第4回記者会見要旨:令和6年 会議結果

新藤内閣府特命担当大臣記者会見要旨

  • 日時:令和6年4月19日(金)19:03~19:41
  • 場所:中央合同庁舎第8号館1階S108会見室

1.発言要旨

 本日は経済財政諮問会議を開催いたしました。その概要についてご報告をさせていただきます。
 まず議題は二つです。中長期の重点課題として「グローバル対応とエネルギー」、「地域活力の創生」について議論を行いました。
 一つ目の議題の「グローバル対応とエネルギー」では、グローバルサウス等の活力を取り込むために、モノ・カネ・ヒトの観点から「グローバル戦略」を強化すること、例えば貿易DX、物流DX等を推進し、サプライチェーン全体をデジタル化すべきとの意見がありました。また、脱炭素・低コスト・安定供給を確保するエネルギー需給構造の実現のため、「GX・エネルギー戦略」を再構築すること、そのために再生可能エネルギーの最大限の導入とともに、地元理解を得つつ、安全性確保を前提に原発の再稼働を進めるほか、革新的な技術開発を進め、エネルギーを成長産業化することが重要との意見がありました。二つの戦略の実行においては、スタートアップの育成、そして、社会的課題の解決に向けた新技術の徹底した社会実装が重要だといった意見もいただきました。
 二つ目の議題の「地域活力の創生」に関する議論では、地域経済の活性化に向けてはグローカルな視点での造る力・稼ぐ力の強化が重要であり、小水力発電等、地域と共生した再エネ導入を広域で進め、自律的な地域社会の創出を目指すべきとの意見がありました。また、行財政の持続性の強化のためには、行政サービスの広域連携やDX・AI等の導入に加え、国・地方で歩調を合わせた歳出改革による効率化が重要だとの意見がありました。そして、インフラの老朽化対策等については、デジタル技術の徹底活用、複数自治体による選択と集中、そして、広域連携・官民連携、この3点が重要といった意見をいただきました。
 総理からの締めくくり発言では、今年の骨太方針においては少子高齢化・人口減少を克服し、国民が豊かさと幸せを実感できる経済社会を構築するための方策を盛り込んでいく旨のご発言がありました。その上で、私と関係閣僚に対して、地域活力の創生、グローバル、エネルギーの分野の各課題について、骨太方針に向けた施策の具体化を進めるように指示がありました。
 諮問会議の詳細については、後ほど事務方から説明をします。






2.質疑応答

(問)経済財政諮問会議について質問です。今回、民間議員の方からGX・エネルギー戦略を再構築するべきだと提言がありました。革新的な技術の開発を進めて海外展開を推進するべきとの内容で、具体的なKPIの例示もありましたが、この提言についての大臣の受け止めと、骨太方針にどのように反映させるか、お考えをお聞かせください。


(答)民間議員から、再エネ、原子力などの革新的な技術の開発を通じた新たなフロンティアの開拓、それから、水素、アンモニア、CCSの活用を通じた脱炭素が困難な分野におけるGXの推進、また、海外との連携を通じたノウハウや市場の取り込みなどの提言をいただきました。これらの内容は2050年のカーボンニュートラルに向けた我が国の取組、強靱なエネルギー需給構造の実現、イノベーションや経済成長の実現につながるものであって、大変重要な提言をいただいたと受け止めています。
 骨太方針への反映につきましては、GX・エネルギーの取組をグリーンイノベーション基金を、はじめとしたGX経済移行債を活用した投資促進策などを効果的に推進しながら、いかに成長型の新たな経済の実現に活かせるかという観点から、関係省庁とよく議論をして、検討してまいりたいと思っています。



(問)今週末から靖国神社で春の例大祭が行われますが、新藤大臣が出席される予定があるか教えてください。


(答)靖国神社への参拝につきましては、私人としての私的な行為であると思っていますし、参拝するかしないかは従来から明らかにはしておりません。その時の状況によって、私の日程やさまざまな状況の中で適切に判断していきたいと考えています。











3.菱山内閣府参事官(総括担当)(政策統括官(経済財政運営担当)付)による追加説明

 令和6年第4回経済財政諮問会議です。
 先ほど新藤大臣からご紹介がありましたように、議題は2つ。まずは中長期の重点課題①として「グローバル対応とエネルギー」について、内閣府から資料1及び2の説明をした後、意見交換を行いました。
 次に、重点課題②として「地域活力の創生」について、内閣府から資料4及び5の説明をした後、意見交換を行いました。
 それぞれの議題について、主なご意見をご紹介します。
 まず1つ目の議題、「グローバル対応とエネルギー」です。
 松本大臣の発言については、後ほど紹介する口頭での発言に加えて、書面での発言の提出もありました。書面での発言の内容はお配りしているとおりです。
 民間議員のご意見に移ります。1人目の民間議員です。
 貿易投資立国を推進し、エネルギーの安定供給に取り組まなければならない。
 グローバルサウスを中心に海外の力を取り込むことが重要であり、グローバルサウスの国々との連携に当たっては、課題先進国として知見を生かすことが、日本が必要な国として選ばれるために重要。具体的には、アジア地域において、地域温暖化の取組に貢献するとともに、グリーンマーケットを拡大させて、我が国の国際的なプレゼンスを向上させる必要がある。
 再生可能エネルギーの最大限の活用とともに、ベースロード電源としての核エネルギーの利活用は我が国にとって不可欠。高温ガス炉、高速炉、核融合などについては早急に進めるべき。
 2人目の民間議員です。
 デフレを脱却し、新しい時代の幕開けにふさわしい実質GDPを達成するにはGX投資が何よりも大切。アジアトップの人材受入れなど、ほかにも重要な課題やテーマがあるが、GXに絞って4点申し上げたいということでした。
 1点目は勝ち筋はどこなのかということ。例えば、それが水素やCCSなどであれば、そこに資本を投下していく必要がある。スタートアップが持っている技術を無視しないことも重要。
 2点目はお金の使い方。分散するのではなく、有望な領域、勝ち筋には躊躇なく資本を投下していくことが必要。
 3点目はデータの重要性。投資効果はデータで検証することが重要なので、そもそもデータがないということはあってはならない。
 最後、4点目はサーキュラーエコノミー。サーキュラーエコノミーはこれからの日本にとって重要なテーマ。製品の回収を中国が急速に進めている中、ルール化も含め、日本が何を実施していくべきか、どうやって国際的なリーダーシップを取っていくのか考えていくべき。
 3人目の民間議員です。
 GDPの成長が最優先課題であり、海外企業の投資呼び込みが重要。シンガポールの例を参考にしながら、投資減税や規制緩和など、ワンストップソリューションを行う組織を経済産業省につくるべき。
 CPTPP/RCEPの強化が重要。国際的な社会課題の解決に取り組んでいくことも必要。ODAの拡充やワクチンアライアンスにも主導的に対応していくべき。
 低廉かつ安定的な電力供給が重要であり、エネルギーコストの低減が賃上げの原資にもなり得る。GX経済移行債の活用が重要で、自国でエネルギーを賄う目標を立て、ロードマップを作成していくべき。
 4人目の民間議員です。
 日本経済のためだけでなく、グローバル経済のために何らかの問題意識を持って行動してこそ、初めて日本が世界に理解・評価されて、いろいろな成長につながっていく。グローバルヘルスの分野での貢献拡大、海外スタートアップの誘致、スタートアップによる海外展開などの課題を共有して、世界の課題を解決していくという戦略が重要。
 革新的技術開発をどこまで進めるかというところが大きなポイントになってくる。技術が社会実装化され、世界で通用する技術になるのが理想であり、どれだけしっかりとした技術開発を受けて、民間の投資を引き出していくことができるかが重要。
 続いて、閣僚からの発言です。
 まず、松本総務大臣です。
 昨年は、総理のイニシアチブの下、G7議長国として広島AIプロセスの議論を主導し、国際行動規範を含む成果を取りまとめ、世界にプレゼンスを示すことができた。これによって、AIの開発、提供やデータ管理の事業に関して、日本を意識してもらっている側面もあり、今後はルールづくりや標準化にも携わっていきたい。
 情報通信分野については最大の成長分野であり、重要。海外展開や研究開発を様々な形でサポートしていきたい。
 次に、伊藤環境大臣です。
 GX・エネルギー戦略について発言がありました。
 先日発表した2022年度の我が国の温室効果ガス排出・吸収量は2013年度比で22.9%減となった。2050年ネットゼロに向けた順調な減少傾向、いわゆるオントラックを継続している。
 ただし、今後の削減の進捗については予断を許さない状況であることから、今国会に提出している地域温暖化対策推進法改正法案に基づいて、地域共生型の再エネの導入、デコ活を通じた国民のライフスタイル転換、JCM(二国間クレジット制度)の活用を通じた我が国の脱炭素技術の海外展開を進めていく。また、吸収減対策についても、ブルーカーボン等の取組に力を入れていく。
 その上で、パリ協定に基づく温室効果ガスの削減目標の検討については、温室効果ガスの削減目標を裏付ける地球温暖化対策計画及びエネルギー基本計画を一体的に検討していくことを想定している。
 民間議員から御指摘のあった、GXに関する重点的な革新的技術開発と社会実装や、民需の創造についても、計画改定の議論の中で検討していくと。
 なお、配付した資料にあるとおり、環境省としては、GX推進に当たって、脱炭素による地域内での経済循環を実現することに加えて、ネイチャーポジティブやサーキュラーエコノミーを一体的に進めていくことが重要だと考えている。
 民間議員と閣僚から一通り発言があった後、自由討議を行いました。自由討議の中で出た発言についてご紹介します。
 1人目の民間議員からは次のような発言がありました。
 民間企業が貿易投資を行うための最優先の原則は自由貿易。企業においては予見可能性が確保されていくことが重要。一部の重要な物資は特定の国に過度に依存しており、サプライチェーンの多様化を図る必要がある。
 また、日本企業は技術に勝ってもルールに負けると言われることもあり、国際ルールの形成を主導していくことも重要。
 2人目の民間議員です。
 岸田総理が表明してから始まった150兆円の投資がこうして形になりつつあること自体、大変前向きに評価できること。
 勝ち筋への投資戦略の決定においては、最初の勝ち筋を選ぶ部分、まさにワイズスペンディングが重要。水素なのかEVなのか、投資を進めるべき領域を練りに練って決めること。そして、決めた領域に対しては躊躇なく投資をしていくべき。
 GX移行債での資金調達が始まっているが、これからは資金の使われ方のモニタリングが重要。使われ方、その効果を世界に説明できなければ、海外投資家からGX移行債を買ってもらえない。今、金融政策は修正されたところだが、まだ世界的に見て金利が相対的に低い中では、債券としての魅力が低い。そのような中、投資家を引きつけるために、例えば、GX移行債を買ったら排出権が付与されるというような面白い工夫も必要。
 また、ブルーボンドや水など、日本は環境にアドバンテージがある。この点も勝ち筋を考える上では重要。
 自由討議の中では、閣僚からも発言がありました。
 吉田経済産業大臣政務官です。
 経済産業省では、業界や国境をまたぐデータ共有を促進するウラノス・エコシステムの実現により、新たな価値創造を目指すとともに、デジタルライフライン全国総合整備計画を通じて、仕様や規格等の共通化を図りながら、事例創出やグローバルな連携を進めている。
 特に、国内外の物流では、いまだ紙のやり取りが主流である。貿易分野では、企業間のデータ相互運用を容易にする「プラットフォーム」利用を促すため、省庁横断のアクションプランを夏頃に策定する予定である。また、企業の利用補助等にも着手している。国内物流においても、荷主企業の設備・システム投資を後押ししている。
 引き続き、関係省庁と連携し、産業横断的なデータの連携・活用促進に取り組んでいきたい。
 続いて、斉藤国土交通大臣です。
 物流DXの推進に当たっては、物流データの標準化を通じて、サプライチェーン全体でデータ連携を進めることが重要。このため、国土交通省では、関係省庁と連携して、昨年、物流データなどの標準形式を定めて、事業者に対して導入を呼びかけている。また、必要な予算を確保し、物流データの標準化を通じた荷主や物流事業者のデータ連携による共同輸配送の取組を支援している。
 さらに、国内外の物流の結節点となる港湾では、民間事業者間の港湾物流手続を電子化するプラットフォームである「サイバーポート」において、「輸出入・港湾関連情報処理システム」とのシステム間連携など、荷主や物流事業者間での貨物情報等の相互利用を可能とすることで、貿易手続全体のDX化を促進している。
 今後とも、関係省庁と連携し、サプライチェーン全体での物流DXの推進に向けた支援を行うなど、積極的に取り組んでいきたい。
 続いて、2つ目の議題、「地域活力の創生」の議論をご紹介します。
 斉藤国土交通大臣の発言については、後ほど紹介する口頭での発言に加えて、書面での発言の提出もありました。書面での発言の内容はお配りしているとおりです。
 民間議員のご意見です。
 1人目の民間議員です。
 人口減少の影響を一番大きく受けるのは地方である。我が国の統治機構、ガバナンスの在り方について、我が国の縮小の影響を真っ先に受けるのは小さな地域。
 地域の限られた資源を活かしていくには、全体最適の視点を持って、地方も含めた我が国のガバナンスの在り方を考える時期に来ている。
 その際、デジタル技術の活用が不可欠で、国と地方のデジタル基盤の統一化を図って、行政DXを進めるべき。
 また、国際ルールの形成に取り組んでいくことは、グローバル戦略の上でも重要。
 2人目の民間議員です。
 愛媛で一昨日、地震があったばかりだが、こうした地震が大都会で起きるリスクも考えるべき。もしもの時のために財政健全化が重要だ。
 地方創生、レジリエンス、人口減少といった観点で見ても、コンパクトシティ化を進めることが重要。
 二拠点居住なども進めるといいのだろうが、本質的には地方に仕事がないといけない。そういう意味では、資産運用特区に大都市しか手を挙げなかったのが残念。金融こそDX活用によって、本来、物理的な場所は関係なかったはず。
 地域経済圏については、シリコンバレーのように、どの特徴を生かして競争力を高めるのか、戦略的に行われるべき。ウェルビーイングを重視した地域づくりなどもあり得る。
 3人目の民間議員です。
 地域の持続可能性の確保には「選択」が鍵になる。インフラのどの部分を残すか、自治体が決断できるようにしていくことが必要。空き家などのストックを活用していくことも重要。
 ライドシェアを実現して、地域の足を確保していくことが大変重要。
 ネイチャーポジティブも重要で、日本の自然資本の価値を世界に示すためにも、見える化をして、ルールメイキングをしていくことが必要。
 公的サービスだけでなく、企業やソーシャルセクターによる共助の仕組みが重要。企業版ふるさと納税をNPOも対象とすることや、恒久化を前向きに検討すべき。また、ソーシャルインパクトボンドの利用拡大も必要。
 4人目の民間議員です。
 地方活力、地方創生の話は以前からあるが、今、新しい技術や新しいライフスタイルが出てくるなど、大きなチャンスが来ている。このチャンスを捉え、新しい地域の暮らし方のビジョンを見せていくことが重要。
 また、持続可能な地方行財政の構築も非常に重要で、そのためには行政サービスの広域連携、コンパクト化などをしっかり進め、ワイズスペンディングを行うこと、インフラの老朽化に関しては、技術やPPP/PFIを活用して、適切に対応することが重要。
 続いて、閣僚からの発言です。
 松本総務大臣からは、先ほどお配りした机上配布の発言に加えて、次のような発言がありました。
 総務省としては、「成長と分配の好循環」や「賃金と物価の好循環」の全国への展開にしっかり取り組んでいかなければいけない立場。このような中で、各自治体においても様々な取組を実施し、地方活性化については、個別施策ではうまくいっているものも多く、例えば人口3,000人未満の小規模過疎自治体の約4割が社会増をしているというデータもある。そうした先進事例やうまくいっている例については、横展開を進めていくことが重要。
 次に、斉藤国土交通大臣です。
 1月の能登半島地震からの復旧・復興の過程で明らかになったように、地域活力の創生やインフラの整備・管理には工夫が必要。具体的には、あらかじめインフラの強靱化を進めるとともに、上下水道を一体で管理・運営するなど、広域的視点で各種インフラを「群」としてまとめて、マネジメントしていくことが重要。
 また、流域単位での水力発電の増強や上下水道施設の再編等による省エネ化を推進して、流域で治水のみならず、カーボンニュートラルの推進にも取り組むなど、流域の総合的な水管理を進めていく必要がある。
 地域づくりにおいても、本日示されている資料にもあるように、広域的な視点を持って、持続可能なものとなるよう、まちの機能や公共交通を再構築していくように取り組んでいく。
 さらに、企業立地や観光等の新しい経済の動きが効果的に実現できるように、道路、上下水道等のインフラ整備を機動的に行うとともに、自動運転、自動物流道路、サイバーポート等のデジタル社会に対応するインフラにステップアップしていくことが重要。
 これらの取組を進めていくためにも、安定的・持続的な公共投資が必要不可欠。
 続いて、自由討議の中での発言についてご紹介します。
 1人目の民間議員です。
 規制改革のみならず、デジタルも活用して、まちを変えていったような好事例を横展開していくことが重要。自治体が現状維持ではなく、真に主体的にトライアルができるよう、政府が後押ししていくことが必要。
 2人目の民間議員です。
 事後的に検証するのではなく、政策立案の段階でしっかりとKPIを設定することが重要。単に予算消化のプロセス管理ではなく、成果がどのくらい出たのか、アウトカムの達成状況をしっかり見ていくことが重要。それがEBPMであり、そのための指標がKPIである。
 次に、自由討議の中での閣僚からの発言です。
 まず、松本総務大臣です。
 地域の経営主体について、地域に根差したエネルギー事業が収益を生み出して、それを地域に還元することができるならば、意義があるのではないか。
 総務省としては、GXによる地域活性化の取組として、地域の再エネを活用した分散型エネルギーのマスタープランの策定支援、再生可能エネルギーの地産地消を一層推進するための脱炭素化推進事業債の拡充、GXアドバイザーの派遣などを進めている。
 関係省庁とも連携しながら、地域におけるエネルギー事業などを活用した、経済循環につながる地域主導の取組をしっかり後押ししていきたい。
 続いて、吉田経済産業大臣政務官です。
 自立的な地域経済の構築に向けては、エネルギーの観点からの取組も重要で、地域と共生した再エネを含め、地域の特性に応じた様々な事業が行われているものと認識している。
 例えば、再エネの中でも、安定した出力を長期的に維持できる水力発電について、地域公共団体が経営する公営水力発電事業は、小売電気事業者への売電を通じて、自治体の安定した収益になっている。こうした公営水力も含めた水力発電の拡大に向けて、経済産業省としても、国土交通省等の関係省庁と連携して、水資源の最大限の活用に向けたダムの運用高度化などに取り組んでいく。また、エネルギー基本計画の改定に向けて、こうした議論を進めていきたい。
 続いて、伊藤環境大臣です。
 環境省としては、脱炭素先行地域が地域の企業や金融機関等の参画を得て、脱炭素と地域課題解決との同時実現のモデルとなることを目指している。中でも、脱炭素が成長戦略になり得る時代の地域の事業主体として、地域エネルギー会社に期待している。
 地域における再エネの導入に当たっては、環境に適正に配慮して、地域の合意形成が図られた地域共生型再エネを導入することが重要。その観点からは、地域の自然的・社会的状況についてよく知り、住民からの信頼を得ている自治体が関与した地域エネルギー会社が事業の担い手になることで、合意形成が円滑に進むことが期待される。
 また、地域資源を活用した再エネ導入に取り組む地域エネルギー会社は、エネルギーの地産地消を通じた地域経済循環を期待し得るものなので、産業連関による雇用の創出や収益の一部を活用した商品開発、地域の交通支援などの地域貢献事業の担い手となり得る。
 環境省としては、地域エネルギー会社が施策や事業を通じて安定した経営基盤を構築することが鍵になると考えている。現在、脱炭素先行地域をはじめとしたモデル事業や地域脱炭素推進交付金を通じて、まずは、地域エネルギー会社が発電事業を行う基盤を構築する支援を行っているところであり、今後もしっかり取り組んでいきたい。
 最後に、斉藤国土交通大臣です。
 社会資本の老朽化に対しては、「群」としてまとめて、広域的に取り組んでいくことが重要。
 地域活力の創生に向けては、インフラメンテナンスなどの様々な公共サービスやまちの機能が持続的に確保できるよう取り組んでいくことが重要。その際、限られた地域資源を広域的な視点で有効活用することが重要であることから、国土交通省として、広域での地域やまちの機能の再構築に取り組む主体を支援していきたい。
 また、地域生活圏において日常的なサービスが提供できるよう、内閣府と連携をして、モデル事業に参画する主体を支援していく。これらの支援に際しては、地域特性に合わせた再生可能エネルギーの生産やその収益を活用した事業展開についても、経済産業省や環境省と連携しながら推進していきたい。
 最後に、総理から締めくくりのご発言がありましたが、皆様にお聞きいただいたとおりでありますので、割愛いたします。
 私からは以上でございます。






(以上)