第2回記者会見要旨:令和3年 会議結果

西村内閣府特命担当大臣記者会見要旨

  • 日時:令和3年2月24日(木)19:52~20:28
  • 場所:中央合同庁舎第8号館1階S101・103会見室

1.発言要旨

私から冒頭、2点申し上げます。
まず、経済財政諮問会議についてです。
本日は、マクロ経済運営とグリーン・ニューディールについて議論を行いました。
まず、マクロ経済運営につきましては、次のような御意見がありました。いくつか御紹介します。
1つは、経済再生に向けて重要なことは、人材育成を通じた雇用と賃上げの好循環を実現すること。また、デジタル化・グリーン化に加え、人への投資・人材の高度化を大きな目標とすべきだ。これは私がヒューマン・ニューディールと呼んでいることです。その際、生活困難者など、それぞれの立場に応じたきめ細かい対応を行うべき。また、既に様々な経済支援策が講じられているが、国民目線で、誰が、いつから、どういった支援策を利用できるか、分かりやすい情報提供の工夫を行うべきという御意見。また、コロナ禍でも収益の上がっている企業は率先して賃上げを行い、日本全体の賃上げモメンタムを維持していくべきと。賃上げにつきましては、特に複数の議員からこうした御意見がございました。
それから、グリーン・ニューディールにつきましては、カーボンニュートラル実現に向けて、省エネとクリーンエネルギーが重要であること。また、民間投資・イノベーションを促すような財政政策を上手く使いながら、規制改革や産業政策、環境政策を連携させ、目標に向けて一体的に取り組むべきという御意見。また、本年は、COP26をはじめとして重要な国際会議も予定されておりますので、時間軸とKPIを意識したロードマップが必要という御意見がありました。
このグリーン政策につきましては、成長戦略会議で議論を進められているところでもあります。本日いただいた御意見、議論、これを共有した上で、しっかりと成長戦略会議で検討を深めていければと考えております。その上で、その議論の結果を、またこの経済財政諮問会議にもフィードバックしていきたいと考えております。
これは後ほど事務方からも説明があります。
それから、先ほど総理の下で関係大臣が集まり、コロナの関係の状況について認識を共有したところです。本日、厚生労働省のアドバイザリーボードにおいても、それぞれの感染状況などの分析が行われております。必要であれば、後ほどまた事務方からも説明させますが、先ほど総理がぶら下がりで発言がございましたように、明後日26日に諮問委員会を開催し、感染状況について専門家の御意見を伺い、評価を伺って、この10都府県の今後の取扱いについて御議論いただくということになりました。
今日も国会でも答弁しているとおりですけれども、正にそれぞれの知事の様々な意向も、私のところに昨日、御意見を伺っておりますし、今日も福岡の副知事からも事務的にお話がございました。それぞれの地域の感染の状況、病床の状況、こういったものをしっかりと精査して、専門家の意見を聞きながら、今晩も少し、この後、専門家と意見交換をしますけれども、専門家の今日のアドバイザリーボードでの分析なども踏まえながら、国として適切に判断していきたいと考えております。
私から以上です。





2.質疑応答

(問)2点お伺いします。
1点目は賃上げについて、中長期で流れを継続させるためには働き方改革が必要と民間議員も指摘されていますが、政府としては、労働時間法制の見直しなどの議論を進めるお考えはありますでしょうか。
それから、コロナの方で、26日の諮問委員会では知事の要望を踏まえて、国として前倒し解除の諮問はありますでしょうか。お願いします。


(答)まず1点目です。賃上げについてですが、当面、この感染拡大防止に全力を挙げる、最優先に取り組むということです。その下で、デフレに絶対後戻りさせないという強い決意で、厳しい状況にある方々への経済支援など含めて対応を行っているところですが、民需主導の成長軌道につなげていくことが大事です。経済の好循環をつくっていく中で、引き続き、賃上げの流れが、デフレに戻さない大きな鍵だと認識しております。
昨年12月の経済財政諮問会議においても、総理は賃上げの流れの継続について述べられ、私も経団連に直接働きかけを行ってきているところです。御存知のとおり、今年1月に公表された経団連の経労委報告では、「持続的な生産性向上実現の中で、賃金引上げのモメンタム維持が望まれる」とされているところです。
先ほど申し上げたとおり、本日の会議でも、経済の好循環には賃上げが重要といった指摘が多くあったところです。例えば、全体として経済が持ち直している動きが続いていて、上場企業の経常利益は、業種によっては厳しい状況にあるが、全体として、前年を約2割上回る結果となっております。さらに、企業の現預金が前年比で約40兆円も増加をしております。こういったことも踏まえながら、コロナ下でも収益の上がっている企業は率先して賃上げを行い、日本全体の賃上げモメンタムを維持していくべきということの強い御意見がありました。
政府として、これまでも、先ほど申し上げたとおり、賃上げの流れを継続していただくよう要請してきたところでありますが、正に是非とも業績を反映して、それに応えていただきたいと思いますという総理の御発言のとおり、正に全体としては収益が改善している中で、賃上げの流れの継続をお願いしたいと考えております。
そうした中で、本年4月から同一労働同一賃金が中小企業でも始まります。大企業は昨年4月から始まっているわけですが、是非、非正規労働者の処遇改善、今日の人材への投資、人材育成の強化という中でも御議論がありましたが、是非これを広げていきたいと考えています。その上で、中小企業における生産性向上への支援、補正予算でも手当てをしております。こうしたことを行いながら、雇用の確保と賃上げをしっかりと実現しながら、そして所得拡大を促す税政措置も講じていきながら、賃上げのモメンタムを維持できる環境を整備していきたいと考えております。
働き方改革については、労働時間の上限も含めて、残業労働時間の上限も含めてスタートしておりますので、それを着実に実行していくこと、特に同一労働同一賃金を、この4月から中小企業の皆様にしっかりと実現、対応していただくということが大事だと考えております。
足下の企業業績の改善を踏まえて、労使で真摯な交渉、賃上げに向けた交渉、賃上げの流れの継続に向けた交渉を行えることを是非期待をしたいと考えております。
コロナについては、資料、数字を見ていただきますが、全体として改善が続いておりますが、少し鈍化が見えるところ、横ばいであったり、先週比でプラスになっていたり、あるいは千葉は1.03と先週よりも少し多い数字になっています。首都圏でそうした傾向が顕著になっております。
関西、中京圏についても、確かにステージⅣの数字は下回ってきていますが、引き続き、この50%に近い数字、福岡もその辺りですので、この辺り、しっかり精査をしていきたいと考えております。
毎日のように申し上げていますが、緊急事態宣言の下でも、テレワーク、出勤者の減が首都圏で4割を切ってきました。40%を超えていましたけれども、前回の緊急事態宣言時、昨年春は7割まで減ったわけですが、これが減っておりません。むしろ増加傾向にあります。関西圏も増えたり減ったりという状況で、昨年は6割から7割近くまで行ったわけですので、是非、この対策を緩めることなく実施をしていただきたいと思いますし、繰り返し申し上げていますが、「新たな日常」の象徴ですので、前回、アメリカとの比較も申し上げました。アメリカでは定着してきておりますし、生産性が逆に上がっているという方が8割います。日本の場合は、昨年からの経験を踏まえても、まだこの状況ですし、未だ生産性が上がらない、あるいは社内のルールがあるなど、様々な言い訳がなされていますので、是非これは実施をしていただきたいと思います。お願いします。
そして、鈍化の傾向は、今の人出、平日の昼間も新宿、渋谷、横浜、千葉、船橋も少し上がってきています。特に昨年12月の水準まで近づいている、あるいは超えてしまっている所もあります。是非、昼間、オンラインの会議などを含めてお願いしたいと思います。
これは関西圏もそうです。大阪も上がってきています。梅田は、もう12月の水準になってきています。三宮、京都あたりも少し増えています。
休日も同様に、新宿、渋谷、横浜、増加傾向。1月の中旬ぐらいまでは非常に減りましたが、その後増えています。
関西圏も、梅田はもう12月の水準になっています。
首都圏で言うと、先ほど申し上げたように、千葉が少し先週より超えています。1を超えています。ぐっと下がって先週比落ちてきたのが、ここに来て横ばい。1を下回っていますから、減っているのは減っていますが、落ち方が緩やかになっているということです。上がってきている。0.7ぐらいだったのが0.8台になってきています。
関西圏も、ここに来て大阪が少し上がってきている。横ばいから少し、京都もぐっと下がったのが横ばいになってきている状況です。
それから、これは飲食店の民間企業からデータをいただいたものですが、濃い線がディナー、この紫がランチですが、11月非常に高かったものが、この1月に入って、緊急事態宣言の下でがくっと減ったわけです。特にディナーが、がくっと減っていますが、これが少し増加傾向。そしてランチ、昼のランチがこれだけもう増えて、秋から冬にかけての時期に匹敵するように増えてきています。
それから、1都3県ですが、これも3時台の人出とランチを比較しますと、割と相関関係が見られます。ランチをする人も増えているということで、3時台の人出は増えており、この不要不急の外出自粛によって、感染者の数が減ってきていますので、少し油断が出てきているのだろうと思います。
それから、これは、先ほど申し上げたディナーの曲線が少し増えてきているというのと、人出は21時と朝4時との差を取っています。つまり、朝4時に携帯のある人というのは、そこに住んでいる人が多いだろうということで、その差を取っています。その差と相関関係がかなり見られますので、やはり人出が増えることによって、夜の人出も出ていると、ディナーをする人も増えているということであり、昼も夜も人出が増えていることによって、ここに来ての感染者、新規陽性者の数の減少が鈍化してきている、その要因ではないかと見られます。そのことは、今日のアドバイザリーボードでも指摘をされたところであります。
いずれにしましても、こうしたデータをしっかり分析し、精査をした上で、明後日の諮問委員会にお諮りをしたいと考えております。






3.林内閣府政策統括官(経済財政運営担当)による追加説明

令和3年第2回目の諮問会議について概要を御報告します。
今回は、先ほど西村大臣からの御紹介がありましたとおり、2つの議題でした。まず、マクロ経済政策について、黒田日銀総裁から資料1、私の方から資料2の説明をしました。
各議員より、様々な御発言がございました。
まず、民間議員からです。資料3-1に関するものです。
2021年夏からの比較で見ると、IMFの見通しも改善しており、製造業などで反転攻勢できることを示唆している。
サービス業や対面ビジネスは、働けるようになれば反転する力を持っている。ただし、財務面は弱っているので、生き延びる支援と攻めの支援の両面が必要だ。
eコマースやIT化などは進んでおり、こうした伸びていく部門に人を移していくことが大事だ。雇用面での教育について、政府の支援パッケージを充実させること、賃金を上げることが重要だ。賃金上昇が良いシグナルにもなり、そういった部門に人が集まる。
米国は、1.9兆ドルという対策をすることになっているが、米国の景気が回復すればそれに伴って輸入需要が日本にも発生するのではないか。そういう恩恵がある。
政府は、デジタル化、規制改革、ワクチン対応で担当大臣を設けて執行を一元化するなど政策効果を高める努力をしており、行政効率も上がっている。また、コロナへの素早い対応をするなど経済対策による支援も成果が上がっている。ただし、コロナは強力なので注意していきながら、デジタル化・グリーン化を含めて、そうした方向を一層強化して取組を進めてほしいというお話がございました。
続きまして、資料4について財務大臣からの御説明です。
日本経済は、財政・金融両面からの大胆な政策対応による効果もあり、業種等によるばらつきがあるものの、持ち直しの動きが続いている。内外の感染拡大による下振れリスクの高まりに十分注意する必要があるが、来年度中に経済の水準がコロナ前の水準に戻っていくことが大いに期待できる。
他方で、今回の危機により、平時から現預金を確保しておくことのメリットがより強く意識されてしまうと、企業の投資、家計の消費への慎重姿勢により消費が遅れ、回復が遅れ、成長が鈍化するリスクがある。
さらに、ポストコロナを見据えた中長期課題として、生産年齢人口が、日本の場合減少する中で、デジタル化・グリーン化による成長、持続的な所得の増加や労働生産性の向上にも取り組む必要が絶対にある。
こうしたリスクと課題を踏まえると、今後は豊富な民間資金を活用した投資の活性化と持続的な賃金上昇による消費の拡大を実現しなければならない。そのためには、企業においてはデジタル化・グリーン化や新規事業への進出を含めた事業再構築といった攻めの姿勢が重要だ。大胆な規制改革などにより企業が自ら稼ぐ力を引き出すための環境を創り出していくことが大事だ。
また、家計に対しては、持続的な所得増加を期待できる環境を創り出すことが重要だ。そのため、スキルアップや業種を超えた早期再就職などにより円滑な労働移動を促すとともに、今後、春闘が本格化する中で、これまでの賃上げ、賃金アップの流れを是非継続することが必要だと考えている。
物的・人的投資により生産性を高め、賃金の継続的な上昇を促すことで経済の好循環を実現してまいりたい。是非、経済界においても、積極的な賃金アップに向けて真摯な議論を大いに期待したいというお話がございました。
次に、資料8-2、新浪議員の個人ペーパーに関して民間議員から御発言がありました。
コロナの感染を抑えつつある状況は大変好ましい。オリパラを日本経済のためにも、是非実現していただきたい。
それから、消費活性化のために、継続的な賃上げのモメンタムが重要だ。業績が上がっている企業もある中、コロナを理由に賃上げを行わないと言わないようにしなくてはならない。34歳以下の消費性向、これは資料8-2の2ページの図ですけれども、消費性向が大きく下がっており、こうした世代の可処分所得の状況をしっかり見て、可処分所得の上昇を促していくべき。
そのためには、退職金制度について、例えば退職所得控除の見直しなどで若い世代、働き盛りの人の消費をつなげるような仕組みも検討する必要があるのではないかというお話がございました。
また、正規と非正規でも格差が拡大している。消費性向の低い人に富が偏在しないよう、必要なら資産や相続、株式譲渡益への課税を強化する中で、富の再配分を進めていくべき。
さらに、成長産業への人材移動と賃金上昇をセットで行うべき。そのためには、リカレント教育を民間と政府が一緒に行うべき。
デジタル、脱炭素に加え、今は健康食品も成長産業であり、雇用を創れる分野はありそうなので、そうした分野にも焦点を当てていくべきだというお話がございました。
別の民間議員の御発言です。資料8-1に関するもので、中西議員が提出されたものについてです。
成長分野への労働シフトが大事。1ページに書いていますが、雇用の仕組みや職業訓練を見ると、短期的な支援の取組は頑張っている。構造的に成長する分野に労働を移動させることが大事。取組は評価されるが、経済界の課題は経労委報告でも整理している。その具体的な中身としては、労働移動の円滑化を考えると、次の3点が重要。
1番目は、リカレント教育などの充実・強化ということで、現在、大学とも見直しの議論をしている。2番目に、社内における労働移動で、社内公募制などで活性化させようとしている。3番目に、社会全体での労働移動ということで、社会保障制度を始めとしたセーフティネットの在り方や、日本型雇用システムの見直しなどに取り組む必要があるのではないか。そうしたことを通じて、中長期的な労働の流動性に向け、政策としてしっかりと取り組んでいくことが重要だというお話がございました。
別の民間議員です。資料8-3、柳川議員の個人ペーパーに関する御説明です。
経済再生に向けて、中長期的に重要なのは人。世界では大きな産業構造の変化が起きているが、日本は教育訓練に対する支援がかなり低い。人への投資・人材の高度化を大きな目標にするべき。人材の高度化はそれぞれの立場に応じたきめ細かい対応が必要だ。
1番目が孤立などで課題を抱える人への支援、2番目が再就職につなげる教育訓練、3番目が成長性の高い分野への人の移動を促すようなスキルアップ、4番目が先端分野の高度人材を増やすための教育システムなどがあり、人への投資、リカレント教育ではそれぞれに応じた教育が必要だというお話がございました。
それを受け、西村大臣から賃上げの重要性、人材育成の重要性を指摘する意見を多く頂いた。
賃上げについては、現在交渉中のことと思うが、政府としてもよく分析をしていきたいという御発言がございました。
以上が最初のマクロ経済運営に係る議論です。
次に、グリーン・ニューディールについて、民間議員から資料5の説明があり、各議員より御発言がありました。
民間議員からですが、総理の英断でカーボンニュートラルに向けた検討がスタートしている。政府全体で政策を連携させていくことが重要。これまで経済産業省・資源エネルギー庁を中心にやってきたが、この議題は幅が広がっていくもの。経団連でも電力を中心とした議論から広がっていて、総合的な対策で取り組んでいくことが必要だ。
その際、電化を進めないと目標は達成できない。電力需要は減少予想から増加予想へ転じている。資料5-1に「S+3E」とありますが、重要課題の6項目について、民間もやる気なので政府とタイアップして進めていきたい。この資料にあるとおり、グリーン・ニューディールを成長につなげることは民間議員の一致した意見であるという御説明がありました。
続きまして、小泉環境大臣からの御説明です。
今の御発言をお聞きし、環境大臣としての発言としてもおかしくないと感じた。再生可能エネルギー、カーボンプライシング、サーキュラー・エコノミーの3点について説明させていただく。最初の再生可能エネルギーですが、ポテンシャルは電力供給量の2倍ある。化石燃料の輸入総額が2019年に約17兆円あって、これを海外に支払っている。再生可能エネルギーの最大限の導入に向けて着実に前進させていく必要がある。国・地方脱炭素実現会議で地域の脱炭素のロードマップのイメージをお示ししている。最初の5年で政策を総動員して、10年後の2030年には全国でできるだけ多くの脱炭素ドミノを起こしていきたい。そのためには、地域による取組が大切だ。
カーボンプライシングについて、民間議員の皆様から早期に結論を得るべきと提言を頂いている。成長戦略に資するカーボンプライシングの検討を加速させたい。
あわせて、リニア・エコノミーからサーキュラー・エコノミーについて、資料の中にポンチ絵がございますが、リニア・エコノミーからサーキュラー・エコノミーへ経済全体をいかに循環経済へ、捨てない経済へ移行させていくかということが大事。2030年までに世界全体で500兆円の市場規模を想定している。経団連とも連携して取り組んでいきたいという御発言がございました。
続きまして、経済産業大臣の資料7に関する御説明です。昨年末の関係省庁の協力を得て、2050年カーボンニュートラルへの挑戦を経済と環境の好循環につなげるための産業政策として、「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」を策定した。この戦略では14の産業ごとに具体的な高い目標を設定し、現状の課題と今後の取組を明記している。また、予算、税制、金融、規制改革・標準化、国際連携など、あらゆる政策を盛り込んでいる。
2兆円のグリーンイノベーションファンドの造成、着実な低炭素化のためのトランジション・ファイナンスの促進など、この戦略を実行するとともに、それを裏打ちするエネルギー政策の在り方を含めて更なる具体化を進めていく。
経済成長に資するカーボンプライシングについては、昨年末、菅総理からの御指示を踏まえて、小泉環境大臣とも折に触れて意思疎通を図っていて、環境省とも連携し、検討を進めている。結論ありきではなく、炭素税、排出量取引制度、クレジット取引や国境調整措置なども含めて幅広く検討していくといった御説明がございました。
麻生大臣からの御発言です。2050年カーボンニュートラルの目標は、経済社会や産業構造を大きく変革する野心的な課題だ。日本企業は、排気ガスのときも排ガス規制を達成するのは難しいと言われていたが、達成できたのは日本だけだった。こうしたことを考えると、脱炭素という目標を掲げることが重要だ。脱炭素の実現に貢献する高い技術や潜在力を有しており、これを活かさない手はないと、政府としても、民間企業の自立的な取組を後押しすることが重要。
第三次補正予算において2兆円のグリーンイノベーションファンドを創設し、カーボンニュートラルに向けて政府として中長期的に支援を行っていくこととしたところ。こうした予算・税制・財政投融資といった政策手段だけではなく、少なくとも規制・標準化や民間資金の誘導、国際連携など、ありとあらゆる政策ツールを是非総動員していくべき。ただ、CO2をゼロにする際、電気自動車の普及など1点に話題が集中するのではなく、バランスが重要だという御説明がございました。
民間議員からの御説明です。
民間もこの議題に対し、やると決まれば、しっかりと進めていく。国境調整措置についてはG7、COP26に向け、アジアとも連携し、現実的なルールとなるようにお願いしたい。カーボンプライシングも前向きに進めるべきだが、時間はあまりない。政府の中にいくつも会議体があるので、会議体を少なくして、産業界で国民の声を聞きながら政府一体となって検討を進めていくべきだというお話がございました。
別の民間議員です。カーボンプライシング、炭素税では、ヨーロッパは国境措置を含め、産業を保護してきた。これにアメリカも乗ってきている中、日本は後れて乗るのか、早めにルールづくりに関わる方に転換するか、という重要な転換点に来ている。そのための税は、税を取る産業と得られた税収を回す産業というのがある点で大きな産業政策であり、そのための方針を早めに策定して示していくべきではないかという御意見がございました。
別の民間議員です。アメリカやヨーロッパの圧力に押されて進んでいるところもあるが、国内でも若者の環境に関する意識が非常に強い。政府として目標が立てられたというこの勢いを活かしていくべき。政府と民間の一体感が重要であり、経済政策と環境政策をうまく連携させて、一体として推進することが不可欠。そのための基本コンセプトづくりと時間軸とKPIを意識したロードマップが重要ではないかという御説明がありました。
続いて、議論を受けて、総理からご指摘のあったカーボンニュートラルについては、政府全体で検討する場を設けることも考えていきたい。その際には是非、民間議員の方々だと思いますが、御協力いただきたいというお話がございました。
最後に、総理から御発言がございましたけれども、お聞きいただいたとおりです。
私からは以上です。






(以上)