第12回記者会見要旨:令和3年 会議結果
西村内閣府特命担当大臣記者会見要旨
- 日時:令和3年9月3日(金)18:19~18:58
- 場所:中央合同庁舎第8号館1階S101・103会見室
1.発言要旨
今日、私から2つ申し上げたいと思います。
1つ目は、分科会のことについてです。これにつきましては、尾身会長から既にご説明があったと思いますので、私どもとしての受け止めをお話ししたいと思います。
それから、もう一つは経済財政諮問会議の概要についてお話ししたいと思います。
まず分科会につきましては、分科会の冒頭に私からの挨拶の中で申し上げましたが、正に1年半に及び国民の皆さまに自粛や様々なご協力をお願いしている中で、将来像を示してほしいという切実な声をあちこちから聞いております。そうした中で、ワクチン接種が進んだ後の経済活動、社会活動の制限の緩和について、7月に分科会の先生方に、是非検討していただきたいとお願いしたところであります。
その後、専門家の間で様々な議論が重ねられて、そして一定の方向性が整理されてきたということで本日、議論していただいたということであります。本当にこの間の議論、また、今日の様々なご意見も含めて取りまとめがなされたことを、改めて尾身会長をはじめ専門家の皆さんに感謝申し上げたいと思います。
ワクチン接種の状況も、9月2日、最新時点で全人口の58%が1回目の接種を終え、47.1%が2回目接種を終えております。このまま順調に進めば、9月下旬から10月にかけて1回目接種が7割完了し、2回目接種も6割程度になります。現在のアメリカを超えて、イギリス、フランスなどと同程度になるものと見込まれております。
本日の提言は、こうした海外の状況なども踏まえながら、まさに今後、緊急事態宣言が解除された後にワクチン接種が一定進んだ段階での提案としてなされたものであります。今の緊急事態宣言の下で何か緩和しようとかということではありませんので、今後、解除された後、一定段階のワクチン接種が進んだ後に、ご提案の中にあります「ワクチン検査パッケージ」なども含めて、全体として効果的で、かつ納得感のある感染対策を通じて日常生活がどう変わっていくのかということについてまとめられたものであります。
私も今日の議論を聞いておりましたし、様々な観点からいろんなご意見が出されましたが、最終的にまとめられましたので、これを重く受け止めて、政府としてもできるだけ早く、早期に政府としての考え方をお示しできるように検討を進めることとしたいと考えております。
その上で、まずはワクチン接種をしっかりと進めていくこと。それから検査の体制について。PCR検査も、このところ連日二十数万件の検査が行われています。去年の春は1日数千件とか1万件程度であったものが、能力的にはもう32万件ぐらいで、毎日二十数万件が行われているということでありますので、かなり拡充してきておりますし、抗原簡易キットも配布を進めておりますので、正にこれも分科会から様々なご提言を頂いたことを踏まえて検査の拡充を進めておりますが、さらに今回のご提言を実現していく、実行していく上で、実効性を高めるためには、この対応も更に進めていかなければいけないと思っております。
そうしたことを進めると同時に、その上で、多くの皆さんのご関心の事項でもありますし、具体的な取組について、正に国民の皆さまにご理解いただいて、ご協力いただかなければなりませんので、そうしていただけるよう、国民的な議論も進めていく必要もあります。
そうした取組を政府としてしっかりと進めながら、早期に考え方をお示しできるように対応していきたいと考えております。
今日の議論でありましたが、このようなパッケージをお示しすることで、ワクチン接種、特に若い世代も含めて進むことも期待できると思います。今日もそういったご意見もございました。政府として重く受け止めて対応していきたいと考えております。
それから、2点目、今日の経済財政諮問会議の概要でありますが、正に今日のこの分科会でのいわば専門家の議論があった上で、経済財政運営の観点からも議論が行われました。「感染症対応とマクロ経済運営」というテーマで議論いただきました。
主な意見をご紹介しますと、ワクチンや治療薬の普及状況を踏まえて、感染症対応の主たる目標を重症化予防に移行し、ワクチン接種証明や陰性証明の活用により、感染拡大・重症化の防止と経済社会活動を両立していくべき。その具体的なロードマップを示すべきというご意見がありました。また、ワクチン接種のインセンティブを高めるためにも、接種証明等の活用のガイドラインを早期に示し、外食、旅行、イベントなどで積極的に活用すべきというご意見もございました。また、足下の状況に対しては、臨時の医療施設の設置、宿泊療養施設を含めた医療提供体制の強化に取り組むべきというご意見がありました。また、災害時のように、指定した公共機関に対して総理が直接、指示や要請を行える仕組みなど、感染症対応の強化に向けた法的措置を検討すべきというご意見もございました。
また、経済の観点からは、経済の底割れは決して起こしてはならないと、躊躇なく機動的なマクロ経済運営を行っていくべきというご意見や、コロナによって厳しい影響を受けている方々、女性や若者といった方々への支援、国民に寄り添った支援を続けていくべきというご意見がございました。
そして同時に、新たな成長基盤の構築に向けて、デジタル、グリーン、地方活性化、少子化対策、この重点4分野への投資や規制改革を進めていく、加速していくべきだというご意見もございました。
総理からの締めくくり発言については、お聞きいただいたとおりです。
詳細については、後ほど事務方から説明させたいと思います。
私からは以上です。
2.質疑応答
(問)西村大臣にお伺いいたします。先ほど菅総理が総裁選に出馬しない意向を表明されまして、退陣する方向となりました。閣僚のお一人として、西村大臣の率直なお考えをお聞かせください。
(西村大臣)最初に菅総理が内閣のことを、「国民のために働く内閣」ということで掲げられ、命名されて、常に国民のために何をしなければいけないのか、そして、やらなければいけないことに対してスピード感を持ってやると、迅速に進めるという菅総理の持ち前と言っていいと思いますが、まさに極めて強い指導力を様々な場面で私自身は目の当たりにしてきています。
幾つか挙げますと、一つはやはりワクチン接種。1日100万回などとても無理なのではないかと思われた中で、100万回接種をやるという大号令。そして、日々確認をされ、私も報告する中でその状況を目の当たりにしていますが、結果的には120万回とか140万回も進む日もあるわけで。先ほど申し上げた、9月末には今のアメリカを超えるぐらいの6割の方が2回接種を終える。そしてフランスやイギリスなどにも並ぶような、本日経済財政諮問会議で資料を出していますが、まさにどこの国よりも速いスピードでワクチン接種を進めてきた。このことについては、総理の本当に持ち前の極めて強い指導力の賜物だと思います。
これは、本日経済財政諮問会議で示されたデータですが、各国のワクチン接種完了率について。特にアメリカが6割の手前に頭打ちでなっている中で、日本はこの角度でぐっと増えてきました。このままいけば各国を上回ってくるスピード。1週間の単位の増加率は、各国、どの国よりもはるかに速いスピードで進んでいます。これができれば8割までいきたいと思いますが。各国ともに6割、7割でとどまっている中で、今日も分科会のほうでも3つのパターンのシミュレーションが示されましたが、できるだけ多くの方に打っていただくことが大事ですので、まさに菅総理の強いリーダーシップで、そのスピードを実現してきているということだと思います。
そしてもう一つ。このコロナを機に、私も何度も申し上げてきたデジタル化。このことについて、菅総理のまさに4つの柱の一つ、デジタル、グリーン、地方、子育て、この4つの柱の一つであるデジタル、9月1日にはデジタル庁がスタートしたということ。そして、マイナンバーカードを活用する人はまだ40%弱ですが、かなりのスピードで上がってきています。こういったところも、菅総理ならではの強いリーダーシップで、強い指導力でここまで実現してきたものと思います。
私自身、コロナの対策を引き続き任命されて、まさに毎日のように総理にご報告してきたわけですが、この緊急事態宣言のまだ最中であります。国民の皆さんの命と健康を守っていくためにも、何としてもこの感染を抑えていかなければいけない、そのことに全力を挙げていきたいと考えております。
(問)大臣と尾身先生に1問ずつ質問させてください。
大臣には、先ほどの会見について、政府は行動規制緩和を考えているという報道があるということですが、これに関して何度も聞いて恐縮ですが、危機管理という観点から言えば、楽観的とは言わないものの、前向きなシナリオだけではなくて、最悪なシナリオへの対応も普通に用意しておくべきではないか。生きていく上では、どちらも重要であって、海外の先進国にはもともとあるのに日本には無いというのは非常にリスキーだと思います。この点、改めてお聞きしますが、どうお考えなのか教えてください。
尾身先生には、東京都の発表によりますと、本日の発表では2,539人感染、12日連続で下回る結果となっていますが、実感で言えば、この減っている数字に違和感を持つ国民は少なくないと思います。東京都に関していえば、この感染者が減っている傾向は本当にあるのか、先生方はどうご覧になっているのかをお聞きします。
(西村大臣)1つ目の質問、もし趣旨が違っていれば、またご質問いただきたいですが、私自身は常に様々なことを想定して対応してきています。尾身先生ともほぼ毎日、1時間ぐらい議論を重ねてきていますので、また尾身先生や押谷先生や何人かの専門家が入られたり、また現場の声をオンラインで聞いたりも時折しながら、何が起こっているのか、そして今後どうなるのか、様々な局面を想定しながら対応してきています。
これは以前にもお示ししましたが、尾身先生とも相談して、5人、6人の研究者の皆さんに一定の前提を共有しながら、様々な角度で分析をしてもらって、今後どのように新規感染者の数、陽性者の数になっていくのか、あるいは重症者がどのように推移していくのか、病床は大丈夫か、こういったことについてのシミュレーションをお願いしながら、そして出てくれば、それは随時公表もしながら、あるいは先生方が独自に公表される場合もありますが、そういったこと、多くの専門家の皆さんが考えておられること、特に最悪の時に、どのぐらいの感染が出て、どのぐらいの重症者が出るのか、このことについては常に頭に置いて考えています。
これまでも政府内で様々議論する時にも、私はどちらかというと、より強めの措置を主張してきています。全国一律の緊急事態宣言もそうですし、一定期間は、4月・5月のゴールデンウイークを活用して大型商業施設を休んでいただく、あるいは無観客化もそうです。お盆の時期も場合によっては、それが必要ではないかというようなことを含めて常に厳しめの措置で、期間は短くでも良いから、より厳しい措置を取って抑え込んでいくことを常に頭に置きながら対応してきております。
他方、様々な議論、これは専門家の間でもあります。政府内でもあります。過剰な規制にならないのか、あるいはそれぞれの県の知事の意向などもありますので、いろんな議論の調整の中で、これまで取ってきたような対応、これは政府として私も納得をして、理解をしてきていますし、最終的には専門家の皆さんのご意見を聞いた上で、政府としてそれに基づいて判断をしてきています。
このように、より強い措置が必要な場面も想定しながら対応してきています。その上で、今後更に感染力が強い変異株や、より強い感染症が出てくることも想定すれば、私は様々な政府が取れる対応について、今日は経済財政諮問会議からも医療について政府がより強い措置を取れる法的措置を、というご意見がございましたし、また民間議員提出資料の中には、より強い感染症対策の法的措置も検討すべきだと、あるいは専門家の分科会の先生方からも、より強い個人の行動制限についても検討するべきだという提言もいただいておりますし、知事会からも様々提言を頂いております。
私自身は海外の先進的な民主国家が、正に欧米の国々が進めている、あるいはオーストラリア、ニュージーランドが取っているような措置も参考にしながら、日本のまず憲法の範囲内で何ができるか、さらには今の法律の範囲内で何ができるか。こういったことを含めて、今後、専門家の皆さんもおっしゃっていますし、幾つかのシミュレーションがありますが、ワクチン接種が一定程度進んでも、欧米のように、イギリスも、フランスも感染が増えています。そういう状況も起こり得ますので、そういったときに備えて、もちろん医療がしっかりしていれば、より強い措置ではなくても対応できますが、医療を守るためにも必要となれば、そういったことも常に頭において検討を進めていかなければいけないと考えています。
(尾身茂会長)東京都が本当に下火になっているかについて、検査に少し時間がかかっているのではないか。あるいは本来検査すべき人たちが検査して陽性が分かると不都合が出てくるというようなことで、そういう外的な要因で検査が減っているのではないのかと言う方がおられます。そのことは一定程度あると思いますが、全体の傾向としては、そういう傾向は今に始まったわけではない。全体の傾向は、今、感染拡大のスピードがやや鈍化しているということは言っていいと思います。むしろ大事なのはなぜかという話です。これは複数の理由があって、1つこれに絞るわけにはいかないと思いますが、多分ほぼ間違いない。
ちょうど去年の暮れにここで説明したのでよく覚えていますが、実は今回、我々は、ずっとこの夏休みは4連休、お盆休みということを申し上げていました。そういう要素が取れてきたということが、私は一つ大きな要素の一つだと思います。
ちょうど去年の暮れ、新年会・忘年会の会食が減ったということ。ただし色んな方が言われているように、学校が始まるというようなことで、また感染が少し拡大するということは当然あり得る。
そういう意味では、質問のご趣旨とはちょっと違うかもしれないが、今日、先ほどの前半に大臣が来られる前にパッケージ、さっきのシーソーの右の方が極めて大事だということで、このことについては一般市民もしばらく協力してもらわなければいけない。これが汗をかくという、このこと、パッケージ。
これについては、今まで以上にまた頑張っていただければと思います。そういう中で、来週になるとおそらく緊急事態宣言をどうするか、解除するかという話が出てくると思いますが、今、医療のひっ迫はまだ当分続きそうだというのが我々の見込みであります。
(問)先ほど大臣が示された接種率の向上というのは、世界がびっくりしているレベルの速さだと。ワクチンを作ったアメリカを9月末には抜くとしたら、これを想像したジャーナリストはどこにもいないと思います。私自身、間違ったかなと思いますが。
このことを含めて、今日の尾身さんのところでBシナリオ、十分私は達成可能だろうとは想像しますが、それなりに扉の向こうに明かりが見えてきたと西村大臣はお考えになっているのか。今日の数字は客観的なものもあると思いますが、客観的にどう思っておられるのかお伺いしたいです。
(西村大臣)今日、分科会の挨拶でも申し上げましたが、今やるべきは医療の確保、病床の確保。まだ東京でかなりの数の方が自宅療養、それから調整中の方、まだ2万数千人の方がおられるわけですので、この方々が急変することがあるわけです。コロナは、血中酸素濃度は下がっていても、呼吸はできるらしいです。呼吸はできる。だから苦しくない。ところが、酸素を血中に取り込めない。突然、呼吸が苦しくなってくるということが起こるわけです。そういう状況になったとしても、しっかりと日々連絡が取れて、そして東京の場合は医師会と連携して、オンライン診療も含めて、夜も含めて対応していますが、それによっていざ何か急変した時に、しっかりと治療を受けられる仕組みを構築してきていますが、まだ予断を許さない。
今日も分科会の医療の先生方からは、非常に厳しい状況が続いていると、緊迫した状況が続いているというお話がございましたので、私自身は今はまずやらなければいけないことは医療。これを引き続き各県にはお願いして、臨時の医療施設や酸素ステーションなど整備をお願いしています。各県それぞれ工夫しながら取り組まれています。
そうした中で、他方、長引く自粛の中で飲食店の皆さんにも、あるいはイベント業界の皆さん方にも、一定の制約の下で事業を継続されています。時間の制約もあります。人数の制約もあります。そうした中で、まさに7月にお願いしたように、将来の光を見せていくこと。それをお示ししていくことで、将来が見えてきたと、だから今ここは頑張ろうと思っていただけるように、将来の絵姿はできるだけ早くお示しをしていかなければいけないと感じています。
しかも、示しても、それに対して理解をいただけるように国民的な議論をしていかなければいけない。また、ワクチンもしくは検査、ワクチンも一定レベルのところまで進めていかなければいけませんし、検査も正にいつでもどこでもできるように検査体制も作っていかなければいけない。これはPCR検査もそうですし、抗原キットもそうです。そうしたものを組み合わせながら、検査の体制も作っていかなければいけない。そのために、できるだけ早くお示しをして、我々もそうした準備を進めていくと同時に、そうした将来が見えることによって何とか今ご協力いただける、そうしたことをお願いしたいと思いますし、お示しすることによってワクチン接種も進めていこうという、そういう機運が盛り上がっていくことも期待をしたいと考えています。
(問)大臣にお聞きします。総裁選への対応についてですが、先日も言及されていましたが、状況が変わったということで、改めて大臣自身のことも含めて現時点でのお考えを教えてください。
(西村大臣)先ほども申し上げましたが、私自身はコロナ対策の責任者です。今申し上げたような医療の状況があり、感染対策、感染レベルも抑えていかなければいけない。正に国民の皆さんの命、健康を守っていかなければいけない、そういう立場であります。さらには、厳しい状況にある方々への経済支援も含め、また、今日も議論がありました。その後の経済再生に向けた道筋もつけていかなければいけない。私はそのことに全力を挙げていきたいと考えております。
今日も分科会で3時間近く議論し、その後、経済財政諮問会議もあり、1日こうした議論を重ねていましたので、正直申し上げて、何かゆっくりと考える時間が取れておりませんので、私自身は、今、課されている責任をしっかりと果たしていきたいと考えています。
3.林内閣府政策統括官(経済財政運営担当)による追加説明
令和3年の第12回経済財政諮問会議について概要を御説明いたします。
今回、先ほど、西村大臣から御紹介がありましたように、「感染症対応とマクロ経済運営」について議論を行いました。
民間議員から資料1の説明があり、その後、各議員から御発言がございました。
最初に、民間議員の説明ですが、この2週間、アメリカ等に出張したが、ワクチン接種率の上昇に伴い繰越需要が発現し、需要が供給を上回る状態で値上げが検討されているほど景気が良い状態だ。日本も接種率が50%弱になった。消費活動の再開に向け、12歳以上の接種率80%を目指し、もっと推進してほしい。
ワクチン接種証明やPCR検査証明を活用し、ショッピングセンターや旅行などの消費活動を推進してほしい。
罹患された方のブレークスルー感染者への対応には臨時の医療施設の開設が必要。また、病床の確保などのため民間議員提出資料で指摘した法的措置は中期的とは言わず早急に取り組んでほしい。
河野大臣にはワクチン接種が進んでいること、ブースターも準備していることを民間にきちんと伝えてほしい。
国境を越えた移動に関し、ワクチン接種者の隔離措置期間をもっと短くしてほしい。
家計には約28兆円の貯蓄、予算には30兆円の繰越があり、それらを活用して消費活動をもっと活発にしていくべきだ、という御意見がございました。
河野大臣からです。9月2日までの総接種回数は1億3,000万回を超えており、12歳以上の方々の60%のうちまだ1回目を受けてない方が1,800万人いるが、1日60万人打っているので、自治体によって差はあるが、マクロでは9月末までに希望する方は1回目を打ち終わる見込みである。
ワクチンの配分については10月初旬までに12歳以上人口の8割の方に2回接種できるよう各都道府県への配分量をお示しした。
これに加えて、8月2日以降に配分されたモデルナ社のワクチンとファイザーワクチンの調整枠とを合わせ、8割を超える接種率に対応することが可能となる。10月末までに全てのワクチンが入ってくることになっており、3回目のブースター接種に必要な分も確保している。
今後はワクチンを打ちたいという割合が低いとされている若い世代にもワクチンについて正しく理解してもらい、接種を進めていくことが重要な課題となる。
引き続き10月から11月のできるだけ早い時期に希望する全ての方への2回のワクチン接種の完了を目指して取り組んでいくという御発言がございました。
田村大臣からです。ワクチンの接種証明に関して、今日も西村大臣が専門家の方々と様々な議論をしていただいている。接種証明をどのように利用していただくかということもあるし、また、どうしても接種できない人に陰性証明を活用していただくが、ただ、これは感染リスクを減らすことはできないという御理解の下で進めていかないといけない。
臨時の医療施設に関しては、一定の感染者に対するものを各都道府県で一定程度確保していただくよう、都道府県と話を進めている。
西村大臣からもコメントがございまして、本日、分科会で議論があり、尾身会長が記者会見されるが、ワクチンの接種が一定のレベルに達すれば、行動制限の緩和ということが提案されるので、政府としても提言を踏まえて対応していくという御発言がございました。
梶山経済産業大臣からです。民間議員提出資料でも指摘のとおり、グリーン成長、デジタル化の推進、経済安全保障などをめぐる動きが世界中で活発化しており、中国や欧米においても強力な産業政策が展開されている。こうした情勢の変化を踏まえ、我が国としても社会・経済課題の解決のため、政策を総動員し、産業発展を図る。「経済産業政策の新規軸」を打ち出し、実行していくことが求められている。グリーン化、デジタル化、中小企業の事業再構築に対する支援など、経済産業省としてもしっかり検討を加速していくという御発言でございました。
民間議員です。コロナ対策について、10月までは感染拡大と重症化の防止に努めること、臨時の医療提供体制を早急に整備することが必要。企業側も協力をしていきたい。
その後は経済社会活動との両立や、ウィズコロナの戦略が大事になってくる。経済社会活動との両立、ウィズコロナについて、ワクチン接種者に対する帰国・入国後の隔離期間の緩和や免除を検討するべき。原則認められていない外国人ビジネスマンの入国を認め、ビザを発給すべき。積極的な検査を実施し、抗原簡易キットの薬局での販売を許可していくべき。
これらを政府、地方、経済界一体となって取り組んでいくべきという御発言がございました。
別の民間議員です。経済活動の再開と感染防止の両立が重要。ワクチン接種証明や陰性証明の活用を外食、旅行、イベントなどに広げてほしい。また、その際、人流との関係など、きめ細かい分析が有効。
医療提供体制の確保について、現在の特措法では、総理には総合調整の権限しかない。災害対策基本法には、総理に強い権限を規定しており、そのレベル並みに引き上げるべき。
経済政策については、各国は危機対応モードから平時モードに舵を切っている。デジタル化への対応など、必要な規制改革、制度づくりを実施し、骨太で掲げた4分野を中心に投資を促進してほしい。
民間投資の喚起に当たっては、ワイズスペンディングが重要。リーマンショックとは違って、好調なセクターとそうでないセクターに分かれており、的を絞ったきめ細かい支援が必要。リカレント教育や技術訓練、EBPMもまた重要になるとの御発言がございました。
別の民間議員です。グリーン、デジタルの取組について、引き続き力を入れていくべき。EVの取組や発電における脱炭素化を進め、国産の性能の高いパネルを活用する予算も必要。
デジタルについては、デジタル庁がワクチン接種証明、国際交流におけるヘルスパス、入国・出国の管理などの集約一本化などに取り組むべき。
コロナ対策について、若者の接種率を上げるために、予約なしの接種を進めることと、ワクチンの確保に努めていただきたいという御発言がございました。
最後に、総理からの御発言があったところですが、お聞きになったとおりです。
私からは以上です。
(以上)