第17回記者会見要旨:令和5年 会議結果

新藤内閣府特命担当大臣記者会見要旨

  • 日時:令和5年12月21日(木)18:45~19:20
  • 場所:中央合同庁舎第8号館1階S108会見室

1.発言要旨

 それでは、私から今日はいくつかご報告があります。
 まず、経済財政諮問会議の概要について、本日の議題は2つです。「新経済・財政再生計画の改革工程表の改定」、そして有識者にもご参加いただく特別セッションとして、「目指すべき新たなステージに向けたマクロ経済運営」について議論を行いました。
 1つ目の議題である「新経済・財政再生計画の改革工程表の改定」について、「改革工程表2023」を経済財政諮問会議として、決定したところです。今回の改革工程表のポイントについては、後ほど資料を用いて説明をさせていただきます。
 2つ目の議題、「特別セッション」では、我が国経済が30年続いたコストカット型経済・デフレから脱却し、「新たなステージ」への移行を確かなものとするために、伊藤隆敏先生、矢嶋康次先生、渡辺努先生の3名の有識者にご参加いただき議論を行いました。
 「特別セッション」の議論では、デフレ脱却のカギは賃上げと可処分所得の引上げであり、そのためには生産性上昇、若者の所得向上、最低賃金の引上げが必要、一時的な財政支出は、中長期で見れば取り戻せるため、インフレ率0%から2%への移行を確実にするための必要な財政支出を惜しむべきではない、イノベーションを起こし、稼ぐのは民間部門だが、民間部門のみでは対応が難しい分野が増えており、政府が、民間の予見性の確保、日本らしい「産業政策」、地方創生を進めることが重要、といった意見がありました。
 総理からの、締めくくり発言はお聞きいただいていると思いますが、関係閣僚に対し、決定した「改革工程表2023」に基づき、DXや新技術の社会実装等を通じたサービスの高度化・効率化を図るとともに、EBPMの強化や分野間の政策連携を通じて政策の相乗効果を高め、政府一体となって改革に取り組むようご指示がありました。
 詳細については、後ほど事務方から説明をさせていただきます。
 続きまして、本日夕刻、第5回「未来を拓くパートナーシップ構築推進会議」を開催いたしました。関係閣僚、経団連会長、日商会頭、連合会長、全国知事会会長等にご出席いただきました。
 パートナーシップ構築宣言は、サプライチェーン全体において、労務費を含めた価格転嫁の円滑化や、型取引や手形取引の改善等を通じて、発注企業と受注企業の共存共栄を目指す取組です。
 その普及に向けた取組状況のフォローアップと、今後の取組の方向性、そして私どもと公取で新たに策定した労務費転嫁指針の活用等についての意見交換を行いました。
 政府としては、関係省庁が一体となって、この宣言の普及や実効性の強化に向けた取組を進めてまいります。そして、物価上昇に追い付く賃上げを実現し、デフレからの脱却、民需主導の持続的成長につなげていきたいと考えています。
 次に、本日の持ち回り閣議で、「令和6年度の経済見通しと経済財政運営の基本的態度」を閣議了解いたしました。その後の経済財政諮問会議で、内閣府からその内容を説明したところです。
 これは資料をご覧いただきながらご説明しますが、まず1ページ目が、今回の政府経済見通しにおけるメッセージで、民間需要主導の成長、それから官民が連携した賃金上昇・所得増加による物価高の克服、そして、潜在成長率向上につながる設備投資の拡大となっています。
 2ページです。実質成長率は2024年度は1.3%となる見込みです。総合経済対策の進捗に伴って、個人消費や設備投資がけん引する民間需要主導の成長を見込んでいます。
 3ページです。成長の継続、労働需給の引き締まり等を背景に、2024年度の賃金上昇率は2023年度を上回ると見込まれます。そして、2024年度は賃金上昇に定額減税などの効果が加わって、物価上昇を上回る所得の増加が見込まれるということを見通しとして立てました。
4ページです。企業の高い設備投資意欲、経済対策の効果を背景に、設備投資が拡大し、2023年度には、1991年度以来32年ぶりに100兆円台となる見込みです。一方で、設備投資意欲ほどに実績が伸びていない、意欲や計画に対してまだ実績が伸びていないということがありますので、経済対策を速やかに実行して、実際の投資へつなげていく必要があります。これが経済見通しのご説明です。
 それから、もう一つ、冒頭で申しましたが、「改革工程表2023」をまとめました。経済対策に続いて、全世代型社会保障でも様々な工程表なりを決めて出しておりますが、できるだけ分かりやすく見ていただくためにも、ポイントというかたちで資料を作って、概要を皆さんにご説明させていただいておりますので、改革工程表もご紹介したいと思います。
 改革工程表は、骨太方針の施策を単に実施するのではなく、限られた資源の中で、施策の効果を最大限に引き出すワイズスペンディングを実現するための工程を具体化したものです。
 KPIの設定とプロセス管理を徹底し、改革効果の評価を踏まえた経済・財政一体改革の実現が重要だということです。こうした考えのもとで「改革工程表2023」を策定しました。
 ポイントは3つです。一つは、DXや新技術の社会実装です。
 我が国は、少子高齢化・人口減少によって深刻な人手不足に陥っています。地域によっては各種サービスの維持が難しいところも出てまいります。
 一方で、DXや新技術の社会実装を行うことで、個人や地域のニーズに応えて、より最適な、例えば医療とか教育とか行政サービス、さらにはインフラ、こういったものを効率的に、そして、また利便性を高めながら、人が少なくなった地域でも提供できるようにする。それから、特に教育や医療はどこの地域に行っても最適な医療、そして全国高い水準でそれをお届けする、そういうことをしなければならない。その体制の整備を工程化したわけです。
 2つ目は、それらを進める際には、EBPMに基づく改革を前進させなければならない。KPI設定に基づくプロセスの管理を通じて、施策の進捗状況、経済・社会に与える効果等に関する新たなエビデンスを把握したうえで、EBPMに基づく改革工程のアップグレードを行ったということです。
 3つ目は、予算が拡充される重要政策に関する改革工程の新設でございまして、防衛、GX投資、少子化対策については今後予算を拡充して実施していくわけですが、この推進のために新たなPDCAの枠組みを構築することにいたしました。
 改革工程表は148個の改革項目がございます。この中で主要分野、重要政策について、皆様方により具体的なイメージを持っていただこうということで紹介させていただいております。
 では、次のページです。例えば、これは今、私が申し上げました、質の高い医療介護サービスの提供体制です。医療福祉分野は少子高齢化による担い手不足が顕著な分野の一つであり、左図をご覧いただきますと、医療福祉の人材ニーズは2040年度に1,070万人に増えますけれども、96万人が不足することが予測されているわけです。
 ですから、人手が少なくなっても新技術を社会実装し、医療DX、介護DX、こういったものを進め、限りある人材の中で最適な医療介護のサービスを行う、そしてニーズに応えるといったことをやるべきだということを一つ打ち出しています。
 また、電子カルテ情報の医療機関の共有や、マイナンバーカードを使った情報連携ができる。それから、医療情報プラットフォームを創設する、そしてロボット、AI、センサーといったものを活用した生産性の向上をするということを考えています。
 次のページです。そして、次には働き方に中立的な社会保障制度を構築するとともに、予防・健康づくりをやろうということになります。この予防・健康づくりにも、実は医療DXで整えるパーソナル・ヘルス・レコードや、医療関係の情報データ基盤を活用することになります。ですから、こういったものも提案しているということです。
 次のページです。それから、これは創薬の強化と国民皆保険の持続可能性についてですが、この3つはそれぞれ柱を立てていますが、いずれもみんな連携させることによって相乗効果をもたらす。それから、医薬品を巡るイノベーションは健康づくりになるとともに、それは経済成長、産業力の強化にもつながっていくことにもなります。
 そういったものを実現させるためには、幅広く医療情報をできるだけデータ化して、そして、匿名確保するなりプライバシーに十分に配慮しながら、最適な医療が提供できるような、そういう施策、また対策を打つ。
 今回私たちがまとめたものは、それぞれの施策をどうやって連携させていくかということで、相乗効果が出せるのではないかと思うわけであります。
 次のページです。これは社会資本整備等についてですが、新しい時代に対応したまちづくり、地域づくりについて、特に今回、不動産IDというものを2025年度までに全国エリアに提供するということを改革工程で打ち出しております。
 全国の不動産をID化することによって取引の効率化が図られるとともに、例えば、全国でデータ化が進む地理空間情報と不動産IDを連携させる。そうすると、例えば自動ロボットとかドローンとかで何かをそこにお届けする時に、不動産IDでデータが分かっていれば場所がすぐに特定できて対応できるとか、そういう新しい形のサービスも生まれることができるのではないかと期待しているわけでありまして、これ自体はそもそもが土地の情報を一元化して、検索する時に二重になっていたり抜けがあったり、そういうことを取り除くためのものですが、それを応用展開すれば様々な産業のほうにも使っていくことができるということです。
 次のページです。自治体DXによる地方行財政の効率化です。担い手不足が急速に顕在化する中で、より質の高い行政サービスを持続可能なかたちで提供していくための自治体のDXを進めていこうと。そして、住民との接点、いわばデジタルを活用した利便性の高い窓口、これを「住民目線」で、「書かない」、「待たない」、「迷わない」、「行かなくてよい」といったものを実現していくということです。
 そのバックヤード改革には、AIの活用や基幹業務システムの全国統一標準化を実現し、職員の負担軽減につなげていく。これら2つの改革をパッケージとして推進することで、サービスの高度化を図っていくことが可能ではないかと思うわけです。
 あとはもろもろございますが、こういった改革工程表として、これらを既に今までも提言し、また目標を立ててきましたが、できるものもできないものもありました。今回、経済財政諮問会議等で皆さんから意見をいただいたのは、なぜできなかったのか、そしてどうすればできるようになるのか、徹底的に原因を分析して、そして何としても実現すると。新しい経済や新しい社会への移行に向けて、ここをしっかりと実現させていくことが重要だということで、今後とも改革工程表のフォローアップ、それから、KPIを使い、EBPMを使って、有効な対策を賢く打っていくことを実現させていきたいと思っています。
 こういったポイントについては、ホームページ等でも紹介いたしますし、様々な方にできるだけご覧いただきながら、より具体的なイメージを持っていただけるようにしたいと考えております。
 私からは以上です。






2.質疑応答

(問)来年度の所得増加率に関して伺います。来年度の所得増加率は3.8%との試算が示されました。このうち、定額減税の寄与1.3%を除くと2.5%となり、来年度の賃金上昇率とほぼ同じ水準を見込んでいるということですが、これは定額減税がなければ物価上昇を上回る賃上げが実現されないというようなことを意味するのでしょうか。
 また、今年度の賃金上昇率は2.4%で、来年度は2.5%を見込んでいるということで、なぜ2.5%と見込まれるのかの理由を教えてください。


(答)一人当たりの賃金上昇率は「政府経済見通し」にあわせて内閣府で試算いたしました。それによれば、2024年度は民需主導の経済成長、労働需給の引き締まり等を背景として2.5%となり、2023年度の2.4%程度を上回る上昇率になると見込んでいるわけです。
 一方で、消費者物価上昇率は2023年の3.0%程度から若干伸びが低下して、2024年度は2.5%程度と見込んでいます。
 すなわち、2024年度には定額減税がなくても賃金上昇率だけで物価上昇率に追い付く姿が見えてくるではないかという見通しです。
 そして、それに加えて来年6月に定額減税等による所得の押し上げが見込まれるということで、2024年度の賃金を含めた所得の増加率は物価上昇率を上回ると見込んでいるわけです。
 その意味においては、来年度、春闘も踏まえて、賃上げが物価高に追い付くことができるのか、そして、デフレから脱却ができるのか、さらには成長と分配の好循環が実現できるのかという意味において、何度も申し上げていますが、正念場を迎えているということです。
 平均ではこのような数字になりますが、実際は物価の上昇率が緩やかに抑制されてくる。そして、賃金上昇がどんどん上がりながら、4月の春闘、そして6月ぐらいから本格的に賃金が上がってまいります。そこに減税のタイミングを合わせて、ボーナス月に可処分所得をぐっと上げることによって消費が拡大される。消費の拡大が見込まれる中で企業の業績が見込まれてくれば、当然それは構造的に企業側も賃上げを安心してやっていけます。
 そういったトレンドを来年以降もきちんと続けていくことがデフレからの脱却、後戻りしない、そういう経済をつくることになるわけでありまして、今回の大きなチャンスを何としてもつかみ取って、しっかりと持続的・構造的賃上げ、そして物価上昇を上回る、そういった経済をつくりたいと私たちは考えています。



(問)政府経済見通しの件で伺います。今回発表されました、令和6年度は1.3%成長で、5年度の1.6%成長、4年度の1.5%成長よりもちょっと伸びが低いようにも見えるのですが、これは経済成長がちょっと鈍化してきていると理解してよろしいでしょうか。
 また、来年度はけん引役が内需に移るということで、輸入が増えた分、経済成長がちょっと押し上げられた令和5年度よりも、ある意味、健全な姿に戻ったと思ってもよろしいでしょうか。
 また最後に、リスク要因として、例えば来年度、6年度の1.3%成長のリスクとして、海外経済の落ち込みによる輸出ですとか国の生産の減退ですとか、また、コロナ禍でリベンジ消費で盛り上がったところもあるので、それが剥落してくるといったことがあり得ると思うんですけれども、大臣として1.3%成長を実現する上でのリスク要因について認識を教えてください。


(答)来年度の政府経済見通しにおきましては、ご指摘のように、実質GDPの成長率が、2023年度は1.6%、2024年度は1.3%と見込まれています。
2024年度の成長率が若干小さくなるものでありますが、成長の質は改善が見込まれると私たちは分析しています。
 民間消費は、官民が連携する所得の増加によって1.2%程度の増加を見込む。さらに、設備投資は経済対策に盛り込んだ国内投資拡大策等を速やかに実行することで、3.3%程度の増加が見込まれています。
 この結果、2023年度のいわば外需主導、また外需含みのそうしたものから、2024年度は民需主導の経済成長が実現できるのではないかと期待しているわけです。
 ただ一方で、下振れリスクとしては、何と言いましても海外景気の下振れ、物価動向に関する不確実性がございます。
 それらを十分に注視していきながら、まずは実体経済を元気にさせていく、そして繰り返しになりますが、賃上げと、それを前提とした業績を拡大させるための設備投資、それから労働の流動性を高めていく、そういった中で潜在成長率を高めながら、国の経済を民需主導の持続的な成長軌道に乗せていきたいと考えています。











3.木村内閣府政策統括官(経済財政運営担当)による追加説明

令和5年第17回の経済財政諮問会議です。
先ほど大臣からご紹介がありましたように、議題は二つでした。
一つ目の議題、「新経済・財政再生計画の改革工程表の改定」については、内閣府から資料1-1、資料1-3の説明をした後、改革工程表を諮問会議として決定しました。
次に、二つ目の議題、「目指すべき新たなステージに向けた特別セッション」について、内閣府から資料2-1、資料3を説明した後、柳川議員から資料4に基づき、民間議員からのご提案のポイントを紹介いただきました。その後、伊藤隆敏先生から資料5、矢嶋康次先生から資料6、渡辺努先生から資料7に沿ってご発言があった後、意見交換を行いました。
主な意見をご紹介します。
一つ目の議題について、鈴木財務大臣と松本総務大臣から、書面での発言の提出がございました。内容はお配りしているとおりです。
民間議員からは、特段のご発言はありませんでした。
次に、二つ目の議題に関する主なご意見です。齋藤経済産業大臣の発言については、書面での提出になりました。内容はお配りしているとおりです。
資料2から資料7の説明の後、すぐに自由討議に移りました。自由討議の中で出た質問や回答について、ご紹介します。
1人目の民間議員です。
有識者に対して、質問が3点ありました。1人目の有識者の説明に関して、終身雇用や年功序列は大企業、中小企業ともなくなってきている。それよりも高齢化が問題である。50代、60代のポテンシャルを見つけないと、将来がないのではないか。
2人目の有識者の説明について、産業政策については、そのとおりと思うが、賃金上昇とエネルギー価格の低廉化が同時に起きていく必要があるのではないか。産業政策としてのエネルギー政策をどう考えるべきか。
3人目の有識者の説明に対して、インフレ2%の経済への移行については、説明のとおりと思うが、インフレ2%への移行が厳しい人たちに対して、財政的に何か支える必要があるのかという点についてどう考えるか。
これに対する有識者の回答です。
1人目の有識者からは、リスキリングという形で別の職種に異動することが重要。かつては企業が大きく、子会社をたくさん作って、そこに50代の人をはめていくということをしていたが、今はそれでは企業の収益にならない。企業の人材育成、人材投資を根本的に変えて、いつまでも働き続けられるようお手伝いすることが、企業にとって重要であるという回答でした。
2人目の有識者からは、賃金とエネルギーの関係が崩れると日本企業は海外に移転する。エネルギーではイノベーションを起こす必要があり、そのためには研究開発で国や大学が関与することが必要である。日本はエネルギーがない国で、エネルギーコストが高い。重要なことは、どう予見性を持って示せるかということであって、10年後、20年後のコストを民間企業が予想できるようにすることが大事であるという回答がありました。
3人目の有識者からは、インフレ2%の経済への移行に当たって、そのサイクルに乗り遅れる、あるいは、乗り切れない方が一定数出てくると考えられるので、それらの方への政策的な手当ては必要である。インフレ2%の経済の移行によって、政府債務の実質負担が減るということとなるため、そうした観点からも必要な財政支援は惜しむべきではないという回答がありました。
 次に、2人目の民間議員です。
1人目の有識者の資料5、8から9ページが全てを表している。問題は、これを持続しないといけないということ。9ページに書いてある生産性向上は、経済対策でも供給力の強化として挙げられた。中長期的には、モダン・サプライサイド・エコノミー的な社会課題の解決をやっていくのだというご紹介があった。是非これらをやることによって、2人目の有識者の方が言っていたような3回目の賃上げを実現していく必要があると認識している。
 民間議員ペーパーでは、安心の提供確保が必要と記載されている。若年者の方々は少子高齢化や財政規律など、将来への不安がある。これを解消するためには、税の議論を含め、全世代型社会保障改革を進める必要がある。
 これに対して有識者からも、これから申し上げるようなご発言がありました。
 長期的な絵を見せないと、若者は安心できない。税制や社会保障、子育て政策などの、これから10年後、20年後の先行きを示すことが重要である。社会保障の観点では、確定拠出型年金制度を改革することも大事である。今、公的年金制度に対する不信感があって、確定拠出型年金制度を改革することが安心感につながるのではないかという回答がございました。
 次に、3人目の民間議員です。
有識者に対して2点の質問がありました。3人目の有識者の説明について、インフレによる政府債務の実質残高減少は、インフレタックスとして国は儲かるけれども、裏にある家計が損をするということになる。家計のインフレ期待を崩さないか、また、財政健全化とのバランスはどうするのか。
 これに対する有識者の回答です。
財政規律は重要だと認識しており、インフレ2%の経済に移行することが財政健全化の観点からも重要であると考えている。そのために、インフレ2%経済への移行を確立するために必要な財政支出は行うべきである。さらに、政府債務の実質的残高が減った場合に、国債の保有者が損をするということになるが、それは価格メカニズムの帰結であって、そのようなリスクを理解した上で保有しているものと理解すべきであるという回答でした。
 最後に、総理から締めくくりのご発言がございましたが、皆様にお聞きいただいたとおりでありますので、割愛いたします。
 私からは以上でございます。






(以上)