。
次いで、金融・資本市場の競争力強化です。
まずこの議論に先立ちまして、民間議員の伊藤先生がアメリカに出張されまして、サブプライム住宅ローン問題について幾つか調査してこられましたので、その簡単な御報告がありました。今、アメリカの金融当局でも非常に危機感が強い。依然として不確実性が大きい。実体経済については、年前半に成長率は潜在成長率を下回るけれども、後半は回復と見ているエコノミストが多い。いずれにしても、住宅市場の下落がどうなるのか。ここがとまらなければ、やはり泥沼のような状態になっていく可能性もあるわけで、そこがポイントであるというようなお話がありました。これは詳しくは、また議事要旨でごらんください。
その後、民間議員から提案がありまして、このサブプライム住宅ローン問題で明らかになってきた日本の株式市場の脆弱性というものがある、これを克服することは成長戦略にとって不可欠であると。一方で、日本の家計は1,500兆円を超える、今1,540兆ぐらいですか、その金融資産を持ちながら、依然として預貯金の比率が高くて、なかなか高い利回りを得られていないと。ここの好循環をつくるような具体的な仕組みはないかということで、確定拠出年金、401kの利用を拡大させることで、株式市場の厚みをつくり、なおかつ老後の家計の老後資産の厚みをつくる、この好循環の提案がありました。
それから、渡辺大臣のほうからは、公務員も401kに加入できるようにというような提案がありました。これに対して、民間議員から、若い世代が株式を持ち、それから老後は債券というのがライフサイクルの上から言うといいわけですが、実際は逆に退職金を受け取って株式投資が増えるというようなパターンになっていると。たとえ少額であっても、長期に株式投資ができるような仕組みが必要で、20年、30年保有すれば預金金利を上回ると。それから、配当だけでも預金金利を上回るというようなこともあるので、ぜひその株式投資をエンカレッジするような仕組みが必要であると。
他の民間議員から、この401k、確定拠出年金というのを今より拡大して国民に社会保障の補完となる手段として位置付けるべきだと。国民はやはり社会保障に不安を持っているので、確定拠出年金が社会保障の補完的な機能を持って、将来の生活設計に位置付けられることが必要だと。転職しても、ポータビリティーを確保するような制度にしていって、社会保障として位置付けることが必要ではないかと。
別の民間議員から、確定拠出年金の制度がイギリスやアメリカでは給与の何%というような限度額の設定になっている、日本は実額で設定されているので、給与の何%というような限度額にして広げていくことが必要ではないかと。
それから、今ネットで投資ができますので、少額であっても低い手数料でやりやすくなっているというような御発言がありました。
額賀大臣からは、こういう貯蓄から投資へで、どういうインセンティブを与えるかというのは、党でもこれまでいろいろな議論がなされていると。ぜひ民間議員の知恵も借りながら、環境づくりに努力していきたいと。来年度からこうしようというような具体的な政策をどう展開するかは、今後検討していきたいという御発言がありました。それから、渡辺大臣が言っておられる公務員の401kですけれども、これに対しては、今共済年金と厚生年金を一本化しようという議論で、そのとき3階部分をどうするかというのが議論になっておりますので、そういうこととの絡みも考えて整合性も考えていかなくてはならないという御発言がありました。
それから、これもお名前を申し上げていいと思いますが、甘利大臣から、個人金融資産の中で1,500兆円以上の個人金融資産の中で、機関投資家に流れる割合というのが低く、しかもその機関投資家の運用ポートフォリオの中で株式の比重が低いと。したがって、株式というのは長期で見れば、定期預金よりは利回りはよいはずなので、保険年金の機関投資家でも株式の比重を高くしていく余地はあるだろうと。公的年金の運用のあり方についても議論をすべきときではないかという御発言がありました。
最後に総理から、日本の金融・資本市場の競争力を高め、世界の中で中核的な金融センターを目指していく、これは施政方針演説の中でも申し上げたところだと。これに向けて骨太の議論を続けてほしいと。今日は、民間議員から老後の資産形成と株式市場の厚みを目指すというよい提案をいただいたと。八代議員から─この八代議員というのは民間議員ペーパーを説明したわけですけれども、「日本の株式市場の脆弱性」という言葉があったけれども、この脆弱性を今のような方法で克服できるように、提案があったような方法で克服できるように取り組んでほしいという御発言がありました。
最後に、「骨太2007」それから経産大臣から「成長戦略大綱」、この2つのフォローアップについて御報告がありました。
私からは以上です。

2.質疑応答

(問)日本版401kの拡充についてですけれども、昨年の4月17日の民間議員ペーパーでもほぼ同趣旨の提言がなされておりまして、成長力加速プログラムにも「検討する」と書かれているわけで、この間また改めて民間議員が提案するということに至ったわけですけれども、政府の中での検討状況はどの程度進んでいて、どの程度進んでいないのか、その辺を教えていただけますか。

(答)これはかなり税制に絡む議論でありますので、税の議論の中でやはりやっていくということになると思います。なかなか昨年の秋は税の本格的な議論というのができませんでしたので、「骨太」には一応書かれてはいるんですけれども、なかなか議論が進まないまま、ここに至っております。そこで民間議員から、さらにもう少し詳細な形で今回提案があったと。今後また税制の議論の中で具体的に詰めていくことになると思います。

(問)電子政府のところで、先ほどどういう障害があるかということについては要約して御説明いただいたんですが、発言者が引用できる差し支えない範囲で、こういう要因があるから進まないんだ、あるいはこうすれば進むというような発言があったら、ちょっと具体的なものを御紹介いただきたいんですが。

(答)まず岸田大臣からは、いろいろ努力はやってきたと。努力はやってきたけれども、役所間の横の連携がとれていないために、手続の効率化に終わってしまっていると。手続の効率化というのは各役所がそれぞれの手続の効率化でやっていきますので、政府全体の効率化にならないわけですね。それで、4月中に電子政府の構想をつくって各省連携してやっていきたいという話がありました。
それから、渡辺大臣の資料にあると思いますけれども、普及率50%を目指すということでは、紙と電子媒体の両方が併存してしまいますので、やはり100%ということを目指さなくてはいけないという御意見がありました。
それから、民間議員からですけれども、実行されているかどうかが問題なんだと。ある新聞の意見の投書欄にあったらしいんですけれども、税を電子納税しようとしたら、ICカードリーダーのある税務署は名古屋に1カ所だけだったと。それでリーダーを買いに行こうとしたら、その店で品切れだったと。それで結局できなかったというような投書があったようで、行政が納税者の目線に立ってやっていかないといけないんだと。電子政府の設計図ですとか基本方針とか、その形をつくるだけではだめで、納税者が本当に使えるかどうかということが重要だと。
それから、もう1つは、先ほど御紹介した業務そのものを変えていかないといけないんだと。これは民間企業だってそういうことを経験して、業務そのものを変えていってIT化を進めるということをやってきているわけですね。民間議員ペーパーの中にも出されていますが、発言された民間議員は、7つの事業所の旅費とかそういうことでしょうね、統一化して15万件を1人でやるようになったというような例を話されました。
それから、これも御紹介しましたが、増田大臣が、やはり役所の内部の旅費のやり方が、各省の仕組みがばらばらだと。だからやるとしたら、「これはこれでやる」ということで従わせるようなことをしない限り進まないだろうと。そんなところでよろしいですか。

(問)白川さんから何かごあいさつのようなものがあったのでしたら、その内容と、あるいは会議の中での発言などがありましたら教えてください。

(答)特にはございませんでした。最初、「白川です」というごあいさつがありました。

(問)先日の総理の道路財源の一般財源化なんですけれども、これについて何か諮問会議の中であったでしょうか。
それから、そろそろ「骨太」に向けた議論もしなきゃいけないと思うんですけれども、今回の総理の発言なんかも踏まえるような形になると思いますが、どういった形で進められるのか、イメージみたいなものをお伺いしたいんですけれども。

(答)今日の発言の中で民間議員から、最後の議題の「骨太2007」のフォローアップのところで、それに補足ではないんですけれども、御発言が1つありました。総理が示された道路特定財源の考え方というのは、これまでの改革に明確な道筋をつけるものだと。一般財源化して環境対策とか、そういう優先順位の高いものに充てるということ。それから、行財政改革にも踏み込んで総理の記者会見はされましたけれども、これは大変重要なことで、民間議員として支持したいと。それから、暫定税率は環境のこととか考えて、やはり維持することが必要で、その早急な決定を明言されたということも支持したいという発言が、これは1人の民間議員の方からありました。
今後の「骨太」に向けての議論ですけれども、まだ全体のスケジュールは立てておりませんので、まだイメージは私自身も固めておりません。また、総理とも御相談しながら、これをどう扱っていくのかというのは考えていきたいと思います。
いずれにしても、税制の議論の中でというふうに総理も言っておられますので、骨太までの間にどんな形で議論ができるかは、少し総理に御相談してみます。

(問)あと、今回の税制問題の法律がまだ通らない中で、これがその「骨太」の議論に遅れる影響とか、そういうところが出てくるのかどうかという……

(答)「これが」といいますと。

(問)暫定税率の法案がまだまとまっていない状態ですよね。そういった、国会の混乱が諮問会議の……

(答)「骨太」の取りまとめにということですね。
なるべく早く決定していただきたいと思います。今は、あまり仮定でどこまで遅れるかというのはなかなか考えられませんので、なるべく早く決定してほしいと思います。少なくとも、「骨太」は21年度予算について議論するわけですので、なるべく早く決着してほしいと思っています。

(以 上)