第16回記者会見要旨:令和5年 会議結果

新藤内閣府特命担当大臣記者会見要旨

  • 日時:令和5年12月5日(火)18:38~19:09
  • 場所:中央合同庁舎第8号館1階S108会見室

1.発言要旨

本日、経済財政諮問会議を行いました。議題は2つです。「令和6年度予算編成の基本方針」と「社会保障改革」について、議論を行いました。
 1つ目の議題である「令和6年度予算編成の基本方針」については、総理からの諮問があり、経済財政諮問会議として、答申案を決定いただきました。
 近日中に閣議決定をする予定です。
 2つ目の議題は「社会保障改革」です。全世代型社会保障構築会議から、増田寛也座長代理と権丈善一先生にご参加いただき、議論を行いました。
 経済財政政策を扱う経済財政諮問会議と、全世代型社会保障を構築する観点から、社会保障制度全般の見直しを進めている全世代型社会保障構築会議が、しっかりと連携し、それぞれの会議における社会保障改革の議論の整合性を図るための取組です。
 「社会保障改革」の議論では、少子高齢化・人口減少社会の中では、社会保障は経済成長の根幹であり、経済と社会保障を一体として、刷新・強化する必要がある。そのために、DXや新技術の社会実装の徹底を含め、経済・財政一体改革の推進により、生産性向上や歳出効率化、個別最適なサービス提供等を実現すべきである。また、EBPMの成果を予算編成に活用する仕組みを構築すべき。更に、新経済・財政再生計画の「改革工程表」に、全世代型社会保障の「改革工程」の内容を取り組んで、KPIを定めて進捗管理を徹底すべきである。来年度の予算では、歳出の目安に沿った予算編成と、こども・子育て予算の充実との両立を目指すべき、といったご意見がありました。
 総理からの締めくくり発言は、お聞きいただいたとおりですが、私に対して、本日の議論を踏まえ、全世代型社会保障の「改革の道筋」を取りまとめ、少子化対策の財源確保の前提となる2028年までの複数年にわたる歳出改革も含めた改革工程を示すこと、また、「改革の道筋」を反映して、年内に新経済・財政再生計画の「改革工程表」を改定し、当面の取組の進捗を管理することについて、ご指示がありました。
 さらに、総理から武見大臣に対して、今後取りまとめる「改革の道筋」や「改革工程表」に基づいて、DXの推進などの医療・介護のさらなる改革を進めるようにご指示がありました。
 詳細については後ほど事務方から説明します。






2.質疑応答

(問)今回、全世代型社会保障の改革工程の素案を出されたということですが、そこの中で重視している点と、負担のみが増えるのではないかと考える国民もいるという話になっていますが、これに対しての大臣のご説明をいただければと思います。


(答)本日の会議で示された社会保障の改革工程は素案です。全世代型社会保障構築会議がまとめた、来年度、2024年度に実施する取組と、それから2028年度までに実施について検討する取組、そして2040年頃を見据えた中長期的な取組、この3つの時間軸で、医療・介護制度などの改革事項を整理したものです。
 改革工程では多岐にわたる項目が記載されていますが、国民一人ひとりへの最適な医療、最適なサービスの実現をするということ。そして、歳出の効率化と生産性の向上を図ることが必要だという理念で通底しています。
 そして、改革は現に実行していくことが何よりも重要です。さらにDXの推進や新技術の徹底した社会実装、EBPMの徹底、医療・介護分野でのこれらの改革を進めることが重要だということが特筆されています。
 国民に対しましては、全世代型社会保障の理念を丁寧に説明する必要があります。
 そして、これから生まれる将来世代も見据えた、給付は高齢者、負担は現役という従来の枠組みを変えるものが、今回の全世代型社会保障です。そして、それは少子高齢化・人口減少という日本にあって、全世代が等しく恩恵を受けて、負担能力に応じて公平に支え合う仕組みを構築するべきだと思います。
 そして、必要な保障が欠けることのないように進めつつ、国民が能力に応じて皆で支え合う社会連帯の考え方をきちんと改めて伝えようではないかということを申し合わせました。
 また、負担のみが増えるのではないかというご心配の声がありますが、実際の歳出改革は2028年度までの毎年度の予算編成過程で実施して積み上げていくものです。
 そして、構造的な賃上げの原資として、稼ぐ力、供給力の強化を経済対策に位置付けています。これは分母である国民の総所得を増やすこと、それから、歳出改革を徹底して、分子である税と社会保障負担の伸びを抑制する。これによって社会保障に対する国民負担率を適正なものにしていくのだということを丁寧に説明していきたいと考えています。



(問)足元の経済のことについて少しお伺いします。需給のことですけれども、先週金曜日にGDPギャップが発表されまして、2期ぶりにというか、1期ぶりにというか、前期はプラスだったのですけれどもマイナスに転じまして、デフレ脱却は遠のいたという理解でよろしいのでしょうか。
 もう1つ、デフレ脱却に向けて力強いメッセージをよろしくお願いします。


(答)GDPギャップはGDP統計と連動いたしますので、前提となるデータや推計方法によって結果が異なるため、数値については幅を持って見る必要があります。
 その上で、2023年7-9月期のGDP1次速報を踏まえた値は、4-6月期の小幅なプラス、0.2%でございましたが、その後に今回7-9でマイナス0.5%となったということでございます。
 ただし、これは新型コロナによる急速な経済の落ち込みの後に、振れを伴いながらもマイナスのGDPギャップが解消されつつあるという認識に変わりはないと思っています。
 それから、企業の業況や収益の改善は続いておりまして、非製造業の業況判断DIは、大企業・中小企業ともにバブル期以降、過去最高です。それから、7-9月期の企業収益は過去最高ということでして、企業部門は好調な部分があります。
 一方で、心配な部分もあり、デフレ脱却が確実なものにするための経済対策を今回打って、これを更に堅実なものにしていきたいと私たちは思っており、企業の好調さが賃金や投資、こういったものに回していくことが重要だと考えています。
 そして、デフレ脱却に向けて、我が国経済は需要面において、まず賃金上昇が物価上昇に追いついておらず、民需は依然力強さを欠いている。そして、これを放置してしまえば再びデフレに戻りかねないという心配があります。
 一方で、供給面では長引くデフレ等を背景にして「コストカット型経済」が続いてまいりましたが、人への投資や未来への設備投資・研究開発までもがコストカットの対象とされてきた結果、潜在成長率が0%台半ばの低水準になっているわけです。
 いかにこうした課題を解消しながら日本経済を新たなステージに移行させるか。それは正に今、これからが正念場を迎えていると私たちは思っています。
 そのための今回の総合経済対策、また補正予算は、まずは物価高の影響を最も強く受けている低所得者世帯への10万円の給付金によってまずは可処分所得を上げるとともに生活を下支えする。
 それから、デフレ脱却のカギを握る賃上げにつきましては、先般、政労使の意見交換の場においても総理から、足下の物価動向を踏まえ、来週の春闘を是非、今年は上回る水準の賃上げのご協力をお願いをしたわけであります。
 政府としても、価格転嫁対策の強化、それから、賃上げ促進税制、これは新しくつくった税制ですが、そういったものの拡充。また、中堅・中小企業の省人化・省力化投資への支援、そうしたものによって賃上げの流れの維持・拡大を図っていくということを今回対処しています。
 また、定額減税の措置によって、賃上げと併せて可処分所得が物価上昇を上回る状況を確かなものにする。これによってデフレに後戻りさせることなく、消費拡大や経済の好循環につなげていきたいと思います。
 そういったことを素早く手を打ちながら、今度は三位一体の労働市場改革、要するに供給力の強化を図っていく。このことも今回の対策の中に入れておりますし、それを国内投資の拡大をまず進めるための補助金や税制も入れました。そして、消費と投資が力強く拡大していく、その中で賃金と物価の好循環を実現させて、熱量あふれる新たなステージへの移行を実現していきたいと考えています。



(問)諮問会議とは離れた質問になるのですが、政治資金パーティーを巡る問題の件についてお尋ねします。
 安倍派などではノルマを超えた分、議員にキックバックする運用があったとされていますが、大臣も平成研究会で要職を務めていらっしゃいます。ご自身の派閥でこのような問題がおありなのかどうなのか、ご所見を伺います。


(答)平成研究会については、報道で指摘されているような問題があるとは承知をしておりません。そして、平成研究会の事務方からは、政治資金の収支については政治資金規正法にのっとり報告していると聞いております。



(問)改革工程について、10月2日のこども未来戦略会議で既に総理から年末までに工程表を策定するようにご指示があったと思うのですが、今日、また改革工程を示すことというご指示があったということで、10月との指示の違いをどう捉えればいいのかということと、もう1点、今日、案が示されたわけですが、今日の会議で了承というか諒とされたという理解でよろしいのでしょうか。


(答)今日の会議は、正に経済財政諮問会議と全世代型社会保障構築会議で作業にあたられた専門の方がおいでになられて議論をしました。改革工程を取りまとめるに当たって何を重視すべきか、そしてどういう効果をもたらすべきか、こういう議論をしたわけであります。
 総理がご指示された内容に変更はございません。年末までに決めることにも変わりはありません。
 しかし、改革工程については、本日の議論、それから与党の更なるご議論があります。そういったものも含めて必要な修正を行い、与党手続を経て、年末までには決定したいと考えています。



(問)基本的には、今日の会議では諒とされたというか、今日の会議自体では特段の異論はなかったということでしょうか。


(答)本日の会議では、この改革工程を打ち出して、それを進めていく上で留意すべき点は何かという議論をしたのであって、項目自体に何か変更があったわけではありません。











3.木村内閣府政策統括官(経済財政運営担当)による追加説明

 令和5年第16回の経済財政諮問会議です。
先ほど新藤大臣からご紹介がありましたように、議題は二つでした。
一つ目の議題、「令和6年度予算編成の基本方針」について、内閣府から資料2の説明をした後、民間議員よりご発言がありました。
 次に、二つ目の議題、「社会保障改革」について、増田座長代理より資料3をご説明いただき、内閣府から資料4の説明をした後、柳川議員から資料5に基づき、民間議員からのご提案のポイントについてご紹介いただきました。その後、意見交換を行いました。
 それぞれの議題について、主なご意見を紹介いたします。
 一つ目の議題に関するご意見です。
民間議員からのご発言です。
予算編成の基本方針の中で、デフレから脱却して、財政健全化に向かうことがいかに大事か、再認識していただきたい。欧州を中心に財政が弛緩している中、日本は今がデフレ脱却のチャンスである。
 次に、二つ目の議題に関する主なご意見です。鈴木財務大臣と武見厚労大臣のご発言については、書面配付のとおりです。
 1人目の民間議員です。
社会保障改革について、単にコスト削減ではなく、経済全体の大きな構図を変えて、成長と分配の好循環につなげていくことが重要。民間議員ペーパーでは、この観点から、健康社会、生涯現役、現役世代の可処分所得拡大、持続可能な社会保障の四つを重要項目として挙げている。
健康寿命を延ばし、生涯現役社会を作っていく上では、全世代型のリスキリング、労働市場改革、子育て世代への支援強化を行っていくことが必要。その中で、給付と負担の適切なバランスを確保し、将来不安をなくしていくよう、経済社会の構造を変えていくことが重要。
さらに、社会保障改革においては、結果を出すとともに、そのプロセスをチェックしていくというEBPMの観点が必要であり、EBPMを反映した予算編成、進捗管理の徹底が重要である。
来年度予算に向けて、3報酬改定において歳出効率化を大胆に実施し、医療・介護業界の連携強化に向けて、報酬体系相互にメリハリをつけていくことが必要。
 加えて、財政健全化に向けて、歳出の目安に沿った予算編成を継続する中で、こども・子育て世代の予算を拡充していく。また、経済・財政一体改革推進委員会で議論してきた改革工程表に沿って実行していくことが、真の社会保障改革につながるため、工程管理をしっかり行い、結果を出していくことが重要。
 社会保障改革は成長戦略である。成長産業がたくさんあるので、それらを伸ばすことが必要。我々の健康増進、QOLを高める、将来の不安を減らして、現在の消費を増やしていく。こういったことが基礎となる。結果として経済も成長していく、そういう社会を創っていくことが重要。
 2人目の民間議員です。
賃金の引上げが、消費ではなく貯蓄に回ってしまうと経済は循環せず、賃金の引上げが持続的にはならない。成長と分配の好循環を達成するには、若年世代の将来不安の解消が必要であり、そのためには全世代型社会保障制度の実現が必要である。全世代型社会保障構築会議では、将来の人口減少等を念頭に置いた議論がなされていると認識している。現在議論されている、こども施策の財源確保に向けた歳出改革は極めて重要であるが、一方で、同時に中長期的な観点から、大きな改革のグランドデザインを描いていくことも必要。また、税制と社会保障を組み合わせた一体的な改革の在り方についても大きな議論を期待したい。
 全世代型社会保障の実現に向けては、高齢者も含めた全世代が応能負担をして、社会保障を支えるという考え方を基本にした負担の在り方が求められている。マイナンバーを活用し、給付と負担について公平性、公正性を確保し、社会保障への安心感や負担への納得感を高める努力をするべき。
 3人目の民間議員です。
国民の感覚としては、取れるところから取っているという感覚。社会保険料をピン留めして、可処分所得を高めることが重要。今までどおりの考え方ではなく、令和にあったモデルの転換が必要で、今までの改革について、どれを本当にやったのか、やれていないのかを検証し、国民に分かりやすく説明していくべき。応能負担が重要であり、そのためには、資産や収入の把握が必要である。75歳まで働ける社会となることが重要であり、予防をしっかりやるべき。
4人目の民間議員です。
コロナで社会保障は特に予算が膨らんだが、これをいかに戻すか、また、それを国民に示すことが重要。社会保障改革は歳出改革など、後ろ向きに見えるが、成長につなげることが大事。例えば、創薬はイノベーションにつながる。研究開発、新薬流通の現状は米国6割、欧州3割に対して日本は6%である。日本の競争力をいかに磨くかが大事。
 ここからはご参加いただいた有識者のご意見です。
1人目の有識者です。
改革工程をしっかり行い、国民負担を減らすことで成長と分配の好循環につながる。これを確実に進めていくことが重要。2028年までの長いスパンでの歳出改革について、できるだけ多くの項目を俎上に載せて、改革工程をしっかり進めていく。
EBPMを進めていくことは極めて重要であり、長い時間を掛けてきちんと政策効果を検証し、それを踏まえた新たな改革を確実に行っていくことが重要。
報酬改定にはメリハリをつけることを意識して臨むべき。
 2人目の有識者です。
再分配政策において、敗戦時の賠償金や、封建時代の五公五民のようなものと同じように、「負担」という言葉で言い表すのには抵抗がある。現在の福祉国家における再分配政策が行っているのは、みんなが稼いだ所得を、プライベートに使っていいお金とみんなの助け合いのために使うお金に分けて、後者を今すぐに必要な人に再配分している。経済成長という現象は、結局は財・サービスへの物欲と現金や資産への金銭欲の葛藤の中で、一人一人がその物欲をどうするかという話。社会保障政策は、人々の将来不安を緩和して、金銭欲を抑える。また、今すぐ必要な人に所得が再分配されるので、社会全体の消費性向、物欲を高める。消費が飽和状態にある現代において、社会保障は今の世の中に安心と平等をもたらすものであり、社会保障は経済政策としても極めて有効な主題になり得る。中長期のグランドデザインを示し、税と社会保障の一体改革をもう一度考えていくべき。
財源調整の在り方について、まず押さえるべきことは、65歳以上で、介護給付費は98%、医療給付費は60%で、年金給付の老齢年金は83%受けていること。高齢期に要するお金に対して、賃金システムがうまく機能できなかったということである。
誰もが長い人生で直面する支出の膨張と収入の途絶に対して、賃金システムがなかなか対応できていないため、その中で賃金比例、労使折半というシステムが準備されてきた。
このサブシステムが果たしている役割を、「消費の平準化」という。高齢期に支出が集中する生活に若いときから関わり、将来、自分がその制度を利用するという形で支出を平準化している。消費行動を平準化させる社会保険は、社会保障給付費の9割近くを占め、国民の圧倒的多数の人たち、つまり、中間層の生活を守っている。
この国で求められているのは、子育て期における支出の膨張と収入の途絶に対応できていない賃金システムの欠陥を補うサブシステムを、新たに構築すること。
サブシステムの財源調達手段に労使折半という財源調達の仕組みを使うということが議論されているのではないか。全世代でこども・子育てを支援する形にするために、後期高齢者制度のような年金からの特別徴収という仕組みもしっかりと活用する必要がある。
同時に、全世代で参加して社会保障を支えることができる消費税を含めて、一体改革を考えていくということが、若い人たちに対して将来の安心と安定を与えることにつながるのではないか。
社会保障の財源調達面に対して、「負担」というのには抵抗があり賛同できない。再分配によりみんなで助け合う仕組みを持っているということが理解されずに、社会保障は負担を強いるだけのものと誤解されている。国民が大きな将来不安を抱えたままになっており、社会保障の存在が経済に与える影響も、プラスではなくマイナス方向に働いてしまうので、誤解を取り除いていきたい。
次に、自由討議でのご発言をご紹介いたします。
1人目の民間議員です。
労働のインプットが増えればGDPも増加するので、75歳まで働くことは重要であり、そのためには、人材の流動化が重要。50歳辺あたりで健康データが変わることもあり、最低限健診を受けて、現役世代の若い方が健康に気を付けていくことが必要。
国民保険がカバーしていないところに民間が投資していくことでニューフロンティアが出てくる。そうしたことで、キャリアデザイン、リスキリングにつながっていく。
有識者の先生がおっしゃった負担の考え方について、マクロ的には正しいと思うが、ミクロ的には、気持ちの上での負担である。見える化により、駄目なものは駄目としていかないと負担感は消えない。
2人目の民間議員です。
新しい資本主義が歴代の経済政策と違う点は、成長と分配の好循環、つまり、分配に言及していることである。そして、分配の一番の具現化は社会保障だと考えている。
若年層が結婚しないことや子供を持たないことの原因は、可処分所得の少なさだけではなく、少子高齢化や日本の財政問題を背景とした将来不安にあると考えている。そのため、全世代型社会保障改革は中長期の視点で行うことが必要。
また、高齢者も含めた全世代での応能負担を、マイナンバーを活用しながら進めていくことが重要。その実現のために企業側が応分負担をすることは全くやぶさかではない。
3人目の民間議員です。
社会保障の在り方を考える上では、QOLを高めていくことが重要。これに資するKPIの設定が必要である。大臣がおっしゃったように、デジタル化を通じて新しい社会保障の在り方を作る大きなチャンスを迎えており、デジタル化をしっかり進めていくべき。その中で、EBPMをしっかり組み込んで、大臣が目指している方向性をチェックできるような進捗管理、KPIを設定し、政策の結果を出していくことが重要。
4人目の民間議員です。
医療・介護保険制度を持続可能に見せることが大事。成長と歳出効率化のためにはデータの活用が重要。日本にはたくさんデータがあるが、うまく使えていない。徹底的に活用して、歳出の効率化を図っていくことが大事。
マーケットでは、アメリカの格付が下がった中で、財政の持続可能性を冷静に見る目がある。日本では、社会保障改革の徹底が期待されている。保育士や介護士の賃上げをどう成長につなげるか、円安の中で外国人労働者を海外からどう呼び込むか、様々な工夫をしながら、確実な社会保障改革に期待したい。
また、閣僚からもご発言がありました。
西村経済産業大臣です。
負担についてどのように考え、どう整理していくかが重要。こども・子育て政策の強化を「実質的な追加負担なし」に確保するという国民との約束を貫徹すべきであり、社会保障の歳出改革の徹底をお願いしたい。インセンティブをつけて健康増進を進めてきたが、更なるインセンティブ付けが必要。
武見厚生労働大臣です。
電子カルテは、医療DXを推進する柱の一つにすぎない。経済のダイナミズムと社会保障構築をどのように整理し、政府と民間の役割をどのように分担していくかが重要である。
電子カルテのプラットフォーム、標準化、診療報酬の電子化などを社会保障改革の全体の原動力としたい。
現在、電子カルテの普及率は全体で50%程度である。特に中小病院や診療所では50%を下回っている。こうした中で、遅くとも2030年にはおおむね全ての医療機関において、電子カルテの導入を目指すために、より低コストで、かつスピード感を持って実現する必要があることから、未導入の医療機関向けに、標準規格に準拠したクラウドベースの電子カルテの整備を行うこととしている。今年度中には必要な要件定義を行い、来年度中に開発に着手し、試行的実施を目指している。医療機関のコスト負担にも十分配慮しながら、電子カルテの普及に努めてまいりたい。
最後に総理から締めくくりのご発言がございましたが、皆様にお聞きいただいたとおりでありますので、割愛いたします。
 私からは以上でございます。






(以上)