第19回記者会見要旨:令和2年 会議結果

西村内閣府特命担当大臣記者会見要旨

  • 日時:令和2年12月8日(火)18:52~19:33
  • 場所:中央合同庁舎第8号館1階S101・103会見室

1.発言要旨

私から冒頭に何点か申し上げます。
まず、経済財政諮問会議を開催した後、臨時閣議が行われました。「国民の命と暮らしを守る安心と希望のための総合経済対策」、それから、「令和3年度予算編成の基本方針」について決定いたしました。
まず、経済対策については「感染拡大防止」ということを第1の柱としながら、2つの視点でまとめました。一つが「雇用・生活を守る」という視点であります。これは医療の観点から、緊急包括支援交付金の増額による病床の確保、そして幅広い医療機関への緊急的、臨時的な支援、こういったことを通じて、医療提供体制に万全を期すということであります。
それから「雇用」については、雇用調整助成金の特例の延長。また、円滑な労働移動をさせるための出向元・出向先企業双方への新たな助成金の創設。それから、感染症の影響で離職した方をトライアル雇用する事業主への新たな助成制度、こういったものを構築していくということであります。
「生活を守る」という視点から、緊急小口資金等の特例措置の申請期限を来年3月末まで延長します。また、住居確保給付金の支給期間を最長12カ月まで延長いたします。さらに、予備費を活用して、年内を目途に、低所得の一人暮らし世帯への臨時給付金の再支給をいたします。
「事業を守る」という観点からは、民間金融機関を通じた実質無利子融資の3月末までの延長。それから、公庫等の実質無利子融資の来年前半までの継続。また、地方創生臨時交付金の協力要請推進枠の追加も含めて、地域がそれぞれの事情に応じてきめ細やかな取組を支援する、この交付金の1.5兆円の増額。協力金枠はこの1.5兆円の一定の枠を使う予定にしております。
一つ目が「雇用・生活を守る」ということでありますが、二つ目の大きな柱が「新たな事業再構築」、「民間投資を引き出していく」ということで、正に本日発表しましたGDP2次速報でも確認しましたように、設備投資が2四半期連続でマイナスということで弱い動きが続いております。ワイズスペンディングの考え方の下、デジタル、グリーンをはじめ成長分野に民間投資を大胆に呼び込んでいく。そして、成長力を強化していく。こうした対策を取りまとめております。
デジタルの関係で1兆円を超える規模の予算。また、2050年カーボンニュートラルの目標に向けて2兆円の基金の創設。あるいは10兆円規模の大学ファンドの創設。こういったことを通じて、イノベーション、研究開発を促進し、そして成長力強化につなげていくということであります。
そして、あわせて中堅・中小企業に最大1億円の補助を行う事業再構築補助金の創設。これは新規分野への進出であったり、業態転換であったり、事業再編であったり、こういったことの後押しをしていきたいと考えております。
賃上げの継続につきましては、前回、経済財政諮問会議で総理からも指示がございました。私からも経団連に申し入れを行っているところでありますが、今回の経済対策において雇用増や賃上げなど所得拡大を促す税制措置を盛り込んでおります。
三つ目の柱は御案内のとおりの「国土強靱化」、「防災・減災」であります。そして、これらを合わせて経済対策の規模は、予備費10兆円を含む財政支出で40兆円程度。うち、国・地方の歳出で32.3兆円程度。それからこの財政支出から直接的に実質GDPを下支え、押し上げする効果を試算いたしておりまして、3.6%程度と見込んでおります。このうち大部分が来年度に支出されるということを想定しております。
補正予算がしっかりと決まってくれば、このうちどの程度、今年度なのか、21年度なのか、22年度なのか、そういったことの試算も引き続き行っていきたいと考えております。
いずれにしましても、この対策を円滑かつ着実に実施することによって、正に公的支出による経済の下支えを図りつつ、設備投資をはじめとする民間事業をしっかりと喚起し、民需の自立的な回復と相まって、経済の好循環につなげていきたいと考えております。
今後、この対策に沿って、第三次補正予算の編成が進められてまいります。国民の命と暮らしを守る。そのために雇用を維持し、事業を継続し、経済を回復させていく、新たな成長の突破口を切り開いていくべく、しっかりと施策の実現、進捗を確認してまいりたいと思います。経済財政諮問会議でも進捗状況など報告をするようにという御意見もございましたので、進捗管理を行いながら、また経済財政諮問会議でも御報告したいと思います。
また、「令和3年度予算編成の基本方針」については、経済財政諮問会議において総理から諮問があり、前回以降、与党との調整も踏まえた案を答申したところ、これで御決定いただき閣議決定したということであります。総理からの締めくくりの発言につきましては、お聞きいただいたとおりであります。詳細は事務方から後ほど説明させていただきます。
2点目に、景気ウォッチャー調査を本日午後2時に発表しております。現状DIは前回から8.9ポイント下落。先行きも前月から12.6ポイント下落ということであります。ちなみに、先行きDIは過去3番目の下げ幅でありまして、過去1番目が震災のときの2011年3月、21.2ポイント落ちております。過去2番目が2020年の2月、今年の2月、コロナが始まりかけた頃でありますが、17.2ポイント落ちております。
家計、企業、雇用、それぞれ同じような動きをしておりますが、一つ、雇用を申し上げると、先行きが2番目の落ち幅で、震災の時の2011年3月に23ポイント落ちて以来の、12.6ポイントの下落となっております。求人は持ち直しの動きも出てきておりますが、足下のこの感染拡大、あるいは海外の状況も含めて、再び求人の減少などへの懸念が報告されております。
いずれにしましても、雇用、生活、そして事業を守っていくという大きな柱も入れておりますので、今回決定した経済対策を円滑かつ着実に、実施を図っていきたいと考えております。そのための第三次補正予算の編成をしっかりとやっていくということであります。
3点目に「総合的なTPP等関連政策大綱」について申し上げます。総理を本部長として全閣僚がメンバーの、TPP等総合対策本部を持ち回りにより開催し、「総合的なTPP等関連政策大綱」の改訂を本日付で決定いたしました。TPP11、日EU・EPA、日米貿易協定に加えてRCEP協定の成果を最大限活用するとともに、あわせて新型コロナウイルス感染症の下で生じた社会経済活動の変化や、明らかとなった課題へ対応するため、政策大綱を改訂するものであります。
今回の改訂では、貿易投資拡大への取組を後押ししていくこと。農林水産物食品の2030年5兆円目標の実現に向け、さらに生産基盤を強化するとともに輸出力を強化すること。3点目に越境ビジネス等に関するデジタル化、それからサプライチェーンの円滑化・強靱化を推進すること。こういったことに資する対策を追加したところであります。
政策大綱の内容は配布しておりますので、今後、この政策大綱に基づいて、対策に必要な予算をしっかりと確保してまいりたいと考えております。政策大綱の改訂の内容は、この経済対策の中にもそのエッセンスを盛り込んでいるところでございます。
それから最後の4点目でありますが、もう既に発表されていると思います。本日17時に北海道知事から陸上自衛隊北部方面総監に対して、災害派遣の要請がありました。具体的な要請の内容は、12月8日以降2週間以内に、旭川市内の医療機関等に対して、2個の医療チーム10名程度の派遣であります。集団感染が発生した病院施設における病床での看護業務ということであります。
これを受け、岸防衛大臣からは、早ければ今日中にも派遣をするとの発表があったところであります。詳細は防衛省に問い合わせていただければと思います。引き続き、強い危機感を持って都道府県と緊密に連携して、この病床の確保、医療提供体制に万全を期していきたいと考えております。
私からは以上です。





2.質疑応答

(問)経済対策についてお伺いいたします。
7-9月のGDPギャップを念頭に置きながら、規模については検討するという御説明があったと記憶していますが、改めて今回この規模にされた考え方、背景について御説明いただければと思います。
あわせて、経済がコロナ前の水準に戻る時期について、政府としていつ頃を目指されるのか、目標、考え方等があれば教えてください。


(答)御指摘のように7-9月期のGDPギャップは、1次速報の段階ではマイナス6.2%、34兆円程度ということで、今回は改定をいたしましたので、精査をする必要がありますので、また精査した上で発表したいと思いますが、いずれにしましてもそのぐらいのGDPギャップがあるということを頭に置きながら、取りまとめをしました。したがって、財政支出で40兆円規模。そして、70兆を超える事業規模ということであります。
加えて、公共支出だけではなくて、民間投資を引き出すというのが二つ目の考え方でありました。正に基金を使うこと、あるいは補助制度を充実させること。これは中小企業への事業再構築の補助金もそうですし、サプライチェーンの補助金もそうですし、様々なイノベーションを促す大学のファンドも、呼び水になってくれればと期待をしているところであります。
こうした施策、さらには規制改革、税制などもありますので、あらゆる手段を総動員して、そして民需主導の成長の実現につなげていきたいと考えています。私どもの財政支出に加えて、民間の投資がそれによって導き出されていく、という姿を是非実現していきたいと思います。
あわせて、どういう形で感染が抑制できるのか、正に前から申し上げていますけれども、なかなかゼロにはできないウイルスでありますので、また感染拡大することがあるわけでありますし、今の足下、何とかこの感染拡大を抑えなければいけない状況でありますので、機動的に対応するという観点から、十分な額の予備費、今年度5兆円、来年度5兆円の予備費を確保したところであります。
いずれにしても財政支出として予備費を含めて40兆円、国・地方で32.3兆円の規模の予算を確保していきますので、何とかこれで「決してデフレには戻さない」という強い決意で臨んでいきたいと考えております。
その上で、IMFやOECDからは「日本経済の戻りが遅い」という御指摘を頂いているところでありますが、今回正に成長力強化、新たなポストコロナの時代に向けてのデジタル、グリーン、人材、イノベーション、こういった分野への成長力を強化するための、その第一歩となる経済対策だと認識しております。
その意味でしっかりと回復基調に戻していくこと、成長軌道に乗せていくことによって、私どもが試算をしております、2022年の最初の1-3月期、21年度の最後の第4四半期となりますが、何とかここでコロナ前の水準に戻していけるように、OECDやIMFの試算よりも前倒しをして、コロナ前の姿に戻していけるように、全力を挙げていきたいと考えております。



(問)先ほど東京医師会の尾崎会長が記者会見をして、改めて「『Go To』をはじめ、人の移動を止めていただきたい」と強調されした。今まで政府は、医師会の会長と専門家の声をあまり聞いていないような気がしますが、改めて今回の呼びかけをどう受け止めているのでしょうか。


(答)尾崎会長の発言は承知しておりませんので、予断を持って発言することを控えたいと思いますが、私どもは分科会の専門家の皆さんと定期的に会合を行い、そして感染状況の分析も行っていただき、様々な対策について御意見を頂き、提言を頂きながら、それをしっかりと受け止めて対応してきております。
私自身は土日を除いてでありますけれども、もちろん土日も緊急の時や、感染が増えているときは、専門家の皆さんに御無理を言うこともあります。基本的に毎日1時間程度、尾身先生をはじめ何人かの専門家の皆さんと意見交換を重ねてきております。様々な御意見を頂きながら、それを受け止めて対応してきております。
その上でそれぞれの都道府県知事が、病床の状況なり感染状況を最も詳しく把握しておられますので、知事と意思疎通を緊密に図りながら、そうした感染状況、あるいは病床の状況を共有しながら対応してきております。
既にステージ3相当の対策が必要になってくるという判断もあり、「Go To トラベル」について、一時停止の対応をしているところもありますし、呼びかけをしているところもあります。また、飲食店の皆さんには大変厳しい状況になりますけれども、営業時間短縮の要請を行っております。
また、それぞれの地域でPCR検査の件数も大幅に増やしてきております。私どもはこれまで夏の感染拡大と、その後の減少のデータの分析を行ってきておりますが、やはり検査を重点的に行うこと、増やしていくこと、それと営業時間の短縮が効果を持ったと分析しております。
まだまだ予断を許しませんけれども、爆発的な感染拡大には、2~3日で感染者の数が倍増するような状況には至っていないものと認識しておりますし、専門家からもそうした判断をいただいているものと思います。
ただ、高い水準の感染者の数が連日続きますと当然、入院される方も増えますし、遅れて重症者の方が増えてこられますので、私どもは病床の確保、医療提供体制、これには万全を期していかなければいけないと、日々、都道府県と連携をして対応してきているところであります。
ステージ3相当の対策が必要となってきている地域の知事とは、引き続き連携をしながら対応していきたいと思いますし、専門家の御意見をしっかりと聞いて、それを受け止めながら政府として適切に判断をしていきたいと考えております。



(問)経済対策のことで、2つあります。
一つは、規模の評価のことですが、先ほどマクロの話をされましたが、大臣はこれまで、マクロとミクロの両面から経済対策を考えていく必要がある、というお話をされていました。今の冒頭のお話ですと、まずは規模の面で、マクロから40兆円の規模が必要だということが、前提としてあったのかどうかを教えてください。
もう1点。一次、二次、それから今回の三次と合わせると、今年度はかなりの金額の補正予算を組むことになりますが、今後の財政再建について、25年度にPB黒字化目標の達成や、あるいは今後の財政再建について何か変更等がないのかどうか、改めて考えをお聞かせください。


(答)1点目の御質問につきましては先ほど申し上げましたが、7月-9月期のGDPギャップが、1次速報の時点で34兆円のギャップがあるということを常に頭に置きながら、規模感も含めて対策の取りまとめに当たってきました。特に「絶対にデフレには戻さない」、この強い決意で臨んでまいりましたので、何としてもこの34兆円のGDPギャップをしっかりと埋めるだけの規模が必要だ、という思いを持ってまいりました。
もちろん民間の投資も引き出しながらということでありますので、成長力を強化していく。民間投資を促して、それによって成長力も強化していく。その視点も入れながらでありますが、そういう意味でミクロでのそうしたデジタル化や、グリーンへの投資や事業再構築への投資、人材への投資、こういったものの積み上げとあわせて全体の規模感を考えながら、対策の取りまとめに当たってきたということであります。
そして2点目については、正に「経済再生なくして財政健全化なし」の基本的な理念。最近では「経済あっての財政」という言い方を総理もされていらっしゃいますけれども、正に経済をしっかりとコロナ前に戻していく。できるだけ早くコロナ前に戻していきながら、しっかりと民需主導で成長軌道に乗せていくということが、何より大事だと思っております。
そのことによって自ずと税収も上がってくるわけですし、財政健全化の道筋も見えてくると思います。まずは経済をしっかりと立て直していくこと、これが重要であります。その上で私どもは、財政健全化目標を変更することは考えておりませんので、まずは来年度中、2022年の早い段階でコロナ前の姿に戻していきながら、そして経済をしっかりと立て直していく。
特に民需主導での成長、グリーン、デジタル、新しい分野での成長力の強化、これを図りながら成長軌道に乗せていくということが何より大事でありますので、そういったことを頭に置いて、経済財政運営に万全を期していきたいと考えております。



(問)経済対策について教えてください。
3.6%程度のGDPの経済効果ですけれども、これは実額でいうといくらになるでしょうか。
それともう一つ。一次補正、二次補正の方が財政支出は大きかったと記憶していますが、効果が今回、上回るのはどういった理由か教えてください。


(答)細かい試算の内容は事務方から説明させますが、今回の国費20.6兆円の分を、そのうち融資とか出資など、直ちに使われるかどうか、やがては使われますので、本来ならばこの試算したものにプラスアルファになるんですが、基本的に、直接的にこう試算されたもの、直接的な需要、これについて計算を行っております。
そしてあわせて、民間への補助金ということであれば、補助であれば2分の1は民間から出ますので、そういった意味で民需の直接的な喚起策による効果を試算したものであります。
繰り返しになりますけれども、実際にはこれに加えて、民間の金融機関を通じた無利子・無担保の融資とか、あるいは税制上の措置もありますので、こういった施策の効果も経済の下支え、押上げに効果を持つと考えておりますが、直接的な支出20.6兆円のうち、16.5兆円部分を政府の直接的な支出として計算し、これを民間の負担分、あるいは地方の負担分などを足し合わせて20.1兆円分。
たまたま20.1兆円という国費と近い数字になっているんですけれども、20.1兆分を計算した結果がこの数字となっております。直接的な支出ということで、是非、御理解をいただければと思います。



(問)基金ですが、2兆円の基金は取り崩し型を想定されているとは思うんですが、過去にも基金が乱立して、国会の審査の目も通りにくいといった課題も指摘されてきた中で、今回、基金を打ち出してきている理由について教えてください。


(答)例えばカーボンニュートラルの基金でいえば、2050年カーボンニュートラルの目標に向かって、企業に一定のコミットメントを求めながら、そして研究開発を促していく。そして成果を上げていくという、やはり中長期的な取組が必要な対応が求められる施策であります。こういった観点から財政当局とも議論をし、このような形の基金を設けさせていただきました。
ただ、御指摘のように進捗状況、あるいはこれにはいろいろな議論があって、あまりチェックばかりし過ぎると、なかなか成果が上がらない。これはハーバードのマイケル・ポーター氏の研究もあります。成長戦略会議でも、その資料をお示ししたことがあると思います。そのため、なかなかそれぞれの企業がどうなっている、ああなっているといって聞き続けると、なかなか成果が上がらないという、そういう研究成果もありますので、一定程度、企業に任せながら、中長期的な取組を促していくという面も大事です。
ただ、当然、税金ではありますので、どういった形で使われているのか、どういう成果が上がってきているのか、こういった面については進捗状況を含めて、今日も民間議員からそういった御意見を頂きましたので、民間の意欲を損なわない範囲で、私ども税金を使うという立場からしっかりとチェックをし、経済財政諮問会議にも報告をしていきたいと考えています。






3.林内閣府政策統括官(経済財政運営担当)による追加説明

令和2年19回目の経済財政諮問会議について概要を報告します。
今回は、先ほど西村大臣から御紹介がありましたように、一つの議題でした。「令和3年度予算編成の基本方針」において、私の方から説明を行った後、西村大臣から「国民の命と暮らしを守る安心と希望のための総合経済対策」について御発言があり、その後、各議員から御意見が出されました。
1人目の民間議員の御発言です。民需主導の経済に向けた大胆な規模の経済対策を取りまとめていただき感謝する。景気の落ち込みを阻止するため、早期の予算執行と進捗管理を内閣府、財務省、総務省で進めて経済財政諮問会議に報告してほしい。民需拡大に向け、大企業から人材の多様化、コーポレートガバナンスの強化を早期に、早急に図ってほしい。財政拡大に伴い、ワイズスペンディングが必要だ。効果を高めるようにEBPMを活用してほしい。足腰の強い経済を作り、賃上げにつなげるためには、成長分野への人材の移動を継続的に実現すべきだ。また、東京一極集中を是正すべきだ。そのため、スマートシティの構築、テレワークの活用を推進してほしいという御指摘がございました。
次の民間議員の御発言です。「令和3年度予算編成の基本方針」については、経済財政諮問会議で議論された内容がしっかりと盛り込まれており、了承したい。経済対策についても、経済財政諮問会議で議論された内容、つまりGDPギャップをしっかりと縮めていくということが、非常にしっかりと出されているということで評価したい。成果をきっちりと上げることが重要。執行は、自分としても確認していきたい。対策としての効果について、EBPMとして確認することが望ましい。その先の経済にプラスになることも期待したい。
また、37ページにある、成長分野への人の流れの雇用対策がパッケージとして出されているところが重要。ここにあるリカレント教育だとか、求職者向けの支援について、これから強化していくことが重要。地方への人の流れの促進が重要だというお話がございました。
続いて、そのコーポレートガバナンス・コードの改訂に関して、ここにあるように女性、外国人、中途採用者の登用を促すことが重要。税制のインセンティブに関して、事業の再構築・再編に向けた投資に取り組む企業に対する優遇措置をきちんと進めてほしい。
金融市場の魅力の向上に関して、31ページの注にあるが、セキュリティトークン・オファリングといったものの発行などの環境整備や、非上場株式などの発行、流通市場の活性化などの取組が重要なので、進めてほしいといった話。
農林水産物の輸出と観光はセットで進めていくことが重要。コロナ後のインバウンド需要が国内に入ってくるときに、日本で良い経験をしていただくことが、次の日本からの輸出を増やしていく上で重要。標準化の取組も重要。グローバルな競争力をつくる、日本政府がつくる標準が国際標準になっていくことが重要といった御指摘がございました。
別の民間議員の御発言です。34兆円ものGDPギャップとの関係でも、大規模な経済対策としていただいたことは結構なことだと思う。対面を伴うビジネスは困っており、こうした事業を守る予算になっている。金融システム面での備えにもなっている。
政府のデジタル化の遅れは、給付金の支給の遅れであり、医療面での感染者の受入制限、所得データのマイナンバーでの活用についても取組を進めてほしい。
今回の経済対策は、社会の転換に重要な意味を持つ。デジタル化やグリーン化、大学についての基金を設けた中長期的に取組を後押しするものとなっている。こうしたデジタル化、グリーン化の施策を機に、世の中が実際に変わることを望んでいる。早期に予算が執行され、成果が出ることを見守っていきたいといった御指摘がございました。
各議員から御発言の後、予算編成の基本方針について、経済財政諮問会議の答申として決定いたしました。最後に総理からの御発言がございましたが、お聞きのとおりでございます。
私からは以上です。






(以上)