第3回記者会見要旨:令和7年 会議結果

赤澤内閣府特命担当大臣記者会見要旨

  • 日時:令和7年3月24日(月)18:58~19:32
  • 場所:中央合同庁舎第8号館1階S108会見室

1.発言要旨

 経済財政諮問会議の概要についてご報告を申し上げます。本日の議題は2つで、「マクロ経済運営」としての「春季労使交渉等」と「地方創生」、その2つについて議論を行いました。1つ目の議題、「春季労使交渉等」では福岡厚生労働大臣にご参加をいただきました。また、2つ目の議題、地方創生では、伊東大臣がインフルエンザ感染症によりご欠席のため、鳩山副大臣にご参加をいただきました。
 1つ目の議題、「春季労使交渉等」では、「今回の春闘は幸先の良いスタートとなった。今後、中小企業の妥結結果が出てくるが、全体として前年を上回るような結果が出てくることを期待する」、「持続的な経済成長のためには安定的な物価上昇の下、賃上げモメンタムを定着させ、それに見合った生産性の向上を実現し、実質賃金を増加させていくことが重要」、それから「実質賃金の動向を適切に把握、評価するためにはその国際比較も重要であり、幅広いユーザーの便宜に資する観点から統計情報を充実すべき」といったご意見がございました。統計情報の充実に関する指摘については、関係府省、具体的には内閣府、総務省、厚生労働省が当たりますが、これら3府省において適切に対応していく旨、私から申し上げたところでございます。
 2つ目の議題、「地方創生」では、「人口減少による人手不足を梃子に地方の賃金・処遇改善を図るとともに、地域それぞれの特性に応じた活性化等を講じ、最低賃金引き上げなどを通じて東京との賃金格差を是正していくべき」、「各地域の戦略やKPIなどの横比較が可能となるよう『見える化』を徹底し、高い政策効果を引き出すべき」、それから「政策や事業の最終成果に結び付いた政策効果の把握につながるKPIを設定して、厳密な効果検証を行うべき」といったご提案がございました。
 総理からは「現時点での賃上げが前年を上回る結果となったことを受け、この勢いが全国津々浦々に波及するよう、今後の中小企業や小規模企業の賃上げを支援する政策を総動員していく」、「物価高対策について重点支援地方交付金の交付決定や政府備蓄米の売り渡しなど、取組は着実に進捗している」、「地方創生について東京一極集中を是正し、魅力ある地方経済を構築するには、地方に質の高い産業雇用の場を創出することが重要であり、誰もが安心して住み続けられる一人一人の幸福度・満足度が高い、活力ある経済を構築していく必要がある」といった旨のご発言に加え、「最低賃金については次回の賃金向上セッションで議論すること」、伊東大臣に対し「本日の議論を踏まえ、基本構想の策定に向けた検討を進め、改めて諮問会議に報告すること」といったご指示があったところでございます。
 諮問会議の詳細については後ほど、事務方から説明させていただきます。

2.質疑応答

(問)地方創生について伺います。会議の中で民間議員から、効果的な「令和の日本列島改造」の取組として進捗を「見える化」するために、KPIの設定が重要との提言がされました。大臣はどのような指標がKPIとしてふさわしいとお考えでしょうか。
 そして、KPIを設定する場合に、自治体の規模は大きいものから小さいものまで様々で、また都市部であったり、農業が盛んな地域など、いろいろな地域がありますが、その場合に一律的なKPIを設定することが適切だとお考えでしょうか。


(答)「地方創生2.0」の推進に当たっては、地域の特性も考慮しつつ厳密な効果の検証を行い、高い政策効果を生み出していくことが重要であると考えています。
 KPIについては、私も会議の流れを追ってみると、やはり大きく分けて2種類あると思います。全国的な底上げを図っていくべきというようなものについては、全国一律のKPIもあり得ますし、一方で地域独自の取組だと、他の地域と比べられないといったこともあるようで、民間議員の提言も一律のKPIを設定するといったご趣旨ではなかったと認識をしております。国の政策レベルの指標や、地域の独自の事業レベルの指標など、様々なレベルで設定されるべきものと思っています。
 本日の会議で民間議員から出たご提言ということでいうと、社会全体で取り組む課題には横比較が可能な指標をKPIに設定し、面的に日本全体の底上げを図っていく。一方で、地域独自の特性・特色を活かすべき課題には、非効率な重複を避けるため、個々の取組をマッピングするなど「見える化」を徹底し、各地域の戦略決定に資するべきといった提言をいただいたところです。個々の事業の結果だけでなくて、政策の最終成果に結び付いた効果の把握や検証を通じて、各地域の特性・特色を活かした取組が高い成果を上げ、面としても広がっていくことを期待したいというふうに考えております。


(問)先ほど冒頭の大臣発言で出た実質賃金に関するお話ですけれども、3府省で適切に対応を指示したとおっしゃっていたと思いますが、今後、例えば有識者会議での検討など具体的に考えていることがあれば教えてください。


(答)今日の実質賃金に関する統計情報の充実について、これは発言者の具体名をお答えすることはできませんが、民間議員から、「実質賃金の動向を適切に評価するためには、その国際比較も重要となる」とのご意見がありました。「幅広いユーザーの便宜に資する観点からも、統計情報の充実についてご検討いただきたい」とのご発言があったため、進行役の私から、統計を所管する関係府省と相談して適切に対応してまいりますという旨を申し上げた次第です。後ほど、事務方からもブリーフィングを行わせますので、詳細はそちらでもご説明をさせていただきたいと思います。
 賃金・所得の実質値については、公的統計としては、厚生労働省の毎月勤労統計で雇用者1人当たりの実質賃金を公表しているほか、内閣府の国民経済計算いわゆるGDP統計で一国全体の実質雇用者報酬、そして、総務省の家計調査で世帯当たりの実質実収入が公表されていると承知をしております。先ほどの会議でご意見いただいたばかりなので、今後の検討の進め方について現時点でお答えできる具体的内容はございませんけれども、まずは統計を所管する関係府省と連携して、統計情報を充実させる方策について検討してみたいと考えております。


(問)これまで毎月勤労統計とかでは実質賃金を算出する際に「持ち家の帰属家賃を除く」で見ていたかと思うのですが、国際比較で見ると「総合」で見るかと思います。今後、政府として実質賃金を見る際にその「総合」で見ていくことを考えていらっしゃるのか。そこまで考えているものなのかというのを伺いたいです。


(答)私自身、ご発言された先生の意図もこれからしっかりと事務方から確認をさせていただこうと思いますが、今日のご発言を伺う限り、国際比較も重要となるということをおっしゃっているので。まず世界標準というか、国際的には帰属家賃を除くか、あるいは総合で見るのかというところは諸外国でどうなっているのだということも、我々も視野に入れて物を決めなければいけません。
 また、幅広いユーザーの便宜に資する統計情報の充実という言い方をされていますので、今まで使っていたものをやめてどこかにというよりは、何かしら幅広い検討が可能なように何か付け足すというか、付加するような感じで行うというご趣旨ではないかと思いますが、よく事務方から確認をさせていただいた上で、丁寧にご検討いただきたいと思います。統計について私の承知している限り、連続性とかそういうことも大事ですので、そのあたりも気をつけながら対応して、よりよい形で提供できるように検討をしてまいりたいというふうに思います。


(問)地方創生と地域金融機関に関連して2点お尋ねします。地方創生で地域金融機関が担う役割が重要という中で、これまでの地域金融機関の取組の評価をお聞かせください。2点目が、本日の会議を踏まえまして、民間議員のほうからも様々な施策が提言されておりますけれども、改めて政府として地域金融機関にどういった関与を求めるのか、期待を含めて教えていただきたいのと、今後地域金融機関の役割発揮を高めていく上で、政府として何か後押し的な施策がございましたら、あわせてお願いいたします。


(答)地域金融機関は地方創生の取組に不可欠な、主要な主体と認識をしております。これまでも観光振興とか移住・定住の促進、人手不足対応など様々な分野で地方創生に貢献をしてこられていると承知をしております。今後、石破政権での「地方創生2.0」において、こういった優良な取組事例を特定の地域という点にとどめることなく、面的な広がりを生み出すために、「地方イノベーション創生構想」を推進し、施策主体、人材、それぞれの新結合を全国各地で展開していくことが重要と考えています。
 その中で総理がいつもおっしゃっている「産官学金労言」、それに更に最後に「士」が付くこともありますけれども、「産官学金労言士」の中で、やはり「金」は非常に重要な役割を果たしていくということだと思います。その際、地域金融機関は一般に豊富な資金、優秀な人材、広範なネットワークを有する点で、「地方創生2.0」を推進する新結合に欠かせない重要な主体であるということは間違いありませんし、地域の産業界、自治体、大学などの各種学校、労働組合、報道機関、医療機関等士業など、今申し上げた「産官学金労言士」の各主体と連携して従来にない新結合を生み出し、それが面的に広がることを期待したいと思っています。
 政府としても地方創生担当部局を中心に、今後、新たに関係省庁会議を設け、各省庁の施策を連携させながら、地方創生の交付金などを活用して新結合を生み出すプロジェクトを支援していくことを検討しております。こうした取組を通じて、地方に質の高い産業雇用の場が創出される。若者や女性にも選ばれる地方が、「地方創生2.0」の5つの柱の1つですので、その中の大変コアの部分として、若者や女性にも選ばれる雇用とか、そういうものが地方に新しく生まれてこないと物は動かないと思うので。多様な価値観を持つ一人一人が互いに尊重し合い、しかも自己実現を図っていけるような、「楽しい地方」と言ってもらえるような、そういう地方を創り出していきたいと思っております。

3.木村内閣府政策統括官(経済財政運営担当)による追加説明

 令和7年第3回経済財政諮問会議です。
 今回の議題は2つです。1つ目は、春季労使交渉を含む「マクロ経済運営」です。こちらについては、厚生労働大臣にもご参加いただきました。2つ目の議題は、「地方創生」です。こちらは伊東新しい地方経済・生活環境創生担当大臣がご欠席ということでしたので、鳩山副大臣にご参加いただきました。
 1つ目の議題では、事務方から資料1を説明させていただいた後に意見交換を行いました。2つ目の議題では、民間議員から資料3に基づき、ご提案をいただいた後、鳩山副大臣から資料4をご説明していただきました。その後、意見交換を行いました。
 1つ目の議題です。
 1人目の民間議員です。
 今期のこれまでの春季労使交渉の回答内容を踏まえてということで、12日の「政労使の意見交換」で申し上げたように、多くの大手企業で1万円以上の大幅なベースアップ、5%超えの高い水準の賃上げや労働組合の要求どおりの満額回答が相次いで示された。集中回答日以降も昨年を上回る内容の大幅な賃金引上げの回答が続いている。連合の第2回の集計においても全体で5.40%となっており、前年の同期が5.25%であったので、これを上回っている。
 これまでの回答や集計結果を見る限り、非常に心強く感じている。これから労使交渉が佳境を迎える。中小企業をはじめとする多くの企業に波及し、力強いモメンタム定着の手応えが確信へとさらに深まっていくことを期待する。
 2人目の民間議員です。
 賃上げについて幸先のよいスタートが切れたと認識している。ただし、一国民としてはやはり日用品の価格が上がっている印象もある。生産性を向上させ、持続的な賃上げを通じて実質賃金の上昇モメンタムも継続していくことが必要。
 また、そもそも実質賃金を適切に捉えていく必要がある。先ほど内閣府の事務方が説明した資料1の3ページにもあったが、国際比較ができるように関連の統計情報を整理していくことも大切。
 次に、閣僚からの発言です。
福岡厚生労働大臣です。
今期の春季労使交渉においては、大手企業を中心に昨年超えを含む高い水準の回答が相次ぐなど、賃上げの力強い動きが出てきている。直近の連合集計では5.40%の賃上げ率であり、昨年同時期を上回る水準となっている。
 こうした賃上げの流れを今後、地方や中小企業、また非正規雇用労働者にも波及させていくことが重要。このため、厚生労働省としては、全国47都道府県において地方版の政労使会議を開催しているほか、令和7年度予算案において「賃上げ」支援助成金パッケージを取りまとめるなど、賃上げに向けた環境整備に取り組んでいる。
 また、最低賃金についても、2020年代に全国平均1,500円という高い目標に向かってたゆまぬ努力を続けていく。
 医療・介護・障害福祉など公的各分野における取組も重要。報酬改定や補正予算で賃上げ等に関する措置を講じており、まずはこうした措置を着実に執行し、必要な支援が行き届くように取り組む。
 それと併せて、これから現場に行き届く補正予算の効果、経営状況、他産業の賃上げの動向も含めた足元の情勢や現場のご意見もよく把握した上で必要な対応を行う。
 引き続き今期の春季労使交渉において労使において真摯な検討と交渉が行われ、昨年に負けない力強い賃上げの機運が定着していくことを期待している。
 2つ目の議題におけるご意見です。
 1人目の民間議員です。
今後の地方創生を進める上で不可欠となる広域連携の重要性について申し上げたい。
 我が国が抱える大きな課題の一つが少子高齢化、人口減少への対応である。直近の将来人口推計における地域別の生産年齢人口は、圏域単位では、首都圏以外は大きく減少し、東京一極集中がますます進む想定になっている。都道府県の枠組みを超えた広域ブロックを我々は「道州圏域」と呼んでいるが、これを含め、より広い圏域で連携し、地域の特性を最大限生かしながら切磋琢磨し、その魅力を高めることが重要であると考えている。
 「道州圏域」は、人口が500万人から1000万人程度の規模を想定している。こうした「道州圏域」において各圏域の特性を踏まえた地域のビジョンを地方自治体、各地方の経済界で共有し、多様な主体が連携して取り組むべきと考える。その際、従前からの農業や観光といった地域産業の振興にとどまらず、エネルギーの立地あるいは産業政策との連携、地方大学の再編・統合、コンパクトシティ・スマートシティ、防災・減災等への取組も都道府県単位を超えた圏域での取組を期待したい。
 職員等、地方自治体のリソースが限られる中で持続可能で質の高い地方行政サービスを受けるためには行政DXが不可欠。デジタル共通基盤の整備や行政手続きのデジタル化・標準化を進めていくべき。
 総理は1月の施政方針演説で、都道府県域を超えた広域連携の取組である「広域リージョン連携」の推進を打ち出された。心強く思っている。地方創生に向けて我々としてもしっかりと取り組んでいきたい。
 2人目の民間議員です。
 地方創生は石破政権の最重要課題だ。石破総理の強みを生かして、「令和の日本列島改造」の成果が出ることをぜひ期待したい。2014年の「まち・ひと・しごと創生」から10年がたったが、残念ながら一極集中は改善していない。これまでは一極集中で成果が出てきた面もあるが、これから先、東京圏へ人口が流入する理由を考え、就職、進学、居住といった点で地方分散を進めていくことが求められている。
 何よりも重要なのは、地方へ住む意義づけ、インセンティブを明確にすること。産業、雇用があるから人はその地域に住み、人が居住することによってその地域が様々な面で活性化していく。宇宙、バイオ、資産運用など、政府が経済特区を設定し、地元の首長と組み、国が支援していくということが必要ではないか。
 また、そこに住むというインセンティブ、若い世代だと大学が重要。そこでしか学べない特色がその地方にあるということ。医療体制も同様で、そこに行ったらそういう治療が受けられると、そうした差異をあえてつくって、地域ごとにインセンティブをつくることが重要。
 こうした取組の中で地方のハブが複数できていけば、賃上げがもっと地方に波及しやすくなるのではないか。女性や若者にも選ばれる地方に向けて、雇用があって、学べる場所があって、そこに人が居住するということを生み出していくべき。
 3人目の民間議員です。
 地方創生を論じるとき、過去にうまくいかなかった原因をよく振り返らなければならない。中央集権で地方交付税交付金を算出してやっていくことが本当にいいのだろうかということ。東京と地方では状況が違う。どれだけ中央集権に意味があることなのかを考えなければならない。
 基礎自治体は現場をよく知っており、基礎自治体をサポートするのが県の役割。基礎自治体には責任を持って対応をしてもらわないといけないが、県は支援する立場にある。県は医療、防災、農水産業の振興、警察をしっかりやっていく必要があるが、基礎自治体における広域連携もしっかりやっていくべき。
 ほかの議員からも指摘があったが、地方の大学はたくさんあって、こうした中で国立大学の運営も県主体に移して、県の役割にしていってはどうか。
 企業が地方に移る上でのインセンティブがない。メリットがないと絵に描いた餅になる。メリットとなるものの一つはエネルギーコストであると考えている。電源を持っているところにメリットが出るような仕組みをつくっていくことが必要ではないか。
 最低賃金の差も重要な問題。地方のほうが賃金が高いというような状況をつくり出すために、5年、10年かけて財政の枠組みを変えていくこともやっていかないといけない。
 4人目の民間議員です。
 地方創生については、産業、雇用の活性化が必要。そうした点についてやる気のある自治体の役割が大切。ここ10年間で自治体の状況も変わってきており、比較的大きな自治体と過疎化が進んでいる小さな自治体では対応も異なる。中央の考え方で大きな産業を小さな自治体に持ってきてもあまりうまくいかないのではないか。主体性、やる気、独自性が大切。絵に描いた餅という言葉があるが、たとえ絵が美しくても、実現性がないと意味がない。一方、独自性については比較しながら検証することが必要。その比較をする枠組みをつくっていくのは経済財政諮問会議の役割でもある。
 人口減少下において東京一極集中を考える際に、東京か地方かの二者択一で考えるのはよくない。東京も地方も共に活性化していく必要があり、東京と地方の両方で活躍するような人材も必要。地方と地方同士で綱引きをしていてもよくない。これらの取組をKPIやEBPMの仕組みなどを用いながら「見える化」していく仕組みが大事。
 次に、閣僚からの発言です。
 村上総務大臣です。
 地方創生については石破内閣の最重要政策の一つであり、総務省としても持続可能な地域社会の実現に向けた取組をしっかり進めていく。具体的には、若者、女性にも選ばれる地方をつくるため、若者、女性、シニアや副業・兼業人材など、地域の担い手となる人材の確保、産官学金労言の連携による地域経済の好循環の促進、関係人口をはじめとする地方への人の流れの創出拡大などに取り組んでいく。
 あわせて、「ふるさと住民登録制度」の創設や「広域リージョン連携」の推進といった新たな視点での施策を進めるとともに、デジタルインフラの整備やそれを活用した地域社会DXなどの取組を加速していく。こうした取組を推進するに当たり、自治体の体制を確保していくことは必要不可欠。
 自治体においては既に人材不足が現実のものとなっていることから、小規模団体では件数が少なく、ノウハウが蓄積されない事務は広域で処理する。あるいは、事務の内容が類似するものについては国、都道府県が市町村に代わって処理するなど、これまでとは異なる新たな視点により、国、都道府県、市町村の役割の見直し等を進め、持続可能な地方行財政の構築に向けて取り組んでいく。
 今後とも地方こそ成長の主役との発想に基づき、「地方創生2.0」の推進に向けてこれまでの経験も十分に生かしながら、総務省としても議論に貢献していきたいと考えているというご発言です。
 加藤財務大臣です。
 物価動向やそれが経済に与える影響に注視する必要があるが、物価上昇に負けない賃上げを実現していくことが基本。昨年を上回る高水準の賃上げの流れを全国的に幅広く普及・定着させていくため、賃上げ環境の整備をさらに進めていく。そのためにも経済対策に盛り込んだ施策に加え、令和7年度予算の早期成立を図り、着実に執行を進めていく。
 地方創生については、地方がおのおのの特色や強みを生かし、持ち得る地域資源を最大限に活用していくことが重要。新しい地方創生交付金については、令和7年度予算で倍増しており、優良事例を参照しつつ、産官学金労言の様々な主体が参画しながら、アウトカムにつながるように効果的に活用されることが重要である。
 財務省としても、地方創生の取組について関係省庁ともよく連携・議論していく。
 武藤経済産業大臣です。
 昨年11月の諮問会議でも申し上げたとおり、持続可能な地方の創生に向けて、地方に仕事を生む観点から、経済産業省としても検討を進めている。
 このうち、「地方イノベーション創生構想」については、石破総理が訪問された福島ではイノベーションを軸に復興が進んでおり、この示唆、好事例を全国に広めるため、今後、関係省庁会議において検討が行われるが、経済産業省としては、引き続き福島の復興に取り組みながら、産官学が連携するイノベーション拠点の拡充、スタートアップ公共調達促進策の強化、コンテンツを活用した地方創生モデルの構築、地域での人材確保定着支援の拡大等について具体化を進めていく。
 その際、伊東大臣の資料にもあるように、多様な施策や多様な地域の様々な主体が新結合した上で、地方の経済産業を生み出していくことが重要。倍増された地方創生推進交付金の活用も含め、関係省庁と連携した施策の検討を進めていく。
 鳩山内閣府副大臣です。
 「地方創生2.0」において主眼としている若者や女性に選ばれる地方をつくっていくためにも、地域間・男女間の賃金格差の是正、女性のL字カーブ解消、男性の育児休業の取得促進、ジェンダーギャップの是正解消などを進めていくことが重要であり、関係府省庁と連携しながら取組を進める。
 新地方創生交付金や地方拠点強化税制などにより、地方における質の高い産業、雇用の創出を後押ししていく。「地方創生2.0」のKPIに関する論点については、新地方創生交付金のKPIについて申し上げると、今回の交付金についても自治体において事業ごとに「地方創生2.0」の展開に寄与する定量的なKPIを設定することとしている。その上で、これまでの検証の仕組みを強化し、産官学金労言の参加による事業の効果検証の実施と評価結果及び改善方策の公表を義務化することとしており、KPI目標の達成率の改善につなげていく。
 本日いただいたご意見を伊東大臣の下で開催している有識者会議にも諮り、ご意見をいただきながら、基本構想の取りまとめに向け具体化を進めていく。
 最後に総理から締めくくりのご発言がありましたが、皆様にお聞きいただいたとおりですので、私からの説明は割愛いたします。



 

(以上)