第6回記者会見要旨:令和8年 会議結果

城内内閣府特命担当大臣記者会見要旨

1.発言要旨

 冒頭、令和8年第6回経済財政諮問会議の概要をご報告いたします。
 本日の経済財政諮問会議の議題は2つです。「マクロ経済運営」及び「財政状況の多角的な分析」について議論を行いました。
 1つ目の議題の「マクロ経済運営」では、日本銀行からの今後の経済・物価見通しについての説明も踏まえ、意見交換を行いました。
 民間議員からは、「賃上げと景気」について、賃上げモメンタムの継続、地方・中小企業への波及を目指し、引き続き、賃上げ環境の整備に取り組むべき、公的分野の賃金・人件費単価についても、引き続き適切な改定に取り組むべき、賃金の統計について、利用者利便に配慮した情報発信にも取り組むべきと。また、中東情勢に起因するリスク緩和のため、需要動向に配意しながら、サプライショックの緩和・解消に務めるべき、原油や重要物資の総量確保と安定供給に関する適切な情報の発信に努めるとともに、取引の円滑化や価格上昇に伴う事業者の資金繰りを適切に支援すべき、エネルギー安全保障の危機管理投資について、可能なものは前倒して推進しつつ、官民・同志国連携を通じ、サプライチェーンの維持・強靱化に取り組むべき、などのご提案がございました。
 高市総理からは、私に対しまして、賃上げの動きに広がりが出るように、関係大臣と協力し、引き続き、賃上げ環境整備に万全を期すこと、赤澤大臣に対して、関係大臣と協力し、引き続き、サプライチェーンの目詰まり防止に努めること、といったご指示とともに、政府としては、中東情勢が、我が国経済に与える影響を注視しつつ、今後とも状況に応じて、必要な政策対応を図っていくといったご発言がございました。
 2つ目の議題の「財政状況の多角的な分析」では、民間議員から、財政運営の目標だけではなく、財政状況を複数の指標によって、相互補完的かつ継続的に示すことが重要である、将来の不確実性を織り込んだ財政分析について、分析手法としての有効性を検討すべきであるなど、ご提案がございました。
 高市総理からは、今後の骨太方針の策定に向けて、私に対しまして、4月13日の経済財政諮問会議で議論した「予算編成の在り方の抜本見直しに向けた基本原則」を踏まえた上で、日本成長戦略の下での国内投資の伸び、GDPの伸び、税収増への寄与、債務残高対GDP比の見通し等を示す試算を行うとともに、片山財務大臣とも十分連携しつつ、新たな「予算編成の基本方針」及び「責任ある積極財政」の具体化の方向性を整理し、経済財政諮問会議で議論した上で、「骨太方針」に反映する形で取りまとめること。また、片山財務大臣に対して、これらの整理及び経済財政諮問会議の議論を踏まえ、私をはじめとする関係大臣と十分連携しつつ、政府債務残高の対GDP比を安定的に引下げていく中でも可能となる「財政規模」を精査した上で、「危機管理投資」「成長投資」などに活用するために必要な多年度にわたり、別枠で管理する方策を含めた「新たな投資枠」の創設など、予算編成改革に向けた必要な対応の具体化について検討を進めるとともに、いわゆる「日本版DOGE」の取組も活用し、租税特別措置や補助金の点検・見直し、既存歳出の重点化・効率化、政策効果の検証強化等を通じて、財政運営の質の向上に取り組むこと、といったご指示がございました。
 なお、諮問会議の詳細につきましては、後ほど事務方から説明いたします。
 

2.質疑応答

(問)民間議員から経済の不確実性を織り込んだ検証手法として、SDSAの分析手法の有効性を検討するよう提言がありましたが、大臣としての受け止めをお願いします。また、この考え方を今後の骨太や中長期試算の設計にどう反映していくかについて、現時点での大臣のお考えを教えてください。


(答)本日の経済財政諮問会議では、民間議員の方々から、国際機関の取組を紹介しつつ、SDSA(確率的債務持続可能性分析)の考え方につきまして、分析手法としての有効性を検討すべきとのご提案をいただきました。
 今後の骨太方針や中長期試算におきましては、今回の提言も踏まえながら、債務残高対GDP比などの財政指標の「持続可能性」の確認に資するよう、成長率、金利、プライマリーバランス等の不確実性を織り込む分析・検証を強化し、併せて、市場関係者との緊密な対話に努め、マーケットからの信認を得ていく考えであります。


(問)議題1つ目で、中東情勢の対応の議論もあったと承知してます。基本的に今までやってきたことをしっかりやるというご提言だったと思いますが、それに加えて、経済対策であるとか、補正予算の必要性というのを現段階でどうお考えでしょうか。ちなみに今日の国会で高市総理が補正予算の必要性の質問、国民民主党の方から出たのに答える形で、急激な物価高になるようなことも含めて、今いろいろと頭の体操もしながら、私自身が大型連休で海外に出張する前にいくつか検討の指示を出していますとおっしゃられましたが、この検討の指示というのは、経済対策等、城内大臣が関連する指示もあるということなんでしょうか。


(答)本日の参議院の決算委員会におきましては、これは私も出席しておりまして、高市総理から、ご発言があったと承知しております。政府としては、原油価格が高騰する中で、緊急的激変緩和措置として、ガソリン、軽油、重油、灯油などの価格を抑えるための補助を行っております。また、原油や石油製品につきましては、代替調達や備蓄石油の放出を通じて、日本全体として必要となる量は確保しており、年を越えて石油の安定供給のめどがついていると。一方、足下では、一部で流通段階の目詰まりや供給の偏りが生じております。こうした供給制約を受ける可能性がある重要物資について対策を強化しているところでございます。例えば、連休前、4月30日に開催された中東問題における関係閣僚会議におきましても、高市総理から関係省庁に対しまして、様々なご指示が出されたと承知しております。
 その上で、高市総理が質疑の中で、中東情勢が経済に与える影響を注視し、臨機応変に対応していくと答弁されたとおりでありまして、持続的に、国民の皆様の安心・安全な生活を支えできるよう、高市総理のご指示の下、関係閣僚とも緊密に連携して、経済財政運営に万全を期してまいる考えであります。


(問)城内大臣に対して、経済対策等の指示、検討の指示があったわけではないということでしょうか。


(答)現時点で、そのような指示はございません。
 

3.堤内閣府政策統括官(経済財政運営担当)による追加説明

 第6回経済財政諮問会議について概要をご報告いたします。
 議題は2つです。1つ目が「マクロ経済運営」です。日本銀行の氷見野副総裁から資料1を説明いただき、永濱議員から資料2の民間議員提案の説明をしていただいた後、意見交換を行いました。議題2は、「財政状況の多角的な分析」です。こちらは若田部議員から資料4に基づいて提案の説明をしていただいた後に意見交換を行いました。それぞれの議題について主な意見を紹介いたします。
 1つ目の議題です。
 1人目の民間議員です。
 中東情勢が今後の経済や物価に与える影響は不透明であるが、先行きのプラス要因として期待する賃金動向、そして中東情勢に起因するリスクへの対応の2点について申し上げる。
 賃金動向について、これまでのところ、春季労使交渉の妥結結果、高い水準が維持されている。賃金引上げの強いモメンタムのさらなる定着の実現に向けた確かな動きであると受け止めている。この勢いが維持されれば、「強い経済」の実現可能性は高まっていく。不透明な状況の中にあっても、引き続き人への投資の重要性を呼びかけたい。政府・日銀には実質賃金の向上に向け、物価上昇への適切な対応をお願いしたい。
 次に中東情勢に起因するリスクについて、政府による石油備蓄の放出、代替調達を通じて、原油等の供給量の確保には直ちには支障がない状況が実現していると認識。一方、産業界のサプライチェーンはグローバル化しているため、その維持・強靱化に向けて、官民挙げて同志国との連携、調達先の多様化を進めることが必要。連休中も高市総理をはじめ、関係閣僚が閣僚外交を精力的に行い、FOIPの進化、同志国連携の強化に尽力いただいていることに感謝。特定国や特定地域に依存しない、ウィン・ウィンで強靱な経済構造の確立に向け、民間経済外交の展開もしていきたい。同時に、中期的なサプライショックへの対応として、エネルギー安全保障を含めた危機管理投資を進めることが経済安全保障上重要。その際は長期的な見通しを持ったエネルギーのベストミックスをまずは追求し、GXの推進やサーキュラーエコノミーによる資源循環、これらを念頭に置いた取組が必要。
 2人目の民間議員です。
 賃上げについて、日本での賃上げの議論はベースアップが中心だが、頑張った人が報われる社会とするためには、頑張って高い成果を出した人が大胆に報われる柔軟な賃金体系が重要。賃上げの議論ではこうした視点を忘れないようにしていただきたい。
 中東情勢について、政府が供給確保や情報発信に尽力されている点は評価しているが、現場では燃料や関連物資の調達に目詰まりが生じているとの声もなおきかれる。量の確保に加えて、サプライチェーンのどこで滞留が生じているのかを可視化し、具体的なデータに基づく情報発信を一層進めていただきたい。こうした取組は事態の長期化に備える観点からも重要。ガソリン補助金について、財政的な持続可能性も視野に入れつつ、支援の在り方を柔軟に見直していく姿勢が必要。先行きの不確実性に備えつつ、データに基づいた丁寧な経済運営を進めていただきたい。
 3人目の民間議員です。
 1点目、現在起きているのは原油価格の上昇とサプライチェーンの混乱であり、政策対応には政府と日銀が連携・協調して政策の統合運用を行うことが求められている。個別価格対策が重要であり、この観点から政府が行っているガソリン価格の補助、原油調達先の確保は必要な対策。農業においても燃料価格や肥料価格が上昇しており、世界的にも大豆・小麦など食品価格が上昇する中、その引下げに寄与する食料品の消費税減税は本年2月の総選挙時よりも必要性が増しており、できるだけ早く実施することが必要。
 2点目、今回のイラン・中東情勢を受けて、改めて危機管理投資が喫緊の課題と考える。経済安全保障、エネルギー安全保障を推進するため、「責任ある積極財政」をしっかり実現することが重要。
 3点目、全国の中小企業に賃上げの原資を確保してもらうためには、官公需こそ率先して価格転嫁を進めるべき。国はもちろん、全ての地方自治体が、とにかく安ければ良いという従来のデフレ的な慣習を変える必要がある。現場における取組を徹底するため、総務大臣からも各自治体に対して改めて適切な価格転嫁等に向けた通知を発出し、運用改善に向けた協力を促していただきたい。
 追加発言として4点目、日銀は金融庁と連携して、金融システムについても適切に目配りをお願いしたい。特にAIが進展する中、経済全体には生産性向上といったポジティブな影響もあるが、市場は常に正しいわけではなく、投機的な動きもある。プライベートクレジットなども併せて注意が必要。アンソロピックがリリースしたミトスのセキュリティー上の懸念についても、片山大臣や植田総裁において既に関連会議が持たれているが、引き続き適切な配慮をお願いしたい。
 4人目の民間議員です。
 物価と消費について、直近4月の東京都区部のCPI上昇率は物価高対策の効果もあり、総合で前年比1.5%と抑制されている。他方、生鮮食品が押し上げに寄与し始めていることや、5月からは電気・ガス料金支援の効果が剥落すること、6月からは中東情勢の影響が料金に反映され始めることなどから、今後のCPIの上昇は不可避と考えられる。ウクライナ侵攻後の2022年は翌年にかけてインフレが加速した。このことから、今回も瞬間的にCPIが3%を超える可能性もある。他方、賃金上昇の状況は当時と異なり、実質賃金は22年ほど悪化しにくい。消費者マインドについては消費者態度指数が22年4月と同水準となっており、注意が必要。
賃金統計の情報発信について、内閣府では毎勤統計の断層を調整したデータを月例経済報告等でも活用している。賃金データは政策運営の面でも重要性が高まっており、内閣府作成の調整後のデータも独自の統計として公表すべき。
 中東情勢に関する情報発信について、内閣官房のページには各省へのページにリンクがあり、物資不足等の情報について詳細な情報が掲載されている。一般メディアは危機をあおる情報が散見されるところ、メディアに伝わる工夫が必要。
 続いて、閣僚の発言です。
 赤澤経済産業大臣です。
 直近の月例経済報告によれば、足下で規模の小さな事業者における賃金上昇が顕著である点は前向きに評価できる。これは昨年の最低賃金引上げに政府が本気で取り組んだことの結果であり、今後、実質賃金プラスを維持することが、各議員からの指摘でもあったとおり大事であり、今後もそうした取組を続けていくことが必要であると考えている。これを踏まえ、昨年の最低賃金引上げの影響を地域別・業種別に丁寧に分析することが必要。経済産業省・中小企業庁としては、全国の中堅・中小企業・小規模事業者の賃上げを力強く後押しすべく、労働供給制約社会における「中堅・中小企業の『稼ぐ力』強化戦略」をしっかりと取りまとめ、稼ぐ力の向上と賃上げの好循環を目指していきたい。
 中東情勢への対応については、まずは原油や石油製品について備蓄放出や代替調達により日本全体として必要な量は確保しているということを発信していく。この連休中、総理親書を携えてサウジアラビア、UAEを訪問し、我が国への原油の安定的な供給の拡大、日本やアジアでの備蓄協力の拡充、代替ルートの協力等の新たな連携について一定の合意ができた。引き続き代替調達のさらなる確保に取り組んでいく。
 その上で、一部で生じている供給の偏りや流通の目詰まりについては、一つ一つ確実に解消してきている。シンナーや接着剤をはじめ、建設・住宅関連のお困りの声が引き続き届いていることも承知しており、一人親方の工務店が多いといった特性も踏まえつつ、迅速に対応していきたい。ガソリン価格についても、緊急的な激変緩和措置により、全国平均で170円程度の水準を維持している。国民の皆様の命と暮らし、そして経済活動への影響を引き続き注視しつつ、万全の対応を講じていく。
 片山財務大臣です。
 賃上げ環境の整備としては、令和8年度予算においてご指摘いただいた公的分野の賃金・人件費単価を含め、経済・物価動向等を適切に反映し、予算上の対応が現場の契約にも反映されるよう執行面でも価格転嫁の徹底に取り組んでいるところであり、引き続き適切に対応していく。
 中東情勢がサプライチェーンに及ぼす影響への対応では、IMF・世銀春の会合やADB総会の機会を通じ、アジアと我が国に係るサプライチェーンを強化することなどを目的に総額100億ドルの金融支援等を行う「パワー・アジア」の取組等を幅広く紹介し、各国や国際機関からも高く評価されたところ。こうした支援を通じて日本を含む世界経済の強化につなげていく。
 日本銀行の氷見野副総裁です。
 中東情勢はなお不透明な状況が続いており、日本銀行としては、中東情勢が経済・物価・金融情勢に及ぼす影響を確認しつつ、適切な政策運営に努めてまいりたい。適切な金融政策を実施することで、金融資本市場の安定を確保しつつ、物価の安定をスムーズに実現し、それによって我が国経済の息の長い成長にも資するようにしてまいりたい。
 続いて、2つ目の議題です。
 1人目の民間議員です。
 財政運営の信認確保について、指標の見える化は重要だが、本質はそれらの指標を後退させない財政運営そのもの。市場は債務残高対GDP比、プライマリーバランス、国債発行額などについて、高市政権による足下の改善の流れが維持されているか、将来も同様の運営が続くかを見ている。不連続な変化を生じさせない積み重ねが信認の基盤になると考える。その上で、財政の見通しについてはそもそもベースラインの前提が堅実であることが必要。加えて、成長率や金利の振れ幅、リスクの分布も含め、SDSAにより多面的な分析を行うべきであり、不確実性を織り込むことで見通しの信頼性が一段と高まるだろう。
 また、こうした前提や分析について、第三者的な視点で点検する仕組みを整えていくことも必要。3月の特別セッションでブランシャール教授が指摘したとおり、政府内部の分析は投資家から懐疑的に見られがちだということもあり、独立した検証機能の整備は信認確保の要になると考える。あわせて、新たな投資枠が野放図な財政と受け取られないためにも、SDSAによる検証と日本版DOGE等の構造改革を市場と国民にしっかり見せながら進めることが両輪。財政の見通しの透明性を確保しつつ、一貫した財政運営を維持していくことが市場との信頼関係を支えると考える。
 2人目の民間議員です。
 財政指標の公表について、債務残高対GDP比は世界標準の指標で、これを中核目標とすることは望ましいが、海外の学術界では近年、債務残高対GDP比を唯一の判断材料とする理論的根拠は不十分とする論文も存在している。年明けのNBER(全米経済研究所)のワーキングペーパーでは、各国の債務残高対GDP比だけでなく、利払い費対GDP比、債務残高対株式時価総額比で評価しており、指標により各国の財政状況の評価が全く異なるという内容となっている。目標には掲げなくても、純債務、純利払い費や財政収支など複数指標を相互補完的に示すべき。
 IMFが定期的に公表する財政モニターについて、先月公表された財政モニターでは、日本は成長とインフレによって2031年までに債務残高対GDP比が14%ポイント低下するという予想が示された。成長によって財政を健全化させる高市政権のロジックが国際機関の客観的な見通しからも可能であることが示唆された。また、戦略的投資もIMFが推奨する政策として中長期的な成長に不可欠な生産性向上策とされており、高い親和性がある。他方、金利上昇局面においてリスク管理の警告もある。このことからIMFの財政モニターは、第三者レビュー機能が整備されるまでの間、独立的な検証の一助となると認識。
 3人目の民間議員です。
 政府の財政運営に対する市場の信認確保に向けて、政府がしっかりとコントロールできていると市場が受け止めるようにすることが重要。この観点から、複眼的にバランスよく議論できるようにリスク対応を含めた不確実性の見える化が重要。同時に、透明性高く、市場とのコミュニケーションを取っていく上で第三者的視点、独立的な視点を確保することが肝要。
 4月13日の民間議員ペーパーでは、成長率や金利などの不確実性を織り込んで、政策経路を含めた影響の分析や検証を行う第三者的レビューや独立的な検証の在り方の検討を提起した。市場の信認を維持する上で誰がどのように分析・検証するのかは極めて重要であり、今後の具体化に期待。まずは経済財政運営に直接関わる内閣府の中長期試算の分析・検証を行うこと。さらに、財政の持続可能性や国民生活に大きな影響を及ぼす社会保障分野に係る試算についても検証対象に加えてはどうかと思う。例えば2018年5月に公表された社会保障の給付と負担の将来見通しをアップデートし、その際に分析・検証も併せて行うことで国民的な議論につなげていくことが有意義である。
 4人目の民間議員です。
 1点目に、市場の信認が極めて重要。米国、EUなどと同様、フローとストックを360度の観点から見ることが必要。日本で財政目標として使われていたPB黒字化は、名目成長率が名目長期金利を下回っていた2001年以降に採用されたもの。名目成長率が名目長期金利に等しくなる状況がやってくるならば、PBの黒字化も必然的に必要になってくるということになる。その上で、資料5の1ページにあるように、IMFのベースライン見通しでは、債務残高対GDP比が下がるという将来経路になっている。4月に発表されたIMFの財政モニターによれば、世界及び先進国の債務残高対GDPは今後上昇する傾向がある一方、日本は引下げが予想されている。賃金と物価の好循環を目指す上で賃金統計の重要性は高く、賃金データの整備をすべき。
 2点目、5月1日から始まった内閣広報室のXは速報性と機動性を重視しており、非常に良い試み。試行期間が終わってからもぜひ続けてほしい。市場の注目も集まっているので、経済について英語での発信も強化していただきたい。
 追加発言として3点目、一部報道では今回の中東情勢との対比で、第一次石油ショックを例に挙げることがあるが、これは誤解を生みやすい。コストプッシュでインフレ圧力が高まることは事実だが、第一次石油ショックのときは、消費者物価指数が25%上昇しており、かつマネタリーベースも増え、既にインフレが起きている中で生じたもの。今回は政府が十分な石油の備蓄を用意しているし、日銀の物価目標は2%である。石油ショックのような事態が起きないということも発信すべき。
 続いて、閣僚の発言です。
 片山財務大臣です。
 我が国の財政状況を分析するに当たって各指標の特徴について十分注意しながら、「科学的、冷静、客観的、360度の目線」で多角的に点検することが重要。
 また、中東情勢の緊張が高まるとともに、我が国を取り巻く環境の不確実性が高まっている。そうした中、ご紹介のあったSDSAなど金利動向を含め、経済財政の見通しに関するリスクを適切に認識することは重要な試みであり、財務省としても関係省庁とよく議論をしていきたい。
 最後の総理の締めくくり発言は割愛いたします。
 以上です。