第7回記者会見要旨:令和6年 会議結果
新藤内閣府特命担当大臣記者会見要旨
- 日時:令和6年6月4日(火)18:52~19:27
- 場所:中央合同庁舎第8号館1階S108会見室
1.発言要旨
本日、経済財政諮問会議を開催しましたので、その概要についてご報告をいたします。
本日の議題は二つです。「中期的な経済財政の枠組み」及び「骨太方針2024の骨子案」について議論を行いました。
一つ目の「中期的な経済財政の枠組み」については、次のようなご意見をいただきました。新たな枠組みは、人口減少が本格化する2030年度までを期間とすべき。長期推計で確認した経済・財政・社会保障の持続性確保へとつながるように、実質1%を上回る成長の実現に向けて、官民連携による投資等を促進すること、財政に対する市場の信認が揺るがぬよう、現行の財政健全化目標の旗は降ろさないこと、PB黒字化後も、ストック目標を維持しつつ、新たな計画期間中における適切なフロー目標を設定すること、さらには、今後も歳出改革努力をしっかりと継続すること。また、経済再生と財政健全化の両立のため、EBPMを強化し、財政の質を改善すること、というご意見がありました。
この議題について、総理からは、人口減少が進む中でも豊かさと幸せを実感できる持続可能な経済社会に向けて、「経済・財政新生計画」として取りまとめる旨、ご発言がありました。本日の議論も踏まえ、骨太方針の中で明らかにしてまいりたいと思います。
二つ目の議題では、お手元に配布されている骨太方針の骨子案をお示ししました。今年の骨太方針は、我が国経済を「成長型の新たな経済ステージ」に移行させるためのビジョン・戦略を示すものとしたいと考えています。物価上昇を上回る賃上げの定着に向けた、生産性向上や労働市場改革、金利のある世界での財政の信認の確保に向けた取組に加え、何よりも、少子高齢化・人口減少の中にあっても経済が成長するための改革を示していきたいと考えています
そして、総理からは私に対し、本日の諮問会議での議論も踏まえ、骨太方針の取りまとめに向け、関係省庁や与党との調整を進めるようにご指示がありました。総理のご指示も踏まえ、早速明日にも、与党からのご意見を伺い、案文の作成作業を進め、今月中の取りまとめに向けて、関係省庁や与党との調整を進めていきたいと考えています。
諮問会議の詳細については、後ほど事務方から説明をします。
2.質疑応答
(問)民間議員から財政健全化目標について「新たな計画期間中における適切なフロー目標を設定すべき」との提言がありました。岸田総理からもご紹介があったとおり、「2030年度までの6年間の経済・財政新生計画をまとめる」と言及がありましたが、現時点でのイメージと、今後どのように議論を進めていくのか、伺わせてください。
(答)本日の諮問会議では、民間議員より、「新たな計画期間中におけるフロー目標を設定すべき」との提案がありました。この目標を検討する上で勘案すべき事項が示されたわけであります。まず、財政に対する市場の信認の確保が重要であるという観点。また、経済再生と財政健全化のバランスを取ること。さらには、長期推計で示した2030年代以降の経済・財政・社会保障の持続可能性の確保につなげること。そして、一時的な景気の下押しへの機動的な対応を可能とする柔軟性を持たせること。こうしたご指摘がありました。
また、総理からは、長年掲げてきたPB黒字化について、計画期間の初年度である2025年度における目標達成が視野に入っており、後戻りさせることなく、計画期間を通じ、経済成長の実現や歳出改革などを通じて、経済・財政一体改革をさらに前進させることで、債務残高対GDP比の着実な引き下げにつなげていくというご発言がありました。
こうした議論も踏まえて、現時点においては予断を持たずに、計画期間中の財政の枠組みについての検討をしたいと思っておりますし、今後、骨太方針の中で明らかにすべく、そのプロセスの中で取りまとめていきたいと考えています。
(問)骨太方針の骨子案のことについて伺わせてください。第1章に、「成長型の新たな経済ステージへの移行」とありますが、これはデフレ脱却後の姿をイメージしたものなのでしょうか。大臣の考えを教えてください。
加えて、第2章に、「人手不足への対応」及び「輸出・海外展開」とありますが、この具体的な中身もあわせてお願いします。
(答)まさに日本経済は成長型の新たな経済ステージに移行する大きなチャンスを迎えていると、度々私どもも申し上げています。この千載一遇のチャンスを捉えて、今年の骨太方針では、その新たなステージへの移行に向けた方策を示していきたいと考えています。
それは、まず、喫緊の課題としての物価上昇を上回る賃金の上昇、構造的賃上げの実現をはじめとして、中長期的には人口減少が進む中でも豊かさと幸せが実感できる持続可能な経済社会を構築する。そのために一番鍵を握っているのは、潜在成長率を高めていくことだと我々は根底に置いて考えているわけであり、生産性の向上や労働参加の拡大、将来人口の確保などを通じて、実質1%を安定的に上回る成長を実現することを目指したいと考えています。
人手不足への対応という意味においては、労働参加が減少する中で潜在成長率を引き上げるためには必要不可欠な取組だと思っています。特に中堅・中小企業においては、少ない人手で生産性を向上させるためには、やはり省人化とかロボット、AI、デジタルを使った投資拡大を進めていきたいと考えています。
また、輸出や海外展開については、長期的には生産性の向上を通じて潜在成長率を引き上げることが期待されると考えています。中小企業の「新規輸出1万者支援プログラム」など、そうした様々な体制を組んで、海外展開というものを新たな市場として、そこの中に生産性を見いだしていきたいと考えているわけです。
(問)本日、骨太方針の骨子案を提示されたということですが、改めて骨太方針の取りまとめに向けた大臣の意気込みと、大臣がお考えになっている今年の骨太方針の目玉についてよろしくお願いいたします。
(答)まず、これから議論が始まるわけでございますので、今、大きな方向性をお話しさせていただきました。まずは新しい経済のステージをつくること、そして、それはどういう方法で、どんなステージなのかを国民の皆さんと共感いただいて、共有できるような方針をしっかりと取りまとめていきたいと思っているわけです。
そして、今日総理からお話がありましたように、従来の骨太方針の中でつくってきたのは、2015年以降、経済・財政再生計画というものを年度ごとに、また、タームごとに更新してまいりました。今般はこの見直しを、一度新たなステージへ移行する好機と捉えて、「経済・財政新生計画」という形で取りまとめたいと思っています。ですから、日本経済の構造的な課題を改善するとともに、この先、人口減少・少子高齢化であっても、また、地方が過疎となって苦しい状態にあっても、それでも成長していける、人々が豊かさや幸せを実感できる、それにはどんな方法をすれば実現できるのか、具体的な対策をより明確にしていきたいと考えています。
GXやグリーン、新技術を徹底して社会実装する。それら新技術を使いこなしていくためには規制改革が必要だと思います。それから、働き方改革や働き方に関する考え方自体も社会に合わせた変換が必要だろうと思っていますし、そうしたことを皆さんが共有するための労働市場改革、それから、リスキリング。どんな年代になっても、全世代のリスキリングを進めていこうと。こういったことはこれまでも何度も諮問会議の中でもお話をいただいてまいりました。そういったものを含めて、新しい骨太方針は次の時代を切り開いていく、そのステージをイメージしていただけるようなものにしたいと願っています。
(問)まず、新生財政計画について、これは今年の骨太の方針の中で明らかにしていくということですが、今月中に骨太の方針を取りまとめるというスケジュールだとあまり時間がないですが、新生財政計画は財政目標も含めて骨太方針の中に盛り込むというスケジュールでよいのかということ。それから、もう一点、骨子案のほうなんですが、これまで使われていた「新しい資本主義」というキーワードが今のところ見当たらないのですが、これはあえてそれを使わずに別の言葉、「新たな経済ステージ」という言葉に置き換えて、新しいフェーズに日本経済が行くということを狙っているのか。その2点について教えてください。
(答)文言の使い方については、今、特に何か意識しているわけではありません。そもそもが社会課題を解決していくことと経済成長をリンクさせていくことが新しい資本主義ですし、今、私たちがつくっている政策には新しい資本主義の考え方が全編に採り入れられておりますし、新しい資本主義実現会議の中でも同様の議論があるわけですから、それらはしっかりと反映されるというふうになっています。
それから、財政フレームについては、これまでも我々が中長期試算、それから長期推計を出しながら、まずは骨太方針としてどういう枠組みで、どういう運営方針をつくっていくかということが打ち出されるのではないかと考えています。
(問)昨日開催された新型インフルエンザ等対策推進会議についてお尋ねします。委員の皆さんからは、19万件のパブリックコメントが出たことについての受け止めや感想、それから、今後の進め方やスケジュールについてどのような意見が出たのか教えてください。また、そうした意見を踏まえて大臣は今後どう進めていくお考えかもお聞かせください。
(答)昨日の第12回の推進会議では、パブリックコメントの概要を委員に報告して、そして、ワクチンやリスクコミュニケーションの関係をはじめとして、行動計画案の様々な分野について意見を伺いました。パブリックコメントで多くのご意見をいただいたということについて、委員からは「次の感染症危機に対する関心の高さの表れではないか」というようなご指摘がございました。まさに、委員からは、「国民に対して政府の考え方を丁寧に説明することが重要」、また、「平時から理解を求める取組が重要である」というようなご意見がございました。
今後の推進会議の日程はまだ決まっておりませんが、引き続きご意見の精査を進めて、より良い政府行動計画となるように心掛けていきたいと考えています。
3.木村内閣府政策統括官(経済財政運営担当)による追加説明
令和6年第7回経済財政諮問会議です。先ほど新藤大臣からご紹介がありましたように、議題は2つ、「中長期的な経済財政の枠組み」と「骨太方針2024の骨子案」です。それぞれの議題について、主なご意見を紹介します。
1つ目の議題、「中期的な経済財政の枠組み」です。
1人目の民間議員です。
デフレからの完全脱却、成長と分配の好循環の実現に向けては、今がまさに正念場である。経済あっての財政という考え方の下で、中期的な財政の枠組みの構築が必要。現在の厳しい財政状況は国民の将来不安の一因である。2025年度のプライマリーバランス黒字化後も財政健全化努力を継続すべき。その際には国と地方のプライマリーバランスに着目すべき。急激な経済状況の変化に備えて柔軟な財政運営を可能にしておく必要があり、プライマリーバランス目標は単年度で考えるのではなく、多年度で安定的に黒字基調となることを目指すべき。民間の予見可能性を高めるために、中長期の計画的な投資については、財源を確保するとともに当初予算で措置し、多年度でバランスさせるべき。
2人目の民間議員です。
3点お話がありました。
1点目は、日本はデフレから脱却し、実質GDP成長率1%を目指す段階にいる。今は日本経済の岐路にあって、競争力の強化に取り組むべき。
2点目は、経済あっての財政という考え方の下で財政の健全化を進めるべき。
3点目は、妥当なKPIの達成とEBPMの強化が大事。歳出の目安をどうしていくか、補正をどうするか適切に議論していくためには妥当な目標を設定していく必要。そのためにEBPMの強化が大事であり、経済財政諮問会議で定期的にこうした面について認識していくことが大事。
3人目の民間議員です。
新たな中期的な枠組みを策定し、2025年度のプライマリーバランス黒字化を目指していくことが重要。単年度の考え方ではなく、複数年度で考えていくことが必要。ワイズスペンディングのためにEBPMを徹底し、複数年度でPDCAを行っていくべき。ワイズスペンディングは歳出改革で無駄を減らすということだけではなく、意味のあるものには支出をし、意味のないものは支出をしないということ。
脱デフレの構造転換のためには、財政は機動的に考えていくことが重要。リスキリングや副業への支援、エッセンシャルワーカーの賃上げ支援のための減税も重要。
2030年に向けた複数年度の財政健全化目標については、経済成長の観点からも、柔軟性を持ちながら目標設定の在り方を考えていくべき。
4人目の民間議員です。
経済を回していくためには民間の投資と消費が大事であり、それらを引き出すような政府の公的投資が大事。
EBPMについて、もちろん歳出改革もEBPMでは大事であるが、歳出カットだけではなく、民間の投資を引き出して、全体としてプラスになるような発想が大事であって、そのような発想、考え方を計画に盛り込むべき。
プライマリーバランス黒字化については、黒字化の基調をつくりつつ、柔軟性も持たせながら達成を目指していくべき。
次に、閣僚からの発言です。
鈴木財務大臣です。
民間議員から中期的な経済財政の枠組みについてご提案があった。金利のある世界へ移行し、感染症・震災などの有事に対する財政面での備えが必要とされる中で、引き続き、財政に対する市場の信認を確保していく必要がある。
このため、経済再生を実現していく中で、財政健全化目標の旗は降ろさず、歳出構造を平時化していくとともに、歳出改革努力を継続していくことを通じて、引き続き、適切な経済財政運営に努めていく。
続いて、齋藤経済産業大臣です。
財政政策については、私自身、将来世代に大きな借金を残さないよう、財政再建が重要な課題であると言ってきた。しかし、「コストカット型経済」から「投資も賃金も物価も伸びる成長型経済」に転換させる重要な時期であり、そのために必要な政策は、財政支援も含めて総動員すべき。
AI、半導体、GXのように大きな成長が期待できる分野が姿を現し始めている。こうした分野への支出は、将来の収入として戻ってくる。このチャンスを逃してはならないのではないか。別枠にしてでも措置するべき。財政再建は大事だが、目先のハエを追って、明るい将来を見失ってはならない。投資により将来の飯の種を生み出し、それによって税収を増加させることで、拡大均衡型の財政健全化を目指していかなければならない。
次に、自由討議の中で出た発言です。
1人目の民間議員です。
労働移動の円滑化を促す改革が必要。従来の雇用維持型のセーフティネットから労働移動推進型のセーフティネットへの移行を進めることが重要。政府は働き手が安心してスキルアップに取り組める環境整備を進めるべき。
働き方改革への企業の自主的な取組も重要。経験者採用といった採用方法の多様化やリスキリングの成果を実現する機会を提供するための社内公募制の整備が必要。これらは新しい資本主義実現会議でも議論されている。
裁量労働制をはじめとした柔軟な働き方の実現に向けて、労働時間法制の見直しについても政府は真正面から取り組むべき。
2人目の民間議員です。
日本経済の伸び代について3点お話がありました。
1点目、GXについて、世界の中でどう日本がリーダーになるかを考える必要。韓国がITとコンテンツに力を入れているように、日本も多くの技術から戦略的に選んで勝ち筋にお金を出してくことが重要。
2点目、コンテンツにお金を出すことが必要。日本には漫画やアニメがあり、外国人観光客からも人気がある。コンテンツを活用してどう資金を還流させていくのかということが重要。
3点目、貯蓄から投資への流れの中で、金融経済特区はもっと大胆な政策・改革を取るべき。
3人目の民間議員です。
改革というと国民が怖いと思ってしまうことがあるが、時代の変換点にある中で、改革は国民の利便性やウェルビーイングを高めていくものであることを示すことが重要。象徴的なものを実現していくことが必要であり、その象徴例としては、ライドシェアが挙げられる。地域ではお客様の足がないという社会問題があることから、ライドシェアを進め、デジタル技術を活用していくことが必要。タクシー業界全体の生産性向上が重要であって、ドライバーの賃金上昇、待遇改善に向けて賃金・雇用環境の見える化を図るべき。また、ドライバーの健康づくりも重要。
4人目の民間議員です。
EBPMは非常に重要。社会の変化に合わせて制度を変えていく必要があり、制度を変えるときにEBPMによるチェックが大事になる。そのために、デジタルデータの整備や予算要求前の分析評価、地域単位での評価が重要となる。実効性を高めるためには理想系を追いつつも、それぞれの省庁の政策に応じて実効性のあるEBPMのプランを立て、分析を行っていく必要がある。官庁だけではなく、研究者や専門家のような外のリソースを活用すべき。成果が得られたかどうかチェックするフィロソフィーを実行に移していくことが大事。
続いて、2つ目の議題、「骨太方針の骨子案」です。
1人目の民間議員です。
岸田政権の大きな方針であるデフレからの完全脱却と成長と分配の好循環について、骨太の方針で形にしていくべき。今後の経済財政運営については、民間の予見可能性を高めるため、中長期の計画に基づいた政策の展開が重要であり、中長期の視点での官民連携強化を進めていくべき。
産業基盤の強靱化も重要。クリーンエネルギーの安定供給が急務であり、資源に乏しい島国である我が国は、再生可能エネルギーの最大限の活用や新たな核エネルギーの利活用に取り組むべき。2050年のカーボンニュートラルの実現に向けてはイノベーションが不可欠であり、政府は革新技術への投資を最優先に行うべきということを忘れてはいけない。
国民の将来不安の払拭も重要。成長と分配の好循環の実現は、賃金の引上げのみで達成されるものではなく、社会保障制度の改革も必要。全世代型社会保障制度の構築に早急に取り組む必要。また、社会保険料に過度に依存する現行制度の見直しと税と社会保障を一体的に見直すことについて、骨太の方針に盛り込むべき。
2人目の民間議員です。
自分なりの考えとして3点申し上げたい。
1点目は競争力の強化が大事。GXをはじめ、日本はどの分野で稼ぐ力を磨くのか、政府の方針が分かるようなものにしてほしい。
2点目はEBPMの徹底。良い政策を実施しても、データがなければ確認できず、EBPMにはデータが必須。
3点目は財政健全化の推進。金利ある世界に進む中で、利払い費の膨張を前提に、新たな財政健全化目標を考えていく必要がある。
3人目の民間議員です。
日常生活において健康をベースにし、生涯の可処分所得が増加する社会を目指していくことが重要。社会保障改革について、予防が重要であることやマイナンバーが普及している中で、応能負担が重要。令和型の社会保障制度に見直し、様々な技術を用いて認知症の早期発見などをして、国民のウェルビーイング向上につなげていくことが必要。ビジネスケアラー問題への対応は、健康であるということがそもそも重要。
エネルギーコストの競争力を上げていくためには、AIやDXの活用が重要。脱炭素を進めて、エネルギーの完全自給を目指すことも重要であって、中期的なロードマップの策定が必要。
地域の人口減少問題については、中央からの政策だけでは解決できない。地域の方々が自分たちで考え、アクションを起こし、時代の転換点に合った地域政策を進めることが必要。
最後に、骨太の施策については全体をきちんとモニタリングしながら、策定作業を進めていくことが重要。
4人目の民間議員です。
骨太の中でEBPMをやっていくことが重要。政策実行の際、進捗が分からないのは問題。どこまで進んでいるのかを把握できるようにすることが大事であって、それと併せて、財政の質の改善を図っていくべき。
民間投資が出ていく社会につくり変える必要があって、そのために、社会課題への対応が今年の骨太方針に出てきたことは特徴的であり、社会課題の解決は大きな柱になると考えている。民間投資について、無形資産への投資をどこまでしっかりやっていくのかを考えることが大事。目に見えないところで土台を築くことが経済にプラスになっていく。経済全体での無形資産投資も大きな柱となり、この点を強調すべき。
人への投資も大事。そのためのリスキリングは強調すべき。活躍したい場所で活躍できるようにするためには、それに見合った能力を身につける必要。全世代型のリスキリングを進めるべき。
さらに、海外活力について、海外の需要の取り込みや、海外との連携を深め、経済を回していくことが大事。地域の中堅・中小企業が海外需要を取り込むことで大きく成長することができ、全体として好循環が生まれる。
続いて、閣僚からの発言です。
松本総務大臣です。
資料4として地方財政審議会の意見の概要を配付している。
この中で、地方歳出について、人件費の上昇、物価高、金利上昇等の増要因が拡大していること、能登半島地震の教訓も踏まえて防災・減災対策の強化が必要であること、地域経済の好循環及び持続可能な地域社会の実現に向けて、人への投資、地域のDX・GX、こども・子育て政策の強化などの取組を進め、その効果を地域の隅々まで行き渡らせることが重要であることが示されており、総務省としても同様の認識である。
その上で、このような重要な課題に現場で向き合い、住民への身近な行政サービスを担っている地方公共団体の財政面での将来不安を取り除き、予見可能性を持ちながら、安定的に財政運営を行うことができるようにするため、令和7年度以降も一般財源総額を安定的に確保すべきとご意見をいただいている。
こうした意見に十分に沿った基本方針の策定を行っていただくよう、よろしくお願いする。
次に、齋藤経済産業大臣です。
日本が歴史的な転換点に立つ重要な時にまとめられる今年の骨太方針では、経済を成長型に転換するという政府の強い覚悟を示さなければならないと考える。
日本経済は、デフレ構造から新しい経済ステージへ移行する、千載一遇のチャンスを迎えている。国内投資は30年ぶりの高水準、賃金も今年の賃上げ率は直近の集計で5.17%と昨年に続き高い水準となっている。一方、この前向きな動きを持続的な成長の好循環につなげることができるかどうかが、日本経済の中長期的将来に大きな影響を与える、そういう局面にあると考える。
18年ぶりに経済産業政策の現場に戻ってきたが、アメリカや中国やヨーロッパが自国産業ファーストの観点から、かつては考えられなかった大胆な産業政策に大きく舵を切っている。いわば、産業政策自体の国際間競争に勝ち抜かなければいけない時代になっているのではないか。今この瞬間に、政府が講ずる産業政策の一つ一つが、今後の日本の経済の有り様に大きく影響するという強い危機感を私は持っている。
半導体や蓄電池、AI、バイオなど、将来の飯の種を生み出す産業を支援していく方向を骨太方針で明確に示すことで民間の予見可能性を高め、前向きな挑戦を後押ししていくことが必要である。
最後に、総理から締めくくりのご発言がありましたが、皆様にお聞きいただいたとおりですので、割愛いたします。
(以上)