第16回記者会見要旨:令和3年 会議結果

山際内閣府特命担当大臣記者会見要旨

  • 日時:令和3年12月3日(金)18:51~19:22
  • 場所:中央合同庁舎第8号館1階S108会見室

1.発言要旨

 経済財政諮問会議の概要について、御報告いたします。
 本日は経済・財政一体改革の重点課題、文教・科学技術、社会資本整備、地方行財政と「令和4年度予算編成の基本方針」について議論を行いました。
 経済・財政一体改革の重点課題については、主に次のような意見がありました。デジタル人材育成、社会人のリスキリングと学び直し機会の拡充に向け費用面での支援、高等教育のフレキシブルな提供など、産学官の連携と大学改革を推進すべき。研究開発についても産学官の連携を進め、イノベーションのビジネス化を支援すべき。特にスタートアップと協働するオープンイノベーションを促すインセンティブ措置を講じるべき。大学内の人材育成にも、若手研究者や女性の積極的な登用を行い、人材多様化を進めるべき。社会資本整備、地方行財政改革では、デジタル化を梃子に業務の見直しとサービスの質の向上に取組むべき。その際、PPP/PFIなど民間資金やノウハウを取り入れ、デジタル技術の活用と併せて社会のデジタル・トランスフォーメーションを促すべき。
 「令和4年度予算編成の基本方針」については、経済財政諮問会議において総理から諮問があり、与党との調整も踏まえた案を答申することを決定いただきました。先ほど、持ち回りの臨時閣議において閣議決定いたしました。
 本方針においては、いわゆる「16カ月予算」の考え方で、令和3年度補正予算と令和4年度予算を一体で編成することとし、その中で新型コロナへの対応に万全を期し、新しい資本主義の実現に向けて成長戦略と分配戦略の推進や、重要な政策課題への対応に必要な予算措置を講ずるとともに、「骨太方針2021」における令和4年度予算編成に向けた考え方に基づいて、新型コロナの状況を踏まえつつ、メリハリの効いた予算とすることとしております。
 総理からの締めくくり発言については、お聞きいただいたとおりでございます。
 詳細については、後ほど事務方から御説明させていただきます。
 以上です。





2.質疑応答

(問)新型コロナウイルスに関連してお聞きします。オミクロン株が海外で発見事例が増えていますが、日本では、まだ市中感染という部分では確認はされていません。そういった中で、先に決めた新型コロナの全体像があると思うのですが、これを適用していくという、日本国内における全体像での対応というところは変わらないという認識でしょうか。


(答)一言で言うと、変わらないという認識です。もちろん、今、ご質問の中でもおっしゃっていただいたように、日本においては水際で今のところ2例ありましたが、国内での発生はまだありません。
 そして、国内の感染状況等を見れば、低く抑えられている状況が続いておりますので、国内の状況が大きく変わったとは今のところ考えておりません。
 ですから、全体像に示したとおりの対応を行っていくということですが、一方で、水際対策も含めて、これは強化しましたが、新型株がどのようなものであるかということはまだ分かりませんので、細心の注意を払いながら、そこは注視していかなければいけないと思っております。



(問)先ほど閣議決定された予算編成の基本方針について伺います。財政健全化の取組についてですが、例年、歳出全般にわたって、聖域なき徹底した見直しを推進すると。そういったものが今回無くなっていますが、岸田政権になって、来年度編成に向けて、この歳出改革の取組というのは、今までの政権と変わったのか変わらないのか、その辺について伺えますでしょうか。
 あともう一つ、財政健全化についてですが、PBの25年度黒字化について年度内に検証と再確認が行われるとされています。一方で、自民党の方ですが、積極的に財政を唱えていて、PB目標のそもそもの存在について否定的な西田昌司先生が本部長となって「財政政策検討本部」が立ち上がりました。こうした自民党の動向を踏まえながら、このPBの検証作業というのはどうやって行われていくのか、スケジュール感も含めて、現在の想定について伺えないでしょうか。


(答)財政健全化に向けての姿勢は、基本的な政府の方針としては変わっておりません。ただし、岸田内閣で再三にわたって総理からも申し上げていますとおり、順番を間違えてはいけない。成長をまず促さなくてはいけないということだから、成長戦略ということを先に書いているわけです。分配も含めてですが、財政健全化は成長と分配の好循環が回るようになってきてからきちんとやると、そういう方針です。
 それと、PBに関してのスケジュール感も含めてということですが、これは質問の中でおっしゃったように、年度内に検証を加えて、分析も踏まえて進めていくということになりますから、今、鋭意やっているところです。当然、与党の中で様々な御議論があるということは我々も承知しておりますが、そのことはそのことで進められるのでしょうけど、政府としては、きちんと年度内にというスケジュール感の中でやらせていただきたいと思っております。



(問)PB目標にそもそも否定的な西田さんが本部長を務める財政政策検討本部についてはどう大臣は見ていらっしゃるか。


(答)自由民主党という政党の中における議論をしていく組織体の人事について、私が閣内にいて発言するのは、当然それは控えた方が良いと思いますので、そのことについての言及は避けますが、当然、様々な議論が様々な場所で起こるのというのは自然なことだと思いますので、もちろんそういう議論があるということは承知しておりますが、我々としては、きちんと、財政健全化の旗を降ろしているわけではありませんので、PBについても検証を踏まえながら考えていくということになると思います。








3.林内閣府政策統括官(経済財政運営担当)による追加説明

令和3年第16回経済財政諮問会議について概要を御報告いたします。
 今回は、先ほど山際大臣から御紹介がございましたとおり、二つの議題でした。
 まず、経済・財政一体改革の重点課題として、文教・科学技術、社会資本整備、地方行財政について、民間議員から資料1の御説明があり、各議員から御発言がございました。
 主な御意見を紹介いたします。
 末松文科大臣、資料2に基づいての御説明です。科学技術によるイノベーションを促進し、成長を牽引するための最大の鍵は「人材」である。大学ファンドの創設、これは10兆円規模だが、来年、法律を提出する。そして、博士後期課程学生への経済的支援の強化などを通じて若手研究者の育成・確保に努めるとともに、若手や女性をはじめとする多様な研究者が安心して研究に専念できる魅力ある研究環境を整備していく。地域中核・特色ある研究大学の総合支援やスタートアップ・エコシステム形成の推進などについても進めていく。
 優れた研究者を生み出すためには、大学において科学技術分野の人材育成を促進することが必要である。学部や修士・博士課程の再編・拡充などが重要な課題と認識している。大学の教育研究機能の強化に向けて大学の行動変容を促すため、国立大学の運営費交付金や私立大学の経常費補助金のメリハリある配分を実施する。
 また、大学・高等専門学校の機能強化やリカレント教育を一層推進するため、本日閣議決定した「教育未来創造会議」で議論を詰めていく。教育未来創造会議は、複数の大臣で構成したい。また、前例にとらわれないということを大事にしたい。
 また、初等中等教育の段階から質の高い教育を全ての子供たちに提供していくことが不可欠である。そのため、ICT活用と指導体制の更なる充実を両輪で進め、ハード・ソフト・人材一体となってGIGAスクール構想を進めていく。これにより多様な子供たちを誰一人取り残さず、個性を最大限に生かす「個別最適な学び」と「協働的な学び」を一体的に充実し、質の高い教育を実現するといった御発言でした。
 小林科学技術政策担当大臣、資料3に基づく御発言です。岸田政権の成長戦略の第1の柱である科学技術立国の実現に向けた取組について申し上げる。政府としては、科学技術・イノベーションを通じて未来社会、Society5.0の実現を目指していく。ここからバックキャストして考えると3つの戦略が重要。第1の戦略は、知の基盤と人材育成の強化である。これにより科学技術・イノベーションの源泉を強化する。第2の戦略は、先端科学技術の戦略的推進である。我が国の勝ち筋となる技術を育成する。第3の戦略は、イノベーションエコシステムの形成である。これにより科学技術・イノベーションの恩恵を国民や地域に届けていく。これらを指標により進捗状況を把握しつつ一体的に進めることで、成長と分配の好循環の実現に貢献していく。
 次に、3つの戦略の具体的内容についてですが、知の基盤強化のため、トップ研究大学への大学ファンドの支援、地域中核大学や特色ある研究大学のための総合振興パッケージを策定する。人材育成の強化については、若手研究者支援や初等中等教育における探究、そしてSTEAM教育を推進する。
 次に、先端科学技術の推進に向け、国家戦略やシンクタンク機能を総動員して勝ち筋を描き、経済安全保障重要技術育成プログラムなどを通じてゲームチェンジャーとなる技術を育成する。
 最後に、スタートアップ支援等を通じてイノベーションエコシステムを形成し、科学技術・イノベーションの恩恵を地域や国民に届けていくという御発言でした。
 資料4に関して、中山国土交通副大臣からの御説明です。激甚化・頻発化する自然災害から国民の命と暮らしを守ることが大事である。このため、5か年加速化対策も活用し、流域治水や線状降水帯の予測精度の向上、盛土による災害の防止などに取り組む。加速化するインフラ老朽化に対応するため、予防保全への本格転換を進める。
 八街市で小学生の列にトラックが衝突するという痛ましい事故があった。このような事故が二度と起こらないように、通学路等における安全・安心な通行空間の確保に取り組む。
 コロナ禍からの社会経済活動の回復と経済の好循環に向けて、社会資本整備が果たす役割は大きいと考えており、道路、港湾、鉄道など経済活動の基盤となる社会資本整備を行うとともに、2050年カーボンニュートラルの実現に向けたインフラ分野の脱炭素化を強力に推進する。
 「デジタル田園都市国家構想」の実現に向けて、国土交通省の所管の政策を総動員して対応する。まちづくり、物流、建設等の分野におけるデジタル実装を加速し、3D都市モデルや建設現場の無人化施工等の取組を進める。これらの取組により、デジタル実装を通じた地方活性化を積極的に推進する。
 コロナにより働き方や住まい方、価値観が変化している。この機を捉え、デジタルを前提とした国土の再構築を進めるため、新たな国土計画を検討する。また、ゆとりあるまちづくりや二地域居住の推進、バリアフリーの取組の強化などにより、活力ある地方づくりと分散型の国づくりを進め、地方と都市の差を縮めるように取り組んでいく。
 これらの取組は、未来を切り開く新しい資本主義の起動に資するものであり、社会資本整備を戦略的、計画的に進めるためには、安定的・持続的な公共投資が必要不可欠である。国土交通省としては、国民の安全・安心の確保、経済成長の実現、地方活性化に向けて全力で取り組むといった御発言でした。
 金子総務大臣から資料5に基づく御発言です。現在、地方は新型コロナへの対応に加え、人口減少や少子高齢化、雇用や生活への不安、激甚化する自然災害など、様々な課題に直面している。特に新型コロナ、自然災害への対応、「デジタル田園都市国家構想」の実現を喫緊の課題として、総務省の総力を挙げて取組を推進している。
 今後も社会保障関係費の増加が見込まれる中、地方団体が直面する課題に取り組みつつ、住民に身近な行政サービスを安定的に提供できるよう、一般財源総額を適切に確保することが重要。その中でも地方交付税の総額を適切に確保するとともに、臨時財政対策債の発行抑制が必要である。
 また防災・減災、国土強靱化の推進、地方からのデジタル実装の推進、持続可能な地域医療提供体制の確保といった直面する課題に地方団体が対応できるよう、緊急防災・減災事業債の拡充や、公立病院の経営強化等、適切に地方財政措置を講じる。
 「地方行財政改革の推進」について、自治体業務のデジタル化推進のため、自治体DX推進体制の構築、情報システム標準化・共通化や、マイナンバーカードの普及などに取り組む。また、地方団体が持続可能な形で行政サービスを提供するため、多様な広域連携の推進と地域社会のデジタル化、自治体間の連携の進化に取り組む。
 さらに、地方団体の財政マネジメントの強化に向けて、「公共施設等の適正配置」等として、公共施設等適正管理推進事業債を延長・拡充するとともに、「公営企業の経営改革」や「財政状況の見える化」の推進に取り組むといった御発言でした。
 その次、資料6に基づき、牧島デジタル大臣からの御発言です。デジタル・行政改革、規制改革の推進についての諮問会議の協力について御発言があった後に、先月より「デジタル臨時行政調査会」が動き出しており、「国民」「社会」「産業」「自治体」「政府」といった官民にまたがる構造改革として、デジタル改革、規制改革、行政改革を一体的かつ横断的に進めていく。これらの改革はデジタル大前提として行うよう、「デジタル原則」などを確立して、政策を実施していく。政策形成に当たっては、より効果的な政策となるよう、EBPMにしっかり取り組みたいと考えている。
 また、「デジタル田園都市国家構想」実現に向けても動き出しており、デジタルの力を全面的に活用し、国家の構造であるデジタル田園都市をつくっていくに当たって、必要となるデジタル基盤の構築をしっかりと取り組んでいく。
 そして、教育・こども防災など、準公共分野などにおけるデータ連携、デジタル人材の育成、アクセシビリティの確保により、一人一人のニーズに合ったサービスを提供していく。個人や事業者が能力を最大限に発揮できる環境をつくり出しつつ、誰一人取り残されない人に優しいデジタル化を実現していく。
 なお、PPP/PFIについても御意見を頂いているが、来年春までに新たな目標を設定し、具体的な方策をお示しするべく、検討を進めており、全国の様々なインフラで民間の資金・ノウハウが最大限に活用されるよう、しっかり取り組んでいくという御発言でした。
 萩生田経産大臣からの御発言です。日本経済を近年の低迷から脱却させ、力強い経済を取り戻すためには官民が連携し、あらゆる政策手法を総動員して、「成長と分配の好循環」を実現する必要がある。特に、資源の乏しい我が国にとって成長の鍵を握るのはイノベーションであり、人材である。政府全体で大規模な基金を用いて、今後の経済成長の基盤となる、AI、量子等への研究開発投資を後押しする。また産総研や大学のイノベーション拠点整備、若手研究者等の研究成果を実用化に結びつけるための企業とのマッチング支援を強化する。企業が大学や高専に共同講座を設置する場合、支援にも新たに取り組んでいく。
 さらに、デジタルを活用した教育改革も重要な課題である。創造性を育む教育ICT環境の実現に向け、政府全体で「GIGAスクール構想」を進めていくと。一人一台端末環境下で、EdTechを活用した新しい学びのモデル事例の創出支援や、全国津々浦々の学校現場でEdTechが普及するよう、導入実績が少ない自治体へ重点的な支援を行う。加えて、地域との共生や国民負担の抑制を図りながら、再エネを最大限導入していく。関係省庁と連携した適地の確保、地域にトラブルなく受け入れられるためのルールの強化、全国レベルで送電網を計画的に整備するためのマスタープランの策定に取り組む。
経済産業省としてはこれらの課題に対して従来の施策の延長ではなく一歩前に踏み出し、民間企業の思い切った投資を促すよう取り組んでいくといった御発言でした。
 鈴木財務大臣です。大学ファンドについては、世界トップレベルの研究大学の実現に向けて、大学自身も寄附を募ってファンドに貢献するような努力が必要であると思う。今回、民間議員からも外部資金の拡大や、大学経営などを考慮して配分すべきとの提案があったが、正に趣旨を同じくするものである。運営費交付金の配分と合わせ、メリハリ付けを強化することで大学改革を進め、イノベーションが次々と生まれていく基盤をしっかりと作っていく必要があるといった御発言でした。
 民間議員からです。イノベーションについて、科学技術にはこれまでもお金をかけてきたが、それにも関わらずインパクトのある研究が増加していないのはなぜか。この原因究明が必要。それをしなければ科学技術立国はおぼつかない。分かりやすく具体的なKPIを作る必要がある。大学ファンドについては、想定されているハイリターンが本当に可能か、また、基金というスキームは財政のタガを外すことにならないかという点に注意が必要。地域活性化について、再生可能エネルギーの拡大にはロードマップが必要である。それが見えないと、世界はエネルギー危機になっており、混乱を招くだけではないか。また、サステナブルファイナンスについては官民連携が重要。日本にはたくさん良い技術があり、それに日の目を見させるためにも、国の力が必要。税制や日本銀行のサポートがあるとよい、という御発言がありました。
 別の民間議員から、岸田内閣の成長戦略の第一の柱は科学技術立国の実現、この観点から3点御発言がありました。
 1点目、科学技術立国の実現には継続的な投資が必要。ハイリスクな研究開発など、一企業ではリスクが取れないため、政府の役割が重要。また、技術の社会実装に向けても政府の役割は重要。是非、事業の継続性を担保し、予見可能性を確保して欲しい。
 2点目、人材育成について、大学ファンド等を通じた大学改革により基礎研究力を高めてほしい。また、その前提となる初等中等教育についても、理数教育を強化すべきである。成長分野への労働移動も重要であり、産学官が連携してリスキリングの取組が必要である。
 3点目、デジタルと地域活性化の観点からデジタルインフラの整備が必要となるが、独立して行うのではなく、国土強靱化や社会資本整備の取組とも一体的に行うべきである。同時に、新型コロナへの対応などで、顕在化した国と地方の役割分担についても明確化を図るべきという御発言がありました。
 黒田日銀総裁からです。先ほど、民間議員から、日本銀行の協力のような話があったが、先ほど意見のあった、日本銀行がサステナブルファイナンスをサポートできないかということだが、既に始めており、グリーンファイナンス、サステナブルファイナンス、トランジションファイナンスを含めて、金融機関が投融資をするときに日本銀行がバックファイナンスをする仕組みを始め、今月からその成果が発表されている。
 これはかなり長い期間をかけてやっていくということになると思うが、金融機関はかなり積極的である。大学教育で指摘された論点はそのとおりで、是非大学改革を進めていただきたいが、理系の大学・大学院だけではなくて、文系の大学・大学院、法学部、経済学部、商学部なども役に立つ、理論が実際に活用できるような教育をもう少し進める必要があるのではないか。
 アメリカの大学・大学院における経済学、経営学、社会科学全般の教育を見ていても、日本もそこはもう少しやっていくべきではないかという御発言がありました。
 以上が最初の経済・財政一体改革に関する議論です。
 次に、「令和4年度予算編成の基本方針」について、私のほうから説明させていただいた上で、鈴木大臣から資料9の説明があり、各議員から御発言がありました。主な御発言を紹介いたします。
 鈴木大臣の御発言ですが、資料9についてです。財政制度等審議会から、「令和4年度予算の編成等に関する建議」を頂いたので、その概要を説明する。
 建議では資料の2ページにあるとおり、今後新たな変異株を含め、再度の感染拡大への備えを行いつつ、経済の正常化とともに財政の正常化に取組まなければならないこと。
 先進諸外国では財源確保や財政健全化に向けた動きがあり、更に今後の災害や金利の上昇等のリスクを考えれば、我が国において黒字化目標を凍結するなど、方針を変更することなく、着実に歳出改革を進めるべきことなど、非常に重要な提言を頂いている。
 また、4ページ目以降、主な歳出分野についていずれも対応すべき課題が挙げられている。
 令和4年度当初予算についてはこの建議や予算編成基本方針も踏まえ、新型コロナへの対応に加え、ポストコロナの経済社会を展望した対応を十分に行うとともに、財政健全化に向けて「骨太方針2021」に基づき、これまでの歳出改革の取組を継続し、メリハリの効いた質の高い予算を編成していきたいと思う。
 また、いわゆる「16か月予算」の考え方のもと、令和3年度補正予算と令和4年度の予算を一体的に編成し、切れ目のない万全の対応を行っていくといった御発言がありました。
 民間議員からです。経済を立て直すことが重要なのは論をまたないが、財政健全化は同時に果たすべき重要な課題。財政健全化は常に堅持するという覚悟で臨むことが大事である、という御発言がありました。
 別の民間議員からです。予算編成の基本方針について3点申し上げる。
 1点目は経済あっての財政である。DXやGXなど、将来への投資は税収の範囲に留まらず、必要があれば国債の活用も検討するべき。
 2点目、一方で財政状況への配慮も重要である。大きな政府、小さな政府といった二項対立のようなことよりも政府の質、ワイズスペンディングが必要。KPIを設定し、PDCAサイクルを回すことで財政支出がどう有効活用されたか検証しやすくなる。
 3点目、複数年度の予算の枠組みを考える必要がある。まずは経済財政諮問会議を活用するなど、官民で検討していくべきである。
 企業側には予見可能性が生まれて投資を促すことになるし、政府としても限られた財源を有効活用することにつながるため、官民双方にメリットがあるのではないかといった御発言がありました。
 別の民間議員です。賢い支出を行うことが重要。大事なところには支出をしつつ、財政健全化も進めていくということに尽きる。そのためにアウトカムに基づいて支出を評価することが重要。
 予算編成の基本方針の4ページの4点目にあるような「骨太方針2021」の考え方に基づき、メリハリの効いた予算とすること。16か月予算の考え方で編成すること。EBPMの仕組みを活用して適切かつ効果的な支出を推進することが重要であるといった御発言がありました。
 これらの御発言の後、総理からの御発言がございましたが、お聞きになったとおりです。






(以上)