第14回記者会見要旨:令和2年 会議結果

西村内閣府特命担当大臣記者会見要旨

  • 日時:令和2年10月6日(火)18:06~19:07
  • 場所:中央合同庁舎第8号館1階S101・103会見室

1.発言要旨

お待たせいたしました。
本日は、菅内閣最初の経済財政諮問会議です。冒頭、総理から次のような発言がございました。民間議員の皆様には引き続き、経済政策全般にわたり大所高所からの骨太の御議論をお願いしたい。菅内閣においては、経済財政諮問会議を司令塔としてマクロ経済財政政策、複数省庁にまたがる改革を力強く実行し、日本経済を成長軌道に乗せていく。本日は第1回目であるが、民間議員の皆様には自由闊達に今後内閣として取り組むべき政策について御提案をいただきたい。このようなお話がございました。
その後、新内閣の重点課題について議論を行いました。主な意見を御紹介します。これまでの経済財政政策を維持するとともに、経済情勢に応じ大胆な経済財政政策を躊躇なく講じていくべき。デジタル化、規制改革に大胆に取り組み、経済を一層活性化すべき。社会保障改革等を通じて財政健全化の道筋もしっかりと描いていくべき。中小企業や地方への人の流れを作ることで地域経済を活性化させ、ひいては日本経済の再生を実現すべき。新政権が掲げる規制改革を後押しするワイズスペンディングを実行し、民需を喚起すべき。との御意見がございました。
また、本日は各民間議員から個人名の資料とともに次のような意見がございました。まず柳川議員からは、オンラインを活用した大学教育改革、大企業の経営陣によそ者や若者を参加させるための働き方改革やコーポレートガバナンス改革を進めるべき。新浪議員からは、最低賃金の全国平均1,000円に向けた引上げを起爆剤としたDXの推進、人材移動の促進による中小企業の育成活性化、サステナビリティを旗印に東アジア・東南アジアで成長モデルを構築すべき。竹森議員からは、コロナ対策におけるデータの重要性、日本の製造業、特にエレクトロニクス産業に対する変革の期待、経済連携協定を最大限に活用すべき。最後に中西議員からは、サステナブルな資本主義を目指した成長戦略として、DXによる経済社会変革、働き方・生き方改革、地方創生、国際経済秩序の再構成、グリーン成長の実現に取り組むべき。こういった御議論がございました。
私からは、今日お配りしている資料、感染防止と社会経済活動の両立について説明いたしました。ポイントのみ申し上げます。
もう以前にもお話ししたとおり、こちらに10万人当たりの東京の新規感染者数、そしてこちらに二週間前の小売店、商店やショッピングセンター、あるいは娯楽施設、映画館や博物館など、こういったところへの人の移動、人出がどのぐらいあったかということをこちらにとっています。下にいけばいくほど人出が減ったということであります。
新規感染者数でみた4月1日の時点で通常よりも10%低い人出だったものが、7日に出した緊急事態宣言の途中で、ここからがくっと下に落ちていきます。感染者は、少し増えましたけれども、ここから更に人の出が40%から60%、70%近くまで落ちる中で、10万人当たりの新規感染者の数もぐっと減って、緊急事態宣言の最後の頃には6割減の中で、ほとんど0に近い状態になりました。そこで緊急事態宣言を解除し、6月・7月は人の出が上がっていくわけですね。その時点では感染者は増えなかったわけであります。
そして7月1日から8月1日にかけては真横に動いています。これは人の出が、こういう娯楽施設、小売り施設に対して30%の減のまま横に移動して、人の出は変わらないにもかかわらず感染者はぐっと増ええてきたわけですね。
そして今度、9月1日はここです。同じように赤い線で、7月は青い線でここまできて、8月1日から9月1日までは赤い線で横に動いて、人の流れは30%の減のままではありますけれども、感染者は減ってきたということで、この小売り・娯楽施設に人がどれだけ行くかということとあんまり関係なく、7月・8月は感染者が増えたり減ったりしたということでありまして、要は別の所で感染が広がったということでもあり、ある意味、しっかり感染防止策をとれば、経済活動と両立できるということでもあります。こういった説明を申し上げました。
そして一方で、日本の10万人当たりの死亡者数の推移ですが、10万人当たりの死亡者数ですが、3月から9月にかけて、1.2ということでイギリス、イタリア、アメリカの60前後に比べると数十分の1、フランスやカナダに比べると数十分の1ということで推移しているということを申し上げました。
そして、コロナ対策と経済の両立ということで、全体像を私からお示しいたしました。まさに大胆な金融政策と機動的な財政政策で経済全体を下支えしていく、この部分が成長戦略に当たるわけですが、その中心にデジタル化、規制改革が据えられています。菅内閣の一丁目一番地で進めていくということです。そして、これらによって働き方改革や生産性向上、賃上げにもつながり、生産性が上がってくるわけです。女性の活躍を含めて、また新たな市場も創出されていくという中でGDP全体の6割近くを占める消費を拡大させていくと。
そして、Go Toキャンペーンや携帯料金の値下げなどによって負担軽減にもつながると言われますし、そしてこの規制改革とデジタル化が新たな民間活力を創出して、国際金融都市なども含めて投資を促していくと。デジタル投資であり、グリーン投資であり、イノベーションをつくり出していく。その中には大学改革やベンチャー企業支援、コーポレートガバナンス改革もあります。投資はGDP全体の16%を占めます。
自由貿易、TPP、日英FTA、EPA、そしてデータの自由な流通、デジタル貿易、デジタル化の中でそうしたことも進めることによって輸出も増やしていく。私の立場でTPP11を広げていくということですが、それは輸出拡大、農産物の輸出も含めてつながっていき、サプライチェーンの強靱化にもつながる、国内の直接投資にもつながっていくということで、投資促進にもつながるし、関税が下がることによって消費者にも恩恵がある。また、人の流れを回復させていき、インバウンド需要も将来また復活させていくということで、消費拡大につながっていくということです。他方、コロナとの両立で「新たな日常」を作ることによって消費も増やしていき、そして、密を避ける、東京一極集中を是正していくという意味での地方創生は今日も大きな議論になりました。人材、雇用、投資を地方へと、少子化対策にも寄与していきます。地方移住を促進していき、新たな働き方、テレワーク、ワーケーション等も含めて地方創生を広げていきます。
そして、投資の環境、地方への投資を広げていく中で、企業や地銀の再編、新たなビジネスモデルを作っていきます。デジタル化では、地方でもテレワーク、あるいは企業誘致ができるように5G、光ファイバー、ギガスクール、スマートシティー等を整備していくということです。
そして、これだけの災害が発生している中で、防災、減災、国土強靱化、公共投資、GDPの5%強を占めますが、これは地方にとって安心、安全につながりますし、これによって民間への投資も地方への投資も喚起されます。
こういった全体像を見ながら、デジタル化、規制改革を中核としながら経済を成長させていくという中で、経済再生がなされれば財政健全化にもつながっていく。経済再生なくして財政健全化なし。こういった全体像を今日は説明しました。
こうした中で、先ほど申し上げたような、各議員から今日はそれぞれ問題提起がなされましたので、これらを整理して、次回以降、しっかりと議論していくということになります。
総理からの締めくくり発言については、先ほどお聞きいただいたとおりですので省略したいと思います。
私からは、諮問会議については以上です。
それから、あと2点申し上げます。
1つは、本日、神道政治連盟、埼玉県神社庁の方々がお越しになりまして、新しい生活様式に合わせた参拝方式など、神社庁として取り組む感染防止策などについて御説明いただきました。
3密を避ける、あるいは、柄杓ではなく手水にとって流水で手を洗うなど、あるいはマスクを着用して大声を出さないといった努力を伺いました。
今後、初詣があり、多くの国民の皆さんも日本の伝統行事である初詣に是非行きたいと思っている方が多いと思います。一方で、密になることを心配されている方もおられますので、今後、安心して参拝ができるように検討を進めていきたいと考えているところです。
感染状況については、東京のエピカーブ、今日も尾身先生、押谷先生とも議論させていただきました。診断日に対して発症日で見ますと、7月末のピークからぐっと下がってきて、ところどころ山がありますけれども、この数日間のものは積み上がっていきますので、どういう形で後ろに遡って発症日別にすると積み上がっていくか、まだ予断を許しませんけれども、横ばいか、若干下がってきている傾向があるところでありますが、今の時点では、この9月の4連休中の人の移動の増加がまだ感染の大幅増にはつながっていないようですが、この後もその影響が見えてくると思いますので、しばらくこれは要注意、要警戒の目を持って注視していきたいと考えていますし、引き続き分析をお願いしたいと思っています。
感染者の状況、陽性者の数については、東京は3%台で陽性率は落ちついてきています。日曜日は検査件数も少なかったわけですが。それから、大阪も3%台、愛知も4%前後ですが、検査が4,000件以上行われています。福岡はかなり落ちついて、今、0.4%まできています。沖縄も一時6%まで増えましたが、5%台ということですので、ここもよく見ていかなければいけないと思っています。
東京が3.3%ということです。週単位で見ないといけないですけれども、そういう状況です。
高齢者の方の感染も200人前後で推移していますので、病床の態勢は今のところ大丈夫だと思いますが、要注意で見ていきたいと思っています。
60代以上の方の感染の数ですが、東京で11名、大阪で7名ということです。重症者のベッドも確保されている沖縄も50%を切ってきていますので、このあたりをよく見ていきたいと思っています。
ステージⅢ、Ⅳの数字ですが、東京もⅢの数字を下回るかどうかぎりぎりのところまできています。沖縄がもう少しの状況であります。PCRの陽性率は、もうかなり落ちてきています。それから、新規報告者の数も15人というところからはかなり下回っていますが、沖縄の11人、東京の8人というところがもう少し下回ってほしいというところです。あとは、神奈川と大阪の4点台がありますが、比較的落ちついてきていると思います。ただ、北海道がなかなか減らない。陽性率は3.9%ですが、病床も大丈夫ですけれども、前週と比べて1.4倍ということで、少し北海道は要注意だと思っています。人数が少ない所は、兵庫も大分減ってきたところで少し増えているところがありますけれども、沖縄と北海道もしっかり見ていかなければいけないと思っています。





2.質疑応答

(問)まず、菅政権での経済財政諮問会議の位置付けについて伺いたいと思います。安倍前政権の場合、総理が議長を務める会議として経済財政諮問会議と未来投資会議が経済政策の大きな方針を議論してきましたが、議論するテーマが重複しているのではないかという指摘もあったかと思います。菅政権での経済財政諮問会議、未来投資会議のそれぞれの役割分担について、どのように整理されているのか伺えますか。


(答)まず、経済財政諮問会議については、経済財政政策に関する内閣の基本方針を議論する場です。一言で言えば、経済財政政策の総司令ということだと思います。正に総司令塔として菅総理が最重要課題として位置付けられている、感染防止対策と経済活動との両立というマクロ経済運営の課題について議論していく。そして、特に複数省庁にまたがるような改革の基本的な方向性、あるいは重点課題について議論を進めていくことになります。
本日は1回目の会議ということもあって、民間議員一人一人から独自にペーパーも出していただき、それぞれの問題意識、課題について提起していただきました。
今後は民間議員から様々な形で問題提起、議論をしていただいて、いわば担当大臣とガチンコで議論してもらう場になっていくと考えています。
今日も早速、一議員から私に対しても質問が出まして、感染防止策が飲食店など店によって甘いところがあるのではないかという点や、それから、空き家対策をもっと真剣に取り組まないといけないのではないかといった点について問題提起や直接質問も受け、私からも取り組んでいる事柄についてお答えしたところですので、今後こうした様々な課題について民間議員から問題提起がなされ、それに対して関係省庁、担当の大臣がしっかりと対応していくということだと思いますし、いわば総司令塔として様々な議論を今後引っ張っていってもらうということになると思います。
そうした中で、各会議体、それ以外の様々な会議体がありますが、正に経済財政諮問会議で示していく基本的な方針、大きな方針と整合的な形でそれぞれの個別の議論を行っていく場になると考えています。
具体的な制度改正などはそれぞれの会議体で議論していくことになると思いますが、大きな方向性を示す総司令塔としての役割を期待したいと思いますし、真剣に議論していきたいと考えています。



(問)大臣の出された資料について、雇用調整助成金などの公的政府支出によって完全失業率が低いとあります。安倍政権の時は、やはり雇用というのを一番にやっておられたわけですが、経済学的にはデジタル化、規制改革というのは、ある意味で雇用を減らすというか、競争激化で要するに失業を生むような政策でもありますが、安倍政権から菅政権に代わって、いわゆるこれから起こるであろう失業問題や雇用問題についての取組は何丁目何番地になったのでしょうか。私は少し後退したのかなと思いますが、その辺りを伺いたいです。


(答)雇用について、先ほどの図でありましたように、消費を支えていくうえでは、雇用・所得の環境が何より影響を与えます。所得が増えていくこと、雇用が安定することが何より大事だと思っています。これは政治にとって最も大事な一つではないかと思っています。なので、引き続きこの雇用対策については菅内閣においても最重要課題の一つとして認識しながら取組を進めていきたいと思っています。
御案内のとおり、これまでは4月、5月の緊急事態宣言の頃から中小企業の皆さんをはじめ、経済を意図的に止めてきて大変厳しい状況にあったわけですが、雇用調整助成金の支えもあって、企業の皆さんが休業させることなどを通じて何とか踏ん張ってきてくれている状況だと思います。
もちろんこの間、職を失われた方もおられるので、今日も議論がありましたが、そうした方々への職業訓練やマッチングなども大事だと考えているので強化していきたいと思いますが、併せて、休業されている方々が職に戻ってきているので、今後、そうした中で引き続き、少なくとも12月までは雇用調整助成金は今のままで維持していくので、こうしたものも活用していただきながら、しっかりと雇用を守っていくということです。
そして、御案内のとおり、雇用については遅れて悪化する、いわゆる遅行指数としての側面があります。お配りした資料の中で、リーマンショックの時もショックが起きてからしばらく経ってから失業率が上がっていくということがありました。今の状況も、足下で少し失業率が上がりつつある状況ですので、今後、この雇用の状況を注意深く見ていかなければいけないと考えています。
そのような意味で、人手が足りない、人材を必要としている業種もいくつかございます。これはIT関係であったり、あるいは物流関係であったり、それから恒常的に医療、介護の分野であったり、こうした分野での人材、必要としている分野とのマッチングを進めていくことも大事だと思っていますので、引き続き雇用は最重要課題の一つとしてしっかりと対応していきたいと考えています。
その中で、規制改革は様々な側面があります。当然、何か規制によって守られていた業種があれば、その業種の方々は規制改革によって職を失う部分もあります。しかし他方、規制改革によって新たな産業も生み出されていきますので、そうした分野への人の移動も円滑に進めていく必要があると思っています。
そのような意味で、いわば失業なき労働移動、失業を生み出すことなく社会の変化、経済の変化に伴って構造が変わることによって自然とそれぞれの業種についている方の移動が行われていく。これはそう簡単なことではありませんが、職業訓練などを通じて、あるいは新しい時代の正にデジタル化をリカレントの中で学んでいくことによってスムーズにそうした移動が進むように考えていかなければいけないと考えています。



(問)最初の方の質問に少し重なるんですけれども、今回民間議員のペーパーの中でも成長戦略という言葉があり、もともと成長戦略は未来投資会議で議論されてきたと思うんですが、未来投資会議の今後の在り方や開催の見通しなどあれば教えてください。


(答)先ほど申し上げたとおり、経済財政諮問会議がいわば経済財政政策の総司令としての役割を果たしていくことになります。そのもとで、それぞれの会議体にどのような形で役割を果たしてもらっていくのか、このことについては今、総理とも相談しているところです。
いずれにしても大きな方向性はこの経済財政諮問会議で出していきますけれども、具体的な制度設計や制度改革、こういったところは、やはりそれぞれの会議体が持たなければいけない部分があると思いますので、整理しながら進めていきたいと考えているところです。



(問)少し話は変わって、神道政治連盟との会合の件についてですが、大臣は会合の冒頭の挨拶で、専門家による検討会を近々立ち上げるという御発言をされたと記憶していますが、この辺をもう少し具体的に御説明いただければと思います。


(答)冒頭の挨拶、今日の面談の時にも申し上げましたが、神社庁として様々な取組がなされています。感染防止対策として、マスクと着用するとか、手水で洗うとか、あるいは大声を避ける、あるいは距離をとる、こういった取組がなされています。そして、ポスターやチラシも作られたり、啓発動画も公開されたり、そうした中で、これまで神社の参拝などで感染が広がったという報告は受けておりません。しっかりと感染防止策が取り組まれているものだと理解しています。
他方、今後、初詣を控えて、それぞれの神社に何千人、何万人という人が、多いところだと100万人単位が参拝に訪れ、かなり密になる状況も想定されます。屋外ですから、室内と違って感染リスクは少ないとは思いますが、しかしそうした中で安心して参拝いただくためにはどのような対応が必要かということをしっかり検討していきたいと考えています。
この屋外の活動については、実はこれまで屋内のイベントについて2分の1の制限をとるなど、様々なエビデンスに基づいて緩和を行ってきました。屋外については、まだ十分なエビデンス、あるいはスーパーコンピューター「富岳」を使ったシミュレーションもまだ行われていませんので、早急にこうした取組を進めて、屋外のイベントについてどう考えていくかということの検討会を立ち上げたい、近々立ち上げるということを考えています。
同時に、映画館について、飲食、特に飲むだけであれば100%観客を入れてもらって良いということですが、ポップコーンとか食べ物を出す場合は、少し長い時間マスクを外して飲食すると、かなり飛沫も拡散するのではないかという危惧があるものですから、食べ物を提供する場合は2分の1にしてくださいとお願いしています。これについても、もう少し緩和できないのかという業界からの、映画界からの要望も頂いているところでして、こういったこともあわせて、この検討会の中で、どういった対応が可能か、今申し上げたように、スーパーコンピューター「富岳」を使ったシミュレーションなどを行いながら検討を進めたいと思っています。
その中で、初詣に関しても、どういった取組や対応が求められるかを、近々立ち上げるこの検討会で議論を進めたいと、専門家の皆さんに入っていただいて議論を進めていきたいと考えています。
とにかく日本国民にとって大事な伝統行事ですので、多くの国民の皆さんが安心して参拝できるような、そんな検討を進めていければと考えています。



(問)今の初詣の件ですけれども、こういった初詣や神道政治連盟との関連で、政教分離の原則に反するのではないかといった指摘もつきまとうかと思うんですけれども、大臣はこの辺りをどうお考えでしょうか。


(答)初詣、あるいはお寺にお参りすることを含めて、特定の宗教、特定の何かに私はコミットするということではなくて、正に屋外での活動で神社や仏閣、こういったところにお参りする様々な活動をする中でのいわゆるイベントの一つとして、そうしたものについて感染防止策と、そうした活動との両立を図っていくために何が必要なのか、どうした対応をとらなければいけないのか、これについて対応することは私の責任だと思いますし、政教分離に反することはないと考えています。
ありがとうございました。





3.林内閣府政策統括官(経済財政運営担当)による追加説明

経済財政運営担当の政策統括官の林と申します。よろしくお願いします。
先ほど大臣から報告がありましたが、本日の経済財政諮問会議は冒頭総理からの発言の後、西村大臣から資料1、民間議員から資料2の説明があり、各議員より発言がありました。その概要を説明します。
まず、資料2-1ですが、民間議員からメリハリの効いた感染症対策が重要。また、不安定な経済情勢であり、躊躇なく必要な対策も講じていくべきだという御発言がありました。併せて財政の改革、将来の道筋も付けるべきであり、社会保障改革もやっていくということが必要。感染対策と経済の両立にはデジタル化が重要。デジタル化で地域の制約がなくなる。デジタル化で地域の活性化を進めるべき。改革は一気に全体的にスピード感を持って取り組むべきだという御発言がありました。他の会議、規制改革会議や経済財政諮問会議の下に置かれている経済財政一体改革推進会議と連携をしていくべき。また、不妊治療は、男性の育休などや地域居住は交通のサブスクリプションと組み合わせて行っていくとより効果が大きくなるのではないか。他には、外国人材の活用も重要であり、高度人材を日本で活躍できるよう、ビザの在り方や手続を分かりやすくしていくべきという説明がありました。
今回は個々の民間議員からも資料が出されていますが、資料2-3、柳川議員からの説明は3点あり、まずオンラインによる大学教育について、オンラインであれば定員の制約がないので、入試をやめて、卒業を難しくすれば良いのではないか、リカレント教育にもオンラインが有効ではないかという提言がありました。
また、働き方改革とコーポレートガバナンス改革について、中途採用・女性・外国人を経営人材に積極的に入れていくべきであり、その結果として、地方や中小企業へ大きな人の流れが生まれるのではないか。更に、地方納税の在り方について、週末に居住する自治体へ部分的に地方税を納税できる仕組み等、選択肢を増やしていくべきではないか、という提言がありました。
続きまして資料2-4です。名前が新浪議員と出ておりますが、ペントアップディマンドの活性化が大事。それによる消費増が期待できるということでした。ただし、新幹線のサーモグラフィー設置などの安心・安全の取組について、西村大臣からも地域への指導をお願いしたいという話がございました。また、URが中心となって安価な住宅を提供する、空き家みたいなところの家賃負担を軽くすることが出生率の引上げにもつながるのではないかという御指摘がございました。また、人材が大企業に偏在していて活用が遅れている。特に、銀行や商社などは宝の持ち腐れなので、そういったその社会的責任を全うしていないのではないかという御指摘がございました。更に銀行や商社といった宝の持ち腐れなので、そういった社会的責任を全うしていないのではないかという御指摘もございました。
更に、コーポレートガバナンスの関係の項目について、経営人材の流動化というのが、非常に企業の力を上げていく上で重要であるという御指摘がございました。
あと、もう一つ、中小企業診断士などに関する資料が入っていますが、かなり試験が難しいので、部分的に認めていくような形で対応できるようにしていくべきではないかという御意見がございました。
あとは、資料に書いてある内容を中心に御説明されたのではないかと理解しております。
続きまして、資料2―5の竹森議員からの御説明です。菅総理の政策実現に大きく期待している。デジタル化は重要だが、その前にデータが重要なので、そこをきちんとデータを整備することが重要なのではないかというお話がありました。
また、経済回復というのは産業の力に依るため、資料2-2の民間議員の参考資料の図表10にもありますが、エレクトロニクスは従来、輸出が輸入を上回る輸出超過になっているのですが、最近は輸入超過の状態になっていて、競争力が落ちているようなこともあり、B to CからB to Bに特化するのは危険だ。B to Bは米中摩擦の影響を受けるので、B to Cをしっかりと強化していく必要があるのではないかという話をされていました。
それから、TPP・EUとの連携協定などを活用し、国内市場と同じような形で国際市場となるものをつくっていくべきではないかという御指摘。また、R&D支援に手を挙げる自治体がいない中で、中国などは何か政府が支援策を出したら、自治体が次々と手を挙げるという関係になっているが、日本は必ずしもそうなっていない。なぜそのようになっていないかということの一つの要因として、複数年で予算を渡すといった仕組みのようなものがないためだというという御指摘がございました。
最後に、中西議員の御説明資料ですが、菅内閣の下で取組を成長につなげることが大事であり、その中でサスティナブルな資本主義というのを実現していくべき。その中にはESG投資といったものも含まれるということでございます。
御自身の御経験だと思いますが、若い人が会社に入ってくるときに、自分の役に立つだけではなく、社会の役に立つということを求めている。シリコンバレーでも御自身の企業で結構良い人材が採用されているということですが、会社の社会貢献に惹かれてくる学生が多くいて、そういうことが良い人材が採用できる要因になっている。社会全体の雰囲気がそういう形になってくると、日本の資本主義自体も変わってくるのではないかというようなお話がありました。
そして、DXは政府だけではなくて企業も後れており、経営にいかに生かしていくかということが重要。働き方改革をその中で進めていくべきだという話をされていて、デンマークで地方との二者択一でない働き方に若い人も関心を持っているので、これが上手くいくように持っていく必要があるのではないかというお話がありました。
最後に、グリーン成長が大事。日本は難しいエネルギー事情を抱えていて、国民と上手く課題を共有することが大事。資料に書かれた提案をしっかりとやっていきたいというお話がありました。
これを受けまして、閣僚からの御発言ですが、まず、経済産業大臣です。コロナ禍で様々な課題が明らかになった。経済産業省としては日本経済の力強い再生の実現に向けて、ウィズコロナ、ポストコロナ時代に対応した産業構造の変化や、ビジネスモデルの変革を実現するため、事業再構築、事業再編が円滑に実現できるよう、来年6月で見直し時期を迎える産業競争力強化法などの改正も視野に法整備を進めていきたい。そして、企業の大小を問わず、多様な人材の活用が外部人材の活用も含めて必要だという話が民間議員の御指摘を踏まえてありました。
そして、中小企業について、賃上げできるような事業環境を整備することが不可欠。デジタル化だとか技術開発、経営資源の集約化など、中小企業の生産性向上に向けた後押しを支援する。その中で中小企業診断士の指摘もありましたが、その活用も重要だと受け取られました。
さらに、生み出した付加価値が着実に中小企業に残るように、取引条件のしわ寄せ防止や、大企業等との取引環境の改善にも取り組んでいきたいということで、TPPやEUの連携といったことにもしっかりと取り組んでいって、EUが割れるようなことがあっても我が国の立場が不利にならないようにしていきたいという御発言がありました。
総務大臣からは、令和3年度の概算要求でデジタル変革を通じた新しい地域と社会の構築をテーマとして挙げて、新型コロナウイルス感染症への対応と地域経済の活性化との両立を図りつつ、ポストコスト時代にふさわしい質の高い経済社会の構築に向けて私が先頭に立って取り組んでいく。デジタル化の遅れが経済成長とか再生化等を妨げている現実を踏まえ、行政のデジタル化の鍵であるマイナンバーカードの普及や利便性の向上、自治体の情報システムの標準化をはじめ、デジタル変革による新たな日常の構築に全力で取り組んでいくという御発言がありました。
加えて、関係大臣としっかりと連携を取りながら、私自身も地方の現場にできるだけ足を運んで地域活性化に取り組んでいきたいという御発言がありました。
麻生副総理からは、新型コロナウイルス感染症への対応として、二度にわたる補正予算で計上した施策が未消化でもあるので、まずは着実に執行していくことが大事。感染拡大防止に必要な施策については、コロナ予備費も十分にあるので、これを用いながら万全の対応を行っている。
こうした中で、新型コロナの下でも、デジタル化など構造変化を的確に捉え、公需に頼らず売上を伸ばしている企業も多い。企業自身が構造変化を見据えて積極果敢にチャレンジし、生産性を向上させていくことが重要。
日本の場合は、新型コロナ以前から少子高齢化という構造的な課題を抱えている。高齢者に偏った給付を改めて、少子化対策を進めることにより、受益と負担のバランスを正すことは待ったなしの課題であり、消費税の増税も使わせていただいている。今後の予算編成過程では、真に効果的にデジタル化を進める施策に的を絞って構造変化に対応していない施策の見直しを徹底し、予算の中身を変革するとともに、社会保障制度改革をはじめ、「改革工程表」等で示された課題について、後退することなく、着実にこれまでの歳出回復の取組を続けていくことが大事。
当会議を含めて、年末にかけて各省庁と議論を進めながら、少子高齢化・生産性向上に対応した質の高い予算を作ってまいりたいという御発言がありました。
西村大臣からは、地域における感染症防止策を自治体・企業と連携しながら取り組んでいく。170の団体がガイドラインを作っており、アクリル板の補助も徹底していきたい。空き家の活用は地方移住や民泊などの観点から重要で、URなどとも連携していきたいという御発言がありました。
TPP11については、連携協定について御指摘があったことを受けて、TPP11について関心を持っている国や地域とも連携していきたいという御発言がありました。
最後に総理から御発言がございましたが、割愛させていただきます。
私からは以上です。





(以上)