第1回記者会見要旨:令和3年 会議結果
西村内閣府特命担当大臣記者会見要旨
- 日時:令和3年1月21日(木)19:18~19:55
- 場所:中央合同庁舎第8号館1階S101・103会見室
1.発言要旨
まず、経済財政諮問会議の概要について御報告をいたします。本日は今年の検討課題と中長期の経済財政に関する試算、それから医療提供体制の確保について議論を行いました。
今年の検討課題につきまして、資料を御覧のとおり、まずは感染拡大防止が最優先であるということが当然のことでありますが、更に経済活動への影響を最小限にとどめるため、リアルタイムで様々なデータを分析し、影響の大きなところには重点的な措置を講じていく、機動的な政策運営を行うべきという御意見。それから、その上でポストコロナを見据えた改革の議論をしていくべきという中で、特に働き方、人材育成、格差、地方への対応、企業のデジタルトランスフォーメーション、そういったことによる成長力強化、国際連携、こういった議論がございました。
続いて、中長期試算につきまして、事務方から説明申し上げました。ポイントは中長期的には実質2%、名目3%成長を上回る、成長実現ケース、これでいきますと、まず600兆円の実現が、昨年7月の前回試算と同様に、2023年度頃になるということ。
それから、プライマリーバランスについては、歳出改革を織り込まない自然の姿で、黒字化は前回と同様に2029年度となるということであります。これまでと同様の取組を進めれば、3年程度はこれを前に倒すことができるということであります。
当面、この感染拡大を何としても抑えるということに全力を挙げていきたいと思います。その上で経済への影響についても、しっかりと見極めながら、必要な対策は予備費の活用も視野に入れて対応していきたいと考えておりますが、同時にデフレ脱却と経済再生への道筋、これを確かなものとしていくことも大事であります。感染拡大を抑えて、そして、その上で民需主導により質の高い成長を実現していくという中で、歳出・歳入両面での改善を続けていければと考えております。
最後に、医療提供体制についての議論では、全国で御案内のとおり、1万人を超える調整中の方がおられます。この早急な解消、そして重症者に重点を置いた入院調整が急務であるということ。このため、インセンティブ措置を講じて医療資源の集約化、感染症患者の受入れ拡大を図るための医療資源の戦略的な配分を行うべきといった議論。さらに、安心を確保していくためにも、医療提供体制に対して目標設定と進捗管理、見える化を徹底すべきという議論。さらに、柔軟で機動的に入院調整を行えるように、都道府県が司令塔となって重症患者等の受入れ調整や、症状が改善した患者の転院調整を行うべきといった御意見がございました。
いずれにしましても、これまでも経済財政諮問会議において、こうした医療の提供体制については議論をしてきたところであります。マクロ経済政策の中で大きな位置を占める社会保障制度、特に医療については極めて重要な課題であります。これまでも議論を行ってきたところでありますし、今回、正にコロナ禍で、様々な課題も明らかになってきている中で御議論いただきました。
今後も、本日御指摘いただいたような医療提供体制の見える化や進捗管理、あるいは平時と緊急時で柔軟に医療資源を配分できる仕組みの構築など、経済財政諮問会議でも御議論いただければと考えております。
それから、感染状況につきましては、昨日は国内で5,532名であり、緊急事態宣言を出しております地域の状況をお示ししますと、陽性率など少し改善しているところも見られますが、神奈川で10万人当たり64人ということですし、20%近くになっております。
先週、今週の比でも、全体としては少し改善が見られておりますけれども、まだ1を超えているところもありますし、50%以上が経路不明というところもありますので、この辺りはそれぞれの都道府県と緊密に連携を取りながら、今日の議論にもありました、正に調整中の方に、パルスオキシメーターを指先につけて血中酸素濃度を測る。国の支援でそれを購入して配分できますので、そういった対応を今、取っているところであります。
本日の朝のデータはマイナス38%、昨日はマイナス40%でしたが、ちょっと上がっています。関西はほぼ一緒ですが、7割までやはりお願いをしておりますので、是非これは経済界の皆さんにはお願いをしたいと思います。
中小企業の皆さんには、厚労省の補助金も使えますし、また、持続化補助金も使えますので、そういったものを活用していただいて、是非、出勤者の数の7割削減。やはり中心はこれと20時の時短でありますので、是非皆さん方にお願いをしたいと思います。
朝の状況を見ますと、12月比で2割近く落ちてきていますが、京都は連日低い数字、博多も低い数字ですが、昨年の人出を4月と比べますと、まだ数十%多いところがあります。かなりの部分が数十%。もう一段の出勤者の削減を、改めて企業の皆さんにお願いしたいと思います。
これは12月との比較ですけれども、夜は大体40~50%落ちてきています。半分になってきています。それ以外の地域でも50%以上落ちているところがあります。40~50%という感じでしょうか。
他方、去年と比べると100%以上ということで2倍以上ですので、やはり半分にはしなければいけないということです。船橋や関内、野毛辺りは住んでいる方もおられると思いますので、その分の数字が出ているのかもしれませんし、昨年春並みにかなりの部分、時短に事業者の皆さんも協力していただいていますけれども、是非、改めて人出の方も、外出自粛をお願いしたいと思います。
地方部、関西、中部、九州も前年に比べるとまだ数十%。倍になってはいませんけれども、80とか70%のところもありますので、是非、昨年並みにお願いしたいと思います。
私からは以上です。
2.質疑応答
(問)今回、経済財政諮問会議で示された中長期試算を踏まえて、2025年度のPB黒字化目標の扱いについて、大臣のお考えを改めて教えてください。
また、2021年度は財政健全化の基盤強化期間の最終年度で、夏の骨太方針に向けては2022年度以降の計画の議論もあると思いますが、どのように進められるでしょうか。
(答)まず一つ目の御質問ですが、今回の試算におけるPBについては、元々、2021年度の税収の鈍化は、昨年夏の段階で、7月の試算においてかなり織り込んでおりましたので、ほぼ想定どおりの落込みになっておりますので、前回とあまり変わっておりません。自然体の姿で黒字化は2029年度と見込まれます。
ただ、この2029年度というのは歳出改革を織り込まない形のPBですので、これまで行ってきたのと同様の歳出改革を進めていけば、3年程度の前倒しは視野に入ってきます。
したがって、引き続きまずはデフレ脱却です。デフレでない状態にはなったわけですが、今回のコロナ禍の中でも絶対にデフレに戻さないという強い決意で、それを確実なものにし、そして同時に経済再生の道筋をしっかりとつけていく。
そして、これまで以上に、民需主導で、今回、グリーン、デジタルなど様々な予算も、正にニューディールと私が呼んでいるように、政府の支出が刺激をして、呼び水となって民間の投資を引き出していくという、いわゆるワイズ・スペンディングな予算としておりますので、そうした民需主導の質の高い成長を実現していく中で、歳出面・歳入面の両面での改善を続けていくことが大事だと思っています。
今はまずはこの感染拡大を抑えなければいけませんし、それによって厳しい状況にある皆さん方の支援をしっかりと行う、雇用、生活を守る、事業を支えていくということが大事でありますので、引き続き「経済再生なくして財政健全化なし」との基本的な考え方の下、まずは感染拡大を抑えて、その上で早期に日本経済を成長軌道に戻していく。そのことが財政健全化を達成する意味でも、最も重要だと認識しています。
いずれにしましても、この政府経済見通しでお示しした姿を実現できるように、まずは3次補正予算案を早期に成立し、そしてそれを着実に執行していくこと。そして、今ある3.8兆円の予備費の活用も頭に置きながら、必要な対策を機動的に行っていく。こうした中で今の感染拡大を抑え、そして必要なところに対策を打ちながら、その上で成長軌道に戻していく。この方針で臨んでいきたいと考えております。
二つ目の御質問、2022年度以降の取組についてですが、正に現在、現下のコロナの対応、感染拡大、これを何としても抑えるということに全力を挙げております。この感染症の動向、そして内外の経済の状況、こうしたものも踏まえながら、そして経済財政諮問会議の議論を踏まえて、今後検討を進めていきたいと考えています。
(問)コロナの沖縄県の状況についてお伺いします。
昨日、大臣は玉城デニー知事と電話会談をされたということで、玉城知事が、時短営業を伴う飲食店の協力金を1日4万から6万円に増額するということで、協力金は国が8割、県が2割負担するということで、こちらの増額の要請なんかもあったかと思うのですけれども、沖縄県の現在の状況と、増額についての大臣のお考えをお聞かせください。
(答)まず昨日、玉城知事と沖縄の厳しい状況について、危機感を共有いたしました。そして病床の確保、感染の状況など専門家の意見も聞きながら、現地ともやり取りをしています。数字に表れている以上にどういった状況にあるのか、そうした肌感覚の状況も聞き取りをしながら、適切に判断をしていきたいと考えておりますが、今日は68名だと聞いております。
昨日、一昨日と110名台でありましたけれども、一喜一憂するわけではありません。1週間を通して見なければいけないと思いますし、検査件数なども見なければいけないと思っておりますので、そうした状況をしっかりと共有しながら、国としてできる支援でしっかりと応援をしていきたいと考えています。
いずれにしても、沖縄の感染を何としても抑えていく。そして、病床の確保、こちらも協力をしながら対応していきたいと考えております。
(問)今の質問の関連なのですけれども、協力金の増額の措置については、現在検討中という理解でよろしいでしょうか。
(答)増額については、緊急事態宣言を発出するか、準じた措置ということで認定をするかになりますので、私どもは引き続き沖縄の状況を分析し、また、県と共有しながら対応を検討しているところです。
3.林内閣府政策統括官(経済財政運営担当)による追加説明
本日の概要について御報告いたします。
先ほど西村大臣から御紹介がありましたように、3つの議題を議論いたしました。
まず、経済財政諮問会議の今年の検討会議について、民間議員から資料1、中長期の経済財政に関する試算について、麻生大臣から資料3及び事務方から資料4、医療提供体制の確保について、田村大臣から資料5、民間議員から資料6の説明があり、3つの議題についてまとめて各議員より発言がございました。
まず、資料1についてですが、民間議員からの御説明では、緊急事態宣言下で国民の命と暮らしを守り抜く必要ということで、諮問会議も必死に取り組んでいく。コロナを契機に芽が出始めた改革をきちんと進めていくこと、デジタル化やグリーン化を始めとする投資をきちんとやっていくということ、賃上げの維持といった好循環の実現が重要だというお話がございました。また、アメリカの大統領が代わったことを受けて、世界で日本がどう主導的な役割を果たすか、この4つのポイントが難しい舵取りになると思うが、非常に重要ではないかという御説明がございました。
続きまして、麻生財務大臣から御説明がございまして、令和3年度の予算のポイントということで資料3について、令和3年度予算や令和2年度第3次補正予算と併せて、新型コロナの影響を受けている国民の命と生活を守るために、感染拡大防止に万全を期して、さらには、予期せぬ状況変化に備えて5兆円のコロナ予備費を計上するとともに、将来を切り拓くためにデジタル社会・グリーン社会の実現など中長期的な課題にしっかり対応する予算としている。同時に、日本は少子高齢化による社会保障の受益と負担のアンバランスという構造的な課題を抱えている。令和3年度予算においても、毎年、薬価改定の実現など改革に取り組むことで、社会保障関係費の実質的な伸びを高齢化による増加分の範囲内に収めるなど歳出改革の目安を達成したところであり、新型コロナの危機を乗り越えて、経済再生と財政健全化の両立を実現し、次の世代に未来をつなげていくために、令和3年度予算の早期成立を図っていきたいという御説明がございました。
続きまして、医療提供体制に関わる話として、田村厚生労働大臣から御発言がございました。
これまで新型コロナウイルス感染症患者への医療提供について、日常的な医療との両立を図りつつ、都道府県が中心となって国による支援も活用していただきながら体制整備を進めてきたが、足下の急激な感染拡大を踏まえると、対策レベルを上げて新型コロナへの対応力を高める必要がある。これを踏まえて、先般、医療提供体制パッケージを策定し、まず、新たに新型コロナウイルス感染症患者をお引き受けいただける病床の確保を進めていく。1床につき最大1,950万円の補助を用意し、都道府県による病床確保を強力に後押しする。また、これまで確保された新型コロナ対応業者を最大限活用する観点から、後方医療機関に回復した入院患者を受け入れていただけるよう、報酬上の加算を3倍に引き上げたところで、今後、更なる対応も検討していく。そして、医療現場で尽力いただいている医療従事者への支援も不可欠である。このため、重点医療機関に対する医療従事者派遣への補助上限というのを2倍に引き上げたが、こうした財政インセンティブを最大限活用しながら、現在検討中の感染症法等の改正なども併せて都道府県を中心に病床確保を進めることができる状況を整えて、公立公的病院や民間病院等の関係者から協力を得て医療体制整備を進めていく。その際、進捗管理を徹底し、感染防止に様々な形で御協力いただいている国民の皆様に状況をお伝えしていく、という御説明がございました。
それを受けて、民間議員から、有識者議員提出資料6-1、6-2に関する御説明がございました。
田村厚生労働大臣のリーダーシップの下、パッケージをまとめていただいたが、現状は人口当たりの病床数が世界一多くて、感染者数は諸外国よりも桁が少ないにもかかわらず、地域によっては新型感染症患者の受入れ病床が十分に確保されていない点に強い問題意識を持って提案したいとの御発言がありました。
以下、直ちに取り組むべき課題、今後取り組むべき重点課題について、資料中の下線部を中心に御説明がありました。
その上で、平時の発想ではない、例えば大幅な報奨金といったインセンティブなどの大胆な対応が必要ではないかという御発言がございました。
その後、閣僚からの御発言ということで、まず梶山経済産業大臣です。
グリーン化を通じた成長に全力で取り組む旨御発言があった後、昨年末に経済と環境の好循環を作っていく産業政策として、グリーン成長戦略を関係省庁と連携して取りまとめ、成長戦略会議に報告しましたが、できることから実行するとともに、目標や対策の更なる深掘りを検討し、この夏に策定予定の成長戦略に反映していくという御発言がございました。
武田総務大臣からは、総務省では令和3年度予算案において、デジタル変革を通じた新しい地域と社会の構築をテーマとして掲げ、取り組むこととしている。コロナ後の構造改革という、資料1のテレワークの定着や地方への人材移動について、感染症が拡大する中、国民の意識や行動が変容しているタイミングを捉え、地方回帰を支援することとしており、地域おこし協力隊の強化やテレワークの推進、それを支える情報通信基盤の整備などに取り組む旨、御発言がございました。また、資料1の2ページ目に、地方自治体の行政サービスの標準化・デジタル化とありますが、行政のデジタル化の鍵であるマイナンバーカードの普及や利便性向上、自治体の情報システムの標準化・共通化を始めとして、昨年末に策定した自治体DX、デジタルトランスフォーメーションの推進計画などに基づいて、地方のデジタル化を推進していくとともに、デジタル化に向けた投資喚起に関しては、Beyond 5G、いわゆる6Gについて、令和2年から7年を集中取組期間として民間投資の促進へ取り組んでいくという御発言がございました。
続いて麻生財務大臣からは、新型コロナの影響が続く中、足下の財政が悪化することは事実であるが、今回の中長期試算では、前回と同様、新型コロナの影響を何とか乗り越えて経済が通常な状態に回復して行けばコロナ対応の政策的経費の支出がなくなるとともに、税収などもコロナ以前の状況に戻っていく姿が見込まれている。日本が少子高齢化という構造的な問題に直面する中で、次の世代に未来をつないでいくために2025年度のプライマリーバランスの黒字化目標の達成をきちんと掲げ、今回対応させていただいた75歳以上の2割負担などなどの社会保障の持続可能性を高める改革など、歳出改革の取組を更に進めていく必要があると考えているとの御発言がございました。
以上で、閣僚の御発言があった後、民間議員からの意見ということで、まず資料7、新浪議員からの提出資料に基づいて御説明がございました。
そこでは、コロナの短期収束に向けた明確なプランを策定するべきで、例えば、6月までに集団免疫獲得に必要な6割の国民に接種を行えるシナリオを立てるべき。ただ、ワクチンは普及には4、5か月はかかるので、ワクチン一本足打法では危険で、PCRの検査体制づくりが必要。再び感染拡大する事態は避けるべきであるが、クラスター対策を中心とする対策は限界に来ていると考えており、見直すべきではないか。そのためには、無症状者への検査の拡大や隔離施設の大幅な確保による隔離の徹底を行うべき、といった御提言が資料7の2ページ目にありますが、ノーベル賞受賞者の学者からも同様の提案が出されており、耳を傾けるべきである。また、広島で大規模な検査をするという表明がなされているが、そういった動きは大変望ましい、との御発言がございました。
経済の関係では、安倍政権下で積み上げてきた雇用やデフレ脱却、経済成長の成果が損なわれており、少子高齢化、デジタル化の後れなどによる低生産性等の課題がある。財政や金融政策の余地は相当限られているので、デジタル化、脱炭素化に加えて、雇用をつくり労働の流動化を進めて経済成長の土台を構築していくなど、日本経済再生のための第三の矢、構造改革を徹底して推進するべき。また、民間投資中心に経済再生を実現する構造改革に取り組むために、タイミングを見て専門委員会を立ち上げ、向こう3年間ほどの骨太を超えた超骨太方針といったものを策定するべき、との御発言がございました。
別の民間議員からは、資料6―2、医療提供体制に関する様々なデータを使って御説明がございました。資料6―2の3ページ、図表2に入院、療養等調整中という東京都の調整中が増えている点に触れた上で、これは対応してもらえない感染者が増えていることを表しており、このままでは国民の不安が大きくなるので注意が必要。コロナ対応は政府の対応について国民から信頼されることが大事で、信頼されるからこそ自粛要請とかそういったものにも応じてもらえるのではないかとのご指摘がありました。また、政府が半分手を出して国民も半分手を出して、それで問題を解決していくべきで、都道府県に加えて中央政府が司令塔の機能を果たすことの重要性を強調しておりました。
他には感染症法の改正についても指摘があり、医療機関の自由の侵害といったことも論点だが、プライオリティは国民の命で、本当に必要なものは何かを考える必要がある。資料6―2に東京都の確保病床の数というのが4,000床と設定しているが、1万床以上は必要でもっと早めに対応する必要があった。本当に必要なものは何かを考えていくべきときに来ているのではないか、とのお話がございました。
中西議員からは資料2、経労委報告に基づいて御説明がございました。コロナの下で取り組もうとしていることとして、雇用を守り事業を維持拡大し、生産性を上げていく。これについて労使が同じ問題意識を持つことが重要だと考えているとのお話がございました。若い人は働く動機が重要で、エンゲージメントを高める働き方改革の推進などを掲げている。資料2の別のページに、労働時間法制に関するものがありますが、労働時間法制の見直しを検討するべきときに来ているのではないか。現在は工場労働者のイメージを前提としているけれども、そういった状況からは相当変化しており、大変だが議論を始めるときが来ているのではないかとの御指摘がございました。
併せて、賃上げのモメンタムを維持していくということは非常に重要だという認識に反対する経営者はいないが、今はなかなか難しいというのが企業の実情ではないかと思う。ただ、日本の賃金水準が低いということで、上げていかないとデフレ脱却が必要だという認識は、経営者はみんな持っており、着実に施策を進めていきたいという御説明がございました。
柳川議員からは資料8が提出されていますが、令和3年前半の検討課題について、世界経済はコロナで立ち止まらずに行動変化のスピードを速めており、経済を維持するために抜本的な改革が必要で、現状維持ですら難しくなっている。そのためにも規制改革や企業の事業転換、創業支援や人材移動といったものを、トータルパッケージとして支援していく必要があり、今年はそういった意味では非常に重要だというお話がございました。
また、データについても強調され、リアルタイムに近いデータが最近使われているようになってきており、例えば渋谷で人流がどうだとか、そうしたものを見ながらコロナ対策等も検討されているわけですが、経済政策においても生かしていく必要があるのではないかとの指摘がございました。世界はそうしたものを取り入れる方向で動いているので、日本がそろばん、世界がコンピューターで、日本がそろばんでは取り残される。また、中長期の話として、将来への財政健全化の道筋というのを明確にしていくべきだとのお話がございました。医療提供体制の確保については、国と地方の間の責任や役割分担、情報共有ルールの早期整備、その見える化の重要性を強く主張されていました。どういう方向で進んでいくかが分かるようになることが、国民の安心感をつくるためにも極めて重要だという御指摘がございました。
最後に、総理から御発言がございましたけれども、お聞きになったとおりでございます。私からは以上です。
以上です。
(以上)