第4回会議(平成20年2月28日) 大田大臣 経済財政諮問会議後記者会見要旨

大田大臣

18時55分~19時16分 於:共用220会議室

(1) 業種別生産性の向上について

(2) 政府機能の見直しについて

  1. 国と地方の仕分けについて
  2. 官と民の仕分けについて

1.発言要旨

 今日の議題は2つです。1つは、生産性向上プログラムについて。もう1つは、政府機能の見直し、事業の仕分けです。官と民の仕分け、それから国と地方の仕分けについてです。
まず1つ目の生産性の向上については、民間議員から業種横断的な取組、それから業種別の取組のそれぞれについて、ペーパーに沿って御説明がありました。それから、甘利大臣から、今サービス業の生産性向上に産業構造審議会で12の業種で取り組んでおられますので、その概要。それから、小売業を例にとって、具体的な生産性向上プログラムのサマリーを御紹介いただきました。
総理は今日は国会が長引きましたので、途中から出られまして、この生産性向上の議論のときは、おられませんでした。ただ、民間議員のペーパー等はあらかじめ御説明してありましたので、それに基づいて後ほど御発言がありました。これは後で紹介します。
まず生産性向上について、民間議員から、IT化を活用するということが必要だとよく言われるけれども、なかなか進まない。民が自立してしっかりとIT化を進めるような環境にならなくてはいけない。民がその気になるような互換性のあるソフトを開発するよう、官としても要請していくことが必要ではないか。
それから、別の民間議員から、政府もまた中小企業。もちろん政府全体をとると従業員の規模も大きくなるわけですけれども、それぞれの役所が縦割りで事務をやっております。行政サービスの中身もばらばらで、例えば給与計算なんかは各役所でやり方が違っているわけです。ばらばらであって、なかなかまとめることができない。IT化というのは、各省の事務を比較可能な形で示すことであって、このIT化をてこに仕事のやり方を変えることで、効率化が進むはずだという発言がありました。
別の民間議員から、中小企業のサービス産業の生産性が低いのは、公的分野にも当てはまる。電子政府を進めるために、例えばETCの割引が効率化にどれぐらい影響を与えたかをしっかり分析して、効率的なインセンティブを仕組むことが必要だと。
別の民間議員から、日本の特徴は開業率も廃業率も低いと。なぜこの新陳代謝が起こりにくいのか、規制や税制など含めて分析が必要だと。
それから、これはお名前を申し上げます。総務大臣から、SaaSとかASPをなるべく活用することが必要で、今こういうものを活用するための支援の指針や認定基準をつくっている。まずは自治体、地方の商工会議所に徹底してこういうものを使うように加速させていく。それから、民間議員の提案の中にも、一挙にIT化を進めるような、少しショック療法的に進めるような仕掛けが必要だという提案があるんですけれども、総務大臣から、こういう取組をなるべく利用するようにインセンティブを働かせることが必要。総務省でも、無線局免許の電子申請手数料を30%下げる予定でやっている。今、e-tax、電子納税を使うと5,000円割引になるが、それは公的な認証の機器を買う1回限りだそうで、こういうものを恒常的にe-taxを利用するとインセンティブがあるような仕組みをもっと続けていくべきだというのは、他の民間議員からも御発言がありました。
私から、甘利大臣には、小売業を含めて12業種の取りまとめをよろしくお願いしたい。それから、それ以外の経産省以外の業種については、関係大臣に策定していただくよう私から御協力を要請するということを申し上げました。
総理からは、最後に御発言がありましたので、後でまとめて申し上げます。
次に、事業の仕分けで、まず官と民の仕分けについて、落合委員長から市場化テストの報告がございました。監理委員会で本当に精力的にやっているけれども、対象事業は各府省と協議しながらやっていくしかない。監理委員会がイニシアチブをとって、対象事業を選定することができないので、非常に苦労しているという話がありました。各省大臣におかれては、積極的に対象事業を出してほしいという話がありました。
民間議員から、民間議員の提案の中で、政府の仕分けだけではなくて、仕事を改革するときに、やり方そのものを変えていかないといけない。そのとき、民間のベストプラクティスを参考にすべきだという提案がありますが、これに関連して、例えば民間では5年間で5%程度改革するようなものは改革とは言わない。これは単なる節約。改革を本当にやるなら、政府も思い切って10%ぐらいの経費カットといったようなことをやらなくてはいけないというような発言がありました。
それから次に、国と地方の見直し、これは具体的には国の出先機関の改革です。昨年5月に民間議員から、国の出先機関を仕分けるときの基準が示されました。それは、民間議員ペーパーについています。それをもとに知事会が出先機関の改革案を提示しておられますので、今日は麻生会長に加えて、この試算の取りまとめに当たられた京都府の山田知事にもおいでいただいて御発表いただきました。
麻生会長からは、資料の前に、この出先機関を整理して地方に移すというのは、3つの意味で意味がある。1つは、身近なところで行政サービスを決定するようになるので、地方分権を進めることになる。2つ目に、国と地方の二重行政を排除することになるので、思い切った行財政改革につながる。3つ目に、国側のあり方にも大きなメリットがある。グローバル化が進む中で、世界の標準化づくりをやっていかなくてはいけないので、何から何まで国がやるという今の形を変えることにつながる。ただ、以上3つの利点があるけれども、懸念として丹羽委員会で苦労してやっているけれども、各省は非常に消極的なので、こういう状態で果たして改革が進んでいくのかどうかという懸念を示されました。その後、山田知事から、お手元にあると思いますが、資料に沿って御説明がありました。
平成19年5月25日に民間議員から、21万人の出先職員のうち約10万人を地方に移管可能であるという提案がなされましたが、今回の知事会はこの提案を発展させて、地方でもしっかり引き受けて、かつ2万人の定数が削減されるというメリットが提案されております。
これに対して、これもお名前申し上げます。丹羽議員、このときは地方分権改革推進委員会の丹羽委員長としてですけれども、1月から各省にヒアリングをしている。夏に中間報告を取りまとめるので、夏前にまた諮問会議で報告したい。これは二重行政の改善にもなる。それから、地方分権を進める上で大変重要な課題。ただ、一つお願いとして、国から地方への公務員を移譲するに当たっては、民間と同様の人事評価や給与水準になること、労働基本権の付与といったことが必要になるので、この人材を移譲するプログラムといったものの整備が必要である。
それから、総務大臣から次の発言がありました。知事会の提案は、重く受け止めたい。地方分権改革推進委員会で、夏までに中間報告が出され、年内に具体的な勧告としての提案があります。それを受けて、政府としてなるべく早く、この見直しの計画をつくりたい。
民間議員からは、委員会から具体案の提示の後、これを実現するための改革を、政府は平成20年度内に策定すべきであるという提案がありますが、このようなスケジュール感でやっていきたいという、増田大臣からの御発言がありました。
それから、出先機関に市場化テストを導入することは大変重要で、市場化テストも個別にやるより、出先機関を横ぐしでとらえて対象にすることが必要。これは、行革というよりも分権的に人を地方に移していくという観点から重要であるという発言がありました。
それから、市場化テストの進め方についても、具体的な進め方として、1年ではなかなか民間企業は受けられないので、3年から5年といった機関でやることが必要という意見がありました。
以上の意見を受けて、私からの取りまとめとしまして、市場化テストは私が担当大臣ですので、今日の議論をしっかりと受け止めて、省庁横断的な本格的な市場化テストの実現に努力したい。今日の議論では、包括的に、例えばバックオフィス業務を各省横断的にやっていく、地方出先機関を横断的にやっていくという提案が、民間議員からも落合委員長からも出されておりますので、それを受け止めてやってまいります。
それから、民間議員提案の新たな政府の事務を増やさないために、何か規制を新設するときのルールの強化という提案が出されておりますので、これは私の方から岸田大臣にお伝えして御検討いただきます。
それから、出先機関の見直しに当たっては、今日は権限委譲と組織定員を一体として提示していくことが重要だという御指摘がありましたので、丹羽委員長に地方分権改革推進委員会で、今日の議論を踏まえて取り組んでいただきたい。そして、出先機関改革の基本的な方針、これは恐らく民間議員からも提案されております物差しですね。国がやるのか、地方がやるのかの物差しといったものを「骨太の方針」に盛り込み、その後、年末に予定されている分権委員会の勧告、これを受けて増田大臣を中心に政府として計画策定をやっていくということでお願いしたいというまとめをいたしました。
総理から、次のような発言がありました。
国の出先機関の改革は、この丹羽委員長が大変苦労をしておられる。これは、ぜひ精力的に審議を進めていただいて、地方出先機関改革の全体像を示してほしい。それから、官と民の仕分けで、民間から官の仕事のやり方を変えるために、民間のベストプラクティスを政府に導入すべきという提案がなされていますけれども、これは大変重要なので、ぜひ進めてほしい。民間企業には効率化へのノウハウが蓄積されていると思うので、御手洗議員、丹羽議員を中心となって、ぜひ提案してもらって勉強を進めたい。これは、内閣府に何らかの勉強の場をつくって、民間企業のプラクティスを勉強していきたいと思います。
それから、1つ目の議題であります業種別生産性の向上について、これは大変重要なので、各省とも現場の事業者が将来展望を持って取り組めるように、業種ごとにきめ細かいプログラム策定をお願いしたいということですので、経済産業省以外の大臣にも、今日のこの総理の御発言をお伝えして、協力をお願いしたいと考えています。
私からは以上です。

2.質疑応答

(問)出先機関のところで、平成20年度内に策定すべきであるというのは民間議員から提案した形になっていますが、今日の会議でこれはもう政府としてやるということが決まったということでいいのでしょうか。

(答)そうですね。このようなスケジュール感だということですので、やっていくということです

(問)なるほど。では、それは総理も了承しているということになるわけですね。

(答)はい、そうです。

(問)それと、この分権委員会が出してくる具体案と、その後に出てくる政府の計画の関係というのを、どういうふうになっているのか、簡単に教えていただきたいのですが。

(答)分権委員会からは、勧告という形で出てまいりますので、それを受け止めて、今度は政府として実行していくプランをつくるわけですね。

(問)そうすると、その計画の中には、いつまでにどこを廃止するとか、どこを移譲するとかというのは、具体的に盛り込まれているということになるのでしょうか。

(答)それは、分権委員会の勧告の内容によります。それを受け止めるわけですから。今分権委員会が大変苦労をして進めておられますけれども、どこまで勧告が出せるかということになると思います。
ただ、この出先機関の改革について、民間議員の提案の中にも、各省が地方の移譲に反対とのことであるが、この現行の組織と職員をあわせて移譲することで、事業執行についての不安は払拭されるはずであり、どのような弊害が具体的に生じるかを明確に示すべきだという提案が出ております。出先機関の改革というのは、各省、官僚は反対いたしますけれども、国民から見るとマイナスは全くない改革ですので、やはりマイナスがあるとしたら、それを明示しながら改革を進めていくということが重要だと思います。分権委員会にはぜひ頑張っていただいて、また諮問会議も連携をとりながら改革を進めていきたいと思っています。

(問)個別的な話でちょっと恐縮なんですけれども、大臣のお考えをお伺いしたいんですが、生産性の向上の方なんですけれども、中の一つで宿泊とか旅行というのが入っていると思うんですけれども、既に例えば外資系の証券会社とかがつぶれた旅館とかホテルを買って、経営はまた別の人のプロに任せるといったビジネス、再生ビジネスというのは盛んだと思うんですけれども、そういったことというのは生産性の向上という観点から見て望ましいのかどうなのかというのを大臣にお伺いしたい。
その一方で、ドライに生産性を高めていくという行為があると、いわゆる従来型の経営をしている老舗旅館みたいなところというのは、どんどん例えばつぶれていくという可能性もあると思うんですが、そういう意味で言うと地域の活性化にとってプラスになるのかどうなのかという、大臣御自身のお考えを伺いたいんですが。

(答)個別事例についてのコメントは控えたいと思いますが、一般論として言うと、それぞれの旅館に資本参加があって、そこの経営の質が高まるということはいいことなんだろうと思います。つまり、資本を安定させて、老舗旅館も本当に老舗旅館ならではのサービスを提供していれば、客が来るはずですから、それはその老舗旅館の経営者が、みずから付加価値の高いサービスを提供するか、あるいは外の、それは国内であれ海外であれ、資本が入ってきて質の高いサービスが提供されて客が増えるということは、地方にとってはいいことだと思います。

(問)ただ、その中で、なかなかそういう変化というか、そういうものについていけない人たちがいっぱいいるというのも事実だと思うんですけれども、一方でそういう人たちは廃業に追い込まれる可能性というのは非常に高いと思うんですね。生産性の向上全体としては高くなると思うんですが。そういった、何というのかデメリットの部分、そういったものにはどういうふうに対応していこうと思われますか。

(答)ただ、先ほどの事例というのは、旅館に外国の資本が入って経営を立て直すわけですね。だから、廃業されるわけではないですよね。

(問)ただ、例えば前に経営をされていた方はやめていただいてというケースが多いし、例えばほかのそういう従来型でやっているところは、そこが儲かれば競走についていけないところが増えると思うんですね。全体として見れば生産性が向上する可能性は高いと思うんですけれども、地域全体にとってそれがプラスになっていくのかどうなのかというのは、なかなか言いがたいところがあると思うんですけれども。

(答)まず、そこの客が増えないと地域自体も観光が増えませんから、じり貧になるわけですね。
今、地方会議というのをやっておりますけれども、北海道でやりましたときに、観光協会の会長さんのようなお立場のホテル経営の方が、実は中のニーズとして廃業をスムーズにやれる仕組みも必要だと。つまり、なかなか先の展望が開けないというのは、経営者の方が一番御存じなわけですね。そのときに、外から資本を受けることで、個性的な経営をしっかりと安定してやるということもあるでしょうし、廃業するということもあるんだろうと思います。基本は、やはり利用者の立場で、利用者のニーズにこたえるということが基本なんだろうと思います。

(問)今日の諮問会議の内容と直接関係はないんですが、さっき外資の話が出たので。一部報道で、空港の外資規制について削除して、結論を延期するという方向になったという話が出ておりますが、それに関して大臣はどう思われますでしょうか。

(答)それはまさに、今政府で調整中で、官房長官の会見では来週に閣議決定ということですので、今それに向けて最終調整をやっているということですね。

(以 上)